2022.09.29 更新 2018.07.26 公開
魅力的な団地リノベーション!具体的メリットと暮らすまでの全知識

「団地リノベーションは手の届く価格でおしゃれな暮らしができそう」
「緑が多いから子育てにも向いていそう。」
「築年数が経ってそうだけど大丈夫かな。」
なかなかイメージがつきにくい団地のリノベーションですが、実は、団地内の広い敷地や周辺店舗などの住環境とオリジナリティ溢れる空間に憧れて、団地リノベーションを検討する方が増えています。
そもそも団地リノベーションとは、古くなった団地の内装を設備も含めて室内全て解体撤去し、現代の暮らしに合わせて改装したものをいいます。
魅力もたっぷりある団地リノベーションですが、当然注意すべきポイントやデメリットも存在します。これを知っておかないと、満足するリノベーションができなかったり、購入後にストレス続きになったりと後悔が残ってしまうため必ず確認しておきましょう。
この記事では、リノベーションの現場で何度となく団地のリノベーションを手がけてきた一級建築士として、団地リノベーションに関する内容を下記のようにまとめました。
団地リノベーションとは?
団地リノベのメリット
知っておくべきデメリットと注意点
5事例のビフォーアフターで変化を確認
広さごとのリノベ費用目安と工事期間
などなど、この記事を読めば団地リノベーションがどのようなものかわかり、自分たちに向いているかどうかわかるでしょう。
ぜひこの記事を自分たちの住まい購入にお役立てください。
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目次
団地リノベーションとは?
団地は勝手に内装や設備を変更してはいけないようなイメージがありますが、そんなことはありません。
実は、壁紙や建具など自由に内装や間取り、設備を変更しておしゃれに住むことができるんです。
団地リノベーションは、古くなった団地の内装を設備も含めて室内全て解体撤去し、現代の暮らしに合わせて改装したものをいいます。
団地を購入して自分たち家族のライフスタイルに合わせた間取りやデザインに変更する場合と、リノベーションし賃貸として貸し出す場合とに分かれます。賃貸の場合、無印良品がUR賃貸住宅とコラボしておしゃれな賃貸空間を提供しているケースもあります。
もともと団地は、住んでいる方の高齢化や、空室などの問題もありましたが、住環境としては、公園やスーパー緑地などが周辺にあることが多く、リノベーションによって雰囲気がよく中身がおしゃれに新品になるならと、子育て世代への人気が高まっています。
団地に暮らしたことがないのでいきなり購入はちょっと不安、、という方には賃貸住宅という選択肢もあります。リノベーションされた団地を賃貸したい場合は、9章をご確認ください。
団地は、一団の土地を表すため、住宅団地であればマンションも定義上は団地と表現できるものも存在します。ただし、一般的な認識では、日本住宅公団(現・都市再生機構)による公団住宅、あるいは都道府県や市町村による公営住宅を指すことが多いようです。
団地は、昭和30年~50年ごろ、経済成長による都市部の住宅不足の解消を担う存在として多く建設されました。広大な敷地を利用して建てられた団地には、郵便局や銀行、商業施設などが内設されていることも多く、敷地内だけでも暮らしのほとんどを賄えるケースもあります。
全国に何十万戸存在するUR賃貸住宅は、礼金・仲介手数料・更新料・保証人が不要と、メリットの多い人気の賃貸住宅です。
昭和30~50年の当時は人気でしたが、年数と共に建物は老朽化し、少子高齢化や人口減少・人々の生活スタイルの変化もあって需要の低下が懸念されるようになり、内装をリニューアルして賃貸住宅としての価値向上を図っています。
団地リノベーションのメリット
団地リノベーションのメリットは大きく5つです。
おしゃれで素敵な暮らし
安心な価格
建物構造の丈夫さ
広い敷地や緑豊かな環境
住民間の交流
2-1.自分好みの素敵な暮らしが叶う
なんと言ってもリノベーションによって素敵な間取りとデザインのこだわり、機能的で便利な住まいが手に入るのは大きなメリットです。
室内は全て解体するため、前の住人の気配を感じることはありませんし、キッチンやお風呂などの設備も含め、家具も小物などのインテリアも全て好きなテイストに統一できれば、日々の暮らしも豊かな時間になります。
過ごす時間が長い住まいだからこそ、過ごしやすくて気持ちのいい空間にしてみたいですよね。
2-2.安価な販売価格
団地は比較的購入費用が安いのが特徴です。
多くの団地が建築された高度経済成長期は、昭和30年~50年頃。したがって、団地は現在築40年を超えるものがほとんどです。
上図は東京カンテイのデータをグラフ化したもので、築年数と坪単価を表しています。建物の価値は新築時が一番高くあとは下がり続け、築25年を過ぎたあたりから底値に近づくため、団地は安価で購入できる可能性が高いと言えます。
住宅購入後も人生にはお金の使い道がたくさんあります。住宅費用を抑えたいと思っている人にとっては大きなメリットと言えるでしょう。
2-3.建物構造の丈夫さ
団地の多くは「壁式構造」という、建物を面で支える丈夫な構造が採用されています。
「阪神・淡路大震災と RC 造建物の被害」の中でも、壁式構造の調査数518棟のうち、大破以上の被害は 1.9% 程度にとどまつていた。という報告がされており、「壁式構造の被害割合が極めて低い。免震構造を含めて、構造形式の選択が地震被害を抑えるのに重要であることを示している。」と締めくくられています。
2-4.広い敷地や緑豊かな環境
団地は広い敷地にゆったりとした配置で建設されており、緑地も豊かです。敷地内に公園があることも少なくありません。また、スーパーやドラッグストア、ヨガ教室などの店舗が充実している団地もあります。家族でのんびり暮らすにはぴったりの環境と言えるでしょう。
2-5.住民間の交流が盛んな傾向にある
棟数の多い団地には自治会が存在します。ゴミ掃除など共用部分の管理や季節の行事の開催なども行われ、同じ団地の住民同士で交流する機会が多くあることも多く、「近隣住民との人付き合いは面倒」という方もいるかもしれませんが、ご近所同士で何かと協力し合えるのは心強いのも確かです。
団地リノベーションのデメリット
集合住宅ならではと言える団地リノベーションのデメリットは下記の4つです。
近隣住民との関係が煩わしい
エレベーターが付いていない場合も
騒音問題が発生するリスク
天井が低い可能性も
それぞれ詳しくみていきましょう。
3-1.近隣住民との関係が煩わしい
団地には、1人暮らしの老人や子育て世帯など、積極的にコミュニケーションをとろうとする人も多いことが特徴となっています。
日々交流があるわけではないものの、隣人が家を訪問したりイベントや外出に誘ったりと、頻繁に交流をもとうとするケースもあります。自分のタイミングと合わない場合など、精神的な負担になることもあるでしょう。
3-2.エレベーターが付いていない場合も
昭和40年頃までに建設された団地は5階建てでエレベーターがないケースも少なくありません。エレベーターがあっても小さく、家具や大型家電品の搬入が困難な場合もあるでしょう。
持病がある場合や妊娠中、小さな子どもがいる人など、大変な思いをするケースもあります。廊下も階段も狭いことが多く、ドアの前に荷物が置かれていると通れないこともあるでしょう。
引っ越しの際にエレベーターがないと割増料金が発生することもデメリットのひとつです。1階を選ぶ場合は、デメリットとはなりません。
3-3.騒音問題が発生するリスク
自身に子どもがいる場合でも、上の階に小さな子どもがいると足音など騒音が気になってしまうものです。
マンションやアパート、戸建てでも生活音が響くことはありますが、団地の場合は、小さな子どもをもつ家庭が多いことから騒音問題が発生するリスクは認識しておく必要があります。
この場合は、寝室だけでも防音効果のある壁で施工する工夫や、外からの音ならば、二重サッシを取り入れるなどの方法があります。また、断熱材を施工することでも防音効果が期待できます。
3-4.天井が低い可能性も
団地ならではの問題として、天井の低さがあります。例えば無垢の床材を使う場合、10センチ程度床が上がるため現状よりも床が上がります。
壁式構造の梁は薄いですが高さはあるため、身長が高い人の場合、そこで頭を打たない高さが確保できるか、というのも問題になります。解決方法としては、床材にタイルなどの床上げが必要ない素材を使うことがあげられます。
団地のリノベーション事例ビフォーアフター
多くが昭和に建てられた団地ですが、どれぐらいリノベーションによって変化があるのか、ビフォーアフターで5つの施工事例を見てみましょう。
4-1.家族が集まるリビングダイニング
After
Before
専有面積:70.79平米
築年月:1974年 7月
和室2間とLDKの間仕切りを撤去して、寝室は最小限のスペースに。広々とした1つの大きな空間を生み出しました。
4-2.空間を大胆に切り取った広々エントランスホール
After
Before
専有面積:96.50平米
築年月:1984年 3月
和室1間に、洋室2間、押入れだった空間をタイル張りのエントランスホールに。動線を大きく変更しました。
4-3.間仕切りの無いフルフラットな空間
After
Before
専有面積: 70.79平米
築年月: 1975年 3月
3LDKの間取りをシンプルなワンルームのような間取りに変更。お掃除もしやすいホテルライクな空間です。
4-4.将来のリノベーションを見据えた大空間
After
Before
専有面積:68.39平米
築年月:1974年 7月
利便性の高い動線の大空間は、将来家族が増えた時にも対応できるような自由度の高さも魅力です。
4-5.部屋同士がゆるやかに繋がる個性豊かな間取り
After
Before
専有面積:66.66平米
築年月:1975年 3月
家族が集まるリビングと個室同士が、ランマや框戸でゆるやかに繋がって、いつも家族の気配を感じられます。
これらの事例のように内装は大幅に変更が可能であり、中身については全てが新品になることがわかりました。では、次章では団地リノベーションの具体的なメリットについてお伝えしていきます。ぜひ参考にしてください。
団地リノベーションの注意点
団地リノベーションの注意点は以下の4つです。
・壁式構造の場合、間取り変更が限られる
・管理状況の確認(耐震性・耐久性)
・コミュニティの質や相性
・建て替え
どれも購入してからでは後悔が残るポイントのためしっかり確認しておきましょう。
5-1.壁式構造の場合、間取り変更が限られる
メリットでお伝えした壁式構造。これは、部屋と部屋を区切る壁が、鉄筋コンクリートの壁でできている建物の構造をさします。この壁を取り除くと建物の耐震性能に影響が出てしまうため、壊すことはできません。
そのため、リノベーションをするときは、この壁を残す必要があり、ワンルームのようなひらけた空間を作るのには向いていないと言えるでしょう。
ただし、全ての団地が壁構造となっているわけではありません。
図の左のように、柱があるものをラーメン構造といい、この場合は、中の壁は耐震性能に影響がないため、壁を取り除くことができます。物件の購入前に壁を壊せる物件かどうか確認しておきましょう。
また、その他勝手にリノベーションで変更できないものとして、玄関ドアや窓ガラス、サッシなどがあります。変更したい場合は、管理組合の許可を取りましょう。
5-2.管理状況の確認(耐震性・耐久性)
団地住宅が丈夫な構造であることはすでに説明しました。
ただし、マンション寿命はメンテナンス状況により左右されるため、どのような管理が行われているかは重要なチェックポイントです。
また、震災のリスクは建物の強度に加えて立地も関わっています。各自治体の公開しているハザードマップで、危険区域に該当していないかをよく確認しましょう。
詳しくは、中古物件に暮らす仲介のプロ秘伝の中古マンション注意点209個をご確認ください。
5-3.コミュニティの質や相性
住民同士の交流がある団地ですから、どんな人が一緒の建物に住んでいるのかは事前に確認したいところです。郵便受けやゴミ捨て場、駐輪場など、共用部分が荒れていないかどうかは一つの判断基準になります。
物件のチェック方法について詳しくは、中古物件に暮らす仲介のプロ秘伝の中古マンション注意点209個をご確認ください。
5-4.建て替え
団地には建て替えのリスクもあります。せっかくお部屋を自分好みに団地をリノベーションしても、すぐに建て替えられては元も子もありません。
建て替え計画があるかどうか、また建て替え計画実行の必須条件である住民の賛成状況(建て替えには5分の4以上の賛成が必要)などを確認しましょう。
一方、住民の負担無く建て替えが行われバス、トイレ、洗面など新しい設備が設置された家に住めるとしたら、それはメリットの一つであるとも考えられます。
建て替えについて詳しくは、マンションの建て替えに備えて。住民の負担は実際どうなる?をご確認ください。
団地リノベーションの費用
*上記の表の相場は、一般社団法人リノベーション協議会からピックアップした61社154事例の費用相場を「費用上位5事例の平均〜費用下位5事例の平均」として集計したものです。
団地のリノベーション費用は、マンションのリノベーション費用と同じです。費用は面積と設備や材料のグレードによって上下します。
また、団地やマンションのリノベーションは大きく分けて2種類のリノベーションがあります。
・表面を工事する表層リノベーション
・床下配管まで全て交換するスケルトンリノベーション
費用としては、表層リノベーションが安く収まりますが、床下の配管などは団地の場合劣化しているため老衰リスクが高くなっています。
そのため、今後安心して長く暮らすためにもスケルトンリノベーションをおすすめしています。相場よりも安い費用の場合は、工事内容が床下までなのか確認することで、どちらのリノベーションなのかがわかります。
リノベーション費用について詳しくは、業界61社154事例まとめ!中古マンションのリノベーション費用のリアル相場とローン解説をご確認ください。
団地リノベーションの設計・工事期間は6ヶ月を想定
リノベーションの間取りや設備を決めて工事が完了するまでの期間はおよそ6ヶ月を想定しておきましょう。内訳は設計に3ヶ月、工事に3ヶ月です。
もちろんこれはスムーズに進行した場合の実際に期間であり、間取りや設備が決まらない場合は設計期間が延びて、今の賃貸の家賃費用が余計にかかってしまうことになります。
それを避けるためにも、物件を探している間から、どんなデザインや間取りにしようかなど、厳選した画像を集めておきましょう。
Houzzという無料アプリを使えば、お気に入りのインテリア画像を集めて保管しておくことができます。眺めているだけでも楽しめるため、ぜひダウンロードしておきましょう。
設計や工事に関する注意点について詳しくは、1000件リノベした一級建築士が必ず事前に伝える中古マンションリノベの注意点をご確認ください。
団地の探し方
団地の探し方は、2通りあります。
・公団公社マンションサイトを使う
・不動産会社のポータルサイトや担当を使う
それではそれぞれの方法について見ていきましょう。
8-1.公団公社マンションサイト
東日本住宅公団公社マンションサイトでは取り扱い団地物件のマップや一覧から団地を探すことができます。
一般の不動産サイトと比べ団地のカテゴリに分かれて紹介されているため、理想の物件が探しやすいのが特徴です。まずは希望のエリアに団地があるのかどうか確認するためにも一度サイトを使ってみましょう。
メリット:団地カテゴリで分かれてるため探しやすい
8-2.不動産会社のポータルサイトや営業担当を使う
団地は、マンションなどが掲載されている大手不動産会社のサイトからも探すことができます。
ただし、カテゴリが中古マンションと分けられていないことも多く、エリアを絞ってからでないと見つけにくいと言えます。その代わり、新着物件なども発見できる場合もあるため、こちらも定期的にチェックしておきましょう。
物件の探し方やポイントについては、1000物件以上見た投資家が伝える中古マンションの本当の探し方をご確認ください。
メリット:新着の情報が早く掲載されやすい
リノベされた団地を賃貸したい
団地にはまだ暮らしたことがないし、住まいの購入はまだ早いかな。。という方は、リノベーション済みの団地物件を賃貸するという方法があります。
ここでは、
リノベされた団地を賃貸するメリット・デメリット
リノベ済み団地物件の探し方
についてお伝えしていきます。
9-1.リノベされた団地を賃貸するメリット
団地のメリットについては、2章の通り、
・建物構造の丈夫さ
・広い敷地や緑豊かな環境
・住民間の交流
などがありますが、賃貸の場合のメリットはそれに加え、
・賃料が安い
・すぐ入居できる
・暮らしが合わなければ引っ越せる
という3点のメリットがあります。
それぞれについて見ていきましょう。
9-1-1.家賃が安い
団地に住むメリットとしてマンションより家賃が安いことがあげられます。
同じ広さのマンションと比べると家賃が安いにも関わらず、リノベーションがされていることで一般的なマンションよりもおしゃれで使い勝手のよい間取りになっているため非常にお得と言えます。
浴室などの水回りも入れ替えてあれば、気持ちよく暮らせます。
UR賃貸住宅を借りるときには、一定の収入さえあれば入居することができ、礼金不要、更新料不要、仲介手数料不要、保証人不要などのメリットもあります。
また、退去時の原状回復費用の負担区分が明確なため、民間の賃貸住宅よりも金銭トラブルは起きにくいでしょう。
9-1-2.快適でおしゃれなデザインにすぐ住める
団地を購入してリノベーションする場合と比べ、すでにリノベーションされた物件に引っ越すだけなので、気軽にすぐ住むことが可能です。
リノベーションを体験できるため、「自分たちが物件を購入してリノベーションするときは、風通しをよくしたい!こんなイメージにしてみたい!」といった要望も出しやすいと言えます。これもメリットの1つと言えます。
一部の団地では賃貸でありながら入居者による模様替えや一定のリフォームを自由に認めるなど、若い世代の需要を取り込もうとしています。これは「DIY住宅」と呼ばれ、原状回復義務が免除されるほか、工事期間(3ヶ月程度)などにおける家賃を無料にしています。
DIYのリノベーション費用については、セルフリノベーション初心者必見!場所難易度・費用・日数表をご確認ください。
9-1-3.暮らしが合わなければ引っ越せる
中には団地暮らしが合わなかったという方もいるかと思います。これは賃貸の場合は引っ越しをすれば解決できる問題なのでこれもメリットといえるでしょう。
ただし、賃貸暮らしは気楽ではありますが、購入費用に使えたはずのお金が家賃に流れてしまっていることは覚えておきましょう。
詳しくは、【寿命から計算】中古マンション購入と賃貸で安心できるのはどっち?をご確認ください。
9-2.団地リノベを賃貸するデメリット
直接のデメリットではありませんが、リノベーションされた団地の賃貸物件は数が限られているため、希望のエリアに存在していないケースもあります。
UR賃貸住宅の前身である団地は、元々都市部を中心に建設されたものであり、地方の物件は少なく、エリアによっては存在しない場合もあります。
比較的物件の集中している東京都内においても、空室が少ない状況となっています。立地にこだわりが強い場合は、物件に出会えない可能性が高いと言えます。
逆にエリアの希望がそこまでなく、都市部近郊に引っ越すことが可能であれば、いくつものメリットを体感できるため、チャレンジする価値があると言えます。
9-3.リノベーションされた団地の探し方
リノベーションされた団地の探し方は大きく分けて3つです。
・UR都市機構、公社住宅などのホームページから探す
・URや公社の営業所・案内所に行って調べる
・人気物件を狙いたいなら不動産屋を使って仮予約をする
それではそれぞれの方法について解説していきます。
9-3-1.UR都市機構、公社住宅などのホームページから探す
UR都市機構のサイトでは家賃や広さ、路線など入力すれば詳細に空き住戸が検索されるようになっています。内覧の仮予約もできる場合があり、夜にしか時間が取れない人にもおすすめです。
9-3-2.URや公社の営業所・案内所に行って調べる
ある程度時間が確保できるならば、URや公社の営業所・案内所に行って調べるという方法もあります。ホームページの情報はどうしてもタイムラグがあり、掲載時点ですでに抑えられていたり、掲載していない物件がある場合もあります。
営業所の場合、リアルタイムに空き状況を確認できるため正確です。職員が悩み事や疑問点も含め相談にのってくれるので、時間がある人は一度足を運んでみると良いでしょう。
9-3-3.人気物件を狙いたいなら不動産屋を使って仮予約を
探し方とは異なりますが、人気の物件を抑えたい場合は、不動産屋を利用しましょう。
人気の団地は空いてもすぐ埋まってしまいます。依頼しておけば、自分に代わって物件に空きが出たら仮押さえをしてくれます。
また、不動産屋によっては扱っていないところもあります。UR賃貸住宅に関するステッカーが店頭に貼ってあるかどうかを確認、あるいは問い合わせで確認しましょう。暮らしてみたい団地になかなか空きがなさそうな場合は不動産屋を利用してみましょう。
団地リノベーションの補助金や減税
この章では団地リノベーションに関する補助金と減税などの税金面についてお伝えしていきます。
10-1.補助金について
対象となるリノベーションやリフォームを行えば、国や市町村の補助金制度を活用できます。バリアフリー工事や、省エネ、耐震改修工事などが条件となり、代表的なものは以下の通りです。
・高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業:戸建は最大120万円
・次世代省エネ建材支援事業:戸建は最大200万円
・長期優良住宅化リフォーム推進事業:100万円〜250万円
・ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業:60万円の定額
それぞれに補助金の対象となる条件があるため、詳しくは各自治体のホームページよりご確認ください。また、いずれの制度も、予算が上限に達し次第、予定期限日よりも前に締め切られる可能性があるため、ご注意ください。
10-2.減税制度
リノベーションやリフォーム工事のローンや、物件購入のローンに対しても減税制度が用意されています。住宅取得の場合とリノベーションやリフォーム工事についてそれぞれ解説します。
10-2-1.物件取得について
物件取得に対する減税制度には、住宅ローン控除というものがあり、年末のローン残高の1%を所得税から控除されます。(10年間または、平成31年10月1日から32年12月31日までの間に、消費税率10%が適用される住宅を取得等して居住用に供した場合の住宅ローン減税の場合13年間)
ただし、住宅ローン控除の場合、条件として築20年以内であることや、そうでない場合、一定の耐震基準をクリアしていることが求められます。
団地の場合は、そのままでは基準を満たしておらず、耐震基準適合証明書が取得できる、耐震工事を行なった団地に限られます。購入前に確認しておきましょう。
10-2-2.リノベーション工事について
リノベーションやリフォームの減税制度については、
・耐震改修に関する特例措置【所得税、固定資産税】:上限25万円
・省エネ改修に関する特例措置【所得税、固定資産税】:上限25万円
・バリアフリー改修に関する特例措置【所得税、固定資産税】:上限20万円
・長期優良住宅化リフォームに関する特例措置【所得税、固定資産税】:上限25万円
それぞれの工事内容や条件によっても控除金額が変わるため、詳しい内容については、国土交通省のホームページをご確認ください。
関連:中古マンションのリノベーションについて詳しく説明している記事
関連:中古戸建てのリノベーションについて詳しく説明している記事
まとめ
最後に記事の概要をおさらいしましょう。
この記事では、次のような団地リノベのメリット・デメリットや注意点、費用目安や工期などについてお伝えしました。
◎団地リノベのメリット
- おしゃれで素敵な暮らし
- 安心な価格
- 建物構造の丈夫さ
- 広い敷地や緑豊かな環境
- 住民間の交流
◎団地リノベのデメリット
- 近隣住民との関係が煩わしい
- エレベーターが付いていない場合も
- 騒音問題が発生するリスク
- 天井が低い可能性も
◎団地リノベの注意点
- 壁式構造の場合、間取り変更が限られる
- 管理状況の確認(耐震性・耐久性)
- コミュニティの質や相性
- 建て替え
◎広さごとのリノベ費用目安と工事期間
*上記の表の相場は、一般社団法人リノベーション協議会からピックアップした61社154事例の費用相場を「費用上位5事例の平均〜費用下位5事例の平均」として集計したものです。
- 工事期間は設計に3ヶ月、施工に3ヶ月かかるのが一般的。
団地リノベーションは、デメリットと注意点に考慮してよい物件を選べば、他にないおしゃれな住まいが低価格で手に入る素晴らしい選択肢です。
もともとの間取りがシンプルであることが、リノベを前提とした場合には自由にさまざまな空間に作り変えられる物件ともいえます。
ゼロリノベでは、受賞歴のある設計チームによるリノベーションのご提案はもちろん、長く住める物件選びも得意としています。
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団地リノベーションのメリット・デメリットは?
オリジナリティ溢れた魅力的な団地リノベーション。当然注意すべきポイントやデメリットも存在します。満足するリノベーションを実現するために「団地リノベーションのメリット」「団地リノベーションのデメリット」を確認しましょう。
団地リノベーションをする際の注意点は?
特に変えられない部分は、購入後に後悔しないために事前チェックが重要です。構造面や管理面など、主な4つの確認ポイントは「団地リノベーションの注意点」をご覧ください。