2021.08.03 更新 2017.11.30 公開
中古マンションの選び方「この7ポイントだけ守れば絶対に大丈夫!」

家を購入するなら、中古マンションがいいのかな?
と、たどり着いたのだけど、築年数や耐震等々選び方に不安がある。
こちらの記事では、そんな不安を解消するために、自分にとって絶対に納得ができる中古マンションの選び方のポイントをお伝えします。
こちらのポイントを全ておさえることによって、自分にとっての最良の中古マンションを見つける事ができるようになります。
この作業は、パートナーがいらっしゃれば出来るだけ共同で作業を進めてください。
自分だけの妥結点を見出せても、お互いにとっての最良の中古マンションでなければ、購入する事ができません。
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目次
まずは3つの条件(予算、場所、広さ)を必ず決める
これが決まれば7割方は購入のゴールに近づいたも同然です。
逆に、これを決めないで動き出すと、なかなか購入の決断ができずに、迷いに迷って迷走から抜け出せません。
最後には、「あー疲れた。なかなか良いのがないねー、またいつか考えよう。」となってしまいます。
良い物件がないというよりも、自分が何を求めているのかの条件が決まってないだけなのです。
しかしご安心を、これから行う作業をすれば、必ず自分の希望にかなった物件を選ぶことができるのです。
1-1予算
予算を決める事が一番大事です。よって、この項目を一番最初に持ってきました。
自分の収入だけで購入するのか?パートナーの収入も含めて購入するのかを決めましょう。
次に、現在の支出、将来の支出を全て想定しましょう。
その中で、年間の収入と支出を差し引きし、現在いくらのキャッシュフローがあるのかを確認しましょう。
これだけ聞いたら、あまり普段お金の出入りを気にかけてない方は、相当に骨の折れる作業ですよね。
その場合は、プロのファイナンシャルプランナーさんに相談してみてください。
ネットで近所のファイナンシャルプランナーさんに問い合わせるか、不動産会社やリノベーション会社には提携のファイナンシャルプランナーさんがいる事が多いので紹介してもらいましょう。
ファイナンシャルプランナーさんに無理のない予算を算出してもらったら、その予算の範囲内で物件を探します。
また、中古マンションを購入してリノベーション(リフォーム)を行おうと考えている方は、物件金額+リノベーション金額=住宅予算になります。
よって、リノベーション金額を把握する事が必要です。
1ー2場所
場所の条件の多くは、「職場に通いやすい」「子育て環境が良い」「実家に近い」という話が多いです。
これらの、条件が明確に決まっている方は、中古マンションの選定にそれほど苦慮しません。
最も中古マンションの選定が出来ないパターンは、「東京ならどこでも良い」「職場に1時間で通えるならどこでも良い」という、「どこでも良い」という言葉が出てきてしまう場合です。
「職場に1時間で通えるならどこでも良い」という方でも、例えば東京駅に職場があった場合には、東京駅から神奈川方面、埼玉方面、千葉方面等の範囲を限定していきましょう。
範囲の限定は、なじみのある方面であることが、一番迷いません。
全く、なじみがない方面に限定してしまうと、その地域のイメージがわきません。
人はイメージがわかないものは選べないものです。
もし、予算の関係でイメージがわかない新天地に行くことを選ぶ場合は、その地域を偵察に行きましょう。
こういう機会に、知らない場所を探検するのは楽しいものです。
1-3広さ
どれくらいの広さが適正なのか?
私たちが今までコンサルティングを行った方が探される首都圏の中古マンションの広さでは下記の割合でした。
一方、国土交通省が住生活基本計画の中で、マンションの広さについて以下のような水準を設けております。
目安:豊かな住生活の実現の前提として多様 なライフスタイルに対応するために必要と考えられる住宅の面積に関する水準
最低:健康で文化的な住生活を営む基礎として必要不可欠な住宅の面積に関する水準
目安と最低の開きがかなり大きいですよね。
首都圏マンションに住むには、目安は現実的ではないかもしれません。
広さに迷ったら、上記の実際に探されている方々の広さの感覚を参考してください。
予算の関係上、広さに多少妥協することがあったとしても、リノベーションにより空間を工夫すれば、一般的な仕様で部屋を区切られたマンションに比べて広くなります。
こちらの記事「50平米で4人家族用の間取り、設計士が知恵を絞ってみた」も参考になると思います。
その他の検索条件を決める
予算、場所、広さが決まったら、その他にどうしても外せない条件を考えましょう。
「1Fは嫌だなー」「新耐震基準が良いなー」「追い炊きは必要だよ」等々。
とにかく、一度は全てあげてみてください。
その中で、どうしてその条件が必要なのか?whyを深掘りしてみてください。
例えば「追い炊き」について考えてみましょう。
そもそも、追い炊きは設備だからリフォームやリノベーションで設置できるのでは?と思われていますが、そうでもないのです。
追い炊きは常に温度を一定に保つための循環機能が必要で、追い炊き機能が付いてないお風呂より1つ多くパイプが必要です。
古いマンションでは、追い炊きを考慮して建築されてないものが相応にあります。
そういうマンションは追い炊き用のパイプを通すことができる穴が壁に開いてないのです。
追い炊きが絶対に必要だとなると、築古マンション(例えば築30年以上)は半分くらいは追い炊きに対応できなく、予算の兼ね合い上、先ほど決めた場所や広さをさらに妥協するしかなくなります。
そこで、先ほどのwhy?が重要になるのです。
「なぜ、追い炊きが必要なの?」を問いましょう。
理由は、「家族がお風呂に入る時間がバラバラだから、お湯が冷めてしまうから」等々出てきますよね。
その場合に、代替案を考えましょう。
「お湯が冷めてしまうと言っても、そんなに冷たくならないよね?」
「入る度に熱いお湯を足せば良いのでは?今は保温効果が高いバスタブだから、服を脱いでいるうちに暖かくなるよ」
という感じです。
そして、それを肯定するために、「その通りだよ!同じ水を循環させておくよりも、バイキンが繁殖しないと思うからから清潔だよ。それに、初期コストも安いし!」
みたいにポジティブに捉えることができれば完璧です。
ちなみに「1Fが嫌だなー」という人は、こちらの「マンションの1階が実は住みやすい!? 快適ライフをゲット」の記事、「新耐震基準が良いなー」という人は、こちらの「新耐震基準と旧耐震基準ってどれくらい違うの?」の記事をご参考にしてください。
不動産物件のポータルサイトで検索しながら、条件設定を振り返る
必ず決める3つの条件「予算、場所、広さ」と「その他の検索条件」が決まったところで、早速良くある不動産ポータルサイトで物件検索をしてみましょう。
パターン1 条件に合致した物件数が非常に多い
もし、入力した条件で、物件数が100件等出てきてしまうようであれば、もっと良い条件にすることができます。
場所を良い場所にする、㎡数を広げてみる、その他の条件で駅近にしたり、築浅にしたりと。
おおよそ、30件以下くらいになれば、選びやすいでしょう。
パターン2 条件に合致した物件数が非常に少ない
条件を入力し、出てくる物件数が5件以下なら条件を緩和してみましょう。
場所、広さ、その他の検索条件の中で、優先順位が低いものから手をつけてみます。
その他で絶対にはずすことが出来ないオプションをやっぱりはずすことができないか?
駅の場所をもういくつか郊外に広げてみようか?広さはあと5㎡狭くできないか?等々です。
場所、広さ、その他の条件緩和でも、どうしても物件が出てこなければ、ファイナンシャルプランナーさんに教えてもらったMAXの予算まで引き上げてみましょう。
この、予算を上げる行為は最後の手段にした方が安心です。
もし、これら全てを行っても、全く物件が出てこないということであれば、それは予算と希望の相場が合ってないということです。
これらの作業は、パートナーがいらっしゃる場合は、パートナーと相談しながら進めましょう。
もちろん、電車の通勤時間で検索したり、昼の家事の間にやってみたりと一緒に出来ない時間が実際には多いと思います。
まずは、ひとりで条件を変更してみて、緩和できそうな条件が見つかったら、家でパートナーと話し合ってみましょう。
これらの作業は通常のポータルサイトで出来てしまい、これで十分です。
しかし、ネットに出てない情報があるよということで誘いをかける不動産屋があります。
なぜ、このような営業手法があるか?
昔、ネットが無い時代の不動産会社は、自社が持っている物件情報の数が強みであり、その情報量が集客力に直結していたからです。
しかし、今はネット社会。自社の物件をポータルサイトに載せて広く集客できるので、ポータルサイトに載せることが最も良い集客方法です。
未公開物件があるから当社に来てくださいという営業手法も未だにありますが、理論的に考えれば広く集客した方が理にかなっているはずです。
もし、未公開物件があったとしても、それはポータルサイトに載せるために準備中をしている期間(数日)だけです。
ポータルサイトにある物件数に比べれば圧倒的に少ないのです。
「未公開物件ありますよ。」という言葉は自分にだけに特別な物件を紹介してくれるような気持ちにさせる、集客のためのうたい文句のひとつであることを理解しておきましょう。
その、未公開情報を待っているだけでは、いつまで経っても家を購入する事ができなくなります。
未公開物件を待っているよりも、自ら動いて探す方が確実に自分に合った物件に早くたどりつくことができるのです。
内見に行きチェック
内見に行く際の適切な物件数は1日で回ることができる件数にした方が良いです。
というのも、内見に行った際に、自分が気に入った物件は他の内見者も必ずと言って良いほど気に入ります。
そうすると、早いもの勝ちになります。
また1週間後に違う物件も見てから、今日見て気に入った物件と比較をして決めるとなると、他の内見者に先に購入されてしまうことになってしまうのです。
このような例は本当にたくさん見てきました。
私たちに相談された方には良い物件を購入してもらいたいなと思ってはいるものの、「早く購入を決断された方が良いですよ。」と急がせたくないという感情が働いてしまいます。
そうすると、ご自身で購入の決断をすることを私たちが待っている間に他のひとに取られてしまう。
昔はこのような後悔がありましたが、今ではちゃんと背中を後押ししております。
ちなみに、1日の間に見て回れる物件数は、場所にもよりますが、多くても5件程度です。
これで自分が内見するべきマンションを選ぶことができるようになったと思います。
早速、ワクワクしながら実物を見に来ましょう。
その際に、見るべきポイントをあげます。
4-1建物チェック
まずは、マンションの外観を見ましょう。外観にヒビが入ったままの状態のマンションであれば、震災時に修繕をする予算がなかったり、建物を維持していく意識が低いマンションの可能性があります。
どれくらいのヒビが良くないの?と、ここでは細かく意識しなくても大丈夫です。
あくまでも、ざっとみて「これは、かなりヒビが入っているなー」という程度で大丈夫です。
壁に顔を近づけなくても、遠目から見た感じで問題ありません。
ヒビが入った経歴が見えても補修されていれば、雨水がコンクリート内に入ることを防げており、鉄筋が腐食して強度を下げさせないように対策はされています。
4-2共用部チェック
自転車置き場や、廊下の共用部を確認しましょう。
古い自転車が放置されていたり、共用部にゴミが散乱している場合は、住人のモラルが疑われます。
そのようなマンションは管理や修繕をしなければいけない時に、話し合いがきちんとされない可能性があり、今後の建物の維持管理に疑問が浮かびます。
避けるべきマンションの可能性があります。
4-3音のチェック
部屋に入ったら、まずは窓を全部開けてみましょう。
近くに線路がある場合は、電車が通るまで待ち続けましょう。
4-4周囲の人をチェック
売主さんが居住中で、内見の際にいらっしゃれば、周囲に住んでいる方におかしな人がいないか確認しましょう。
売主さんも後でトラブルにはなりたくないので、正直に答えてくれるケースの方が断然多いです。
売主さんがいない場合でも、仲介担当者に調査をしてもらいましょう。
4-5アスベストチェック
古いマンションにはアスベストがあるケースが稀にあります。
天井のコンクリートに吹き付けられたアスベストがないか調査が必要です。
ユニットバスの天井にある点検口を開けて、天井を見ることが出来れば良いのですが、もし開けて天井を見ることが出来たとしても見分け方が難しいかもしれません。
ただし、回避する方法が検索条件であります。
「2006年以前に建築された、重量鉄骨造のマンション」「築40年以上の団地」を除外すれば、多くは回避が出来るでしょう。
ただし、これらも全てがダメではなく、問題がないものも多くあります。
よって、検索の幅を狭めないためには現地チェックをすることが一番良い方法です。
これらのチェックはなかなか自分だけでは難しいかもしれません。
もし、リノベーションやリフォームをする前提であれば、リノベーション会社の担当者と一緒に内見に行ってもらえることが出来ればベストです。
ちなみに、リフォーム会社ではマンション専有部分の一部のみリフォームするという会社がほとんどですので、天井裏に多く存在するアスベストについのて調査は難しいかもしれません。
大規模な改修を予定している人はリノベーション会社の方がアスベスト調査には良いでしょう。
書類のチェック
内見をして問題がなく、お部屋を気にいることが出来たら今度は目に見えないところのチェックに入ります。
5-1修繕履歴、計画、積立金過不足
マンションには適正な修繕計画が必要です。
仲介会社を通して、修繕履歴と今後の計画表を提出してもらうように依頼してください。
また、今後の修繕計画費用を賄うために、適正な積立額が用意されているのかも重要なポイントです。
これらも、自身ではなかなか適正なのかの判断が難しいところですので、仲介担当者に意見を求めましょう。
その意見をきちんと言えない仲介はプロではありません。
後述の不動産会社の選び方でも振り返り致します。
5-2議事録
出来るだけ、直近の議事録をもらうようにしましょう。
何か重要な議題が出ていないか?例えば、建替の話し合いをしている雰囲気が読み取れたり、耐震補強工事のために住人から費用を徴収する議題が上がっているかもしれません。
ただし、議事録はマンション管理組合の方針によって提出してもらえないケースがあります。
5-3管理規約
管理規約で確認するべきポイントは
・ペットを飼いたい人であれば、どのような種類のペットを飼うことができるか確認。
・ピアノ等の楽器を演奏することができるのか?何時までなら演奏をしても良いのかを確認。
・リノベーションやリフォームをする人は、特に床に注意ください。絨毯カーペットしか使用してはいけない可能性があります。
また間取りの変更を伴う場合は、管理組合の承認が必要なケースがあります。
管理組合のメンバーにも様々な方がいます。
リノベーションという文化を知らずに、大幅な間取り変更をはじめて目の当たりにすると否認してくる可能性があります。
ここも、仲介担当が責任持って管理組合に交渉をしてくれるのか?が重要になります。
以上、これら全ての書類を気に入ったマンションから得られるわけではありませんが、できるだけ取得するように努めましょう。
もちろん、仲介会社を通して依頼することが可能です。
もし、書類が手に入らないマンションであれば、手に入らない情報について仲介担当の意見を確認しましょう。
では、どのような不動産会社が良いのか?
以上から下記のような不動産会社をオススメします。
◆上記のチェックポイントを事前に知りたいと伝え、担当者に知識がありそうか確認する。
◆リノベーションを前提に中古マンションを購入するのであれば、仲介会社とリノベーション会社が提携しているという会社ではなく、仲介部門とリノベーション部門が同一の会社内にあるところを選びましょう。
リノベーションをする前提だったのに、管理組合にリノベーションのプランを否認されることがあります。仲介部門とリノベーション部門が同一会社であれば責任をもって、管理組合と交渉をしてくれます。
リノベーション会社の選び方はこちらの「自分にピッタリのリノベーション会社の選び方がわかる6つの手順」もご参考にしてください。
◆仲介手数料割引という仲介専門会社は、上記のチェックポイントと責任をどこまで背負ってくれるのかが不安要素です。
上記のような全ての項目について責任をもって調査をする不動産会社であれば、個人では言い出しにくい価格交渉にも対応してくれるはずです。
下記は、3000万円の物件に対し、通常の仲介料(物件金額x3%+6万)と割引仲介料(通常の半額で計算。物件金額x1.5%+3万円)の比較表です。
通常仲介は100万の値引き交渉に成功した場合を想定しています。
いかがでしょうか?
仲介手数料割引という言葉に惑わされずに、ちゃんと調査もした上で、価格交渉の手間も惜しまない絶対的に信頼を置く事ができ、自分たちの味方になってくれる仲介会社を見つけた方がお得です。
価格交渉が成功しやすい物件は、売れ残っている物件です。人気物件は価格が上がってしまうこともあります。
ちなみに、リノベーションも行っている仲介会社でも仲介手数料割引となっている場合は、リノベーションにその割引いた分の利益を載せる事が出来るだけだということを理解しておきましょう。
いつが買い時なのか?
今です。
理論的に考えても、今気がついたこの時がチャンスです。
こちらの記事「マンションの買い時はいつ?本当にあるの?」をご参考にしてください。
まとめ
中古マンション選び、なにからはじめたらいいの?
3つの条件(予算、場所、広さ)をクリアにしましょう。この3つが曖昧で探し出すと、検討が長引いてしまったり、疲れてしまい購入自体を断念してしまうケースが多いです。詳しい内容は「まずは3つの条件(予算、場所、広さ)を必ず決める」をご覧ください。
どのような不動産仲介会社を選ぶべき?
中古マンション選びは、物件状態の見極めや管理組合への確認事項や交渉など、専門性の高いスキルや経験値が不可欠なため、会社ではなく担当者で選びましょう。詳しくは「どのような不動産会社が良いのか?」をご確認ください。
買うべきかどうかの判断ポイントは?
中古マンションは、見えない部分や管理状態について事前にチェックすることが重要です。自分では確認・判断できないことも多いため信頼できる仲介担当者にお願いしましょう。詳しくは「内見に行きチェック」「書類のチェック」をご覧ください。
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