たったの3ステップで明快!後悔しない家購入の適切なタイミング
20代から30代にかけて、私生活では結婚、出産、子育て。仕事においては昇進、給与アップ、転勤、異動…。さまざまなライフイベントが重なります。そんな大きなイベントの一つが家の購入。とはいえ、消費税増税や東京オリンピックも控えた今、一体いつ購入するのが適切なタイミングなのか、迷う要素がたくさんあります。
でも、実は単に惑わされているだけで、タイミングとして気にしなくていいこともたくさんあります。
この記事では、自分が何を気にすべきか、何を気にしなくていいのかをはっきりさせて、適切なタイミングで家を購入するためのお手伝いをします。
目次
年齢、結婚、転勤、消費税、オリンピック…家購入を迷わせるキーワードたち
D子:
家を購入したいけど、夫は転勤があるかもしれないし、子供は今は一人だけど今後増えるかもしれないし、ネットを見ていると東京オリンピックや消費税が住宅購入の費用に関係してくるみたい…。一体いつ買えばいいの?みんなはいつ頃買ってるの?
アドバイザー:
みんながいつ頃買っているのかについては、データから知ることができます。
総務省統計局「住宅・土地統計調査(平成25年)4-1世帯の居住状況とその推移 」によれば、持ち家の取得率は30代で一気に上昇します。また、国土交通省「住宅市場動向調査(平成29年)」でも、家購入時の年齢は分譲戸建ての場合30代が55.1%と最も多く、平均年齢は37.4歳。中古マンションの場合は30代が30.7%、40代が32.5%とほぼ同じ割合で、平均年齢は44.2歳です。
D子:
ということは…新築でも中古でも、30代前半はまだ早いってこと?
アドバイザー:
知り合いや世間の一般的なタイミングを知ると、自分が早いのか遅いのかが重要な問題に見えるかもしれませんが、では『44歳で買おう』と決めればいいわけではありません。大切なポイントはもっと別にあります。次の項目から、3ステップでわかる適切なタイミングの決め方をご紹介します。
【ステップ1】家購入の目的をはっきりさせる
アドバイザー:
まずはD子さん、自分が悩んでいるいろいろな家購入のタイミングを分類してみましょう。
<タイミング1>
結婚、出産、子育て、転勤、年齢
<タイミング2>
金利、消費税増税、東京オリンピック前後
D子:
タイミング1と2は何が違うの?
アドバイザー:
自分にとってのタイミングか、それとも世の中のタイミングか、ということです。これを分類すると随分頭がすっきりします。自分たちが安心して暮らすための住まいを購入するという目的なら、気にするのは自分にとってのタイミングだけで大丈夫です。
D子:
えっ!?でも、オリンピック後に物件価格が下がったらなんだか損をした気分になるし、金利とか消費税とかは購入費用に直接関係するんじゃ…。
アドバイザー:
いいえ、気にしなくて大丈夫です。
まずオリンピックについては、そもそもオリンピック後に物件価格が上がるが下がるかはわからないうえ、オリンピックまでにかかる住宅費用の考えが抜けています。例えば、オリンピック後にある物件が200万下がるとしても、購入までに家賃が200万円以上かかっていたら、下落を待っていた意味がありませんよね。
金利については、そもそも現在が超低金利時代です。あとは上がるしかありませんから、『今が一番安い』と捉えるべきです。
消費税については、中古マンションなら非課税ですし、消費税増によって住宅購入者が減らないよう、国がきちんと対策を立てています。
詳しくは「【2019年版】消費税10%増税より大切な中古マンションの買い時とは?」の記事をチェックしてみてください。
D子:
そうだったんだ!
【ステップ2】タイミングごとのメリット・デメリットを知る

大切なのは社会ではなく自分のタイミング
D子:
でも、自分のタイミングって言われても…結婚はもう終えたとして、あとは実際いつがいいのかわからないわ。子供が小学校に上る前がいい、っていうことくらいは聞いたことあるけど。なんだかんだとタイミングを逃しちゃいそう。
アドバイザー:
ここでは、タイミングを見極める考え方を抑えておきましょう。大切なのは、タイミングごとのメリットとデメリットを知っておくこと。一般的にはデメリットとされていても、自分にとっては違うこともあります。タイミングごとの条件と対応策がわかっていれば、いつ、どんな住まいを購入すべきなのかが見えてくるはずです。タイミングは以下のように細かく分類できます。
- シングルのとき
- 結婚前
- 妊娠中
- 子供が小学校入学前
- 40代(子供に手のかかる時期は終了した時期)
- 転勤するかもしれない場合
D子:
ふむふむ。
アドバイザー:
それぞれのタイミングのメリット・デメリットがなんなのか。「【結婚・子供・転勤】中古マンション購入の最適なタイミングは1つ!」の記事で確認してみてください。
D子:
はーい!
【ステップ3】家購入ができる条件に当てはまるか確認する
D子:
それぞれのタイミングについてよく知ったら、なんとなく家購入のイメージが固まってきたかも。
アドバイザー:
では、最後に一番大切なポイントです。それは、自分が家を購入できる条件に当てはまっているかどうか、です。
D子:
自分がいいと思ったタイミングで買ったらだめなの?
アドバイザー:
時期的に『ここだ!』と思ったタイミングであっても、家購入の条件が揃っていないのであれば、それは本当に適切なタイミングとは言えません。
D子:
むむ…その条件って?
アドバイザー:
最低限にして最大の条件は、
- 無理のない予算を立てられること
- 健康であること
です。
D子:
えっ、たったそれだけ?
アドバイザー:
当たり前のように聞こえるかもしれませんが、これは本当に大切です。予算については、もしものときに必要な貯金まで切り崩してしまう、『少しくらいなら』と身の丈以上の予算で購入してしまう、といったことは絶対にしてはいけません。そのときはよくても、あとから日常生活に支障が出る可能性が高くなりますし、そうなると最悪ローン破綻もありえます。
D子:
なるほど、確かに『今だ』と思ったら多少無理をしてでも…と思ってしまうかも。でも、無理のない予算ってどう立てたらいいの?
アドバイザー:
年収ごとに無理なく無理なく返せる額の目安があります。詳しく「【年収別】住宅ローン2つの目安表「借りられる額と返せる額」」の記事をチェックしてくださいね。
D子:
年収ごとに目安があるならわかりやすい!健康については?
アドバイザー:
これはずばり、『団体信用生命保険に加入できるかどうか』を左右するからです。団体信用生命保険(団信)は、住宅ローンを組んだ本人が死亡、あるいは高度障害状態になった際、住宅ローンの残債を支払ってくれるものです。保険なので、健康リスクを抱えている場合加入できないことがあります。
D子:
加入できないとどうなるの?
アドバイザー:
ローン自体が組めなくなってしまいます。
D子:
そ、それは重要だわ…!
条件が揃っているのなら、待つ理由はない

消費する家賃も住宅予算と考えてみる
アドバイザー:
ここまで解説してきたステップをそれぞれ考えて、自分が住宅を購入したい気持ちが決まり、そして購入できるタイミングなら、なるべく早めに購入することをおすすめします。
D子:
どうして?
アドバイザー:
購入するまでの期間も、賃料はずっとかかるからです。家賃10万円の賃貸なら、1年先送りにするだけでも120万円かかります。3年後なら360万円です。頭金や諸費用くらいなら賄えるくらいの金額をただ消費するだけになってしまいます。
D子:
確かに、そう計算するともったいないかも。
アドバイザー:
購入するかどうか、するとしたらいつなのか。そして、購入できる条件はなんなのか。これらをすっきりと考えて、ベストタイミングで購入してほしいと思います。
D子:
ありがとうございます!
まとめ
住宅購入には、自分のタイミングと世の中のタイミングの2つがあります。自分が安心して暮らすための住まい購入であれば、自分のタイミングで考えればOK。
さらに、ライフイベントなどの購入タイミングによるメリット・デメリットをよく知っておき、自分にとっての適切なタイミングを見定めましょう。そして何より無理のない予算計画を立てられること、自分が健康であること。これらの条件を満たした上で、購入へと踏み切ることをおすすめします。