中古物件 2020.02.04 更新 | 2019.01.06 公開
「仲介手数料・物件価格」を値切ることは可能?交渉タイミングを伝授!

せっかく住まいを購入するなら、できるだけ安く…と思うのが人の心理です。例えば賃貸で家賃交渉をしたら少し安くなった、という経験がある方も多いでしょう。
では、同じように住宅購入において費用を値切ることはできるのでしょうか。また、物件価格以外に、ときには数百万もの費用がかかる仲介手数料を安くする方法はあるのでしょうか?
家を買うときの値引き交渉について学んでみましょう。
マンション購入で値切れるのは「物件価格」
A子:
アドバイザーさん!相談です。住宅購入のための予算を立てていて、きちんと予算内で購入予定ではいるんです。でも、せっかくならちょっとでも安くしたい!実際のところ値切ることはできるのか教えて!
アドバイザー:
できるだけお得に買いたい、と思うこと自体は全く悪いことではありません。住宅購入において値切れる部分と、その条件を見ていきましょう。
1-1.物件価格には値切り交渉の余地がある!
アドバイザー:
まず、基本的に値切れる可能性があるのは物件価格そのものです。物件価格が安くなれば、連動して不動産会社に支払う仲介手数料も安くなります。
一方で、提示された仲介手数料を値切ることは極めてむずかしいです。なぜなら、それが不動産会社の唯一と言っていいほどの収入源だからです。後述しますが、無理に値切ろうとして仲介担当者との関係がこじれてしまうことは想像以上にデメリットがあります。
A子:
仲介手数料って100万円以上かかることもあるのよね。どういうこと?
アドバイザー:
仲介手数料の上限金額は、400万円以上の物件なら『物件価格×3%+6万円+消費税』で決められているからです。ほとんどの場合、不動産会社ではこの上限金額ギリギリの仲介手数料で設定されているんですよ。
A子:
なるほど。新築マンションの場合でも仲介手数料ってかかるの?
アドバイザー:
いいえ、新築マンションの場合は一般的に売り主自身が法人だったり、売り主が販売代理や販売提携を利用しているため、買い手側には仲介手数料はかかりません。新築と中古では値切れる諸条件も異なってくるので、その違いも見てみましょう。
1-2.新築と中古で値切れる物件の条件は異なる
新築マンションの場合
アドバイザー:
新築マンションは、建設の段階から販売が始まりますよね。その時点で、実は後々値引きすることを踏まえた価格設定がされているケースが多いんです。
A子:
えっ、そうなの?
アドバイザー:
竣工までに完売しなかった場合は、周辺の似た条件のマンションと価格を合わせるために値段を引き下げたりすることで、できるだけ買い主を集めようとするわけです。
A子:
スーパーの売れ残りセールと似たような感じね。
アドバイザー:
完成してからも部屋が埋まらない場合は、そのぶん値引きの可能性も高まります。決算時期はセールをしていることも多いので、HPやチラシでキャンペーンの告知をチェックしておくといいかもしれません。
ただし、値段を引き下げるといっても中古マンションよりは高額ですので、そこは身の丈にあった予算を考慮しながら判断しましょう。
中古マンションの場合
A子:
中古マンションにも新築マンションと同じように『今売らないと!』というタイミングはあるの?
アドバイザー:
中古マンションを売りに出して成約が成立するまでの期間は3ヶ月を一区切りとして、半年以内が目安と言われています。長く売りに出されているということは、何か問題があるのではと思われて、なかなか買い手がつかない状況に陥ってしまうからです。
A子:
じゃあ、売りに出されて数ヶ月以上経ったら値下げしてもらいやすいってこと?
アドバイザー:
そういうケースも多いですね。例えば売り主が転勤のために物件を売りに出しているとしたら、早く購入してくれる人はありがたい存在ですから、買い手の要望も通りやすくなります。売り主が物件を売り急いでいる場合は、値引き交渉をしてみる価値あり、ということですね。
A子:
なるほど。新築マンションみたいに、あらかじめ高く価格設定されてるってこともあるの?
アドバイザー:
値付けは最終的に売り主が決めるものなので、もちろんその可能性もあります。市場の相場よりも高い価格設定なら、交渉してみても良いかもしれませんね。
A子:
具体的にはどれくらい安くできるものなの?
アドバイザー:
2.640万円の物件なら端数切り捨てで2,600万にする、というケースが多いですね。相場よりもかなり高額な物件なら、100万円単位の値引きもありえるかもしれません。
仲介手数料の値切り交渉にはデメリットが…

仲介手数料の値引きの光と影
A子:
物件価格が安くできるのはうれしいけど、仲介手数料もどうしてもそれなりの額になるのよね。仲介手数料単体で値切ることはできないの?
アドバイザー:
結論から言うと、交渉できなくはないないのですが、しないほうがいいですね。
A子:
交渉できるのにしない方がいいってどういうこと?
アドバイザー:
提示された仲介手数料を値引きすること自体は違法でもなんでもないので、不動産会社は10%引き、半額、なんなら無料にすることも可能です。交渉次第では端数程度なら値切ることができるかもしれません。
ただ、仲介手数料が減るということは、不動産会社の利益がそのまま目減りする、ということです。例えばA子さんが時給1000円で働いていて、途中で雇い主の都合で時給900円にされたらどう思いますか?
A子:
えーっ!働く気なくしちゃう!
アドバイザー:
不動産会社にとっては似たような状況になるということです。担当者のやる気がなくなったとしたら…
A子:
ど、どうなるの?
アドバイザー:
『この人のために良い物件を探そう!』という気にはなってくれないかもしれません。同じ物件に複数購入希望者がいたらどうでしょう。優先するのは、当然規定の手数料を支払ってくれる人ですよね。
不動産の売買には煩雑な手続きが必要ですし、アフターフォローで何かと不動産会社を頼る場面も出てくるかもしれません。そういった様々なケアの代わりに支払っているのが、仲介手数料なのです。
A子:
ううん、なるほど…。安くした分手抜きされて、住宅購入に失敗したら本末転倒だわ!
もともと仲介手数料が安いケースには要注意!
A子:
不動産業者にとって仲介手数料が大事なのはわかったけど、安くしている会社もあるわよね。
アドバイザー:
はい、そういった会社もあります。ただ、安いからこそ、利用する場合はきちんとした業者なのかは普通の不動産業者以上に見極めたいですね。
A子:
仲介手数料は無料なのに、他のサービスが高額っていうケースも聞いたことあるわ!
アドバイザー:
はい。仲介手数料を安くしているパターンはいくつかあります。
- 売り主が不動産会社で、物件を売れば利益になるため安くしている会社
- 価格競争のため経費削減やサービス最小化などで安くしている会社
- 売り手側からの仲介手数料だけを取り、利益にしている会社
- 仲介手数料という名目以外で収益を得ている会社
安くなるどころかかえって費用が高額になったり、営業が強引な会社もありますから、その点は注意が必要です。
>>おすすめ記事:中古マンション購入の「仲介手数料」相場!無料や半額の注意点とは?
値切ることを前提にして物件を選ぶのはNG
A子:
物件の費用を値切るのって、なかなか難しいなあ。ただ安くして!って言うだけで値切ってもらえるとも限らないわけよね。
アドバイザー:
そうですね。やみくもに値切るのは得策とは言えませんし、担当者や売り主へも悪印象になってしまうでしょう。家電製品なんかでは、例えばテレビと冷蔵庫を一緒に買うからこの価格で…とお願いするとすんなり受け入れてもらえたりしますが、同じように交渉の仕方には多少なり工夫が必要です。
A子:
なるほど。例えばどんな?
アドバイザー:
前述しましたが、よくある交渉は、購入を決める代わりに端数を値引きしてほしい等ですね。
A子:
用意は周到にしておかなきゃいけないのね!私にはちょっとハードルが高そう…
アドバイザー:
人によってはこういった交渉が苦手、という方もいますよね。ただ、もし安くできそうなタイミングや条件であれば、一度相談してみるのも手ではあります。
とはいえ、ここで注意したいのは『とにかく安くしたいから値切る』や『安くしてもらえるから買う』という考え方は危険だ、ということです。
適正価格で販売されている不動産の場合は、むしろ値引きに応じてもらえるのはここまでに紹介した以外の理由がある可能性もあります。大きな買い物だからこそ、値引きを理由に購入するのはやめておいた方が無難です。もし、予算が厳しいのであれば、予算自体を下げて検討した方が賢明でしょう。
A子:
それもそうですね…きちんと自分が納得できる物件を購入するようにします!
まとめ
住宅購入において、物件価格はある程度値切ることができます。新築と中古では値切ってもらいやすいタイミングが異なるので、それぞれの物件がどんな状況かを見定めて値引き交渉するようにしましょう。
また、物件価格が安くなれば仲介手数料も安くなりますが、仲介手数料そのものを値切るのは、担当者との関係が悪くなるリスクが高いのでおすすめできません。
値切り交渉はあくまで手段の一つ。値切って家を買うことが目的にならないよう、物件選びは慎重に行いましょう。
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