2023.04.11 更新

値切るなら仲介手数料より物件価格!本当に得できる交渉術とは?

仲介手数料の値引きで良い家は買えるか

「不動産を購入するときの仲介手数料っていくらかかるの?」
「仲介手数料を安く抑えるコツを知りたい」

マンションにしても戸建てにしても、家を購入するには高額な費用がかかります。抑えられるところは少しでも抑え、できるだけお金の負担を減らしてマイホームを手に入れたい…というのは誰しもが思うところでしょう。

そこでよく注目されるのが、不動産会社に支払う仲介手数料です。しかし結論から言うと、仲介手数料を値切ることはおすすめしません。なぜなら仲介手数料を値切ることにはリスクが伴うからです。

本記事では、仲介手数料とは何か、仲介手数料の値切りをおすすめしない理由、そして仲介手数料を値切らず購入価格を抑える方法を紹介します。少しでも安く物件を購入するために仲介手数料の交渉を考えている人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

Advisor

元銀行員 アドバイザー 鰭沼悟

[監修]宅地建物取引士/元銀行員

鰭沼 悟

宅地建物取引士、不動産投資家歴15年、元銀行員。不動産仲介からリノベーション設計・施工をワンストップで提供する株式会社grooveagent(ゼロリノベ)代表取締役。

Author

“【著者】ゼロリノベ編集部"

[著者]

ゼロリノベ編集部

元銀行員・宅地建物取引士・一級建築士が在籍して「住宅ローンサポート・不動産仲介・リノベーション設計・施工」をワンストップで手がけるゼロリノベ(株式会社groove agent)。著者の詳しいプロフィール

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物件購入の仲介手数料とは

まずは、そもそも物件購入に際して必要となる仲介手数料とは何なのかを知り、値切りの余地があるのかを考えてみましょう。

1-1.不動産売買のサポートへの対価

不動産売却や住宅購入においては、売主も買主も不動産会社と専属専任媒介契約や専任媒介契約、一般媒介契約などを結び、物件や買主を探してもらうのが一般的です。依頼を受けた不動産会社は、希望に沿った物件や買主を探します。そして最終的に売買契約の締結に至ったときに、不動産会社が成功報酬として受け取るのが仲介手数料です。

つまり不動産会社にとって、仲介手数料は仲介業務に対して発生する「成功報酬型の売上」であるといえます。仲介手数料は不動産取引額に応じた上限金額が法律で決められており、価格が高くなるのに比例して仲介手数料も高額になる仕組みです。

仲介手数料の上限額の計算方法は下記の通りです。(税抜の売買価格が400万円以上の場合)

仲介手数料の計算式たとえば4,000万円の中古マンションを購入した場合の仲介手数料は、以下のように計算します。

(4,000万円×3%+6万円)=126万円+12.6万円(消費税10%)=138.6万円

4,000万円の物件の売買では、不動産会社は売主もしくは買主(あるいは両方)から138.6万円を仲介手数料として受け取ります。このように、不動産は取引価格が高額になる傾向があるため、仲介手数料も100万円を超えることが珍しくありません。

仲介手数料は値切れるのか

決して少なくはない額の出費となる仲介手数料。では仲介手数料を値切ることはできるのでしょうか?またその際、値切り交渉はどうすればいいのかを説明します。

2-1.値切れる…けれどリスクがある

仲介手数料を値切ることは禁止されていないため、するかしないかは自由です。しかし結論から言うと、リスクがあるためできるだけ値切り交渉は避けることをおすすめします。

1章で見てきたとおり、仲介手数料は不動産屋にとって、不動産売買をサポートすることによって得られる売上です。しかも不動産会社などの宅建業者は、不動産売買に際してかかる経費を顧客の事前承諾なしに請求することは原則NGとされています。

たとえば不動産会社に物件探しを依頼すると、取引を成立させるまでに時間をかけてさまざまな物件を探してくれますが、契約に至らなければ1円の収入も得られません。同様に売却に際しても、いくら広告費をかけて買主を募集しても、その費用を売主に請求するのは違法です。

つまり仲介手数料は、不動産会社にとっては大切な収入源なのです。にもかかわらず依頼者から値下げ交渉されるのは、決して良い気もちがするものではありません。営業マンの心理として「この人のために良い物件を探そう!」という積極的な気持ちになれず、その後の対応や態度が悪くなる可能性があります。同じ物件を値切ることなく提示した金額で購入してくれるお客さんがいたら、そちらの優先順位が高くなっても何の不思議もないでしょう。

そもそも好条件だったり、人気物件だったりする場合は、値引き交渉をすることで相手にされなくなることも考えられます。このように仲介手数料を値切ることには、さまざまなリスクがあるのです。

2-2.値切りたい場合の条件

とはいえ、値切る余地がゼロというわけでもありません。たとえば不動産業者次第ですが、あまりサポートを受けない場合は、費やす労力が少ないことを交渉材料にすれば値下げに応じてもらえる可能性はあります。具体的には自分で売主を見つけ、売買契約の手続きだけを依頼するようなケースです。

ほかにも売買の条件があまり良くないときや、長く売れ残っている不人気物件を購入する場合は、売却価格を値切れる可能性はあります。つまり、値切らないほうがいい条件の反対のケースに当てはまるなら、交渉してみてもよいでしょう。

2-3.もともと仲介手数料が安いケースには要注意

仲介手数料には上限額はあるものの下限額はないため、「仲介手数料半額」「仲介手数料無料」などと宣伝している不動産会社も存在します。しかしこれらにはいろいろなパターンがあり、必ずしもいいとは限りません。

不動産業界的によくあるのは、仲介会社が「両手取引」をしているケースです。両手取引とは、売却の相談を受けた仲介業者が他社への情報を遮断し、自社で買主を見つけて売主と買主の双方から仲介手数料を受け取ることを指します。「囲い込み」ともいわれる両手取引は手数料収入が増えるため、割引き施策を打ちやすくなるのです。

しかし両手取引は売主と買主にとっては選べる物件が少なくなる、という大きなデメリットがあります。両手取引をするためには、不動産会社は自社が仲介している物件を優先する必要があるからです。

ほかにも手数料半額や無料となるケースはありますが、いずれもなんらかのからくりがあるのではと疑問を持ち、不動産会社を見極めることが大切です。

中古マンション購入の仲介手数料無料や半額の注意点について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

2-4.仲介手数料値下げの代わりに特典やキャンペーンを使う

不動産会社が仲介手数料を下げることは売上に直結するため難しいのが実情です。そのため代わりに顧客獲得を目的としたキャンペーンの実施や、成約プレゼント・ギフト券などの特典、各種サポートなどを提供しているケースが見られます。大手不動産会社が提供しているサービスには、以下のようなものがあります。

  • 引っ越し業者を紹介してくれる
  • 購入した物件のハウスクリーニングを無料で依頼できる
  • 購入した物件の設備に不具合があった場合に無償で修理を受けられる

値下げという直接的なコスト削減効果はありませんが、これらサービスを活用することで結果的にお得になる可能性があるのです。大手に限らず、中小でもさまざまな工夫を凝らして集客をしているケースがあります。ネットで検索して物件情報を集めるときには複数の不動産会社を調べ、サービス内容に加えてどのような特典やキャンペーンがあるのかをあわせて確認したうえで比較検討するのがおすすめです。

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値切るなら購入価格

どうしてもコストを安く抑えたい場合には、仲介手数料ではなく購入価格の値下げをお願いするほうが、成功確率は高くなるかもしれません。購入価格を値切るのに成功すれば、連動して仲介手数料も安くなるので検討してもよいでしょう。

なお購入価格の値切り方は、新築物件と中古物件とで異なります。両者の値切りのタイミングや方法を紹介します。

3-1.新築物件の場合

新築物件は建設段階から販売が開始されますが、その価格はのちのち値引きすることを踏まえたものになっていることが多いのが特徴です。

そのままの価格で売れればよいのですが、施工までに完売しなかった場合には値段を引き下げて販売し、完売を目指します。その時点で利益が出るよう、あらかじめ高値に設定されているという仕組みです。とくに完成してからも空室があるようなケースでは、価格交渉がスムーズに進む可能性が高まります。

また不動産会社の決算時期は、予算を達成するためにセールしていることも多いので、チラシなどで情報収集するのもおすすめです。

3-2.中古物件の場合

中古物件の場合は、売りに出されて数カ月経っている物件を狙うと値下げ交渉に成功しやすくなります

基本的に不動産売却は3カ月をひと区切りとして半年が目安とされており、それ以上売れないと「売れ残り物件」の印象を与え買い手が見つかりにくくなります。そのような状況を避けるために、多少価格を下げても売却してしまおうとするケースがあるためです。

また売主が転勤などで早く売り切りたい場合なども、価格交渉のチャンスです。市場の相場より高い価格設定で売り出されている物件も、交渉の余地があります。

具体的な値下げ額は、たとえば3,640万円の物件なら、3,600万円とするといった「端数切り捨て」は、了承してもらえる可能性が高いでしょう。

中古で購入価格を抑えてリノベするのも一つの手

マイホームの購入にかかる費用を少しでも減額したいのであれば、そもそもの購入価格を抑えるのも方法の一つです。物件価格を下げられれば、自ずと仲介手数料を抑えることにもつながり、トータルの節約になります。

たとえば築25年以上の中古住宅は、一戸建てであれば建物の価値を失い土地だけの価格で評価されるようになり、マンションの場合も査定額が下げ止まります。底値に近い価格で購入できるうえ、それ以上資産価値が落ちにくいため売却するときの価格減少も少なく済むのでおすすめです。

4-1.値下げありきで予算を決めない

物件を探すときには、最初から値下げを前提として予算を決めるのはおすすめしません。

それよりも、そもそもの予算から余裕のある価格でマンションを購入し、手元に残った予算でリノベーションするのが確実です。安価な中古物件を購入したうえで好みの間取りや内装のお部屋へとリノベーションし、自分の意思を反映した世界観を作り上げれば、住まいへの満足度が上がるでしょう。

住宅への満足度が高くなれば、トータル的に同じ価格の買い物をした場合でも、お得感や納得感が増すはずです。

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まとめ

仲介手数料を値切れるのかについてお伝えしてきました。最後に内容をまとめておきましょう。

  • 仲介手数料を値切ることはできるがリスクが大きい
  • 値切るのであれば物件価格が無難
  • そもそも値切るよりも購入価格を抑えるほうが賢明
  • 安価な中古物件を選びリノベーションすると満足度が高くなる

仲介手数料を値切ること自体は禁止されていません。しかし不動産会社にとって収入の柱である仲介手数料を値切ることは簡単ではなく、むしろ担当者の心象を悪くし取引の成功率を落とすリスクが高くなります。それよりも、安価な物件の仲介を依頼し、リノベーションも含めて相談したほうが、円滑な取引を実現しやすくなるのでおすすめです。

なおゼロリノベでは、ファイナンシャルプランナーが将来的なライフプランを見据えたうえでの予算計画から、無理のない返済計画に基づく物件選び、理想の住まいを実現するリノベーションまでワンストップでサポートします。

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