中古物件 2020.11.10 更新 | 2020.11.05 公開
マンションと一戸建てを徹底比較!メリット・デメリットを詳しく解説

- マンションと一戸建てどちらにしたらいいの?
- マンションと一戸建てのどちらが向いているのか分からない
長年住み続けることになる大きな買い物になるからこそ、マンションか一戸建てなのかどちらを選ぶべきなのか悩んでいる人は多いのではないでしょうか。
マンションと一戸建てには、下記のようなメリットとデメリットがあります。
マンション | 一戸建て | |
メリット |
|
|
デメリット |
|
|
価格だけでどちらにすべきか決めてしまうと「思っていた環境と違う」「暮らしにくくて困ってしまう」という後悔に繋がってしまいます。メリットやデメリットを知り重視したいポイントを把握した上で、自分にはどちらが合っているのかじっくり検討することが必要です。
そこでこの記事では
- マンションの5つのメリットとデメリット
- 一戸建ての5つのメリットとデメリット
- コストや資産価値などマンションと一戸建てのを徹底比較
- マンションが向いている人
- 一戸建てが向いている人
をまとめてご紹介します。この記事を最後まで読めば、自分にとってマンションか一戸建てかどちらを選ぶべきか判断できるようになるはずです。
理想の住まい選びに後悔しないためにも、ぜひ参考にしてみてください。
マンションを購入する5つのメリット
まずは、マンションならではの
- セキュリティが充実している
- 立地を重視して選べる
- いざというときに売却・賃貸など選択しやすい
- 一戸建てにはないロケーションや施設が楽しめる
- 共用部分が使用できる
という5つのメリットについてご紹介します。
1-1.管理人室の設置やオートロックなどセキュリティが充実している
マンションの設備には外部からの侵入や万が一の事態に備えて住居者を守れるよう、下記のようなセキュリティが備わっていることが多いです。
- マンション玄関がオートロック式になっており、部外者の侵入を予防できる。
- 共用部分に防犯カメラが備わっている。
- インターフォンに警備会社に連絡できる非常ボタンがついている。
管理人やコンシェルジュが常駐しているマンションは常に人の目があるため、安心して暮らせるという声もあります。
マンションのセキュリティ対策は防犯に繋がっており、警視庁が公開している侵入窃盗データを見てみると2019年に侵入窃盗が発生した場所は一戸建住宅が43.9%と圧倒的に多く、4階以上の共同住宅では4.1%、3階以下の共同住宅では10.7%となっています。
このデータからも、マンションのセキュリティ対策により侵入窃盗が防げていると言えるでしょう。
昨今は安心して暮らせるよう防犯面に力を入れてているマンションも多く、一戸建てのようにお金をかけて創意工夫をしなくてもセキュリティ設備が利用できるところは大きなメリットです。
1-2.立地を重視して選べる
マンションは一戸建てに比べると、駅に近い場所や都心部にアクセスしやすい場所に多く建てられています。
とくに、大型の分譲マンションは駅に近い土地を大手住宅分譲会社が買い取って計画することが多いため、駅直結や都心部へのアクセス良好などといった魅力的な立地に住むことができます。
国土交通省が実施した「平成30年度住宅市場動向調査」では、72.3%の人が立地環境がいいという理由で分譲マンションを購入していることが分かりました。
通勤や通学、お出かけのしやすさといった利便性は、暮らしやすさに直結しています。一戸建の場合は駅前や繫華街といった人気エリアとなると土地価格が高騰し、予算を考えるとなかなか計画できないことが多いです。
公共交通機関や都心部にアクセスしやすいことを重要視できるのは、マンションならではと言えるでしょう。
参考:国土交通省「平成30年度住宅市場動向調査~調査結果の概要~」
1-3.いざというときに売却・賃貸など選択しやすい
ライフスタイルの変化により同じマンションに住み続けられなくなった場合、一戸建よりも売却しやすい傾向があるところも大きなメリットです。
築年数や立地により条件が異なるため一概には言えませんが、需要が多いエリアのマンションは資産価値が維持でき売却しやすいと言われています。
また、賃貸として人に貸す場合も一戸建より賃貸価格を抑えられるため貸しやすく、ライフスタイルに合わせて賢く活用することが可能です。マンションなら住まいを決めても、将来の変化に対し柔軟な対応ができます。
1-4.一戸建てにはないロケーションが楽しめる
一戸建では体感できないロケーションが手に入るのも、マンションならではです。周辺の環境や部屋の方角にもよりますが、都心部でも高層階に住めば輝かしい夜景や美しい夕日などを眺めて生活できます。毎日お気に入りのきれいな景色を眺められると気分もよくなるでしょう。
一方、一戸建ては2階~3階建が限界なので、住宅が密集する地域では窓を開けたところできれいな風景を眺めることは難しいです。
自宅から贅沢なロケーションを眺めてリラックスできるのは、マンションだからこそ取り入れられるメリットだと言えます。
1-5.共用施設が使用できる
マンションには、住民が一緒に使用する共用施設が設けられています。宅配ボックスや24時間利用可能なゴミステーションから、一戸建では用意できない設備パーティールームやラウンジ、キッズルームまで多彩な施設が用意されています。
2017年に新築分譲マンションに入居した400人を対象に「SUMO」が実施した人気共用施設のアンケートでは、1位が24時間ゴミステーションで、宅配ボックスや防災備蓄庫などの便利な施設が続きます。
マンションで人気の共用施設 | ||
1位 | 24時間ゴミステーション | 支持率94% |
2位 | 宅配ボックス | 支持率92% |
3位 | 防災備蓄庫 | 支持率60% |
4位 | 敷地内公園 | 支持率43% |
4位 | ライブラリー&スタディールーム | 支持率43% |
6位 | ゲストルーム | 支持率42% |
6位 | コンシェルジュ | 支持率42% |
参考:SUMO「新築マンション入居者に聞いた! マンション人気共用設備ベスト10」
一戸建てでは導入が難しい施設が自由に使えるところも、マンションの強みだと言えるでしょう。
マンションを購入する3つのデメリット
マンションのメリットが把握できたところで、デメリットとしてはどのようなことが挙げられるのかチェックしてみましょう。
2-1.住民とのトラブルが発生しやすい
マンションは多くの人が共同で使用している住宅なので住民同士でのトラブルが発生しやすく、気を遣って生活しなければなりません。
国土交通省が実施した「平成30年度マンション総合調査結果」ではマンションで発生するトラブルとして「居住者間の行為、マナーをめぐるもの」が最も多くなっていることからも、価値観の違いやマナーによりトラブルが多発していることが伺えます。
具体的な内容を見てみると「生活音」が38.0% と多く、次いで「違法駐車」や「ペット飼育」がトラブルの要因となっているようです。トラブルが発生すると生活しにくくなるため、子供がいる家庭やペットを飼っている家庭では配慮が必要となるでしょう。
一戸建てでは起こりにくい住民同士のトラブルに巻き込まれる可能性があるところは、マンションのデメリットです。
参考:国土交通省「平成30年度マンション総合調査結果(概要編)」
2-2.修繕費がかかる
マンションの設備や外装は年月とともに劣化していくため、メンテナンスフリーというわけにはいきません。
マンションの初期機能を維持するためには、通常11~15年に1度大規模修繕が実施されます。大規模修繕にかかる費用は、家賃とは別に修繕積立費として徴収されることがほとんどです。
修繕積立費はマンションによって異なりますが、毎月平均11,000円~12,000円ほどかかるため大きな負担となります。中には、修繕計画の変更によりマンションに住み始めてから増額が決定するケースもあるようです。
また、大規模修繕で修繕できるのは階段や廊下、外壁などの共用部分のみなので、部屋の設備の維持やリフォームは別途お金が必要です。このように考えてみると、マンションに住み続けることでかかる費用は意外と大きく、修繕費が負担となるのも事実です。
参考:国土交通省「平成30年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状 」
2-3.決まった間取りから選ばなければならない
マンションは一戸建てのように自由設計ができないので、予め提示されている間取りや設備から選択しなければなりません。
ロケーションや日当たり、部屋数や設備の位置など重視したいポイントをいくつも挙げると、なかなか思い通りのマンションが見つかりません。
マンションの契約上可能なら購入してから自由にリノベーションすることはできますが、購入金額とは別に費用がかさんでしまいます。一戸建てと比べると間取りや設備の自由度が低いところは、マンションのデメリットだと言えるでしょう。
マンションのメリットやデメリットをチェックできたところで、比較したい一戸建てのメリットやデメリットも確認してみましょう。
一戸建てを購入する5つのメリット
一戸建てのメリットとしては
- 理想の間取りや大きさの家が手に入る
- 近隣住民とトラブルになりにくい
- 駐車場や駐輪場に余分な費用がかからない
- 土地を資産として所有できる
- ライフスタイルの変化に合わせやすい
という5つが挙げられます。それぞれどのようなメリットなのかご紹介します。
3-1.理想の間取りや大きさの家が手に入る
一戸建ての最大のメリットは、理想の間取りや設備、大きさの家が手に入るところです。もちろん費用による制限はありますが、注文住宅を選択すれば間取りや設備を自由に選択し一から家作りをする楽しさが体感できます。
中古住宅や建売住宅であっても「広いキッチンが欲しい」「庭や広いベランダが欲しい」といったマンションではなかなか叶えられない理想の家が実現できるところも大きな魅力です。
自分のこだわりを思う存分取り入れたマイホームが叶えられるのは、一戸建てならではと言えるでしょう。
3-2.近隣住民とトラブルになりにくい
一戸建てはマンションのように上下左右の部屋に他の住民が住んでいないため、近隣住民とトラブルになることが少ないです。
とくに、一軒一軒の住宅が離れている郊外なら子供の声や楽器の音、ペットの鳴き声などの騒音に必要以上に気を遣う必要がなく快適に過ごせます。
マンションの共用施設のように複数人で使用するスペースもないため、マナー違反などにストレスを覚えることもありません。
周囲の目を気にすることなく、また周囲の環境に悩まされることなく暮らせるのは、一戸建てならではのメリットです。
3-3.駐車場や駐輪場に余分な費用がかからない
都心部ではマンションの駐車場を借りるだけでも、1台につき数万円かかることはよくあります。駐車場無料の物件を見つけたとしても駐車場を利用している分修繕費を余分に払わなければならないことがほとんどで、車を所有しているだけでコストがかさんでしまいます。
一戸建ての場合は、購入した土地内に駐車場と駐輪場を作ってしまえば余分な費用がかかりません。アットホーム株式会社が実施したアンケートでは、一戸建てを選んだ理由をとして「駐車場が無料」というのが一位となっています。
一戸建てを選んだ理由は? | ||
1位 | 駐車場が無料 | 51.8% |
2位 | 住宅街の静かな環境 | 48.5% |
3位 | 管理費や積立金を払いたくない | 45.2% |
4位 | 日当たりや風通しがいい | 43.2% |
5位 | 土地が持ちたい | 33.9% |
参考:アットホーム株式会社「トレンド調査 -1都3県在住で、今年住宅を購入した600人にアンケート-」
1台につき毎月20,000円の駐車場代がかかるとすると1年で240,000円もの負担となるため、5年10年と長く住み続けることを考えると大きな出費となります。
無駄なコストをかけないで生活に必要な車や自転車が所有できるところも、一戸建てならではだと言えるでしょう。
3-4.土地を資産として所有できる
一戸建てを購入するときには土地も同時に購入するため、土地を資産として所有できます。
建物は老朽化により資産価値が低下していきますが、土地の価格はよほど大きな経済的な動きがない限り大きく下落することなく、この場所に住まなくなったとしても売却したり相続したりと有効活用ができます。
マンションの場合は土地の一部の所有権を得られる場合はありますが、一戸建てのように自由に使用することは難しいでしょう。
国土交通省の調査によると全国民の64%が何らかの形で土地を所有しているそうで、土地は資産として価値があるという考え方は深く根付いているようです。
「万が一のときに備えて資産を持っておきたい」と考えている人にとって、土地という資産が持てる一戸建てはメリットがあるでしょう。
参考:国土交通省「平成30年度「土地問題に関する国民の意識調査」の概要について」
3-5.ライフスタイルの変化に合わせやすい
一戸建ては、ライフスタイルの変化に合わせ自由なタイミングで増改築や設備の買い替えなどを検討できます。「子供部屋を作りたい」「将来のためにそろそろバリアフリー対応に改築したい」など、一人一人のタイミングで自由に決断できます。
一方で、マンションの場合は購入をした部屋であっても基本的に自己判断でリフォームすることはできず、許可と規約に沿った手続きが必要なので手間と時間がかかります。
生活の変化に合わせて暮らしやすいように創意工夫ができるところも、一戸建ての大きなメリットです。
一戸建てを購入する3つのデメリット
一戸建てならではのメリットが把握できたところで、デメリットとしてはどのようなことが考えられるのかチェックしてみましょう。
4-1.維持管理を全て自分で行う必要がある
一戸建ての場合、建物や土地の維持管理を全て自分で行わなければなりません。
住宅産業協議会が提示している住まいのメンテナンススケジュールによると、下記の表のように10~20年の周期で外壁や屋根、室内の設備などをメンテナンスする必要があります。
メンテナンス部分 | メンテナンス周期 | 主なメンテナンス内容 |
屋根 | 15~20年 | 塗装・防水シートの貼り換え・シーリングの打ち替え等 |
外壁 | 15~20年 | 塗装・目地の打ち替え・洗浄等 |
バルコニー | 15~20年 | 防水シートの張替え・部品交換・塗装 |
外部建具 | 状態に合わせて | 扉やサッシ、シャッターなどの取り替え |
室内 | 10~15年 | 建具や床材の取り替え |
設備 | 10~15年 | 給排水の点検や補修、洗浄 |
どのメンテナンスも費用がかかるため、前もって計画を立て進めることになるでしょう。
マンションの場合は室内のメンテナンスは自分でする必要がありますが、共用部分は管理組合が修繕計画を立てて定期的に実施してくれるため手間がかかりません。
忙しい人や自宅のメンテナンスが面倒だと感じる人にとっては、デメリットとなるポイントでしょう。
4-2.都心部の場合は利便性のいい土地が見つけにくい
都心部の場合は人口密度が高く空き地が少ないため、利便性を考慮し公共交通機関や都心部に近い土地を購入したいと思ってもなかなか見つからないのが現状です。
都心部に空き地が出たとしても商業施設や分譲マンションなどの大手企業に買い取られることが多く、空き地や中古住宅が出てくるのを待っていると時間ばかりが過ぎてしまいます。
国土交通省の「住宅調査報告書」を見てみると、最寄り駅から離れるほど一戸建てのストック数が増え、2kmを超えたところでアパートやマンションなどの総数より一戸建の数が一気に増えることが一目瞭然です。
「できるだけ利便性のいい場所に住みたい」という思いはあっても、マンションに比べると駅や都心部へのアクセスが悪くなってしまうことが多いところもデメリットです。
4-3.光熱費が高くなりがち
太陽光発電などの省エネ対策をしていない場合、床面積が広くさまざまな設備を搭載できる一戸建のほうが光熱費が高くなる傾向があります。
日本生活協同組合連合会が発表した「電気・ガス料金調査」によると、1ヶ月の電気代は一戸建てで平均8,546円、マンションで平均6,477円となっており、約2,000円の差があります。電気代だけでも1年で24,000円、5年で120,000円も差がつくため負担が増えることが多いです。
暮らしに必要不可欠な電気代やガス代がかさむところは、一戸建ならではのデメリットと言えるでしょう。
マンションと一戸建てを6つのポイントで徹底比較
ここからは、マンションと一戸建てで悩んでいるときに比較したい下記のような6つのポイントを比較検討していきます。
マンション | 一戸建て | |
首都圏:平均6,011万円 | 購入コスト | 首都圏:平均5,531万円 |
158.4万
(駐車場なし:134.4万) |
ランニングコスト | 137.3万 |
人気エリアにある
|
資産価値 |
|
◎マンションにセキュリティ対策が備わっている | セキュリティ | △自分で創意工夫をする必要がある |
◎共用施設が使える
◎一戸建てよりメンテナンスが楽 |
快適性 | ◎近隣住民とのトラブルが少ない
◎間取りの自由度が高い |
◎都心部や最寄り駅にアクセスしやすい立地が多い | 利便性 | △都心部では土地を探しにくい |
※ランニングコストは5-2でご紹介する方法で算出しています
重視したいポイントではマンションと一戸建てのどちらのほうが優れているのかチェックしてみましょう。
5-1.購入コスト
マンションや一戸建ての購入コストは
- 購入を検討する地域
- 間取りや土地の大きさ
- 欲しい設備
- 周辺の環境
によって大きく左右されるため、一概にどちらのほうが高いとは言えません。
2020年の首都圏の平均的な価格はマンションが6,011万、新築一戸建てが5,531万(23区以外は3,977万)となっているため、一戸建てのほうが若干安いですが同じ地域で検討をするなら大差はあまりないのが現状です。
「どちらが安いのか」で比較するのではなく譲れない条件や予算をしっかりと決めてから、条件に当てはまるマンションや一戸建てではどのような物件が検討できるのか、比較したほうがいいでしょう。
参考:不動産研究所「2020年8月度首都圏のマンション市場動向」
参考:アットホーム株式会社「首都圏における「新築戸建」の価格動向(2020年7月)」
5-2.ランニングコスト
マンションや一戸建てを購入すると
税金
- 固定資産を所有している人が毎年払う固定資産税
- 住んでいる地域によっては都市計画税
メンテナンス費用
マンションは修繕積立費、一戸建ては維持管理費
保険料
火災保険や地震保険などの損害保険料
その他費用
マンションの場合は駐車場代や共有部分の管理費
が毎年必要になります。一戸建てとマンションでは1年間にかかるコストにはどのような違いがあるのか比べてみると、マンションのほうが若干高くなる傾向があります。
下記の例ではマンションに1台分の駐車場代を入れていますが、駐車場を利用しない場合の1年間のランニングコストは134.4万となり、一戸建てとほど変わらない金額になります。
一戸建ての年間ランニングコスト (固定資産評価額:建物4,000万・土地2,000万の場合) | |
固定資産税(建物:軽減措置なし) | 56万 |
固定資産税(土地:軽減措置なし) | 28万 |
都市計画税(建物:軽減措置なし) | 12万 |
都市計画税(土地:軽減措置なし) | 6万 |
維持管理費(15年に1回500万かかると想定) | 33.3万 |
損害保険料 | 2万 |
合計 | 137.3万 |
マンションの年間ランニングコスト (固定資産評価額:建物6,000万の場合) | |
固定資産税(建物:軽減措置なし) | 84万 |
都市計画税(建物:軽減措置なし) | 18万 |
管理費(平均16,000円×12ヵ月分) | 19.2万 |
修繕積立費(平均11,000円×12ヵ月分) | 13.2万 |
駐車場代(平均20,000円×12ヵ月) | 24万 |
合計 | 158.4万(駐車場未使用:134.4万) |
上記の例はあくまでの一例なので、マンションでも土地が付いている場合は固定資産税や都市計画税は高くなりますし、一戸建てでもメンテナンス費用を抑えるとランニングコストが下がる可能性があります。
ランニングコストを比較検討したい場合には、検討している一戸建てとマンションで税金とメンテナンス費用、損害保険料、その他の費用を照らし合わせてみると違いが分かるでしょう。
マンションや一戸建て購入時にかかる税金の算出方法が知りたい場合は、下記の記事も参考にしてみてください。
参考:マンション購入時・購入後に払う税金は4つ!計算法や軽減措置を解説
5-3.資産価値
マンションも一戸建ても条件により資産価値は大きく変わるため一概には言えませんが、国土交通省がまとめた「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」を見てみると、中古マンションと木造一戸建ては築年数とともに資産価値が大きく低下していくのが分かります。
とくに、木造の一戸建て住宅の場合は築20年で新築価格の10%まで資産価値が下がってしまいます。
新築マンションの場合も同等で、下記の表のように築20年で坪単価が100万以上下落してしまうようです。
東京都の築年数別マンションの坪単価 | |
築1年 | 261.4万 |
築3年 | 256.6万 |
築5年 | 232.1万 |
築10年 | 203.8万 |
築15年 | 175.0万 |
築20年 | 149.9万 |
築年数の他にも資産価値を左右するポイントとして、マンションは立地や利便性など人気のある物件かどうか、一戸建ての場合は資産価値の高いエリアに土地があるかどうかが挙げられます。
資産価値を左右するポイント | |
マンション | 一戸建て |
|
|
マンションと一戸建てのどちらを購入しても月日の経過とともに資産価値が低下していくのが通常ですが、資産価値を左右するポイントも考慮することで価値維持しやすい住まいが選択できるでしょう。
マンションの資産価値を左右するポイントについてもう少し詳しく知りたい場合は、下記の記事も参考にしてみてください。
5-4.セキュリティ
建物のセキュリティは特別ば対策をしない限り、マンションのほうが優れていると言えます。マンションは多くの住居者が共同で生活する空間となっているためセキュリティ強化に力を入れている物件が多く
- 玄関がオートロック式
- 管理人が常駐
- 共用部分に防犯カメラ
- 警備会社に連絡できる非常ボタン
などの手厚いセキュリティ対策があらかじめ用意されています。一方で一戸建ては1階の窓やベランダを始め不審者が侵入できる部分は多いものの、ホームセキュリティなどお金をかけてセキュリティ対策を実施していない限りは本格的な対策が難しいのが現状です。
毎日安心して暮らすためにセキュリティを重視したい場合は、セキュリティ対策に力を入れているマンションが向いています。
5-5.暮らしやすさ
「理想の間取りを実現したい」「優雅な施設や美しい眺めを堪能したい」など暮らしやすさの指標は人それぞれ違いますが、マンションと一戸建てを比較検討するときに下記のような暮らしさすさをはかるチェックポイントがあります。
暮らしやすさを左右するチェックポイント | ||
マンション | 一戸建て | |
△多い | 近隣トラブル(騒音やマナー違反) | ◎少ない |
△少ない | 間取りの自由度 | ◎高い |
◎導入しやすい | グレードの高い設備 | △コストがかかる |
〇自分で実施するのは室内のみ | 維持管理 | △全て自己管理 |
近隣とのトラブルを避け周囲の目を気にせず暮らしたい場合は、上下左右に他の住民が済まない一戸建てのほうがおすすめです。
自由な間取りを実現したい場合は一戸建てのほうが向いていますが「共用施設を使いたい」「美しい景色やおしゃれなインテリアにこだわりたい」という場合は、マンションのほうが叶えやすいでしょう。
また、マンションは共用部分の手入れやメンテナンスを適宜実施してくれますが一戸建ては全て自己管理なので、面倒だと感じる場合はマンションがいいでしょう。
このように、自分の暮らしやすさの基準に当てはまる部分をチェックしながら、どちらのほうが快適な生活ができるのか検討してみてください。
5-6.利便性
都心部や公共交通機関へのアクセスは、マンションのほうが断然優れています。
一戸建てを購入する3つのデメリットでもご紹介しましたが都心部の土地は分譲マンションや商業施設が買い取るので、一戸建てを購入するとなるとどうしてもマンションより利便性が悪くなることが多いです。
一方で都心部の分譲マンションなら駅直結の物件や主要エリアまで徒歩圏内の物件が増えているため、通勤や通学の移動時間短縮も実現しやすいでしょう。
- 交通アクセスのしやすさを重視したい
- 少しでも移動時間を減らしたい
- 手軽に出かけられる環境に住みたい
という場合には、マンションを検討してみるのがおすすめです。
マンションが向いている人
マンションと一戸建てが比較検討できたところで、マンションが向いている人とはどのような人なのか気になりますよね。
ここでは、マンションが向いている
- 都心部や利便性のいい場所に住みたい人
- いざという時に住み替えしやすい住居を選択したい人
- 自分でメンテナンスをするのが面倒な人
という3つのタイプをご紹介します。
6-1.利便性のいい場所に住みたい人
何百人もの人が暮らす分譲マンションは住居者が暮らしやすいように
- 主要駅にアクセスしやすい立地
- 人気があるエリア
- 商業施設やスーパーなどが近く暮らしやすい環境
を選び建てられることが多いため、一戸建てよりも利便性を重視した暮らしができます。通勤や通学に便利で最寄り駅まで時間がかからないだけでなく、マンション周辺で買い物や食事が楽しめることも多いです。
手軽に出かけられる環境にこだわりたい人や毎日の通勤や通学時間を少しでも短縮したいと考えている人におすすめです。
おすすめポイント
- 最寄り駅や都心部へのアクセスが良好で、通勤や通学に便利。
- マンション周辺に商業施設など手軽に出かけられる場所があることが多く退屈しない。
- マンション周辺に必要な施設が揃う暮らしやすい環境を重視したい人におすすめ。
6-2.いざという時に住み替えしやすい住居を選択したい人
「これから先、転勤する可能性がある」「一生この場所に住み続けるのか分からない」という場合にも、一戸建てよりマンションが向いています。
マンションなら売却をするだけでなく賃貸として貸し出すことも検討でき、資産運用に活用することも可能です。
また、需要が多い人気エリアのマンションや築浅マンションの場合は資産価値を維持し売却しやすいと言われており、一戸建てよりも高く売却できる可能性もあるでしょう。
このように、ライフスタイルの変化に合わせ住まいを変えたいときにはマンションを選ぶほうが安心です。
おすすめポイント
- いざという時に賃貸としても活用でき、資産運用に回せる。
- 人気エリアや需要が高いエリアのマンションなら、資産価値を下げずに売却できる可能性がある。
- ライフスタイルの変化に合わせて、住み替えという選択がしやすい。
6-3.自分でメンテナンスをするのが面倒な人
一戸建ての場合は全て自己管理なので、計画を立て資金を確保しながら性能が維持できるように進めていかなければなりません。面倒という理由でメンテナンスを怠ると、一戸建て資産価値低下に繋がります。
マンションの場合は共用部分は定期的にメンテナンスをしてもらえるため、いつも快適な状況で使用することが可能です。自身でのメンテナンスが必要なのは室内のみなので、一戸建てに比べるとぐんと手間を減らすことができるでしょう。
住まいの維持やメンテナンスにかかる時間を減らし快適な環境を維持したいという人にとっても、マンションはおすすめです。
おすすめポイント
- 共用部分のメンテナンスや手入れを定期的に行ってもらえる。
- 自身で維持管理しるのは室内のみでいい。
- 一戸建てに比べると維持管理の手間が少なく、できるだけ手間をかけたくない人におすすめ。
一戸建てが向いている人
最後に、一戸建てが向いている
- 近隣の目を気にせず暮らしたいファミリー層
- 理想の間取りやライフスタイルを実現したい人
- 都心部から離れてゆっくり暮らしたい人
という3つのタイプについてご紹介します。当てはまる項目はないかチェックしてみましょう。
7-1.近隣の目を気にせず暮らしたいファミリー層
小さな子供がいるファミリー層には、一戸建てがおすすめです。マンショントラブルでは子供の足音や鳴き声がクレームとなるケースがあり、周囲に気を遣いながら暮らさなけばなりません。
一戸建ての場合は同じ建物に近隣住民が同居していることがないので、ストレスから解放されのびのびと暮らせます。子供と遊べる庭や家族全員で過ごす広いリビングなどを計画できるのも、一戸建てならではです。
また、子供の成長に合わせて間取りの変更やリフォームなどを検討しやすく、ライフスタイルの変化ととのみ暮らしやすい状態を維持できるのもファミリー層に向いているポイントです。
おすすめポイント
- 周囲の目を気にすることなく、のびのびと子育てができる。
- 子供の成長に合わせて間取りの変更やリフォームを検討しやすい。
- マンションでは実現しにくい、子供と遊べる庭や家族で過ごす広いリビングが実現できる。
7-2.理想の間取りやライフスタイルを実現したい人
自分の中で思い描いている間取りや理想の暮らしがある場合、ある程度間取りが決まっているマンションからでは該当するものを探すのは大変です。
とくに、設備にこだわりたい場合や部屋数、部屋の広さを妥協したくないと思っている場合は、既存のマンションからでは実現しにくいでしょう。
その点、一戸建てなら予算内で自由に間取りや設備を検討でき、一から理想の家を作り上げていく楽しさも体感できるでしょう。
長い間暮らす場所だからこそ思いの詰まった場所にしたいと思っている人にも、一戸建てはピッタリです。
おすすめポイント
- 理想の間取りや設備など、思い描いていた暮らしを実現できる。
- 一から家を作っていく楽しさを体感できる。
- 妥協せずこだわりの詰まった住まいが検討できる。
7-3.都心部から離れてゆっくり暮らしたい人
都心部や人気エリアは土地が少ないだけでなく土地価格も高騰しており、一戸建てが検討しにくい状況が続いています
一方で、都心部から離れた閑静な住宅街や自然豊かなエリアなら比較的土地が探しやすく、一戸建てが検討しやすくなります。
「スーパーまで遠い」「最寄り駅までバスを利用しなければならない」など利便性には欠けるかもしれませんが、都心部から離れて静かな場所でゆっくりと暮らしたいと考えている人にとっても一戸建てはおすすめです。
おすすめポイント
- 都心部から離れて静かな環境で暮らせる。
- 郊外は人気エリアや都心部より土地が安い傾向があり、一戸建てを検討しやすい。
- 人が多い場所より自然豊かな場所を好む人に向いている。
まとめ
いかがでしたか?
マンションと一戸建てそれぞれのメリットとデメリットが比較検討でき、どちらのほうが自分には向いているのか判断できたかと思います。
最後にこの記事の内容をまとめてみると
マンションのメリットは次の5つ
- 管理人の常駐などセキュリティが充実している
- 利便性のいい物件が多く立地を重視して選べる
- いざというときに売却・賃貸など選択しやすい
- 一戸建てにはないロケーションが楽しめる
- 共用部分が使用できる
マンションのデメリットは次の3つ
- 近隣住民とトラブルになることがある
- 共用施設や共用部分を維持していくため、修繕積立費が必要
- 決まった間取りから選ばなければならない
一戸建てのメリットは次の5つ
- 理想の間取りや大きさの家が手に入る
- 近隣住民とトラブルになりにくい
- 駐車場や駐輪場に余分な費用がかからない
- 土地を資産として所有できる
- リフォームがしやすくライフスタイルの変化に合わせやすい
一戸建てのデメリットは次の3つ
- 自分で維持管理をしていかなければならない
- 都心部では土地が見つけにくい
- マンションより光熱費がかかる
マンションと一戸建てを比較検討した表は下記の通り
マンション | 一戸建て | |
首都圏:平均6,011万円 | 購入コスト | 首都圏:平均5,531万円 |
158.4万
(駐車場なし:134.4万) |
ランニングコスト | 137.3万 |
【資産価値を維持するには】
人気エリアにある
|
資産価値 | 【資産価値を維持するには】
|
◎マンションにセキュリティ対策が備わっている | セキュリティ | △自分で創意工夫をする必要がある |
◎共用施設が使える
◎一戸建てよりメンテナンスが楽 |
快適性 | ◎近隣住民とのトラブルが少ない
◎間取りの自由度が高い |
◎都心部や最寄り駅にアクセスしやすい立地が多い | 利便性 | △都心部では土地を探しにくい |
マンションが向いているのは次の3つのタイプ
- 都心部や利便性のいい場所に住みたい人
- 売却や賃貸など、いざという時に住み替えしやすい住居を選択したい人
- 自分でメンテナンスをするのが面倒な人
一戸建てが向いているのは次の3つのタイプ
- 近隣の目を気にせず暮らしたいファミリー層
- 自分で思い描いている理想の間取りやライフスタイルを実現したい人
- 都心部から離れてゆっくり暮らしたい人
この記事をもとに、マンションか一戸建てか自分に合う住まいを選べるようになることを願っています。