2023.08.07 更新

マンション管理会社って何?役割や仕事内容、見極め方を徹底解説|人気ランキング付き

「管理会社って何をしているの?」
「管理会社は管理組合とは何が違うの?」

マンション管理会社とは、マンションの共有部分の管理業務を、マンションの所有者から委託されて行う企業のことです。所有者とは実質的な建物所有者であり、各住戸の区分所有者とは異なります。

快適にマンションで暮らすためには、区分所有者であっても「管理会社」とは何かを知っておくことが大切です。管理会社について無知なまま放任していると、共有部分の使い方や日常清掃、定期的な維持管理などで思わぬトラブルに巻き込まれるリスクがあります。

マンション管理は、日々快適に過ごすために必要不可欠なのはもちろんですが、特に中古マンションを購入する際は、「管理を買え」といっても過言ではないほど重要視すべきポイントです。

なぜなら、中古マンションの状態は表面的な築年数では判断することができないからです。共用部を含めて今までどのように管理されてきたのか、定期清掃はどのように対応しているのか、大規模修繕など今後どういう管理体制・計画がなされているのか長期修繕計画を含めて見極めることが、資産価値を見極める重要な材料になります。

この記事では、以下のようなマンションの管理会社における基礎知識から見極め方まで、詳しく解説します。

  • マンション管理会社の業務とは?
  • マンション管理会社への2つの委託方式
  • マンション管理会社の種類
  • 失敗しないマンション管理会社の見極め方
  • 2022年マンション管理会社ランキング TOP50

これからマンションを購入予定の方や現在マンションで暮らしている方は、ぜひ、管理会社について理解を深め、後悔のないマンション選びや快適なマンション生活に役立ててください     。

Advisor

元銀行員 アドバイザー 鰭沼悟

[監修]宅地建物取引士/元銀行員

鰭沼 悟

宅地建物取引士、不動産投資家歴15年、元銀行員。不動産仲介からリノベーション設計・施工をワンストップで提供する株式会社grooveagent(ゼロリノベ)代表取締役。

Author

“【著者】ゼロリノベ編集部"

[著者]

ゼロリノベ編集部

元銀行員・宅地建物取引士・一級建築士が在籍して「住宅ローンサポート・不動産仲介・リノベーション設計・施工」をワンストップで手がけるゼロリノベ(株式会社groove agent)。著者の詳しいプロフィール

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マンション管理会社の業務とは?

冒頭でも触れたとおり、マンションの管理会社とは、マンションの共有部分(部屋以外の廊下や階段、エレベーター、エントランスなど)の管理業務を行う企業のことです。

まずは、マンション管理会社の業務内容から確認していきましょう。

1-1. 管理員の業務

マンション管理員の業務は、巡回や点検など多岐にわたります。主な業務は次の通りです。

  1. 巡回・警備
  2. 設備の点検
  3. 備品の管理
  4. 業者作業の立ち合い

一般的に管理員の業務形態には日勤型・常駐型・巡回型の3種類があります。常駐型は基本的に24時間の管理体制です。

1-2.事務管理業務

事務管理業務は、管理組合の運営サポートが中心です。主な業務は次の通りです。

  1. 総会・理事会の準備
  2. 管理費などの徴収・帳簿管理
  3. 修繕計画の立案     

管理費の徴収や帳簿付け、マンションの大規模修繕計画の立案、報告など重要な役割を担います。

関連:大規模修繕について詳しく知りたい方はこちらの記事をご参照ください

1-3.清掃業務

マンションの日常的な清掃業務、共有部分の管理などを実施します。主な業務は次の通りです。

  1. 日常清掃・定期清掃    
  2. ゴミ出し

清掃は建物ばかりではなく、庭や外構など外回りの清掃も含みます。一般的に、管理がしっかりしているマンションは頻繁に清掃を行っているため、植栽や外観の見た目が比較的きれいな傾向があります     。

1-4.建物・設備管理業務

建物の寿命を長くするには定期的なメンテナンスが非常に大切です。そのため管理員は、建物・設備などの修繕やメンテナンスを行っています。主な業務は次の通りです。

  1. 建物・設備・共有部分などの修繕、メンテナンス
  2. エレベーターや電気設備、給排水設備などの保守点検の実施や立ち合い

ご紹介してきたこれらの業務のうち、実際にどの業務をどの程度担うかは、委託方式によって変わります。

次の章では、管理会社の委託方式について解説していきましょう。

管理組合とは

マンションに住むとよく聞かれる「管理組合」は、どのような組織を指すのでしょうか。また管理会社と管理組合は、何が違うのでしょうか。「管理組合」について正しく理解しておきましょう。

2-1.管理組合=マンション所有者

「マンション管理会社」と「マンション管理組合」は似ている言葉ですが、意味はまったく異なります。

マンションの管理組合とは、そのマンションの所有者全員によって構成される組織です。簡単にいえば「管理組合=マンションの所有者」となります。ここで重要なのは、マンションの管理業務を行う義務があるのはマンション所有者(購入者)のみであるという点です。

管理組合

  • 意味:マンションの所有者(購入者)による団体
  • 役割:マンションの管理業務を行う

管理会社

  • 意味:マンション管理を事業とする企業
  • 役割:管理組合から委託を受けてマンションの管理業務を行う

マンションの管理業務を行うのは、マンションの所有者による管理組合です。

しかし多くの場合、マンションの所有者はマンションの管理業務については素人です。さらに、多忙でマンション管理に十分な時間を割けないこともあります。

そこで マンション管理組合は、マンションの管理業務のプロである管理会社に費用を支払って、マンションの管理業務を委託します。つまり “管理組合からマンションの管理業務を委託される企業が管理会社”という関係にあるのです。

関連:マンションの管理組合について詳しくはこちらをご覧ください。

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マンション管理会社への2つの委託方式

次に、管理組合が管理会社に管理業務を委託する委託方式についてご紹介します。委託方式は、主に大きく分けて2つあります。

  • 全部委託方式
  • 一部委託方式

それぞれ詳しく見てみましょう。

3-1. 全部委託方式

1つめの委託方式は全部委託、一般的にはこちらを選択しているマンションが多いです。全部委託では、マンション管理に関する一切の業務を、全面的に管理会社に委託します。

1つの管理会社が管理業務を一括して行うため、管理組合の負担は大幅に軽減されます。しかしその分、管理会社に支払う管理委託費用は高額になります。

3-2. 一部委託方式

2つめの委託方式は一部委託です。

これは、マンション管理に関する業務の一部だけを管理会社に委託し、それ以外は、管理組合が業務を行ったり、直接個々の業者に依頼したりする方式です。

例えば、「常駐の管理人業務のみ管理会社に委託し、清掃はマンションの住人が順番に行う」というようなケースが、一部委託にあたります。

全部委託に比べると、一部委託の方が管理委託費用は割安になります。しかし、その分、管理組合の負担は大きくなります。

3-3. 番外編:自主管理方式

番外編として自主管理という方式もあります。

自主管理方式は、管理会社に管理を委託せず、管理組合がすべての管理業務を行う方式です。管理会社に支払う委託費用はかかりませんが、管理組合の負担は非常に大きくなります。中規模以上のマンションでは、現実的には難しい方式といえるでしょう。

どの管理方式にも、メリット・デメリットがあります。どの方式を選ぶのかは、管理組合の理事会・総会の決議を経て、マンションの所有者全員で決めましょう。

マンション管理会社の種類&人気ランキング

マンション管理会社には、大きく分けて2種類があります。デベロッパー系と独立系です。

4-1. デベロッパー系管理会社

デベロッパー系とは、デペロッパー(マンションの建設や分譲を行う会社)の子会社やグループ会社の管理会社です。

例えば、三井系の「三井不動産レジデンシャルサービス」や、住友系の「住友不動産建物サービス」が、デペロッパー系管理会社になります。

子会社に管理会社を持つデベロッパーがマンションの建設・分譲を行う際には、最初から系列の管理会社が管理業務を担います。建設・分譲の段階からその後の管理まで、一括して同じ系列の企業が担うことになるため、管理組合にとっては、建物に不具合が生じたときや、修繕時の対応がスムーズになるのがメリットです。一方で、管理委託費用は高めになる傾向があります。

デベロッパー系管理会社のメリット

  • 建設から管理まで同系列の企業に依頼できるため、メンテナンスや修繕の対応がスムーズ

デベロッパー系管理会社のデメリット

  • 管理委託費用が高め

4-2. 独立系管理会社

一方で独立系とは、デベロッパー系管理会社以外の管理会社です。

独立系には、中小企業から大手まで幅広い管理会社が存在し、個々がさまざまな特徴を持っています。

独立系管理会社はデベロッパー系管理会社とは違い、親会社の建設したマンションの管理物件が自動的に下りてくるようなことはありません。

その分、熾烈な競争にさらされており、競争原理が働いています。他社との差別化を図るために、デベロッパー系管理会社では提供していないユニークなサービスを展開していたり、委託費用が安価だったりすることもあるのです。

一方で、管理会社に対して強引な営業をかけてくる独立系管理会社も存在します。なかには悪質なケースもありますので、注意が必要でしょう。

独立系管理会社のメリット

  • 管理委託費用が安いケースが多い
  • 他者にはないサービスが見つかりやすい

独立系管理会社のデメリット

  • 強引な営業などをする悪質な会社もある

4-3.2022年マンション管理会社ランキングTOP50

マンション管理会社はどこがよいか、候補をどう選んだら良いのかわからない場合には、以下のマンション管理会社のランキングが参考になります。

マンション管理新聞社が、年に1回、マンション管理会社の受託戸数ランキングを発表しています。

受託戸数が多いほど、多くの管理組合に選ばれているということですから、信頼のおける管理体制や管理業務が期待できるということでしょう。

しかし、受託戸数はあくまで一つの目安として参考するに留めとして、後述する「5. 失敗しないマンション管理会社の見極め」の内容を踏まえて、管理会社を選びましょう。

なお、マンション管理組合(マンションの所有者)のみでは決めかねる場合には、専門家のサポートも受けながら、最適なマンション管理会社を選んでいきましょう。

マンション管理会社受託戸数ランキング2022

順位 社名 受託戸数
1 東急コミュニティー 504,334
2 日本ハウズイング 478,240
3 大京アステージ 429,786
4 長谷工コミュニティ 382,174
5 三菱地所コミュニティ 328,529
6 大和ライフネクスト 275,846
7 合人社計画研究所 229,708
8 三井不動産レジデンシャルサービス 205,226
9 住友不動産建物サービス 174,838
10 野村不動産パートナーズ 170,493
11 日本総合住生活 161,421
12 あなぶきハウジングサービス 143,653
13 穴吹コミュニティ 111,408
14 伊藤忠アーバンコミュニティ 107,125
15 グローバルコミュニティ(大阪) 101,901
16 東京建物アメニティサポート 78,773
17 近鉄住宅管理 69,331
18 ナイスコミュニティー 65,104
19 レーベンコミュニティ 59,619
20 浪速管理 57,803
21 大成有楽不動産 56,690
22 ライフボート西洋 53,224
23 日鉄コミュニティ 52,377
24 日本管財住宅管理 50,214
25 関電コミュニティ 45,196
26 日本住宅管理 44,109
27 明和管理 42,027
28 ホームライフ管理 40,558
29 MMSマンションマネージメントサービス 37,334
30 阪急阪神ハウジングサポート 34,649
31 住商建物 33,561
32 日神管財 33,289
33 伏見管理サービス 32,864
34 エスリード建物管理 32,790
35 三井不動産レジレンシャルサービス関西 32,150
36 双日ライフワン 29,337
37 ユニオン・シティサービス 29,228
38 互光建物管理 27,114
39 積水ハウスGMパートナーズ 24,232
40 クラシテ 24,215
41 大和地所コミュニティライフ 24,138
42 名鉄コミュニティライフ 23,905
43 長谷工コミュニティ九州 23,818
44 マリモコミュニティ 23,339
45 エステム管理サービス 22,671
46 エフ・ジェー・コミュニティ 22,185
47 スカイサービス 21,704
48 サニーライフ 21,483
49 日本ビルサービス 21,174
50 エム・シー・サービス 20,354

出典:マンション管理新聞社

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失敗しないマンション管理会社の見極め

では実際に、管理会社を選ぶときは、どんな点に注意すればよいのでしょうか。4つのポイントをご紹介します。

5-1. 物件の管理状況、管理会社は必ずチェックす    

購入を検討しているマンションを実際に訪れて、どのような管理がされているかを直接確認するとよいでしょう。建物の外観や共有部の清掃状況、植栽の手入れ、ゴミ置き場や集合ポストの使用状況などをチェックできます。昼と夜で景色が変わることもあるため、時間帯を変えて確認することをおすすめします。

5-2.管理組合の運営状況やお金の流れを確認

仲介会社の担当に依頼して管理組合の過去の総会の議案書・議事録、財務諸表、長期修繕計画、修繕履歴などの資料を取り寄せて確認しましょう。また管理費・修繕積立費の滞納はないか、きちんと計画通りに積み立てられているか、そもそも金額は適切かなど、自分で判断が難しい場合は、プロである仲介会社に聞いてみるのがおすすめです。なおゼロリノベではこれらの管理状況を重視しており、管理状態がよく長く住むのに適した物件のみを厳選し紹介しています。

5-3.複数の候補から費用の見積もりを出してもらう

自己所有の物件の場合に、依頼している管理会社から別の会社に変更したい場合には、まずは複数の候補から費用の見積もりを出してもらうことが重要です。

管理会社の委託費用は会社ごとに異なります。候補となる管理会社を複数ピックアップしたうえで、相見積もりを取り、条件を比較する必要とよいでしょう。複数の管理会社を比較検討することは、管理会社を する意味でも重要です。

5-4.契約期間を長期に設定しない

管理会社の仕事ぶりが確認できない段階では、短期間での契約がよいでしょう。長期間契約をしてしまうと、業務内容が合わなかったり管理の質がイマイチだったりしても契約中はなかなか変えることはできないからです。まずは1年契約から始めて見極めるとよいでしょう。

マンション管理会社は変えられる

「5-4.契約期間を長期に設定しない」でも触れたとおり、マンション管理会社は変更することができます。自分たちの不動産の管理を委託するのですから、信頼のできる相手に任せたいですよね。

マンション管理会社を変えたいときには、3ステップの手続きが必要になります。

  • 【ステップ1】管理組合の総会で決議する
  • 【ステップ2】現行の管理会社との契約を解除する
  • 【ステップ3】新たな管理会社との契約を締結する

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

6-1.マンション管理会社の変更方法

【ステップ1】管理組合の総会で決議する

管理会社の変更を行うためには、管理組合で合意することが必要です。一般的にマンション管理会社の変更は、普通決議(過半数の賛成)で実行できます。

具体的にはマンション管理組合の理事が、マンション管理会社変更の総会議案書を作成して総会を開催し総会にて決議を行います。

【ステップ2】現行の管理会社との契約を解除する

管理組合の総会で、管理会社の変更が決議されたら、現行の管理会社との契約解除を進めていきます。

契約解除に必要な手続きや、契約解除の通告から実際に解除されるまでの猶予期間などの詳細は、管理委託契約書に記載されている内容に基づいて行います

【ステップ3】新たな管理会社との契約を締結する

現行の管理会社との契約を解除するとともに、新たな管理会社との契約を締結します。

新たな管理会社との管理委託契約書の内容を吟味し、間違いや不利な条件がないか、よく確認しましょう。

以上の方法で、マンションの管理会社を変更することができます。

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まとめ

これからマンションを購入予定の方の中には、管理会社がしっかりしている物件かどうかを見極めるのが難しいと感じる方もいるでしょう。

そんな時は、資金計画から物件探し、リノベーションまでワンストップでサポートしているゼロリノベにご相談ください。管理状態の良い物件の目利きを得意としているため、将来的な資産価値を見据えたご紹介が可能です。

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