次の10項目を確認すれば「リノベ費用の差」がわかる
「戸建リノベーション費用の相場一覧」と「戸建リノベーションの3種類」によって大枠のイメージは把握できたと思います。そして実際には、インスペクションによって費用感は具体的になります。
費用感が分かると、各リノベーション会社の事例を参考にイメージを膨らませる人も多いのではないでしょうか?
しかし残念なことに、写真だけでは費用の参考になりません。なぜなら、事例写真は一部分だけを切り取っているので全てが見えているわけではないからです。見えないところに費用が掛かっているケースも多いです。
本章の10項目を確認すれば、「写真では似たような雰囲気のリノベーションに見えるが、実は費用に差がある」理由がわかります。
費用に大きな影響を与えているのは次の10項目です。これらを意識することでおおよその費用感がわかります。
10項目のうち、こだわる項目が多いほど第1章にある「戸建リノベーション費用の相場一覧」の相場価格より高くなり、こだわる項目が少ないほど低くります。
一方で、10項目以外の箇所は「比較的小コスト」か「自分で選択できない項目」のため、「リノベ費用の差」への影響が小さいです。

平米数
工事するエリアが広いほど、リノベーション費用は大きくなります。なぜなら、広いほど「資材の増量」「多くの作業時間」が必要になるからです。
本記事の「リノベーション費用の相場表」のフルリノベーションを参考にすると、平米数が違うと費用が変わることが分かります。
- 60㎡:1,290万円
- 70㎡:1,505万円
- 80㎡:1,720万円
間取り
特に水まわりの位置を大きく移動すると、通常よりリノベーション費用がかかります。なぜなら、配管を延ばしたり、床下配管に傾斜をつけて水を流しやすくするために床を上げたりするからです。
また、個室をつくるほど費用が大きくなります。なぜなら、壁をつくったり、扉の費用が必要になるからです。
例えば、間取りを少し変える「フルリノベ」と間取りを大きく変える「スケルトンリノベ」を比べてみましょう。本記事の「リノベーション費用の相場表」の70㎡を参考にすると、間取りによって費用が変わることが分かります。
- フルリノベ(70㎡):1,505万円
- スケルトンリノベ(70㎡):1,967万円
壁・床の素材
壁や床の素材はリノベーション費用に大きな影響を与えます。なぜなら、壁と床は改修面積が広いからです。
例えば、80㎡をリノベーションするとします。仮に、床材「1,500円/㎡」だと「120,000円(80㎡×1,500円)」です。一方で、「10,000円/㎡」のこだわった床材を選んだ場合は「800,000円(80㎡×10,000円)」になります。
つまり、床材の選択1つで大きな費用の差が生まれます。
キッチン
キッチンは最も費用の差が出やすい項目です。なぜなら、メーカーやグレードの違いによって、50万円くらいのものから300万円くらいのものまで幅が広いからです。
特にオプションは事例写真ではわからないポイントの1つです。ディスポーザーやビルトインオーブンといった、高機能なオプションを望む人もいれば、必要最小限で良いという人もいます。
お風呂
「ユニットバスを選ぶか」or「在来工法でオリジナルのお風呂をつくるか」によって、100万円以上の差が出るケースもあります。
なぜなら、在来工法のお風呂は、部材を1から作成するため職人の作業が増えるからです。組み立てが容易なユニットバスに比べると作業日数も長くなってコスト増に繋がります。
ユニットバスとは
お風呂とトイレが一緒という意味ではありません。ユニットバスとは、あらかじめ防水性の高い素材で浴槽・天井・床・壁などをユニット化しておいて、現地に運んでスピーディに組み立てられたバスルームを言います。ちなみに新築マンションのほとんどはユニットバスです。
浴室在来工法とは
在来工法は、床や壁の防水性を考慮しながら、モルタルとタイルで仕上げる方法であり、最大の特徴は自由にスペースに合わせて作ることが出来るといった点です。
特注/造作
大きなロフトや多くの収納棚を造作でつくるほど費用は大きくなります。なぜなら、通常は既製品で済むところを1から作成するため職人の作業が増えるからです。
例えばロフトを造作すると、もちろん大きさや素材にもよりますが、20万-50万円かかります。他にも何十万円の特注ガラスを採用すれば、その分かかります。また、防音室も簡易的なものから本格的な物まであり、選び方によって50-400万円ほど費用差が出ます。

骨組み/構造部分
建物状態…特に骨組みや構造部分の劣化具体によってリノベーション費用は大きく変わります。
なぜなら、状態がボロボロな中古戸建は、命に関わるため構造部分を補修・補強しなければならないからです。その場合、スケルトンリノベーションになり、概算費用は相場一覧表の「右列」が目安となります。
一方で、状態が良好な中古戸建は、構造部に手をつけなくてすみます。その場合は、表層リノベーションやフルリノベーションで十分なため、相場一覧表の「左列」と「真ん中の列」が費用の目安となります。
本記事「リノベーション費用の相場表」の70㎡を参考にすると下記のとおりです。
- 表層リノベ(70㎡):889万円
- フルリノベ(70㎡):1,505万円
- スケルトンリノベ(70㎡):1,967万円
屋根
屋根は戸建特有の箇所です。屋根の状態が悪く雨漏りが発生している場合は費用がかかります。
なぜなら、雨漏りが続くと骨組みなどの構造部を侵食して建物の安全性が失われるからです。そのため、屋根を補修または交換する必要があります。
いくつかの工法がありますが、100万円以上の費用を見ておくと安心です。その他、屋根の工事をする場合は足場を組む必要があります。足場設置の費用は50万円前後を想定しておくとよいでしょう。
外壁塗装
外壁塗装は戸建特有の箇所です。住まいの外観を一新させる効果もありますが、最大のメリットは「住まいを保護する」ことです。塗装による塗膜が鎧の役割を果たして厳しい自然環境から住まいを守ってくれます。
しかし、外壁は雨風や紫外線に一年中晒されると、どんどん劣化が進行して傷んでしまいます。そのため、住まいを自然環境から守り続けるには定期的に外壁塗装を行わなければなりません。
目安となる費用は「1万円/㎡ × 延床面積」で簡易的に算出できます。
つまり、延床面積が80㎡の場合の目安となる費用は「80万円(1万円/㎡ × 80㎡)」です。
その他、屋根の工事をする場合は足場を組む必要があります。足場設置の費用は50万円前後を想定しておくとよいでしょう。
外溝(エクステリア)
外溝とは、ウッドデッキ・塀・門・庭木・車庫…など建物の周りのことです。
お金をかけようと思えばいくらでもかけられますし、コストを抑えようと思えば一切手をつけずに0円にすることもできます。
いかがでしたでしょうか?
繰り返しになりますが、10項目のうち、こだわる項目が多いほど第1章にある「戸建リノベーション費用の相場一覧」の高い側になり、こだわる項目が少ないほど相場の低い側になります。
また、10項目以外の箇所は「比較的小コスト」か「自分で選択できない項目」のため、「リノベ費用の差」への影響が小さいです。
すなわち住宅予算内におさめるためのポイントは、項目の優先順位を明確に決め、メリハリつけてリノベーションすることです。
予算内で「出来ること・出来ないこと」は、次の3記事が参考になります。
また、リノベーション費用をコントロールする方法についての詳しくは「リノベーション費用を抑える5つの手段!コスパ良く理想の家を作る方法」をご覧ください。
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