2023.04.12 更新 2021.10.26 公開
ダクトレールスポットライトとは?メリットデメリットや選び方を解説

ダクトレールスポットライトとは、天井に取り付けたレールに複数のスポットライトを設置した照明器具です。
画像を見てもらうとわかるように、ダクトレールスポットライトは照明を好きな向きに変えることができます。
そのため、壁の絵を際立たせたり、特定の場所を明るくして空間にメリハリを付けるために設置されることが多い照明です。
しかし、ダクトレールスポットライトの特徴を知らないまま購入すると、「部屋になじんでいない」「部屋が暗い」といった失敗に繋がります。
そうならないためにも、ダクトレールスポットライトの特徴や選ぶポイントについてしっかりと把握しておくことが大切です。
そこでこの記事では以下の内容について解説していきます。
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この記事を読めば、ダクトレールスポットライトの特徴や選び方がわかるので、ダクトレールスポットライトを取り入れようか悩んでいる人や、購入に失敗したくないと考えている人はぜひ一読してみてください。
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目次
ダクトレールスポットライトとは
ダクトレールスポットライトとは冒頭で説明したように、天井に取り付けたレールに複数のスポットライトを設置した照明器具です。
ダクトレールスポットライトを取り付けるには、ダクトレールとスポットライトを別々に準備する必要があります。
部屋の雰囲気に合ったダクトレールとスポットライトを選ぶためにも、まずはそれぞれがどのようなものなのかを詳しくご説明していきます。
1-1.ダクトレールとは
ダクトレールとは、画像のような複数のライトを取り付けることができる棒状の形をした部品で、「ライティングレール」や「配線ダクトレール」とも言います。
ダクトレールの内側全体には電流が通っているので、好きな位置に照明を取り付けることができるのが特徴です。
また、ダクトレールは好みの長さや形を選ぶことができるので、照明を設置する場所の自由度が高まります。
レールの形は直線だけでなく、コの字・L字・十字・四角型から選ぶことができるので、取り付けたい場所にぴったりあった型から選ぶことができます。
このように、ダクトレールは好みの空間作りに活躍してくれる、照明を取り付けるための部品です。
1-2.スポットライトとは
スポットライトとは、照らしたい場所に向かってピンポイントに光をあてることができる照明です。
画像のように一点に集中して光をあてることで、特定の場所や物を際立たせられるのが特徴となっています。
また、スポットライトの光があたった家具などを通して、影ができるのも魅力の1つです。
このように、光と影によって部屋に立体感を出すことで、空間にメリハリを付けることができます。
さらに、光の方向を天井や壁に向けて設置することで光が大きく広がり、空間の広がりや開放感を演出することも可能です。
スポットライトは、「照明を集中させて特別感を出したい」「光でおしゃれな空間を演出したい」という場合に便利な照明です。
ダクトレールスポットライトとその他の照明の違い
ダクトレールに取り付けられる照明は、スポットライトの他に、シーリングライト・ペンダントライトがあります。
シーリングライト | 照らす範囲が広く部屋中を明るくできる照明 |
ペンダントライト | 照らす範囲が狭くメインの照明の補助として使用する吊り下げ式の照明 |
それぞれどのような点がスポットライトとは違うのか、詳しく解説していきます。
2-1.シーリングライトとの違い
シーリングライトとは、光の照らす範囲が広く、部屋全体を明るくできるのが特徴です。主に、部屋の明るさを確保するためのメイン照明として使用します。
一般的なシーリングライトは、画像のように天井に直接張り付いている物が多いですが、ダクトレールに取り付けられるタイプも販売されています。
ただし、シーリングライトは光の方向を変えることができないので、部屋に仕切りがある場合はその場所に間接照明を設置して暗さを補う必要があります。
シーリングライトは実用性の高い照明なので、リビングや子ども部屋など明るさを確保したい場所におすすめです。
2-2.ペンダントライトとの違い
ペンダントライトとは、画像のような天井から吊り下げるタイプの照明で、ライトから照らす箇所までの距離が近いのが特徴です。
光の照らす範囲が狭いため、メインの照明の補助・インテリアのアクセントとして使用することが多い照明です。
ペンダントライトはデザインの種類が多く、部屋の場所ごとに雰囲気を変えるのに最適です。
ただし、光の広がる範囲が狭く、単体では部屋が暗く感じてしまうため、スポットライトなどと組み合わせて明かりを確保する必要があります。
ペンダントライトはインテリアのアクセントとなる照明なので、キッチンのカウンターやダイニングなど、おしゃれな雰囲気を楽しみたい場所におすすめです。
ダクトレールスポットライトの4つのメリット
ダクトレールスポットライトの特徴やその他の照明との違いがわかったところで、スポットライトを選ぶメリットが気になりますよね。
ダクトレールスポットライトを取り付けるメリットは、
- おしゃれな空間を演出できる
- 模様替えがしやすい
- 空間にメリハリがつく
- 部屋に立体感が出る
こちらの4つがあげられます。ダクトレールスポットライトを取り付けるか判断する時の参考にしてみてください。
3-1.おしゃれな空間を演出できる
ダクトレールスポットライトの最大のメリットは、なんといっても簡単におしゃれな空間を演出できることです。
例えば画像のダクトレールスポットライトが、天井に直接取り付けるシーリングライトだった場合、おしゃれな空間というよりも日常的・家庭的な雰囲気になります。
このようにダクトレールペンダントライトは、日常的なシーンに特別感を演出してくれるので、簡単におしゃれな部屋を作りたい人におすすめです。
3-2.模様替えがしやすい
気分や季節に合わせて、室内の模様替えを行うことがあるかと思います。しかし、スポットライトの位置が動かせないと、照らしている箇所の模様替えができない…ということになってしまいます。
そんな時に画像のようなダクトレールが天井に付いていると、スポットライトの位置をダクトレールの範囲内で移動できるので、模様替えの自由度が高まります。
ダクトレール上にスポットライトが固定されている商品もあるので、模様替えを考慮する場合は、スポットライトの位置が自由に動かせるダクトレールがおすすめです。
3-3.空間にメリハリがつく
ダクトレールスポットライトの最大の特徴は、画像のように特定の場所や物にピンポイントで光をあてることです。
シーリングライトやスポットライトよりも強い光をあてることができるので、特別な空間を作り出し、部屋全体にメリハリを付けることができます。
例えば、壁に飾っている絵や、棚の上のアート作品を際立たせる時・仕事机やキッチンの調理台の一部を明るくしたい時などに効果的です。
3-4.部屋に立体感が出る
シーリングライトのように1つの照明で部屋全体を明るくすると、1方向からの光しかあたらないので陰影ができにくく、部屋全体がのっぺりとした印象になってしまいます。
しかし、ダクトレールスポットライトの場合は光の方向を変えて、多方向から部屋全体に光をあてることができます。
画像のように、多方向から光をあてることで家具やインテリアの陰影ができるので、部屋に奥行きを感じさせたい時に効果的です。
また、ダクトレールスポットライトを壁や天井に向けると、壁に当たった光が大きく広がることで天井を高く見せることもできます。
部屋の雰囲気に物足りなさを感じている人は、ダクトレールスポットライトでこのような光を取り入れてみてはいかがでしょうか。
ダクトレールスポットライトの2つのデメリット
ダクトレールスポットライトを購入した後に後悔しないように、メリットだけでなくデメリットもしっかりと確認しておくことが大切です。
ダクトレールスポットライトのデメリットは、
- メイン照明としては不向き
- 掃除が大変
こちらの2つがあげられます。デメリットの内容が許容範囲かどうかを判断してから、ダクトレールスポットライトを検討してみてください。
4-1.メイン照明としては不向き
ダクトレールスポットライトは、画像のように光が当たらない部分は暗くなってしまいます。部屋全体の明るさを確保できるシーリングライトとは違って、ダクトレールスポットライトはメイン照明としては不向きです。
リビングで作業をする・子どもが勉強をするなど、明かりを確保したい場所にダクトレールスポットライトを取り付ける場合は、シーリングライトのようなメインとなる照明の補助照明として設置しましょう。
4-2.掃除が大変
ダクトレールスポットライトは天井の近くに設置するので、位置が高いため掃除をするのが大変です。
スポットライト部分にホコリがたまるので、放置していると天井からホコリが降ってくる…なんてこともあります。
画像のような、天井からダクトレールが吊るされているタイプは、ダクトレールにもホコリがたまるので、さらに掃除が必要です。
シーリングライトに比べて掃除の必要性が高いため、掃除が苦手な人にはあまりおすすめできない照明です。
ダクトレールスポットライトがおすすめな人・おすすめできない人
ダクトレールスポットライトがおすすめな人は、おしゃれな空間づくりを重視している人です。
先ほどメリットでも紹介したように、ダクトレールスポットライトは多方面から強い光を当てることで、空間にメリハリを付けたり、部屋を立体的に演出できるのが最大の特徴です。
その他の照明は1方向からの光しかあたらないので、部屋がのっぺりとした印象になりがちです。おしゃれで特別な空間を演出したい人は、ダクトレールスポットライトを取り入れてみてください。
逆に、ダクトレールスポットライトがおすすめできない人は、とにかく掃除が苦手な人です。
デメリットでも紹介しましたが、ダクトレールスポットライトは天井の近くに設置するので、掃除をするのが大変です。
掃除をさぼると、積もったホコリが天井からが降ってくることもあるので、おしゃれな空間とはほど遠くなってしまいます。
また、メイン照明としても不向きなので、機能面や掃除の手間を減らしたいという人は、シーリングライトを選んでみてください。
ダクトレールスポットライトを選ぶ時の5つのチェックポイント
ダクトレールスポットライトは、選び方を失敗すると「家具とのバランスが悪かった」「部屋が暗い印象になった」など、せっかくのおしゃれな計画が残念な結果となってしまいます。
おしゃれな空間に仕上げるためにも、これから紹介する5つのポイントを確認したうえで、ダクトレールとスポットライトを選ぶことが大切です。
<ダクトレールスポットライトを選ぶ5つのポイント>
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それぞれどのような点をチェックすればいいのか解説していきます。
6-1.ダクトレールの種類
ダクトレールは、自分で取り付けるか工事を行うかによって選ぶ種類が異なります。
ダクトレールには3種類のタイプがあるので、それぞれの特徴をおさえて取り付けられる種類を選びましょう。
6-1-1.直付けタイプ
ダクトレールを、直接天井にネジで固定して取り付けるタイプで、好きな場所に設置できるのが特徴です。
ただし、天井にネジ穴を開ける取り付け工事と、ダクトレールに電源を供給するための電源工事が必要となります。
<費用相場>
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直付けタイプのダクトレールは、工事が必須ですが好きな場所に設置できるので、リノベーションなどで工事ができる人におすすめの種類です。
6-1-2.引っ掛けシーリングタイプ
ダクトレールを、天井の照明を取り付けるシーリング部分に取り付けるタイプなので、取り付け工事や電源工事は不要です。
自分で取り付けることができるので、天井にダクトレールを取り付ける工事ができない人や、手軽に模様替えを楽しみたい人におすすめです。
ただし、シーリングが元々ある場所にしか設置できないので、こだわりたい場所にダクトレールスポットライトを設置できないこともあります。
6-1-3.埋め込みタイプ
ダクトレールを天井に埋め込むタイプなので、天井や壁がすっきりとして圧迫感がないのが特徴です。
ただし後付けはできないので、リノベーションやリフォームを行う時など、大掛かりな工事を行う場合におすすめです。
埋め込みタイプのダクトレールを設置する費用は、施工会社によって異なるので見積もりをもらって確認しましょう。
6-2.ダクトレールの長さ
ダクトレールが長すぎたり短すぎるたりすると、部屋全体のバランスが悪くなるので長さ選びは重要です。
ダクトレールが見えない埋め込みタイプはレールの長さは気になりませんが、その他のタイプは天井からレールが見えているので、配置場所によって長さにも気を配りましょう。
画像のように、ダイニングテーブルやキッチンカウンターの真上にダクトレールを取り付ける場合、家具やカウンターの2/3くらいの長さだとバランスがとりやすくなります。
<ダクトレールの長さを算出する方法> 家具の長さ×2÷3=おすすめのダクトレールの長さ |
例えば、140cm程度の4人掛けテーブルの場合は、1mくらいのダクトレールの長さがおすすめです。
6-3.スポットライトの明るさ
ダクトレールスポットライトをメイン照明として使用する場合は、部屋の広さで電球の明るさを選ぶことで、「暗すぎる」「光が強すぎる」という失敗を防ぐことができます。
電球のパッケージに表示されているワット数は消費電力なので、電球の明るさを確認する時は、「ルーメン(lm)」と表示されている部分をチェックしてください。
1つのスポットライトでは、各部屋の大きさに必要な電球の明るさを確保できないので、スポットライトを複数個分足して必要な電球の明るさにしてください。
例えば、6畳の部屋に1つ400lmのスポットライトを付ける場合は、以下の計算式で必要な個数を算出することができます。
- 3200lm(6畳の部屋に必要な明るさ)÷400lm(1つの電球の明るさ)=8個
この例の場合は、1つ400lmのスポットライトを8個取り付ける必要があるということになります。
特に、勉強や作業などで使用する部屋の場合は、表に記載されている明るさを参考にスポットライトを複数個準備してください。
6-4.スポットライトの光の色合い
スポットライトは、光の色合いで部屋の雰囲気が決まると言っても過言ではありません。好みの部屋の雰囲気を作るためにも、光の色合いにもこだわってみましょう。
画像のようにスポットライトの電球の色合いは、大きく分けて3種類あります。光の色合いは、左から「電球色」→「温白色」→「昼白色」です。それぞれの光の特徴は以下の表を参考にしてください。
あくまでもおすすめした場所は好みなので、ダクトレールスポットライトを取り付ける場所でどのような生活をするのか・どのような空間にしたいのかということイメージしてみてください。
6-5.スポットライトの光の広がり方
スポットライトの光は照射範囲が狭いと紹介しましたが、照射される光の広がり(ビーム角)を選ぶことができます。
ビーム角は大きく分けて「10°・15°・30°」の3種類があり、数字が大きくなるほど光の広がりが大きくなり、光があたる範囲が広くなります。
光の広がりを選ぶ時は、
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など、スポットライトをあてる目的にあわせて、光の広がる角度を選んでみてください。
まとめ
ダクトレールスポットライトについて、重要なポイントをもう一度おさえておきましょう。
・ダクトレールスポットライトとは、天井に設置された照明を取り付けるダクトレールに、複数のスポットライトが設置された照明器具。
・ダクトレールスポットライトの4つのメリット
- おしゃれな空間を演出できる
- 模様替えがしやすい
- 空間にメリハリがつく
- 部屋に立体感が出る
・ダクトレールスポットライトは単体で明るさが確保できないため、メイン照明の補助照明としての設置がベスト。
・ダクトレールスポットライトはおしゃれな空間づくりを重視している人におすすめ
・ダクトレールスポットライトは明るさの確保や手間を減らしたい人には不向き
・ダクトレールスポットライトを選ぶ時の5つのポイント
- ダクトレールの種類は、取り付けたい場所に設置可能なものを選ぶ
- ダクトレールの長さは、家具やカウンターよりも少し短めを選ぶ
- スポットライトの明るさは、取り付ける部屋の広さによって選ぶ
- スポットライトの光の色合いは、取り付ける場所のシーンをイメージして選ぶ
- スポットライトの光の広がり方は、設置する目的にあわせて選ぶ
この記事をもとに、部屋のイメージにあったおしゃれなダクトレールスポットライトを探す参考にしていただければ幸いです。