リノベ設計・工事 2019.08.01 更新 | 2019.07.14 公開
フルリノベーションだから叶えられたワクワクする事例3選

Advisor

[監修] 一級建築士
西村一宏
東洋大学ライフデザイン学部講師。リノベーション・オブ・ザ・イヤーを受賞した設計・施工部門の責任者としてゼロリノベ建築を担う。
ご訪問ありがとうございます。ゼロリノベ編集部です。
近ごろ中古物件を購入してフルリノベーションする人が増えていますよね。では、” フル ” とは何なのでしょうか?この記事では「フルリノベーション」と、ただの「リノベーション」の違いをお伝えします。
また、フルリノベのメリットとデメリットもきちんとご説明します。さらには、” フル ” だから叶えられることをワクワクする事例を交えながらお話ししていきますので、ぜひご覧ください。
フルリノベーションとは
そろそろ本気で自分たちの納得のいく家に住みたいと思い、リノベーションを選択肢に入れて探しています。
でも一口にリノベーションと言っても、いろいろなパターンがあるみたいなので、少し行き詰ってしまいました。私たちが叶えたいのはどのようなリノベーションなのかなって。
たしかに、リノベーションにはさまざまな段階があります。フルリノベーションをお考えですか?
あのー、正直言うと、フルリノベーションとフルじゃないリノベーションとの違いも実は曖昧というか。
フルリノベーションとは、住まい全体に手を加えて再生することです。
住まい全体じゃなくて、どこか部分的に行うのは、フルがつかないただのリノベーション?
そうですね。例えばキッチンをオープン仕様に変更したり、和室を洋室に変えるなど、一つの空間の機能やデザインを変えるリノベーションもあります。
お風呂の浴槽を変えるとか、トイレの仕様を変えること、キッチン台を入れ替えるのもリノベーションでいいんですか?
そのあたりも部分リノベーションと言えますが、リフォームに分類されることも多いですね。線引きは取り扱う会社によっても異なります。
スケルトンリノベーションとは
スケルトンリノベーションという言葉は聞いたことがありますか?
あ、それも実は聞いたことあるけれど、イマイチよくわかっていなかった。フルリノベーションとは違うんですか?
スケルトンとは、内装や設備、間仕切りなどをはずし、構造体だけを残した状態のこと。一度その状態にしてからリノベーションするのがスケルトンリノベーションです。
イコール、フルリノベーションという考え方でいいんですね。
メリット
1.間取りを変えることが出来る
では改めて、フルリノベーションのメリットを確認していきましょう。スケルトンの状態にするとどんなメリットがあると思いますか?
なんといっても間取りを変えられること、ですよね。古いマンションだと3DKとか、部屋数はあるけど、それが狭苦しく感じたり、用途が限られてしまうような間取りが多いので、間取りを大きく変更できるのが魅力なのかな。
はい、間取りは住む人の暮らしやすさに直結します。スケルトンにして、間仕切りを減らし、開放感ある間取りにする事例は多いですよ。
2.デザイン性に優れている
大胆なリノベーション事例もよく見かけます。中古マンションとは思えないようなおしゃれな部屋に、私たちも憧れています。
フルリノベーションに限りませんが、クライアントの理想の暮らし、譲れない点などを踏まえて設計・施工されますので、デザインにこだわった案件が多いのも魅力です。
カフェのような家とか、大胆に天井部分を取っ払って、海外のアパルトマンみたいな無造作な雰囲気に仕上げられていたりするのをwebや雑誌でよく見かけます。
3.水回りも変更しやすい
水回りについても考えてみましょう。
水回りはとっても重要です。キッチンはサイズや位置にこだわりたいし、お風呂や家事スペースの場所も動線が気になります。
フルリノベーションの場合、給排水管やガスの配管も新しくするため、水回りの位置も変更できることが大きな魅力ですね。
賃貸や建売では、これが自由にはならない点がストレスですよね。念願の夫婦で並んで食事の支度ができるキッチン、リクエストしたいなぁ。
4.低コストが実現できる
一概には言えませんが、既存の建物を活かすフルリノベーションは、すべてゼロから作るより低コストです。
そうですよね。親戚には、要は中古物件にお手入れして安くあげるんでしょ?なんて言われたりもしましたけど、フルリノベーションならコストダウン出来るところはして、その分、こだわるところにはとことんこだわれるっていうことかな。
その通りです。コストが抑えられるということ以上に、あるものを活かして、より理想の暮らしに沿う家作りができることがメリットといえます。
そうですね。それってちょっとエコでもありますよね(笑)。
ただし、管理修繕していない戸建ては要注意です。
そういった戸建ては耐震に問題を抱えているケースもあり、多額の耐震補強が必要になることも少なくありません。よって、戸建てはマンションに比べて、リノベ費用が高くなる傾向にあります。
住宅購入やリノベーションでは、デザインとして見えないところもしっかりとチェックしていきましょう。
逆に言えば、リノベーションは次のメリットがあります。
5.耐震補強や機能面も考慮できる
スケルトンリノベーションには、安全面でもメリットを感じていただくことができます。
安全面とは?
スケルトンの意味はさきほどお伝えしましたが、特に戸建ての場合は、基礎や構造躯体が露わになるので、耐震性の低下につながるような劣化には、補強や補修、交換などの処置を取ることができます。
リノベーション済の物件も良いですが、戸建てはもちろんのこと、マンションにおいても、フルリノベーションして見えない箇所も自分で確認できると安心ですね。
長く暮らすためには、そうした安全面、防災面も考慮したい項目です。また、断熱性能をあげるなど、機能面もリノベーョンをきっかけに確認しましょう。
デメリット
メリットを聞いたら、やはりデメリットも一応確認しておかなくては。
大きく言えば、時間と費用がかかるということでしょうか。
フルリノベーションとなれば、間取りなどプランを立てるのに時間がかかるというのはわかります。でも家を建てることを考えたら、それは当然のような気もしますよ。
費用は、リノベーションの規模が大きくなったり、複雑になればかさんでいくものと考えましょう。
事例3選〜フルリノベーションだから叶えられたこと
あなたがお知りになりたかったフルリノベーションのメリット、デメリットをお話してきましたが、部分リノベーションではなく、フルリノベーションだから叶えられた素敵な間取りと暮らし方の事例をご紹介していきましょう。
ぜひぜひ見たいです!
1.回遊性のあるオープンで大人の空間
こちらのLDK、元はどんな間取りだったと思いますか?
きっと2部屋でしたよね。窓が2箇所にありますから。
はい、その通りです。手前の部分は元々6帖の和室だったそうです。
アイランドキッチンもおしゃれですね。
寝室?
そうですね。お隣は土間仕様で本棚や趣味のもの、自転車などが置かれています。
おしゃれなセレクトショップみたい。ワンフロアにこれらのスペースがあるなんて、信じらないくらい素敵です。
2.余白のあるリビングダイニング
広々してますね。
玄関側からみたリビングダイニングです。手前に大きな土間がありますが、元の間取りは玄関を挟むように2つの洋室、リビングの手前は和室でした。
間取り図を見ても想像できません。本当にまるごとガラリと変わるんですね。
キッチンの壁やファの色使いもユニークです。そして、キッチンの壁の向こうが寝室という間取りです
こちら側にも土間がある!とにかく開放感抜群ですね。扉の数は最低限でいいのかも、なんてこういう事例を見るとイメージしちゃいます。
3.たくさんの友人をもてなす大人のフルリノベ
これは、レストランではないですよね?
はい、まるでレストランのようなダイニングテーブルとゆったり広がるソファ。シアタールームとして使ったり、料理教室、ワイン会など、友人知人が集える場所をコンセプトにしたそうです。
キッチンもおしゃれですね。でも意外とコンパクトかな。
L字型の造作キッチンは、アイランドの作業台も特徴的ですね。
これなら人を呼んでも一緒にキッチンを使えそう。
まとめ
どのフルリノベーション事例も、そこに住む人がこだわり抜いて作ったということが伝わってきました。
設備とかデザイン的なことばかりイメージしてきたけれど、機能や夫婦、家族の暮らし方を見つめて方針を固めようと思います。
フルリノベーションの利点を最大限にいかして、あなたらしい住まいを目指してください。
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