2022.07.14 更新

Ⅱ型キッチンのメリットとデメリット|おすすめのリノベーション5事例

キッチンスペースに「ゆとりが欲しい!」というとき、選択肢のひとつになるのが「Ⅱ型キッチン」です。

Ⅱ型キッチンは、シンクエリアとコンロが二つに分かれて設置されるタイプで、壁付けと対面と二つ平行に並ぶことから「Ⅱ型」といわれます。

作業スペースも広く家事も効率的に進められるイメージがあり、興味を持っている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、Ⅱ型キッチンのメリット・デメリットや選ぶときに気を付けたいレイアウトのポイント、Ⅱ型キッチンを活かした充実のリノベーション事例を詳しくご紹介します。

Ⅱ型キッチンの特性を知り、イメージ通りのキッチンスタイル実現にお役立てください。

なお、その他のキッチンスタイルについて詳しく知りたい方は、Ⅰ型キッチンはこちらの記事を、L型キッチンはこちらの記事をお読みください。

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“【著者】ゼロリノベ編集部"

[著者]

ゼロリノベ編集部

「住宅ローンサポート・不動産仲介・リノベーション設計・施工」をワンストップで手がけるゼロリノベ(株式会社groove agent)。著者の詳しいプロフィール

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Ⅱ型キッチンのメリット

はじめに、Ⅱ型キッチンのメリットを確認していきます。

  • キッチン面積の調整がしやすい
  • 動線が短く作業がしやすい
  • 作業スペースが確保しやすい
  • 収納を整理しやすい

1-1.キッチン面積の調整がしやすい

Ⅱ型キッチンは、実は面積の調整がしやすいキッチンです。住宅で採用されるキッチンの定番といえば長さ255㎝のI型キッチンですが、間口が狭い場合には定番サイズのキッチンが設置できない場合があります。

Ⅱ型は基本的にコンロ側もシンク側もキッチンがコンパクトですから、限られたスペースでもゆとりあるキッチンが可能になります。

また、コンロ側とシンク側のキッチンそれぞれの長さを変えられるため、壁付けにする方を長くして、対面にする方を短くするなどさまざまな制約下の中でも、デザインも機能性もよい対面キッチンが叶えられるでしょう。

1-2.動線が短く作業がしやすい

一般的にキッチンの長さが短くなるⅡ型キッチンは、動線が短く最小限の動きで作業できます。

キッチンに立つとシンクとコンロが前と後ろに位置していますから、料理をするときは体の向きを変えるだけです。横移動が少なくなるため、料理中の負担が少なく済むのがポイントです。

1-3.作業スペースが確保しやすい

シンク側もコンロ側も作業スペースにゆとりがあるのが、大きなメリットのひとつです。調理中は野菜などの食材やボウルなどの調理器具を置いたり、盛り付けのためのお皿を並べたりと物を置くスペースが必要です。

調理カウンターが広いと、物を置くスペースを広く確保できるため料理も効率的に進めやすくなります。

1-4.収納を整理しやすい

キッチンの収納量が増えて、整理しやすい点もポイントです。シンク側、コンロ側とそれぞれのエリアでよく使うものを分けて収納することもできるため、収納しやすく取り出しやすい機能的なキッチン収納にできます。

収納力があると、キッチン周辺が整理整頓されて散らかりにくくなります。「キッチン小物があふれてどうにかしたい」という方でも片付きやすくなるでしょう。

Ⅱ型キッチンのデメリット

次に、Ⅱ型キッチンのデメリットを確認していきます。

  • 通路スペースが汚れやすい
  • 通路幅が狭いと作業しにくい
  • 体の向きを変えて作業する必要がある

2-1.通路スペースが汚れやすい

Ⅱ型キッチンはキッチンの通路スペースが汚れやすい傾向があります。シンクとコンロでの作業をする際に、水や料理の汁などが通路スペースにこぼれやすくなります。

掃除がしやすいように床をタイル素材などにするとお手入れは楽ですが、一般的なフローリング素材でも汚れたときにさっと拭き取れば問題ないため、それほど神経質になる必要はないでしょう。

2-2.通路幅が狭いと作業しにくい

ある程度の通路幅を確保しないと、狭くて作業がしにくくなる可能性があります。また、シンクとコンロの間は通路になるわけですが、広くしすぎても行き来するときの動きが増えてしまうため非効率になります。

一般的には、90㎝程度の幅があると1人~2人での作業に向いています。家族みんなでキッチンに立つ機会があるなら100㎝以上は確保したいですね。どの程度の通路幅なら動きやすいのか、事前にメジャーなどで通路幅を確認しシミュレーションすると安心です。

Ⅱ型キッチンは、基本的に設置するためのスペースを2箇所設けることになります。キッチンの横幅を調節することは可能ですが、キッチンエリアとしてはある程度のスペースが必要になりますので、どのようなリノベーションなら可能なのかプランを確認しながら進めることをおすすめします。

2-3.体の向きを変えて作業する必要がある

キッチンでの平行移動に慣れている場合、体の向きを変えて作業する動きに戸惑う可能性があります。

キッチンの使い方に慣れるまで少しだけ時間が必要かもしれませんが、どのタイプのキッチンが使いやすいかは、好みが分かれる部分でしょう。

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Ⅱ型キッチンのレイアウトと選ぶ際ポイント

ここからは、Ⅱ型キッチンのレイアウトと選ぶときのポイントについてご紹介します。

3-1.3つのタイプからキッチンのレイアウトを決める

Ⅱ型キッチンには、主に次の3つのレイアウトがあります。

  • タイプ1:オープンタイプ
  • タイプ2:セミオープンタイプ
  • タイプ3:独立(クローズド)タイプ

それぞれ間取りでの配置やデザイン性を考える上で異なりますので、どのタイプのレイアウトが自分たちのイメージする使い方に合っているか、特徴や機能性の違いをよく理解して選ぶことが大切です。

[タイプ1]オープンタイプ

キッチンとダイニングの間には遮る壁がないタイプです。ワークトップがフルフラットになっています。開放感があり、食事を運ぶときや食後の後片づけもスムーズで機能的な点が特徴です。。

家族の様子が見えやすく、コミュニケーションが取れる点もポイントです。小さな子どもがいる家庭では、目が行き届き安心できます。

開放感が得られる分、キッチン内が見えやすかったり、調理中のニオイや煙がリビングやダイニングに流れてしまったりすることがあります。

[タイプ2]セミオープンタイプ

セミオープンタイプは、ダイニングとの間に吊戸棚があったり、手元が隠れるように壁で囲ったりするレイアウトです。キッチン内が丸見えになることを防ぐことができ、スッキリした印象を与える効果があります。

壁で囲われているとはいえ、ダイニングやリビングに対してはオープンですから家族とのコミュニケーションも取りやすくなります。

オープンなレイアウトですから、やはり調理中のニオイや煙はダイニングなどに流れやすくなる場合があります。

[タイプ3]独立(クローズド)タイプ

キッチンを他の部屋と分けて独立した場所にレイアウトするのが、独立(クローズド)タイプです。数十年前の住宅では、図のように独立したキッチンレイアウトが多く見かけられました。

キッチンが独立しているため、家事に集中することができることや、ニオイや煙などが他の部屋に流れていくことも避けられます。キッチンスペースにいろいろなものが出しっぱなしのとき、急な来客があっても気にする必要がありません。

独立していることで閉塞感や家事の孤独感があることや、家族の様子がわかりにくい場合があります。

3-2.冷蔵庫の配置を決める

キッチンを機能的に使うには、ワークトライアングルを意識した家事動線が大切です。ワークトライアングルとは、シンク・コンロ・冷蔵庫を線で結ぶことでできる3角形のことで、冷蔵庫の位置も重要な要素になります。

ワークトライアングルの3辺の距離の合計が510㎝に近いと作業しやすいとされており、Ⅱ型キッチンの場合は、冷蔵庫との距離感が使いやすいキッチンのポイントといえるでしょう。

もちろん、ワークトライアングルを意識するあまり、ほかの部屋に移動する動線が不便になってしまっては本末転倒です。キッチンエリアを含めた空間全体の家事動線を意識して計画することが大切です。

Ⅱ型キッチンのメリットを活かしたリノベーション事例5選

ここからは、Ⅱ型キッチンを取り入れたリノベーション事例をご紹介します。

Ⅱ型キッチンを取り入れて省スペースの対面キッチンに

コンロ側とコンク側に分けることで横幅がコンパクトな、ペニンシュラ型の対面キッチンが実現し、ダイニングやリビングエリアが広がりました。

リノベーションでキッチンの向きを変えたことで、他の部屋と自由につながれる回遊性の高い住空間になっています。

壁付け側広く対面側は回遊できるコンパクトサイズの造作キッチン

壁付け側のキッチンは間口一杯に、対面側はコンパクトキッチンに、異なるサイズのⅡ型キッチンで、トータルではゆったりサイズのキッチンスペースになっています。

対面側は、両側から出入りできるアイランド型で、大人数での家事も効率的です。家族や友人たちと共有しやすい素敵なキッチンですね。

ダイニングテーブルが造作された、団らんキッチン

作業スペースにゆとりを持たせるため、対面式のⅡ型キッチンに。手元が隠れる高さで腰壁を作りインテリアにもなじむデザインを取り入れています。

対面キッチンと一緒にダイニングテーブルも造作し、家族の団らんもしやすいひとつながりのキッチン&ダイニングになりました。後片付けもスムーズで家事動線も効率的です。

手元を隠しデザインに溶け込んだ生活感を感じさせないキッチン

家具のひとつのように空間に溶け込んでいるキッチン。Ⅱ型キッチンで作業スペースにゆとりがありながらも、落ち着いた色調の腰壁で手元も見えないため、生活感を全く感じません。

すっきりシンプルなキッチンスペースにするため、家電やキッチン小物は壁面収納として集約。飾り棚も活用しながら空間になじむキッチンエリアになっています。

独立感がありつつもどこからでもアクセスできる少し変わったレイアウト

独立したキッチンスペースでありながら、他の部屋とも自由に行き来ができる家事動線を実現しました。

Ⅱ型キッチンで作業スペースにもゆとりがあり、家族も家事に参加しやすいのがうれしいですね。

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まとめ

今回は、さまざまなレイアウトに対応しやすいⅡ型キッチンについて、メリットやデメリット、選ぶ際のポイントや使い勝手のよいリノベーション事例などをご紹介しました。

Ⅱ型は省スペースでも配置しやすいのがメリットです。コンパクトな横幅でもⅡ型にすることにより作業スペースは確保できます。

リフォームやリノベーションでキッチンエリアに制限がある場合などにおすすめです。ぜひ検討してみてください。

なお、ゼロリノベでは、暮らしのスタイルと物件の特性に併せたさまざまなキッチンを提案しています。

お部屋のイメージに合わせての造作キッチンも可能です。リノベーション事例も豊富にありますから、ぜひご相談ください。

また、住空間づくりのヒントが詰まったオンラインセミナーも毎週開催しております。ミュート&顔出しなしのセミナーなので、ぜひ自宅からお気軽に参加してみてくださいね。

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