リノベ設計・工事 2019.08.18 更新 | 2019.08.17 公開
開放感満載のリビングをリノベーションで実現した4事例!費用と工期は?

Advisor

[監修] 一級建築士
西村一宏
東洋大学ライフデザイン学部講師。リノベーション・オブ・ザ・イヤーを受賞した設計・施工部門の責任者としてゼロリノベ建築を担う。
ご訪問ありがとうございます。
開放感あふれるLDKを手に入れるためにするべきことはなんでしょうか。
中古物件のリノベーションで最も注目度が高いのは、リビング(LDK)です。この記事では、個性的なリビングリノベーションの実例と共に、計画時に準備すること、チェックすべきことをお伝えします。
理想のリビングとは?

白を基調とした開放感あるリビングにリノベーション
今日はリビングに関する切実な悩みを持ってきました。
どういったお悩みでしょうか。是非お聞かせください。
先日中古マンションを購入したのですが、とにかく間取りが気に入らなくて。購入する時に、まずは購入して先々リノベーションする方法もありますよと言われていたのですが、正直、全然ノープランで今に至るんです。
もう実際にお住まいになっていますか?
はい、とりあえずで暮らし始めたのですが、家具などは以前使っていたものをとりあえずそのまま持ち込んでることもあって、いろいろちぐはぐなんです。
では具体的にお聞きしていきますね。間取りが気に入らないとのことでしたが、それはどういった部分ですか?
㎡数はそこそこあるんですが、リビングが狭いんです。もっと開放感のあるリビングで家時間が楽しくなるような空間だったらいいなと夫と話しています。夫はあまりインテリアとかに興味はなかったので、そのままでいいんじゃない?と言って暮らし始めたんですけど、やっぱりなんか狭くて古い感じがするねと言い始めて。中古マンションにしたことを後悔し始めています。
わかりました。大丈夫ですよ。せっかく購入されたのですから、ここからご夫妻の理想のリビングに変えていきましょう。
本当にノープランで知識も浅いので、まずは何からすればいいのやら。
ではまずはいろいろな事例を見てイメージを膨らませていきませんか?
はい。ありがとうございます。よろしくお願いします。
リビングリノベーションのレイアウト実例
1.段差でスペースを区切ったタイル張りのリビング

ちょっとした工夫で独立した空間になる
えーっと、これはいったいぜんたいどうなっているんですか?
とってもおしゃれですよね。リノベーション前の間取りを見ると、窓に面して洋室と和室が並ぶような間取りでした。
このテーブルがある方がもしかして?
和室だったスペースです。フローリング部分より一段低くしてタイル張りにすることでスペースを区切っていますね。Rに繰りぬかれているデザインもユニークです。
壁の色とか、照明とかもオシャレ。たぶん夫はこういうのが好みだと思います。
2.建具使いで風通しや明るさを確保したリビング

視界の抜け感をつくれば開放的な空間になる
63.84㎡のお部屋です。レイアウトがユニークですよね。
ソファの背後がパーテーションのようになっていますね。
プランテーションシャッターと呼ばれるもので、風通しはよく、明るさも確保されつつ、視線はゆるやかにさえぎるという効果があります。
これなら窮屈さを感じないですね。いいアイディアだな。プランテーションシャッターを白にして、壁の色をブルーにしたりしたら、西海岸風?になって開放感がさらに増しそう。
具体的なイメージがどんどん膨らんできましたね。
半分妄想なので、インテリアは二人で相談して決めていかないと、とは思いますけど。
3.テラスに面した日ざしがたっぷり入るリビング

既製品ではない自分だけのリビングに
こちらのお宅のリビングをご覧ください。
広々してますね。これ、リノベーション物件なんです、よね?
はい、そうです。もともとテラスに面した約10帖のリビングダイニングのある間取りでしたが、和室をなくして広々としたLDKにされました。ウッド調でまとめているので、広々としていますが、落ち着きがある空間ですよね。
うちのマンションもリビングは南向きの窓に面しているので、こんな風に出来たらいいな。
4.壁の色やインテリアが映えるリビング

好みの壁色に変えれば気分も上々
こちらの間取りも6帖の和室と約10帖のダイニングキッチンを仕切りを外してLDKにしたリノベーション事例です。
これもオシャレ~。さっきからオシャレとしか言ってませんね。窓が2方向にあるのでとても明るいですね。
ブルーの壁の向こうは洗面スペースなのですが、窮屈さはまったく感じないですよね。
本当にいろいろなリビングリノベーションの実例があってとても参考になりました。
事例写真を間取りと共に見ると、リノベーションのビフォーアフターがよくわかるのでおすすめです。
リビングの用途を考える

長い時間を過ごすリビングは暮らし方そのもの
リビングのリノベーションを考える時、一番重視すべきことってなんですか?
やはり機能的であるか否かということは重要ですね。特にリノベーションする場合、独立したリビングではなく、LDKすることがほとんどです。家事動線はもっとも重視したい点です。またリビングで何をするのか、これも考えてみてください。
何をするか?えーっと。
例えば友人を招くとか、部屋で映画を観るとか。
共通の友人も多いので、友人を呼んで飲み会とか出来たら最高ですね。そうか、そういう用途によって、リビングの作り方が変わってくるということですね。
リビングリノベーションの費用と工期

開放感のある空間に人は集まる
1.見積もりと定額制のすすめ
費用についてもとても気になります。リノベーションの度合いによって、違うでしょうけれど。
工事の内容によって異なります。たとえば、リビングのクロスを張り替えたり、フローリングを張り替えたりするだけであれば、材料費と工賃で出来ますが、間取りを大きく変更するとなれば費用がグンとあがります。
今、事例で見たような2部屋を一つのLDKにするとなったら大ごとですものね。
壁の解体や床の張り替えのみならず床下地を組んで高さ調整が必要になったり、壁や天井の張り替えにもそれなりのコストがかかります。
これは物件やリノベーションの度合いにより異なるから都度見積もりを取る必要があるということですよね。
はい。あなたの場合はすでに物件をお持ちですから、方向性やプランが見えてくれば、お見積りをとっていただくのが一般的です。また最近では、平米数によって費用が決まる定額制リノベーション会社もありますので、初めから予算が決まっている場合や明朗会計でやりたい場合はおすすめです。
2.工期のチェック
工期も同様にリビングの広さやリノベーションの規模によって異なります。間取りを自在に変更するスケルトンリノベーションであれば、数か月はかかるものと考えてください。
私たちのように一度暮らし始めている場合は、一旦、仮住まいを探したりする必要も出てきますよね。
そうですね。中古マンションのリノベーション案件は、購入してリノベーションを済ませてから住み始める例がほとんどですが、暮らしてみてから改めてリノベーションする例もあります。工期はさまざまなことを想定して、余裕をもったスケジューリングが必要です。
リノベーション計画でするべきこと

キャットウォークで猫ちゃんも過ごしやすい空間に
1.家族の希望や理想を確認する
だいぶ自分の中でリノベーションが現実化してきた気がしますが、これから私がすべきこと、教えてください。
はい。まずは、ご夫婦でよくお話いただき、確認を取ることが必要です。はいろいろな事例をお見せしましたが、ご主人の希望や意向もヒアリングさせていただきたいですね。あまり興味がないとおっしゃっていましたが、暮らしに関わることですので、必ずご希望や理想は出てくるはずです。
こういう場合、夫婦だけで話した後、またこうやって窓口を一緒に訪ねたりしたほうが良さそうですね。
はい、ぜひ次はお二人でお越しください。その際、お二人で出した理想や希望をメモでいいので書き出しておくといいですよ。
2.構造情報を知る、持参する
間取りと共に、マンションの構造についての情報が必要です。マンション購入時に渡された建物に関する資料と住居規定をご用意ください。
できること、出来ないことがそれでわかるからですよね。
はい、特にマンションは共用部であるパイプスペース(PS)と呼ばれる給排水管の位置の把握が絶対に必要です。
3.採光や冷暖房についてチェックする
そのほかに心しておいたほうがいいことはありますか?
事例で明るいリビングをたくさんご紹介しましたが、リノベーションによって採光がどのように変化するかをチェックする必要があります。これは、リノベーションの設計担当に確認するべきポイントです。冷暖房についても広さが変わるので、必要な家電のサイズや性能が変わってきます。
つまり、リノベーションの設計費や工事費のほかに、暮らしにまつわる別の家電などが必要になるということですね。
その通りです。設計士やデザイナーはこの点のプロですから、具体的なアドバイスを差し上げることができるはずですが、費用の面に関しては想定しておくに越したことはありません。
暮らしにまつわること、たしかにこれは聞き逃せません。
まとめ
リビングリノベーションについて、意識に変化は出ましたか?
もうリノベーション実現に向けて一直線に進みます。もちろんまとまった費用がかかることなので、慎重に、諸々準備をしなくてはいけませんね。いろいろ教えていただいてありがとうございました。
アドバイザー: いえいえ。次は是非ご夫婦でお越しください!
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