2022.10.21 更新

マンションのフルリフォーム|工事ごとの費用目安、注意点などを解説

「中古マンションを買ってフルリフォームしたいけれど、何をどこまでリフォームできるの?」
「いま住んでいるマンションが古くなったのでフルリフォームしたい、費用ってどれくらい?」

そんな疑問を持っている人も多いでしょう。

マンションのフルリフォームには、

  • 内装や設備をすべて一新する
  • 水回りやクロスなど、目立つところを全体的に新しくする
  • 間仕切りまで取り払って、躯体以外すべて造り直す

など、さまざまなパターンが考えられます。

費用も工事内容によってまちまちで、平均的には500万~600万円程度ですが、もっとも手ごろなリフォームであれば、300万円台からでも可能です。

中をすべて空にして大々的につくりかえる「スケルトンリフォーム」となると、1,000万円、2,000万円とかかることもあります。

そこでこの記事では、マンションのフルリフォームを予定している方のために、知っておくべきことをまとめました。

まず基本的な知識として、

  • マンションのフルリフォームでできること
  • マンションフルリフォームの予算相場
  • マンションフルリフォームの工事期間

を説明します。

そして、費用感を知ってもらうために、

  • 費用別・マンションのフルリフォーム内容
  • 工事内容別・マンションのリフォーム費用内訳

も解説していきます。

さらに、

  • マンションのフルリフォームの流れ
  • マンションをフルリフォームする際の注意点
  • よくある質問Q&A

などもお伝えします。

最後まで読めば、マンションのフルリフォームについて知りたいことがわかるはずです。

この記事で、あなたがマンションを理想通りにフルリフォームできるよう願っています!

Author

“【著者】ゼロリノベ編集部"

[著者]

ゼロリノベ編集部

「住宅ローンサポート・不動産仲介・リノベーション設計・施工」をワンストップで手がけるゼロリノベ(株式会社groove agent)。著者の詳しいプロフィール

\一級建築士監修のWEBセミナー開催中!/

マンションのフルリフォームとは

中古マンションを購入して、自分の理想の家にフルリフォームしたい、と考えたときに、最初に気になるのは、

  • フルリフォームといっても、どこまで何ができるの?
  • 費用や期間はどれくらいかかる?

ということでしょう。

そこでまずは、その疑問に答えていきましょう。

1-1.マンションのフルリフォームは2種類に大別される

そもそも「マンションのフルリフォーム」といっても、その定義は一律ではありません。

施工会社によって、または施主によって、その意図は、

  • 内装や設備をすべて一新すること
  • 水回りやクロスなど、目立つところを全体的に新しくすること
  • 間仕切りまで取り払って、躯体以外すべて造り直すこと

などまちまちです。

が、それらを含めて、一般的に「フルリフォーム」は以下の2タイプに大別できます。

  • フルリフォーム:基本的に間取りは変えずに、内装や設備をすべて新しくする
  • スケルトンリフォーム:すべて解体してコンクリートの箱のような状態(スケルトン)に戻して造り直す

「フルリフォーム」という言葉の中に、「スケルトンリフォーム」と「それ以外」が含まれていると考えればいいでしょう。

スケルトンリフォームが他のフルリフォームと異なる点は、前述したようにマンションの部屋の内装や設備をすべて撤去して、からっぽのコンクリートの箱のような状態に戻し、間取りからつくりなおすというところです。

<スケルトン状態>

そのため、他のフルリフォームにはない以下のようなメリットがあるのです。

<スケルトンリフォームのメリット>

  • ライフスタイルや家族構成にあわせて間取りが自由に変えられる
  • 新築よりも低価格で、新築同様の内装、設備の物件が手に入る
  • 配管や配線もむき出しにするので、劣化した配管などを新しく交換できる
  • 壁もはがして造り直すので、その際に耐震補強や断熱工事もできる

が、一方で以下のようなデメリットもあります。

<スケルトンリフォームのデメリット>

▼一般的なフルリフォームは300万円~だが、スケルトンリフォームは600万円~と費用がかかる

▼解体してから施工に入るため工期が長くなる

▼住んでいるマンションをスケルトンリフォームする場合は、工事期間中は他の家に引っ越しが必要

フルリフォームを考える際には、これらのメリット・デメリットを踏まえて、まず最初に「見えるところだけフルリフォームするのか、見えないところも含めてスケルトンリフォームするのか」を決める必要があるでしょう。

1-2.マンションのフルリフォームでできること

マンションのフルリフォームには大きくわけて2種類あり、リフォーム業者によってその意味がさまざまだということがわかりました。

そのため、リフォーム会社や工務店などに「フルリフォームしたい」と伝える際には、自分が何をどこまでリフォームしたいのかを明確に伝えて、お互いにコンセンサスをとる必要があります。

では、一般的に「マンションのフルリフォーム」でできること、できないこととには何があるでしょうか?

それは以下の表のとおりです。

【マンションのフルリフォームでできること・できないこと】

できる 専有部分のリフォーム

  •  水回り:キッチン、トイレ、浴室、洗面所など
  •  クロスの張り替え
  •  床の張り替え
  •  収納の増設
  •  和室を洋室にする
  •  間取りの変更

◎耐震補強
◎断熱工事
◎バリアフリー化       など

できない 共有部分のリフォーム

  •  玄関ドア
  •  外壁
  •  バルコニー

構造部分の撤去

  •  柱
  •  梁(はり)

管理規約で禁止されているリフォーム:管理規約により制限されている場合もある

場合による スケルトンリフォーム:「ラーメン構造」なら可能

            「壁式構造」は間仕切り壁を撤去できない場合がある

水回りの大幅な移動:配管の位置によって移動に制限が出る場合がある

窓の交換:窓は共有部分扱いなので、原則的には交換不可

      老朽化が激しいなど不具合がある場合は、管理者の許可があれば可能

ひとつ注意が必要なのは、、「フルリフォーム」はどんなマンションでも可能ですが、「スケルトンリフォーム」は以下のような建物の構造によって、できるマンションとできないマンションがあるということです。

ラーメン構造柱と梁などで建物を支える工法

        間仕切り壁を取り払えるので、スケルトンリフォームが容易

◎壁式構造柱や梁ではなく、壁で建物を支える構造

      構造上、撤去できない間仕切り壁があるので、スケルトンリフォームが難しい

ですので、中古マンションのスケルトンリフォームを希望する場合は、購入前に「スケルトンリフォームが可能な構造かどうか」を確認する必要があるでしょう。

1-3.マンションフルリフォームの予算相場は500万~600万円

では、マンションをフルリフォームする際の費用は、どの程度が相場でしょうか?

一般社団法人住宅リフォーム推進協議会による「住宅リフォームの消費者・事業者に関する実態調査」(2020年)によると、

◎リフォーム検討時の予算:平均 279.4万円

◎実際にリフォームにかかった費用:平均 356.4万円

だそうです。

<実施者と検討者それぞれのリフォーム検討時の予算>

<実施者が実際にリフォームにかかった費用>

が、これは部分リフォームも含めた金額なので、フルリフォームに限るともっと費用は上がります

おおよその相場観としては、

▢フルリフォームの予算相場:500万~600万円程度

▢フルリフォームが可能な最低金額:300万円~

 →水回り(キッチン、浴室、トイレ、洗面所)の交換、クロス張り替えなどを中心としたリフォーム

▢スケルトンリフォームの予算相場:600万~1,200万円

といったところでしょう。

施工業者によっては、工事費用を㎡単位で計算するところもあり、その場合は12万円~/㎡程度が相場のようです。

これらを踏まえて、マンションの広さによるフルリフォーム・スケルトンリフォームの費用相場は以下の通りですので、参考にしてください。

フルリフォーム費用相場一覧*SUVACO掲載の最新200事例から平米毎に平均価格を算出(2022年10月時点)

1-4.マンションフルリフォームの工事期間は1か月半~4か月程度

次に、マンションのフルリフォームにかかる期間はどの程度を見込んでおけばいいのでしょうか?

おおよその期間は以下です。

◎フルリフォーム:準備期間 2~3か月+工事期間 1か月半~2か月程度=計 3か月半~5か月

◎スケルトンリフォーム:準備期間 2~3か月+工事期間 2~4か月程度=計 4~7か月

実際の工事の前に、打ち合わせや設計、見積もりなどの準備にも2~3か月かかると考えてください。

この一連の流れについては、4.マンションのフルリフォームの流れでくわしく説明しますので、そちらにも目を通しておきましょう。

費用別・マンションのフルリフォーム内容

フルリフォームは、その施工内容によって費用に大幅な差が生じます。

そこでこの章では、「いくらあれば何ができるのか」という費用別のリフォーム内容を紹介しておきましょう。

2-1.300万円の場合

フルリフォームの最低予算はおおよそ300万円です。

では、これで何ができるのでしょうか?

この場合、水回り中心のフルリフォームになるでしょう。

具体的には、

  • 水回りの交換:キッチン、浴室、トイレ、洗面所の4か所を交換
  • クロスの張り替え:全室の壁紙の張り替え
  • フローリングの張り替え:既存の床はそのままで、新しい床材を上から貼る方法で張り替え

などです。

ただしこの予算では、設備や材料の質にこだわることは難しいでしょう。

水回りは、一般的には4点合計で220万~270万円程度が相場ですが、150万円以内に抑える必要があります。

また、クロスやフローリング材も、限られた選択肢の中から選んでください。

2-2.500万~600万円の場合

前述したように、フルリフォームの平均的な予算は、500万~600万円程度です。

これだけあれば、予算300万円の場合よりもできることは大幅に増え、以下のように内装と設備を全面的に刷新することが可能です。

  • 水回りの交換:キッチン、浴室、トイレ、洗面所の4か所を交換
  • キッチンの移動:壁付キッチンを対面キッチンに移動・交換
  • クロスの張り替え:全室の壁紙の張り替え
  • フローリングの張り替え:古い床を解体して、新しい床材で張り替え
  • 和室を洋室に変更:畳の部屋をフローリングに、押し入れをクローゼットに、襖や障子を洋室の建具に交換
  • 一部の間取り変更:間仕切り壁の撤去、キッチンとリビングをつなげてLDKを広げるなど

設備や素材にもそれなりに予算を割くことができます。

水回りも4点合計で、相場通りの220万円~の設備を選ぶことができるでしょう。

狭いリビングを、キッチンやとなりの部屋とつなげて広いLDKにしたり、じゃまな間仕切り壁を取りのぞいて、家事導線を動きやすくしたりすることも可能です。

2-3.600万円~の場合

もし600万円以上の予算が用意できるなら、スケルトンリフォームも可能です。

前述したように、スケルトンリフォームの場合は、内装などすべて取り払って室内をコンクリートの箱状態に戻します。

そのため、間取りも造り直すことができますし、配管も新しく入れ替えられるなど、まったく新しい部屋を一からつくることが可能です。

ただし、これも前述したように、以下のことだけはいくら予算があってもできません。

<スケルトンリフォームでもその他のフルリフォームでもできないこと>✖共有部分のリフォーム

 →玄関ドア、外壁、バルコニーなどは、マンションでは「共有部分」扱いです。

  マンションでは、リフォームは専有部分に限られるため、共有部分に手を加えることはできません。

  同じ理由で、外壁に穴をあけるなどもNGです。

✖構造部分の撤去

 →柱や梁(はり)など、建物を支える構造部分は撤去できません。

  ラーメン構造であれば、間仕切り壁は撤去できますが、壁式構造では、壁自体が建物を支えているので、撤去できない間仕切壁もあります。

✖管理規約で禁止されているリフォーム

 →専有部分であっても、管理規約で手を加えることが制限されているケースもあります。

いずれにしろ、リフォームをする場合には、事前に「自分の希望するリフォームは、物理的にも規則的にもできるかどうか」を事前に十分確認することが必要でしょう。

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マンションのリフォーム費用内訳

ここまでで、マンションのフルリフォーム全体の費用感はわかりましたよね。

ですが、「ひとつひとつの工事にはだいたいいくらくらい費用がかかるのか、内訳が知りたい」と思う人も多いでしょう。

そこでこの章では、工事の内容ごとに費用相場をまとめました。

以下の表を見てください。

では、ひとつづつ見ていきましょう。

3-1.水回り

マンションの「水回り」とは一般的に、

  • キッチン
  • 浴室
  • トイレ
  • 洗面所

の4か所を指します。

これらの工事費用の内訳は、以下の通りです。

システムキッチンやユニットバスなど、設置する設備のグレードをどの程度にするかで、費用は大幅に変わります。

施工会社によっては、上記4か所のリフォームをセットにしたパックプランなどもあり、個別に依頼するよりもコストはかなり抑えられています。

が、パックの場合は設備の選択肢が限られていて、量産型の比較的安価な製品の中から選ばなければなりません。

また、基本的には設備の交換のみで、レイアウトや内装の変更は含まれていない場合も多いため、それらを希望すると追加費用がかかる可能性があります。

「キッチンにはこだわりたい」「海外製のバスタブを入れたい」など、規格外の希望がある場合は、予算は多めに用意する必要があるでしょう。

3-2.クロス張り替え・床張り替え

クロス(壁紙など)の張り替えや床の張り替えは、おおむね以下のような費用目安でできます。

リフォーム内容 費用相場
クロスの張り替え 40万~70万円
フローリングの張り替え 70万~90万円

が、基本的にはどちらも㎡単位で費用が計算されますので、それを踏まえてくわしく説明しましょう。

まず、クロスの張り替えですが、安価なものなら800円/㎡~、一般的なグレードのものなら1,500円/㎡前後が目安です。

壁紙の面積で考えると、

  • 2LDK:約350㎡→40~60万円程度
  • 3LDK:約400㎡→45~70万円程度

となります。

もし、「輸入品のおしゃれな壁紙を取り寄せて使いたい」といった希望があれば、その分費用はアップします。

また、最近では以下のようなさまざまな機能をもった壁紙もあります。

  • 消臭効果
  • 防カビ/抗菌効果、防汚効果
  • 表面強化/スーパー耐久性
  • 吸放湿効果        など

そういった機能性壁紙を使いたい場合も、製品によっては高価なものもありますので、事前に費用を確認しましょう。

次に、床の張り替えですが、費用は床材によって変わります。

おおむね1万1,000~2万円/㎡程度だと考えておけばいいでしょう。

たとえば約8畳の部屋1室を張り替え場合、床材ごとの費用目安は以下のようになります。

床材 費用目安/約8畳
フローリング
  • 元の床を解体して張り替え:10万~20万円
  • 元の床の上に重ね張り:8万~10万円
カーペット
  • 元のものをはがして張り替え:8万~16万円
  • 元の床の上に重ね張り:6万~11万円
フロアタイル
  • 元のものをはがして張り替え:8万~15万円
  • 元の床の上に重ね張り:6万~10万円
クッションフロア
  • 元のものをはがして張り替え:6万~10万円
  • 元の床の上に重ね張り:5万~11万円

特にフローリングの場合は、使用する木材の種類によって価格に幅があり、合板ではない一枚板の無垢材などは比較的高価です。

また、元の床をはがして新たに張り替えをする場合、撤去費用などが加算されます。

そのため、元の床はそのまま残し、上に新しい床材を重ね張りする工法の方がコストを抑えられるのが一般的です。

が、元の床材によっては重ね張りができないケースもあります。

さらに、重ね張りをすると床の高さが上がるため、ドアが開閉できなくなってしまうこともあるので、重ね張りを希望する場合は、かならず事前に施工会社に現地確認をしてもらいましょう。

3-3.収納設置

新たに収納を設置する場合、費用目安は以下の通りです。

収納設置の費用は、扉を設置するかしないか、どのような扉にするかが費用に影響します。

扉のない「見せる収納」にすれば費用は安く、鏡張りなどにすれば高くなるでしょう。

また、既製品のパーツを組み合わせるだけの「システム収納」は比較的安価ですが、家に合わせてオリジナルで一からつくる「造りつけ家具」の場合は費用が上がります

「棚や扉の材質をフローリングと合わせてつくりたい」「部屋のデッドスペースにぴったり合わせたサイズにしたい」といった要望があれば、造りつけになる可能性がありますので、事前に施工会社に見積もってもらいましょう。

3-4.和室を洋室にする

古いマンションだと、和室がある物件も多いでしょう。

「和室は使わないので、洋室に変更したい」という場合の費用は以下です。

6~8畳間を想定しています。

和室を洋室にする場合、大きくわけて、

  • 和室をそのまま洋室に変更する
  • 和室と隣接するリビングとをつなげて広いリビングにする

の2パターンが考えられます。

前者の場合は、最小限のリフォームであれば畳をフローリングにするだけ、全面リフォームなら壁・天井・建具も洋室仕様に変更して、さらに押入れはクローゼットに作り替えたり、撤去して部屋を広げたりする工事が必要です。

どんな部屋にしたいか、希望と予算を施工会社に伝えて相談してください。

一方後者では、2つの部屋をつなげるために、間仕切り壁や建具の一部を撤去する必要がありますので、その分の費用が加算されます。

また、和室とリビングで床の高さが違う場合は、高さを合わせる工事も必要になってきます。

この場合も、事前に施工会社に「一体化が可能かどうか、その場合の見積もりは?」と確認するようにしましょう。

3-5.間取り変更

「2部屋をつなげて1つの広い部屋にしたい」「キッチンとリビングが壁で仕切られているので、オープン型のLDKにして対面キッチンに変えたい」など、間取り自体を変更したいという希望もよくあります。

そういったケースでは、どんなレイアウト変更をするかによって工事費用に大きな差が生じるため、一概に費用相場を示しにくいといえます。

そこで、工事内容の費用目安を以下に提示しておきましょう。

撤去する壁や設置する建具などの数、張り替える床や壁の面積、使う材料など、さまざまな要素によって費用が決まりますので、施工会社と十分に打ち合わせをして、随時費用の確認をしながら進めましょう。

3-6.耐震・断熱工事

古いマンションの中には、耐震性や断熱性に不安がある物件もありますので、その場合は耐震補強や断熱工事が必要になります。

その費用相場は以下です。

リフォーム内容 費用相場
耐震補強 25万~200万円
断熱工事 20万~120万円

耐震補強も断熱工事も、どの部分にどの程度の工事をするのかによって費用が大きく変わります。

特にこのリフォームは、工事後の耐震・断熱効果が十分であることが重要です。

費用を安く抑えるあまり、大した効果を得られないのであれば、せっかく工事をした意味がありません。

壁だけの工事でいいのか、天井や床にも手を入れる必要があるのか、どの程度の補強・断熱が必要な状態か、施工会社に現地調査してもらった上で、納得できるまで説明を受けましょう。

3-7.スケルトンリフォーム

フルリフォームの中でも、もっとも大々的な工事が必要なのがスケルトンリフォームです。

そのため費用も高額で、相場は以下のようになっています。

リフォーム内容 費用相場
スケルトンリフォーム 600万~1,200万円

費用には大きな幅がありますが、これはリフォームの内容と広さによる違いです。

広さによって費用目安を示すなら、以下のようになります。

フルリフォーム費用相場一覧

*SUVACO掲載の最新200事例から平米毎に平均価格を算出(2022年10月時点)
*上記はあくまで参考・やりたい内容や物件状態によって費用は大きく変わる


また、以下のような設備を追加すると、さらに費用が加算されます。

リフォーム内容 費用相場
床暖房 6~7万円/畳
二重サッシ 5~12万円/1か所
防音工事 200万~600万円/1部屋

マンションのフルリフォームでは、希望をすべて盛り込もうとすると、トータルの費用が新築マンション購入よりも高額になってしまう恐れもあります。

見積もりが予算をオーバーしてしまった場合は、どのリフォームが重要でどれが諦められるか、優先順位をつけて施工会社と相談するようにしてください。

マンションのフルリフォームの流れ

ここまでマンションのフルリフォームで何ができるのか、費用はいくらかかるのかを説明してきました。

では、実際にリフォームを依頼した場合、どのように進めていけばいいのでしょうか?

一般的な流れは以下の通りです。

<フルリフォームの依頼から引き渡しまでの流れ>1)相談・ヒアリング

まず、リフォームを扱っている施工会社を探し、相談に行きます。

担当者から、どのようなリフォームを希望しているのか、家族構成やライフスタイル、予算などをくわしくヒアリングされますので、事前に伝えたいことを準備していくといいでしょう。

また、こちらからは「どの段階から、どんな費用が発生するか」を確認してください。

契約前の最初のプラン設計から有料の会社もあり、のちのちのトラブルを避けるためです。

2)現地調査

施工会社の担当者が、実際にリフォーム予定のマンションを訪れて調査します。

採寸や写真撮影をし、こちらが希望するリフォームが実際に可能かも確認してくれます。

その際に、マンションの竣工図が必要になるため、事前にこちらで管理組合にお願いして、当日に閲覧できるよう準備しておきましょう。

3)プランの提案・修正

ヒアリングと現地調査の結果を踏まえて、施工会社から最初のリフォームプランが提案されます。

こちらの希望に合わない部分があれば、くわしく伝えて修正してもらいましょう。

4)見積もり・調整

修正を経てプランが固まったら、それをもとに施工会社が見積もりを出します。

もし予算がオーバーしていたら、どこを削るか相談して調整していき、最終的な実施プランを決定します。

5)工事契約

施工会社と正式にリフォーム工事の契約を結びます。

マンションによっては、リフォームに際して管理組合の承認を受けなければならない場合もあるので、事前に確認の上、必要があれば手続しましょう。

6)工事

実際にリフォームに着工します。

工事期間は、フルリフォームの場合で 1か月半~2か月程度、スケルトンリフォームなら 2~4か月程度です。

その間、施主側はただ待っているだけではありません。

施工会社側で何か問題や疑問があれば連絡が入るので、現場に出向いて相談、決定します。

また、床材やクロス、塗装材の色の見本を確認しに行く必要もあるでしょう。

任せきりにせず、工事が順調に進んでいるか、自分の目で随時確認してください。

7)引き渡し

リフォームが完成したら、まずは施工会社による自主検査をして、その上で施主による検査を行います。

設計図通りにできているか、内装や設備は希望通りのものが使われているかなど、細かくチェックしましょう。

もし何か問題があれば、施工会社に伝えて手直しをしてもらいます。

最終的に施主がOKを出したところで、いよいよ引き渡しとなります。

8)引っ越し

リフォーム済みのマンションに引っ越します。

この一連の流れは、早くて3カ月半、一般的には5~6か月、長ければ1年程度かかるでしょう。

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マンションをフルリフォームする際の注意点

マンションのフルリフォームの進め方はわかりましたよね。

ただ、これ以外にも注意が必要なことがいくつかありますので、ここで確認しておきましょう。

5-1.費用の内訳を確認する

マンションのフルリフォームは、細かい希望をすべて盛り込んでいくとどんどん費用がかさんでいきます。

工事中に思わぬトラブルが発覚して、余分な費用が発生してしまうこともありがちです。

そのため、最終的な請求額を見て、「見積もりよりだいぶ予算オーバーしている!」と困惑するケースも多いのです。

そんなことのないように、リフォーム費用の内訳を随時確認しましょう。

まず見積もりの段階で、「壁紙 〇〇万円」「フローリング材 〇〇万円」とざっくり書かれていたら、㎡ごとの単価がいくらのものを、何㎡分使うのかを細かく出してもらいます。

まとめた金額で書かれていると、多めに見積もられていてもわからないからです。

また、実際に工事が始まってからでも、「やっぱりここはこうしたい」「この建材よりあの建材のほうがいい」といった変更をしたくなる場面は多々あるでしょう。

その際にも、これを変更すると、何にいくらかかるのか」という内訳を逐一教えてもらいましょう。

ここで金額を確認せずに要望を通してしまうと、もし予算オーバーでも施主側が了承したことになってしまいます。

「細かく金額を確認すると、面倒に思われるのでは……」と感じるかもしれませんが、フルリフォームは施主側にとっても施工会社にとっても高額の契約です。

遠慮せず、随時確認しましょう。

5-2.リフォームローンでなく住宅ローンを組む

フルリフォームには、数百万円から1,000万円以上の費用が必要です。

そのため、ローンを組む人も多いでしょう。

リフォームに利用できるローンには、

  • リフォームローン
  • 住宅ローン

の2種があります。

「リフォームに使うのだから、リフォームローンを組んだ方がいいだろう」と考えるかもしれませんが、実はそうとは限りません。

むしろ、可能であれば住宅ローンを利用したほうが得なのです。

というのも、

◎リフォームローンより住宅ローンの方が金利が低い

 →住宅ローンが一般的に0.5~2.0%程度なのに対して、リフォームローンは2~5%程度

◎リフォームローンより住宅ローンの方が返済期間が長い

 →住宅ローンは最長35年、リフォームローンは5~10年が多い

◎住宅ローンは団体信用生命保険に加入必須だが、リフォームローンは原則的に加入しない

 →団信に入っていれば、もしローン契約者が亡くなった場合は残金の支払いが必要なくなる

といったメリットがあるからです。

ただし、リフォームローンのほうが有利な点もあり、

  • 住宅ローンには担保が必要だが、リフォームローンは担保が不要
  • 住宅ローンよりリフォームローンの方が手続が簡単
  • 住宅ローンよりリフォームローンの方が審査に通りやすい傾向がある

となっています。

同じフルリフォームでも、低額でできる場合はリフォームローンを利用してもいいかもしれません。

が、高額であれば、やはり金利が低い住宅ローンがいいでしょう。

よくある質問

マンションのフルリフォームについて、みなさんが知りたいことはほぼ説明できたと思います。

が、これ以外にもフルリフォームに関してよく挙がる質問がいくつかあります。

最後にそれらに回答しておきましょう。

6-1.マンションに住みながらフルリフォームは可能?

中古マンションを購入してフルリフォームしようという人以外に、「現在住んでいるマンションをフルリフォームしたい」というケースもありますよね。

その場合、工事期間中は賃貸マンションに引っ越すという人が多いでしょうが、一方で「賃貸費用がもったいないので、今のマンションに住み続けながらリフォーム工事をしてほしい」と希望する人もいます。

これは実際のところ可能なのでしょうか?

結論からいえば、「可能ではありますが、デメリットも大きい」です。

というのも、部分リフォームと違ってフルリフォームは、工期が1か月半から4か月と長くかかります。

その間、住みながら工事をするとなると、

◆ひとつの部屋を工事する→その部屋の家具を別の部屋に移動・その部屋以外で生活する

 →次に別の部屋を工事する→家具を移動・その部屋以外で生活する

を繰り返すことになります。

となると、いちいち家具を動かすのも手間ですし、寝る場所や食事をする場所をひんぱんに移動しなければいけないのも落ち着きませんよね。

また、工事の音や振動、人が出入りすることなどもストレスになります。

もし小さい子どもやペットがいるなら、危険を感じることもあるでしょう。

さらに、この方法だと一部屋ずつ工事することになるため、工期がより長くなってしまいます

人件費もその分かさむというデメリットがあります。

賃貸費用が節約できることと、これらのデメリットとを比較すると、住みながらのフルリフォームはあまりおすすめできないと言っておきましょう。

6-2.補助金や減税制度などにはどんなものがある?

フルリフォームに関して、もし補助金や減税制度などがあるならぜひ利用したいですよね。

これについては、以下の3種類のお得な制度があります。

  • 政府の補助制度『住宅ストック循環支援事業』
  • 地方自治体の補助制度(各自治体により内容が異なります)
  • リフォーム減税

くわしくは、以下の記事に解説がありますので、ぜひ熟読の上でお得な制度を利用してください。

リノベーションやリフォームに使える補助金や減税の種類

知っておくべき3つのリフォーム減税!これでローンもこわくない!?

\一級建築士監修のWEBセミナー開催中!/

まとめ

いかがでしたか?

マンションのフルリフォームについて、知りたいことがわかったかと思います。

では最後にあらためて、記事の要点をまとめましょう。

マンションのフルリフォームでは、以下のこと以外はさまざまなことが可能

  •  共有部分のリフォーム
  •  構造部分の撤去
  •  管理規約で禁止されているリフォーム

◎マンションフルリフォームの予算相場は500万~600万円

◎マンションフルリフォームの工事期間は1か月半~4か月程度

◎マンションのフルリフォームの流れは、

  1.  相談・ヒアリング
  2.  現地調査
  3.  プランの提案・修正
  4.  見積もり・調整
  5.  工事契約
  6.  工事
  7.  引き渡し
  8.  引っ越し

この記事を踏まえて、あなたのマンションが満足いくフルリフォームされることを願っています!

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