2023.03.28 更新 2021.07.06 公開
【2023年最新版】リフォームローン控除の対象要件と金額シミュレーション

「リフォームの住宅ローン控除ってなんだろう?」と疑問に感じていませんか?
住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用して家を新築、購入、リフォームする際に税金が戻ってくるという制度です。
家を建てたり、購入したりする場合だけでなく、リフォームにも控除が適用される、というのは嬉しいですよね。
ただしリフォームで住宅ローン控除を受けるためには、要件が決まっています。
住宅ローンを借りてリフォームしている場合でも、「控除の要件を満たしているかどうか」を確認して、適用対象かどうかをまずは判断する必要があるのです。
そこで、本記事では以下の内容をお伝えしていきます。
▼本記事の内容
- リフォームに適用できる「住宅ローン控除」とは?
- リフォームの住宅ローン控除を適用するための要件一覧
- 【ケース別】リフォームの住宅ローン控除が適用できるか判断しよう
- リフォームの住宅ローン控除に必要な手続き
- リフォームの住宅ローン控除額の計算方法
- リフォームの住宅ローン控除を適用した場合の金額シミュレーション
- 住宅ローン控除と併用できる「耐震改修した場合の所得税減税」を知っておこう
本記事を読むことで、リフォームで適用できる住宅ローン控除とはどのようなもので、要件は何かがわかるだけでなく、具体的なケースを確認できるのでご自身が「住宅ローン控除が適用できるのか」判断しやすくなりますよ。
ぜひ最後までお読みください。
※本記事に掲載している住宅ローン減税制度の概要・要件等は、2023年度時点の情報です
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[著者]
ゼロリノベ編集部
元銀行員・宅地建物取引士・一級建築士が在籍して「住宅ローンサポート・不動産仲介・リノベーション設計・施工」をワンストップで手がけるゼロリノベ(株式会社groove agent)。著者の詳しいプロフィール
目次
リフォームに適用できる「住宅ローン控除」とは?
そもそも「住宅ローン控除」とは、どういう制度なのでしょうか?
本章では住宅ローン控除についてご理解いただくために、「住宅ローン控除とはどのような制度なのか」について、詳しく解説していきます。
1-1.「住宅ローン控除」を利用すると税金が戻ってくる
冒頭でもお伝えしたとおり、住宅ローン控除は、住宅ローンを利用して家を新築、購入、リフォームする際に、要件を満たしていれば税金が戻ってくるという制度です。
家を新しく建てる場合や、建売住宅や中古住宅を購入する場合、そしてリフォームをする場合には多くの人が住宅ローンを利用します。
そのような場合に、もし「住宅ローン控除の要件」に当てはまっていれば、申告することで税金が戻ってくるので、利用しない手はありませんね。
「住宅ローン控除の要件」については、「2.リフォームの住宅ローン控除を適用するための要件一覧」で詳しく解説しています。
1-2.住宅ローン控除は「税額控除」にあたる
そもそも住宅ローン控除は、「控除制度」のうちのひとつです。
控除制度はさらに2つの種類に分類でき「所得控除」「税額控除」の2種類があります。
住宅ローン控除は「税額控除」にあたり、戻ってくる金額がわかりやすく、その金額も大きいのが特徴です。
▼所得控除とは
- 所得税額は、所得から「所得控除」を引いた金額(課税所得)に税率をかけて計算する。
- 税率は課税所得によって変わる。
▼税額控除とは
- 税額控除は、「所得控除」で所得税(★)を算出したあとで、税額から直接控除する。
- 戻ってくる金額がわかりやすい。
▼税額控除のイメージ図
▼住宅ローン控除のイメージ図
1-3.「所得税」だけでなく「住民税」からも控除できる
住宅ローン控除は、所得税から毎年控除しますが、その年に控除しきれなかった分は住民税からも一部控除されます。ただし、住民税の控除については、上限が決まっています。
住宅ローン控除における住民税の控除の上限額についてくわしくは「5-1.【1〜10年目】リフォームの住宅ローン控除額の計算式」でお伝えしています。
▼住宅ローン控除において「住民税」から控除する場合のイメージ図
リフォームの住宅ローン控除では、最長10年、最大140万円控除されます。
そもそも住宅ローン控除が適用できるのかどうかについては、後述します。
リフォームの住宅ローン控除を適用するための要件一覧
住宅ローン控除をリフォームでも適用したい場合には、どのような要件を満たす必要があるのでしょうか?
「リフォームの場合の住宅ローン控除対象」と「リフォームの場合の住宅ローン控除条件」に分けて、要件を確認しましょう。
2-1.リフォームの場合の住宅ローン控除対象
リフォームでは、以下に該当する工事を行った場合に住宅ローン控除の対象となります。
▼リフォームの場合の住宅ローン控除対象工事
- 増築、改築、建築基準法で規定された大規模な修繕・模様替えの工事
- マンションなどの専有部分の床、階段または壁の過半について行う一定の修繕・模様替えの工事
- 家屋、マンションの専有部分のうち一定のリビング、キッチン、浴室、トイレ、洗面所、納戸、玄関または廊下のなどの一室の床または壁の全部について行う修繕、模様替えの工事
- 一定の耐震改修工事
- 一定のバリアフリー改修工事
- 一定の省エネ対応の工事
2-2.リフォームの場合の住宅ローン控除条件
リフォームで住宅ローン控除が適用される条件は以下のとおりです。
▼リフォームの場合の住宅ローン控除条件
- 自己所有かつ自身が居住する家屋について行うリフォーム・リノベーションである
- 取得の日から6ヶ月以内に居住し、住宅ローン控除を受ける年の12月31日まで住み続けている
- 住宅ローン控除を受ける年の所得の合計額が2,000万円以下である
- 工事後の住宅の床面積が50平方メートル以上である
- 工事後の住宅の床面積の1/2以上が自身の居住用である
- リフォームもしくはリノベーションの工事費用が100万円以上
- リフォームもしくはリノベーションの工事費用の1/2以上が居住用部分に対する費用である
- 借入金の返済期間が10年以上である
- 併用不可である減税特例の適用を受けていない(たとえば「長期譲渡所得の課税特例」など)
- 金融機関等のローンを利用している
- 増改築等工事証明書などの発行で工事を証明できる
【ケース別】リフォームの住宅ローン控除が適用できるか判断しよう
リフォームの住宅ローン控除の適用について要件はお伝えしたものの、「自分のケースは控除が適用できるのかわからない」ということもあるでしょう。
具体的には、
- 「中古住宅を購入後にリフォームするつもりだが控除は適用できるのか?」
- 「親名義の住宅をリフォームするつもりだが、控除は適用できるのか?」
と疑問に感じている人が多いのではないでしょうか。
そこで本章では、上記2つのケース別に住宅ローン控除が適用できるかどうかをお伝えしていきます。
3-1.中古住宅購入後にリフォームする場合
中古住宅購入後にリフォームをする場合は、「中古住宅取得にかかる住宅ローン控除」と、「リフォームにかかる住宅ローン控除」を併用することができます。
リフォームのタイミングは入居前、入居後を問いません。
ただし、併用するためには「中古住宅を購入する際の住宅ローン控除適用要件」と、「リフォームをする場合の住宅ローン控除適用要件」をそれぞれ満たしている必要があります。
▼中古住宅を購入する際の住宅ローン控除適用要件
- 建築後に使用歴がある
- 贈与された、もしくは生計をともにする人から取得した物件ではない
- リフォームもしくはリノベーションの完了日から6ヶ月以内に居住し、住宅ローン控除を受ける年の12月31日まで住み続けている
- 住宅ローン控除を受ける年の所得の合計額が2,000万円以下である
- 住宅の床面積が50平方メートル以上である
- 住宅の床面積の1/2以上が自身の居住用である
- 借入金の返済期間が10年以上である
- 併用不可である減税特例の適用を受けていない(たとえば「長期譲渡所得の課税特例」など)
- 金融機関等のローンを利用している
- 建築から購入まで20年以内(鉄筋コンクリート造などの耐火建築物は25年以内)
- ただし、規定の築年数を超えていても、購入前2年以内に現行の耐震基準に適合することが証明されている昭和57年以降に建築された住宅(新耐震適合住宅)である場合は控除対象になれる
▼リフォームをする場合の住宅ローン控除適用要件
- 贈与された、もしくは生計をともにする人から取得した物件ではない
- 自己所有かつ自身が居住する家屋について行うリフォーム・リノベーションである
- リフォームもしくはリノベーションの完了日から6ヶ月以内に居住し、住宅ローン控除を受ける年の12月31日まで住み続けている
- 住宅ローン控除を受ける年の所得の合計額が2,000万円以下である
- 工事後の住宅の床面積が50平方メートル以上である
- 工事後の住宅の床面積の1/2以上が自身の居住用である
- リフォームもしくはリノベーションの工事費用が100万円以上
- リフォームもしくはリノベーションの工事費用の1/2以上が居住用部分に対する費用である
- 借入金の返済期間が10年以上である
- 併用不可である減税特例の適用を受けていない(たとえば「長期譲渡所得の課税特例」など)
- 金融機関のローン利用をしている
- 昭和57年以後に建築された住宅(新耐震基準適合住宅)であること
- 増改築等工事証明書などの発行で工事を証明できる
- 以下に該当する工事を行った場合
(増築・改築・建築基準法で規定された大規模な修繕・模様替えの工事/
リビング、ダイニング、寝室、キッチン、浴室、トイレ、洗面所、納戸、玄関、廊下などの一部屋の床または壁のすべてを修繕、模様替えする工事/耐震基準工事/バリアフリー化の工事/省エネ対応の工事)
また、中古住宅を購入したあとに実施するリフォームが比較的軽微で、「リフォームの住宅ローン控除」の要件に当てはまらない場合、その工事を入居前に行っているときに限り、リフォームに要した費用を住宅購入費用に足して、住宅ローン控除を計算しても良いことになっています。
ただしその場合、中古住宅を購入後、入居してしまってからリフォームをしたときはその費用は住宅ローン控除の対象外になる、ということを知っておきましょう。
3-2.親名義の住宅をリフォームする場合
親名義の住宅をリフォームする場合は、住宅ローン控除は受けられません。
その理由は、リフォームで住宅ローン控除が適用されるためには、「自己所有かつ自身が居住する家」でなくてはならないからです。リフォーム費用を支払うのが子どもでも、リフォームした家の名義が親だと、控除は適用されないのです。
しかもこの場合、リフォームした家の名義人が親であり、子がローンで借り入れしたお金を渡す、つまり、子から親への贈与になるので、贈与税が発生してしまいます。
控除が使えないだけでなく、贈与税まで発生してしまい、損をしてしまうため、家の名義を、親名義から子供名義に変更するのがベストです。
リフォームの住宅ローン控除に必要な手続き
リフォームの住宅ローン控除を受けるかどうかを考える際には、必要な手間も知っておくとよいでしょう。どのような手続きが発生するのかを知っておくことで、どのくらいの手間が必要なのかを判断できます。
実際に、リフォームの住宅ローン控除には、1年目は「確定申告」の手続き、2年目以降は会社員の場合「年末調整」の手続きが必要です。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
4-1.【1年目】申告手続き
1年目は確定申告を行い、住宅ローン控除の申告手続きをする必要があります。
<確定申告に必要な書類>
◆税務署または国税庁のHPから取得するもの
・住宅ローン控除額の計算明細書
◆金融機関から取得するもの
・住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(原本)
住宅ローンの年末残高を証明するためのもの
◆法務局または役所で入手するもの
・登記簿謄本または抄本(全部事項証明書)
住宅の床面積やリフォームの内容を証明するために使用
◆リフォーム業者から入手するもの
・増改築等工事証明書
・認定住宅等の場合にはその証明書類
◆その他自身で用意するもの
・本人確認用書類
マイナンバーカードの写し、もしくは番号確認書類(マイナンバー通知カードの写しまたはマイナンバー記載の住民票の写しなど+身元確認書類(運転免許証、パスポート、公的医療保険の被保険者証の写しなど))
・源泉徴収票(会社員の場合)
確定申告のタイミングは、リフォームが完了して対象の住宅に住み始めた日の翌年、2月16日〜3月15日が原則となっています。住んでいる地域を管轄する税務署で手続きをしましょう。
4-2.【2年目以降】申告手続き
2年目以降は、会社員であれば住宅ローン控除対象期間中の年末調整時に以下の書類を勤務先に提出すれば手続きができます。会社員以外の場合は、毎年自分で確定申告をする必要があります。
<年末調整時に提出する書類>
◆税務署から取得するもの
・年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書(原本)
◆金融機関から取得するもの
・住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(原本)
リフォームの住宅ローン控除額の計算方法
実際にリフォームの住宅ローン控除を適用した場合、いくら程度になりそうなのか知りたいところですよね。
住宅ローン控除の計算方法を知れば、ご自身の場合に当てはめて試算できるので、ぜひ確認しておきましょう。
5-1.リフォームの住宅ローン控除額の計算式
リフォームをする場合の住宅ローン控除額は、控除を受ける年の年末時点の、住宅ローンの残高に0.7%をかけて計算します。
▼住宅ローン控除額の基本計算式
住宅ローン控除額=住宅ローンの年末時点の残高×0.7%
- 控除額の上限は年間14万円(認定住宅のリフォームの場合21万円)
- 所得税から控除しきれない場合は、住民税から控除できる
- 住民税から控除する場合の上限額は9万7,500円
リフォーム完了日から6ヶ月以内に居住し、継続して住み続けている状態のときに適用できます。
これをふまえて、所得税、住民税の控除額をわかりやすく一覧表にすると以下のとおりです。
控除額 | 毎年の控除限度額 | |
所得税 | 住宅ローンの年末時点の残高 ✕ 0.7%・・・① | 14万円(21万円)・・・②※2 |
住民税 | 控除可能額(①②のうち小さい方の金額)ー所得税額(※1)
|
※1:住宅ローン控除適用前の所得税額
※2 控除限度額は、所得税・住民税あわせて14万円(認定住宅の場合は21万円)です。ただし住民税から控除できるのは、最大9万7,500円です。
たとえば下記条件の場合を例に、図を見ながら2つのステップで計算してみましょう。
▼条件
- 年末ローン残高1,500万円
- 所得税9万円
- 住民税19万円
【ステップ1】まずは控除可能額を算出
- 年末ローン残高1,500万円✕0.7%=10万5,000円(①)
- 控除限度額14万円(②)
今回は、②よりも①のほうが小さい額なので、10万5,000円が控除可能額になります。
▼ステップ1のイメージ図
【ステップ2】以下の手順で「所得税・住民税」から控除を行う
①:所得税9万円を控除。
②:控除しきれなかった分を住民税から控除。
今回、所得税で控除しきれなかった控除可能額は1万5,000円(10万5,000円 – 9万円)。
しかし住民税から控除できる上限は9万7,500円と決まっている。
そのため、住民税からは9万7,500円が控除される。
5-2.リフォームの住宅ローン控除額の速算
住宅ローン控除額の算出方法についてお伝えしましたが、実は控除額は「速算」できます。
下記をご覧ください。
①、②の金額のうち、小さい額が住宅ローン控除額になります。
▼住宅ローン控除額の速算
以下の①、②のうち小さい額が住宅ローン控除額になります。
①:各年の住宅ローン年末残高の0.7%
②:控除限度額14万円(認定住宅のリフォームの場合21万円)
※住民税は控除限度額まで(上限9万7,500円)
上記の内容を図にして考えてみましょう。
◆パターン(1):「①各年の住宅ローン年末残高の0.7%」が最も小さい額の場合
◆パターン(2):「②控除限度額14万円」が最も小さい額の場合
5-3.【11〜13年目】リフォームの住宅ローン控除額の計算式
2019年の消費税増税に伴う負担を軽減する措置として、消費税10%で住宅を購入した場合には、一定の要件を満たせば控除期間が3年延長される特例が実施されています。
控除期間が3年延長される人の条件は以下のとおりです。
▼13年間の控除を受けられる人の条件
- 消費税10%の住宅を購入
- 2020年(令和2年)12月31日までに入居
- ただし新型コロナ感染症の影響によって入居が間に合わない場合は、入居期限を2021年12月31日までに延長する措置がとられている。
このような場合、1年目〜10年目までは基本の計算式で計算し、11年目〜13年目は以下①②の、いずれか少ないほうの額が控除額となります。
▼11~13年目の住宅ローン控除額の計算式2パターン
①住宅ローンの年末残高×1%
②建物の取得価格×2%÷3
- 控除額の上限は①②どちらの場合も年間40万円
- 所得税から控除しきれない場合は、住民税から控除できる
- 住民税から控除する場合の上限額は13万6,500円
たとえば以下の場合を考えてみましょう。
11〜13年目は、控除額の計算式は以下のいずれか小さい方の金額なので、 ――――――――――― ①4,000万円×1%=40万円 今回の控除可能額は36万円。 所得税15万円から控除し、所得税額は0円になる。 住民税から控除できる上限額は13万6,500円なので、住民税からは13万6,500円を控除。 したがって、所得税は全額控除、住民税は11万3,500円を納めることになる。 住宅ローン控除の計算式について解説しましたが、実際に控除を適用するとどのくらいの控除ができるのでしょうか。 本章では具体的な金額をイメージできるように、金額シミュレーションを行います。 【家族構成】 【収入】 【住宅ローン借入条件】 【所得税】 【住民税】 ※住宅ローン控除の期間中は収入変動なし、所得税・住民税の変動なしと仮定する 計算をしてみると、以下のようになります。 1年目は、年末ローン残高が1,944万円なので、「5-1.【1〜10年目】リフォームの住宅ローンの控除額の計算式」でお伝えした速算に基づいて考えてみると、 「①年末ローン残高✕0.7%」・・・・・・・・・・・・・・13万6,080円 年間の最大控除額以内に収まるため、今回控除できる金額は13万6,080円になります。 同様に、10年目まで最大控除額を超えることがないため、10年目で控除できる金額は9万8,840円となります。 住宅ローン控除と併用できる制度として「耐震改修した場合の所得税減税」があります。 これは、住宅を現在の耐震基準に合うようにリフォームをした場合に控除が認められるというものです。 リフォームの場合の住宅ローン控除対象工事のなかに「耐震基準工事」が含まれており、耐震工事を行って住宅ローン控除を適用する人は「耐震改修した場合の所得税減税」も適用できる可能性が高いのです。 それでは耐震基準工事とは、どのようなものなのでしょうか。 1981年5月以前に建てられた住宅には「旧耐震基準」が適用されています。これは「震度5強程度の中規模地震が生じた際に大きな被害を受けない」という程度の耐震構造です。 一方で1981年6月1日以降に建てられた住宅には「新耐震基準」が義務付けられていますが、これは「震度6強〜震度7程度の大規模な地震が発生しても倒壊しない」というレベルの耐震構造です。 つまり、大きな地震が起こっても倒壊しにくい住宅に改修するために、旧耐震基準の建物を新耐震基準に合わせる工事をすることが「耐震基準工事」なのです。 ちなみに、この減税制度は、ローン借入の有無にかかわらず、利用が可能です。減税額は上限25万円になっています。 住宅ローン控除と組み合わせることで、より節税効果が高くなるので、以下の要件に該当する場合は、ぜひ併用することをおすすめします。 ◆概要 ※消費税8%または10%が適用される場合の金額であり、それ以外の場合は( )内の額になる。 ◆減税額の計算 ・国土交通大臣が定める耐震改修の標準的な工事費用相当額−補助金(※) ◆要件 この記事では、リフォームの住宅ローン控除について解説をしました。 ここで改めて本記事のおさらいをしましょう。 ◆リフォームに適用できる「住宅ローン控除」とは、要件を満たしていれば税金が戻ってくる制度 ◆リフォームで住宅ローン控除を適用する場合の要件 ◆中古住宅購入後にリフォームする場合、住宅ローン控除は適用できるかどうか ◆親名義の住宅をリフォームする場合、住宅ローン控除は適用できるかどうか ◆リフォームの住宅ローン控除に必要な手続き <【1年目】確定申告に必要な書類> ◆金融機関から取得するもの ◆法務局または役所で入手するもの ◆リフォーム業者から入手するもの ◆その他自身で用意するもの <【2年目以降】申告手続き> 【年末調整時に提出する書類】 ◆金融機関から取得するもの ◆リフォームの住宅ローン控除額の計算方法 控除対象となる住宅ローンの残高は最大2,000万円。控除額の上限は年間14万円(認定住宅の場合は21万円)。 ◆「耐震改修した場合の所得税減税」は住宅ローン控除と併用できる
①住宅ローンの年末残高×1%
②建物の取得価格×2%÷3
―――――――――――
②5,500万円×2%÷3=36万円
所得税から控除しきれなかった額は21万円。
25万円(住民税)ー13万6,500円=11万3,500円リフォームの住宅ローン控除を適用した場合の金額シミュレーション
夫:43歳・会社員、妻:38歳・会社員(配偶者控除対象外)、こどもなし
年収500万円(所得税:14万円/年、住民税:19万円/年)
借入額:2,000万円
返済期間:30年
借入金利:1.2%(全期間固定型)
返済方法:元利均等返済
債務者:夫
9万円 / 年
19万円 / 年
※繰り上げ返済はなしと仮定する
控除年
住宅ローン年末残高
①年末ローン残高×0.7%
②控除限度額
③控除対象税額
控除対象税額の内訳
所得税
住民税
1年目
1,944万円
13万6,080円
14万円
27.65万円
9万円
19万円
:
:
:
14万円
:
:
:
8年目
1,535万円
10万7,450円
14万円
27.65万円
9万円
19万円
9年目
1,474万円
10万3,180円
14万円
27.65万円
9万円
19万円
10年目
1,412万円
9万8,840円
14万円
27.65万円
9万円
19万円
「②所得控除の上限14万円」・・・・・・・・・・・14万円住宅ローン控除と併用できる「耐震改修した場合の所得税減税」を知っておこう
適用期間:2006年(平成18年)4月1日〜2023年(令和5年)12月31日
控除対象限度額:250万円
控除期間:1年間
控除率:10%
最大控除額:25万円
控除額=以下のいずれかのうち、少ない金額のもの×10%
※補助金:国もしくは地方公共団体から交付される補助金または給付金などを指す
・250万円(控除対象限度額)
・住宅が自ら居住する住宅であ
・住宅が1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された住宅であること(改修工事の前は現行の耐震基準に適合していないこと)
・工事が現行の耐震基準に適合させるための工事であることまとめ
(増築・改築・建築基準法で規定された大規模な修繕・模様替えの工事/
リビング、ダイニング、寝室、キッチン、浴室、トイレ、洗面所、納戸、玄関、廊下などの一部屋の床または壁のすべてを修繕、模様替えする工事/耐震基準工事/バリアフリー化の工事/省エネ対応の工事)
「中古住宅取得にかかる住宅ローン控除」と、「リフォームにかかる住宅ローン控除」を併用することができる
住宅ローン控除は適用できない
◆税務署または国税庁のHPから取得するもの
・住宅ローン控除額の計算明細書
・住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(原本)
住宅ローンの年末残高を証明するためのもの
・登記簿謄本または抄本(全部事項証明書)
住宅の床面積やリフォームの内容を証明するために使用
・増改築等工事証明書
・認定住宅等の場合にはその証明書類
・本人確認用書類
マイナンバーカードの写しもしくは番号確認書類(マイナンバー通知カードの写しまたはマイナンバー記載の住民票の写しなど+身元確認書類(運転免許証、パスポート、公的医療保険の被保険者証の写しなど))
・源泉徴収票(会社員の場合)
◆税務署から取得するもの
・年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書(原本)
・住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(原本)
住宅ローン控除額=住宅ローン残高×0.7%