2021.07.07 更新 2021.07.05 公開

住宅ローン控除と繰り上げ返済どっちが優先?得する方法を具体的に解説

住宅ローン控除 繰り上げ返済 アイキャッチ

「住宅ローン控除を10年まるまる受けるのと、先に繰り上げ返済するのと、最終的にはどっちがお得?」
「住宅ローン控除を十分に受けるには、どのタイミングで繰り上げ返済すればいい?」

住宅ローンと繰り上げ返済について、そんな疑問や悩みを持っている人は多いでしょう。

結論からいえば、

■住宅ローン控除期間の終了後に繰り上げ返済するのが一般的だが、
■住宅ローンの金利が1%以上なら、控除期間の10年を待たずに早く繰り上げ返済をしたほうがお得

といえます。

また、繰り上げ返済できる資金があるなら、それを運用に回したほうがより得になるという考え方もあります。

そこでこの記事では、住宅ローン控除と繰り上げ返済について、もっとも得をするにはどうすべきかについてわかりやすく考察していきたいと思います。

まず最初に、

◎住宅ローン控除と繰り上げ返済、どちらを優先するべき?

という疑問に対して、具体的な数字をもとに考えていきます。
それを踏まえて、

◎住宅ローン控除と繰り上げ返済との比較例

をシミュレーションしてみましょう。
さらに、

◎繰り上げ返済の注意点

についても挙げておきます。
最後まで読めば、住宅ローン控除と繰り上げ返済をどうすればいいのか、判断できるはずです。

この記事で、あなたが住宅ローンの返済額を最小限に抑えられるよう願っています。

Author

“【著者】ゼロリノベ編集部"

[著者]

ゼロリノベ編集部

「住宅ローンサポート・不動産仲介・リノベーション設計・施工」をワンストップで手がけるゼロリノベ(株式会社groove agent)。著者の詳しいプロフィール

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住宅ローン控除と繰り上げ返済、どちらを優先するべき?

この記事を読んでいる方がまず第一に知りたいのは、ズバリ「住宅ローン控除を10年間(場合によっては13年間)の期限いっぱいに受けるのと、それより前に繰り上げ返済するのとどちらが得なのか?」ということでしょう。

そこでこの章では、この問題について考えてみます。

1-1.住宅ローン控除期間の終了後に繰り上げ返済するのが一般的

結論からいえば、一般的に多くの人が選択するのは、「住宅ローン控除は10年間(または13年間)しっかり受けて、控除期間終了後に繰り上げ返済する」という方法です。

これなら、控除の恩恵も繰り上げ返済のお得分も得られるからです。

どういうことか、詳しく見ていきましょう。

1-1-1.住宅ローン控除は毎年最高40万円まで減税される

そもそも「住宅ローン控除」は、正式名称を「住宅借入金等特別控除」といい、家や土地を購入したり、リフォームしたりする際に住宅ローンを組んだ際の金利負担を軽くするために、所得税や住民税から一定額が控除される制度です。「住宅ローン減税」とも呼ばれます。

その制度の概要は以下の通りです。

◎控除額:毎年末の時点で、
・住宅ローンの残高
     ・住宅の取得対価=住宅の購入代金や建築費
のうち、少ないほうの金額の1%相当額

◎控除期間:10年間
ただし、以下の条件に該当する場合は3年間延長(計13年間)
・消費税率10%が適用される住宅の取得をして、
2019年10月1日~2020年12月31日までの間に入居した場合
・注文住宅の新築で、2020年10月1日~2021年9月30日までに契約して、
2021年1月1日~2022年12月31日までの間に入居した場合
・分譲住宅を取得し、2020年12月1日~2021年11月30日までに契約して、
2021年1月1日~2022年12月31日までの間に入居した場合

◎控除限度額:40万円
もし控除額が所得税を超える場合は、住民税からも控除される

◎適用条件:
 ・ローン契約者が年収3,000万円以下の個人
 ・住宅ローンの借入期間が10年以上
 <新築住宅の場合>
・新築後または取得後6カ月以内に入居して、控除を受ける年の12月31日まで居住し続けている
・建物の延べ床面積が50㎡以上で、居住用部分の延べ床面積が建物の2分の1以上
 <中古住宅の場合>
・取得後6カ月以内に入居して、控除を受ける年の12月31日まで居住し続けている
・建物の延べ床面積が50㎡以上で、居住用部分の延べ床面積が建物の2分の1以上
・築年数が、戸建てなら20年以内、マンションなら25年以内
ただし、新耐震基準に適合していればそれ以上でも可
・生計を同じくしている親族などから購入または贈与されたものではない
 <リフォームや増改築の場合>
・増改築から6カ月以内に入居して、控除を受ける年の12月31日まで居住し続けている
・建物の延べ床面積が50㎡以上で、居住用部分の延べ床面積が建物の2分の1以上
・工事費用が100万円を超えていて、その2分の1以上が居住部分の工事費用である

つまり、住宅ローン減税を、
・期間:最大10年間
・控除限度額:最大40万円
で受けた場合、控除総額は400万円にものぼるわけです。

これは非常に大きな額ですから、できるだけ多くの控除を受けたいと考える人が多いわけです。

1-1-2.繰り上げ返済をすると控除額が減ってしまう

一方で、上記のように住宅ローン控除の金額は、その年のローン残高の1%が基準になっています。ということは、繰り上げ返済してローン残高が減ると、控除される金額も少なくなってしまうわけです。

ただ、繰り上げ返済をすることで、ローンの利息は軽減することができます。

そのため、住宅ローン控除と繰り上げ返済による利息軽減の両方を受けようと考える人は、まず控除を10年間(または13年間)いっぱいまで受けて、そのあとで繰り上げ返済をするという方法をとるというわけです。

1-2.金利が1%以上なら繰り上げ返済を優先したほうがお得

ただ、前述した方法がもっともお得とは言い切れないケースもあります。

もしも住宅ローンの金利が1%以上であるなら、その場合は控除期間の10年を待たずに、早く繰り上げ返済をしたほうがお得になるとされています。

これについては、次章でくわしくシミュレーションをしますので、そちらを参照してください。

住宅ローン控除と繰り上げ返済との比較例

では、金利によって住宅ローン控除と繰り上げ返済のどちらを優先すべきか、実際にシミュレーションしてみましょう。

たとえば、3,000万円のローンを返済期間35年で借り入れた場合を考えてみます。

<シミュレーション条件>

・借入額:3,000万円
・返済期間:35年
・金利タイプ:全期間固定
・ボーナス払い:なし
・繰り上げ返済方式:返済期間短縮型
※住宅ローンの繰り上げ返済の方法には「返済期間短縮型」「返済額軽減型」の2種類あります。
くわしくは「住宅ローン繰り上げ返済のメリットデメリットとすべき人の判断基準」を参照してください。

以上のように仮定した上で、「5年後(=住宅ローン控除の期間中)に300万円繰り上げ返済する場合」「11年後(=住宅ローン控除の期間終了後)に300万円繰り上げ返済する場合」を比較します。

いずれの場合も、「住宅ローン控除の総額+繰り上げ返済で軽減される額」の合計が「最終的に得する総額」となり、その違いは以下の通りです。

繰り上げ返済 シミュレーション

このように、金利が低ければ繰り上げ返済は住宅ローン控除の期間=10年が満了したあとのほうが得ですが、金利が高くなるほど、繰り上げ返済を先にしたほうがよい、ということになります。

いずれにしろ、繰り上げ返済はしたほうがよいことに変わりありませんが、そのタイミングによって得する金額は大きく変わります。

あなたの場合はいつがベストなタイミングなのか、融資元の金融機関やファイナンシャルプランナーに相談してシミュレーションしてもらうことをおすすめします。

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繰り上げ返済の注意点

ここまでの解説を踏まえて、実際に繰り上げ返済をしようと考えている方もいるかと思います。

その場合は、注意してほしいことがいくつかありますので、この章ではそれを挙げておきましょう。

3-1.繰り上げ返済しすぎると住宅ローン控除を受けられなくなる

まず、住宅ローン控除の期間中に繰り上げ返済する場合、返済のしかたによっては住宅ローン控除を受けられなくなる恐れがあるので注意してください。

繰り上げ返済には、

◎毎月の返済額は変わらず、返済期間を短くする「返済期間短縮型」
◎返済期間は変わらず、毎月の返済額を減らす「返済額軽減型」

の2種類があります。
このうち返済期間短縮型を選んだ場合が問題です。

というのも、「1-1-1.住宅ローン控除は毎年最高40万円まで減税される」でも説明したように、住宅ローン控除の適用条件のひとつに「住宅ローンの借入期間が10年以上」という項目があるからです。

返済期間を短くし過ぎて、借入期間が10年を切ってしまうと、その年からは控除が受けられません。

たとえば、「12年ローンを組んだが、5年目に大きな収入があったので繰り上げ返済をした結果、あと4年=借入期間9年で完済できることになった」という場合は、その時点で住宅ローン控除の適用外になってしまいます。

本来なら10年間は控除を受けられるところを、5年目以降は受けられないわけです。

この場合、「繰り上げ返済で軽減される金額」と「5~10年目に受けられる控除額」を比較して、どちらが得かを見極めてください。

3-2.繰り上げ返済に手数料がかかる場合がある

次に注意したいのは、金融機関によっては繰り上げ返済に手数料がかかる場合があることです。
いくつか例を挙げると、

<一部繰り上げ返済の手数料>

・三井住友銀行:店頭の専用パソコンによる手続きの場合 5,500円/店頭で書面による手続きの場合 16,500円
・三菱UFJ銀行:電話手続きの場合 5,500円/店頭手続きの場合 16,500円
・みずほ銀行:店頭手続きの場合 33,000円

となっています。
1回だけの繰り上げ返済であれば、あまり問題にならないかもしれませんが、「毎年100万円ずつ繰り上げ返済する」といった場合には、累積額はかなり大きくなるでしょう。

返済前に、手数料についても確認しておくようにしてください。

繰り上げ返済分の資金を投資運用するのもひとつの手

さて、もし手元にまとまった資金がある場合、「住宅ローンの返済総額をなるべく少なくする」という視点で考えると、繰り上げ返済をしたくなりますよね。

ですが、返済額を少なくするのではなく、「資産を増やす」ことに視点をシフトしてみるのはどうでしょうか?つまり、手元の資金を返済に回すのではなく、投資などの資産運用をするわけです。

10年後に繰り上げ返済して軽減できる支払額よりも、10年間長期運用した利益のほうが大きくなる可能性はあります。

たとえば、積立NISAなどで比較的安定した金融商品を選べば、リスクも少なく運用できるはずです。

「10年後の繰り上げ返済のために貯金をしよう」と考えている場合にも、ただ銀行口座に預けるのではなく、長期的にコツコツと運用する方法を検討してみるといいでしょう。

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まとめ

いかがでしたか?
住宅ローン控除と繰り上げ返済について、よく理解できたかと思います。

では最後にあらためて、記事の要点をまとめてみましょう。

◎住宅ローン控除期間の終了後に繰り上げ返済するのが一般的だが、
 住宅ローンの金利が1%以上なら、控除期間の10年を待たずに早く繰り上げ返済をしたほうがお得
◎繰り上げ返済する場合に注意しなければならないのは、
 ・繰り上げ返済しすぎると住宅ローン控除を受けられなくなる
 ・繰り上げ返済に手数料がかかる場合がある
◎繰り上げ返済分の資金を投資運用に回すのも、より得するためのひとつの手段

以上を踏まえて、あなたが住宅ローンの総支払額をできるだけ抑えられるよう願っています。

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