2022.06.02 更新 2021.11.26 公開
住宅ローンの審査期間はどのくらい?【金融機関別の審査期間一覧付】

「住宅ローンの審査期間ってどのくらいなんだろう?」
と疑問に感じていませんか?
住宅ローンの審査には「事前審査」「本審査」の2つがあり、それぞれ審査期間の目安は以下のようになっています。
▼住宅ローン審査期間の目安
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ただし、上記の審査期間はスムーズに審査が進んだ場合の目安であり、審査が長引く場合は上記より長くかかることも十分にありえます。
そのため、できるだけ審査をスムーズに進めるためにも、意識すべきポイントを知っておく必要があります。
そこで本記事では以下の内容をお伝えします。
▼本記事の内容
|
本記事を読むことで、住宅ローンの審査期間がわかるだけでなく、審査を長引かせないようにスムーズに進めるためのポイントを知ることができます。
ぜひ最後までお読みください。 Advisor Author [著者] ゼロリノベ編集部 元銀行員・宅地建物取引士・一級建築士が在籍して「住宅ローンサポート・不動産仲介・リノベーション設計・施工」をワンストップで手がけるゼロリノベ(株式会社groove agent)。著者の詳しいプロフィール
目次
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住宅ローンの審査は2段階
冒頭でもお伝えしたとおり、住宅ローンの審査には「事前審査」と「本審査」の2段階があります。
審査期間やその流れについてより理解を深めるためにも、まずは住宅ローンの2つの審査について知っておきましょう。
1-1.事前審査とは
住宅ローンの最初の審査は「事前審査」です。
これは住宅物件の売買契約をする前に、申込者にローンを完済するだけの能力があるのか、素早く見極めるために行われる審査です。事前審査を通過しなければ、本審査に進むことができません。
ここで明らかに住宅ローンを組むのが難しい申込者なのか、借入基準を満たす申込者なのかを、本審査よりも限定的なチェック項目で判断します。
1-2.本審査とは
事前審査を通過すると「本審査」を受けられるようになります。
これは住宅ローンに申し込みをする際に必要となる審査です。
申込者の返済能力の有無、信用度などを、証明書などの提出も行いながら、厳しく審査します。
金融機関によって審査基準にばらつきはありますが、事前審査よりもさらに細かく調査・審査されるということを知っておきましょう。
1-3.住宅ローンの審査が「事前審査」「本審査」の2段階になっている理由
なぜ住宅ローンの審査は、わざわざ2段階にされているのでしょうか?
住宅ローンは、申込者が物件の売買契約をした後に契約を結びます。
しかし売買契約の後に、審査に通らず、「やっぱり融資はできません」と金融機関に断られてしまうと、物件の買い主、売り主、不動産会社の三者が大損害を受けてしまいますよね。
そこで売買契約の前に「事前審査」を設けることによって、「申込者に住宅ローンの返済能力があるのか」を先に確認し、そのようなトラブルを未然に防いでいるのです。
2段階の住宅ローン審査は、申込者が売買契約後もスムーズに手続きを進めていくために必要なものだといえます。
住宅ローンの審査期間とその流れ4ステップ
それでは2段階の審査について理解したところで、2つの審査の期間やその流れについて詳しく見ていきましょう。
流れをつかみながら審査期間がわかるので、今後のスケジュールを考えやすくなりますよ。
2-1.住宅ローン「事前審査」の審査期間
事前審査の審査期間は2〜7日程度ですが、申込者の年収に対して借入金額が大きい場合や、申込者が自営業者の場合、住宅ローン以外にローンを借りている場合などには、さらに時間がかかることがあります。
ただしWEBサイトから申し込みをして事前審査を受ける場合には、即日回答を得られることもあります。これは申し込みで入力された個人情報をもとにして、信用情報機関が管理する個人信用情報を照合し、申込者と金融機関側の取引情報によって、返済能力を判断するシステムが導入されているためです。
よりスピーディに事前審査の回答を得たいと考えている場合は、WEBサイトから申し込みをするのがおすすめです。
2-2.住宅ローン「本審査」の審査期間
本審査の審査期間は、1〜2週間程度です。
事前審査よりも細かい調査を行うため、審査の期間が長くなっています。
事前審査と同様に、申込者の年収に対して借入金額が大きい場合や申込者が自営業者の場合、住宅ローン以外にローンを借りている場合などには、より審査に時間を要することがあるということを知っておきましょう。
2-3.審査の申し込みから借入までの流れ4ステップ
住宅ローンの審査の流れは以下のとおりです。
【ステップ①】物件購入申し込みと同時に事前審査を行う
購入する物件が決まったら、購入申し込みのタイミングで住宅ローンの事前審査を行います。
事前審査は、自分で金融機関へ直接申し込む、もしくは不動産会社を通して申し込みをします。
【ステップ②】住宅ローンの正式申し込みと本審査
事前審査が通ったあとは、物件の売買契約を交わし、正式な住宅ローンの申し込み手続きをして、本審査を受けます。
本審査では購入する物件、契約者本人に関するさまざまな書類を提出する必要があるので、手間がかかります。たとえば、不動産売買契約書や登記事項証明書、契約者の印鑑証明書、収入証明書類などです。
【ステップ③】住宅ローンの契約
本審査を通過後、住宅ローンの契約をします。
担保となる物件の抵当権の設定などもここで行われます。
【ステップ④】物件の引き渡しと同時に住宅ローンの融資実行
購入した物件の引き渡し日に住宅ローンの融資が実行されます。
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【金融機関別】住宅ローンの審査期間
ここまで住宅ローンの審査期間の目安をお伝えしましたが、金融機関によっても審査日数が異なるというのが実際のところです。
なぜなら住宅ローンの審査基準が、金融機関によって違うからです。
多くの銀行では、申込者が借入金額を返済できるかどうか、以下の審査ポイントで判断しています。
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しかし「どれくらいの借入金額を返済できると判断するか」は、各金融機関によって厳しさが異なり、それに伴って審査期間にも差が生じるのです。
各金融機関がどれくらいの審査期間で回答してくれるのかを知っておくことで、物件購入のスケジュールをより立てやすくなりますよ。
それでは詳しく見ていきましょう。
3-1.メガバンク・地方銀行
メガバンクや地方銀行では、具体的な審査期間が示されていないことが多い傾向にあります。
というのも、実際には保証会社が住宅ローン審査を行っているケースが多いためです。
メガバンクや地方銀行では住宅ローン借入の際に保証料が必要になるケースがあり、それはつまり保証会社が住宅ローン審査を行っているということになります。
ただし、最近ではAIによる事前審査が導入されつつあるため、事前審査においては最短1分で回答を得ることもできるようになっています。
具体的には、WEBサイト上で年収、勤務先などおよそ20項目の必要事項を入力すると、「融資の可否」を、蓄積された住宅ローンデータをもとにしてAIが判断します。
▼メガバンク・地方銀行の審査期間一覧
銀行 | 事前審査期間 | 本審査期間 |
三菱UFJ銀行 | ネット上で申込 最短翌日 |
ネット上で申込 審査期間明記なし |
りそな銀行 | ネット上で申込の場合 審査期間明記なし |
ネット上で申込 審査期間明記なし |
みずほ銀行 | AI事前診断を導入 最短1分 |
ネット上で申込 1週間〜10日程度 |
三井住友銀行 | アプリ・ネット上で申込 審査期間明記なし |
ネット上で申込 審査期間明記なし |
常陽銀行 | ネット上で申込 最短当日 |
店頭で申込 5〜10日程度 |
千葉銀行 | ネット上で申込 最短当日〜2、3日以内 |
店頭で申込 2週間〜1ヶ月以内 |
3-2.ネット銀行
ネット銀行では、審査期間についてはメガバンク・地方銀行とそれほど変わりません。
審査申し込み〜契約までネットで完結するため、書面への記入や捺印が不要、さらに書類の提出は写真撮影してからネット上にアップロードするだけなど、手続きがスピーディに進むケースが多くなっています。
ただし事前審査通過後、本審査の申し込みをする際には必要書類を郵送で提出しなければいけないネット銀行もあります。そのような場合は、すべての手続きがネット上でできる銀行に比べるとすこし時間がかかる傾向にあります。
▼ネット銀行の審査期間一覧
銀行 | 事前審査期間 | 本審査期間 |
auじぶん銀行 | 最短当日 | 明記なし |
ソニー銀行 | 1日~3日(最短60分) | 7日〜10日 |
イオン銀行 | 最短翌日 | 1〜2週間程度 |
楽天銀行 | 最短翌日 | 明記なし |
PayPay銀行 | 当日〜5営業日(最短30分) | 3〜10営業日 |
3-3.その他の金融機関
その他の金融機関では、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する住宅ローン「フラット35」を取り扱っていることが多く、審査基準は民間の金融機関と比較すると、やさしいといわれています。
そのため本審査でも最短3営業日で、審査期間は短めであるといえます。
ただし「フラット35」はほかの住宅ローンと違い、「住宅の技術基準」という審査があります。
これは、フラット35が「質の高い住宅に住むこと」の支援を目的の一つとしているためです。その基準を満たさない不動産の場合は、ローンを借りることができません。
そのようなフラット35を取り扱う金融機関の審査期間は以下のとおりです。
▼その他の金融機関の審査期間一覧
銀行 | 事前審査期間 | 本審査期間 |
ARUHI | ネット上で申込 最短翌日 |
ネット上で申込 最短3営業日 |
クレディセゾン | 最短3営業日 | |
日本住宅ローン | 明記なし | 明記なし |
財形住宅金融 | 明記なし | 明記なし |
住宅ローンの審査をスムーズに進めるための2つのポイント
住宅ローンの審査期間についてお伝えしましたが、できれば「審査を長引かせず、スムーズに終えたい」と感じますよね。
審査期間を申込者側から短くすることはもちろんできませんが、できるだけ最短で審査期間を終えられるように気をつけることはできます。
そこで本章では、住宅ローンの審査をスムーズに進めるための2つのポイントをお伝えしていきます。
▼審査をスムーズに進めるための2つのポイント
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4-1.返済負担率を20〜25%程度にしておく
1つめのポイントは「返済負担率を20〜25%程度にしておく」ということです。
返済負担率とは、年収に占める年間返済額の割合のことです。
返済負担率が高くなりすぎると、返済能力があるのかどうか疑問を持たれてしまい、審査が長引いてしまうことがあります。審査基準において、30〜35%を上限に設定している金融機関が多い傾向にあるので、20~25%程度にしておくと、審査で返済能力を疑われず、さらに返済計画としても無理のないプランになります。
たとえば、以下のような条件の場合を考えてみましょう。
▼住宅ローンの借入条件
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▼年収500万円の場合の返済比率ごとの年間返済額
返済比率 | 年間返済額 | 月々の返済額 | 借入可能額の目安 |
20% | 100万円 | 8.3万円 | 2,806万円 |
25% | 125万円 | 10.4万円 | 3,507万円 |
30% | 150万円 | 12.5万円 | 4,209万円 |
35% | 175万円 | 14.6万円 | 4,910万円 |
40% | 200万円 | 16.7万円 | 5,612万円 |
こうして見てみると、返済比率が上がると、年間返済額がかなり大きくなることがわかります。
そのため、返済比率が高くなるほど金融機関側は「毎年これだけの金額を返済できるのだろうか?」と懸念してしまうのです。
返済負担率は、申し込む借入金額を減らすことで下げられます。
もし返済負担率が高くなりすぎている場合には、「物件の購入予算を引き下げる」「頭金を増やす」ことで、借入金額を減らすとよいでしょう。
4-2.提出する書類には不備がないようにする
2つめのポイントは「提出する書類には不備がないようにする」ということです。
提出する書類に不備が見つかった場合、書類の訂正・再提出などに余分な時間がかかってしまい、審査期間をより長引かせてしまうのです。
たとえば記入漏れがあったり、記載情報に誤りがあったりすると、審査が長引くだけでなく、最悪審査に落ちてしまうリスクもあります。
提出前には不備がないようにくまなくチェックするようにしましょう。
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住宅ローンの審査期間中にしないほうがいい2つの行動
審査期間中に行うと、融資額が減らされてしまったり、審査に落ちてしまったりするリスクが高くなる行動があります。
スムーズに審査を終えて、審査結果を良いものにするためには、しないほうが良い行動を知って、審査期間を過ごせるようにしましょう。
▼住宅ローンの審査期間中にしないほうがいい2つの行動
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5-1.ほかのローンを組む
審査期間中に「マイカーローン」や「教育ローン」など、新たにほかのローンを組むと、融資額を減らされてしまったり、審査に落ちてしまったりする可能性があります。
なぜなら、審査期間中にほかのローンを組んでしまうと、申し込んだ住宅ローン借入額では、先にもお伝えした「返済負担率」が高くなりすぎている、と判断されてしまう可能性があるからです。
たとえば、以下の場合を考えてみましょう。
◆審査期間は住宅ローンのみの借入の場合 年収:500万円 借入金額:3,500万円(金利含めず) 借入期間:35年 年間返済額:100万円 返済負担率:20%◆住宅ローン審査期間中に教育ローンの借入をした場合年収:500万円<住宅ローン> 借入金額:3,500万円(金利含めず) 借入期間:35年 年間返済額:100万円<教育ローン> 借入金額:800万円(金利含めず) 借入期間:10年 年間返済額:80万円トータルの年間返済額:180万円 返済負担率:36% ※教育ローンの返済と重なる10年 |
極端な例ではありますが、このように計算してみると、審査期間中に多額のローンを借り入れると返済負担率が上がってしまうことがわかります。このような場合、返済能力に懸念を持たれることになってしまい、融資額が減ったり、審査に落ちてしまったりする可能性があるのです。
したがって、審査期間中にほかのローンを組むのは避けたほうがいいでしょう。
5-2.退職や転職をする
審査期間中に退職や転職はしないほうがいいでしょう。
その理由は、審査期間中に退職や転職をすると、金融機関が審査基準として定めている「勤続年数」を満たせなくなり、最終的に審査で落ちたり、融資額を減らされたりする可能性があるからです。
たとえば、A社に10年勤めていた人が、住宅ローンの審査期間中にB社へ転職した場合、B社での勤続期間は0ヶ月となります。
住宅ローン審査の勤続年数の基準は2〜3年以上と設定されていることが多いため、この場合、基準を満たせず審査に落ちてしまう可能性があります。
なかには、「転職後、勤続6ヶ月以上」で審査に通る金融機関もありますが、それでも、このケースの場合は審査に落ちてしまうでしょう。
できれば、審査期間を終えた後に転職をするのがベストです。
しかしどうしても転職のタイミングと審査期間が重なってしまう場合は、「転職後の勤続年数を問わない」という金融機関もあるので、勤続年数を問わないところを選択すると良いでしょう。
ちなみに、ネット銀行は勤続年数を問わない銀行が多いです。
▼勤続年数を問わない銀行一覧
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まとめ
本記事では住宅ローンの審査期間や審査を長引かせないためのポイント、審査期間中にしないほうがいい行動などをお伝えしました。
ここで改めて本記事の内容をおさらいしましょう。
◆住宅ローンの審査は2段階
|
◆住宅ローンの審査期間とその流れ4ステップ
<審査の申し込み〜借入までの流れ> |
◆【金融機関別】住宅ローンの審査期間
|
◆住宅ローンの審査をスムーズに進めるための2つのポイント
|
◆住宅ローンの審査期間中にしないほうがいい2つの行動
|
本記事が参考になれば幸いです。
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