2023.06.14 更新

再建築不可物件はリノベーションできる!範囲・費用・注意点を解説

「再建築不可物件は立て直しができないけれど、リノベーションはできるの?」
「再建築不可物件のリノベーションはどこまでできるの?」

再建築不可物件は同じ条件の中古住宅に比べると価格が安く、お買い得と感じる方も多い物件です。

しかし、建物の築年数が古い場合がほとんどで、このまま住むのではなく、リノベーションで見た目も住み心地も新しく自分好みに変えられるのなら、購入して住むのもよいのではと思うのではないでしょうか。

結論から言うと、再建築不可物件は一定の条件を満たせばリノベーションが可能です。

再建築不可物件は接道義務という法律上の基準を満たしていないため立て直しはできません。
しかし、法律が改正する前に建てられた家であれば取り壊しはしなくてもよいとされているため、立て直しではなくリノベーションなら可能なのです。

ただし、リノベーションできるからといってすぐに再建築不可物件を購入してはいけません。

再建築不可物件は、リノベーションできるといっても、どんなことでもできるというわけではありません。

再建築不可物件は現在の建築基準法の基準を満たしていないため、物件によってはリノベーションできる範囲に制限がある場合もあります。

また、通常の一軒家のリノベーションとは違い、入り口が狭い、周囲を建物に囲まれているなどの状況によって、リノベーションにかかる費用が高くつくなどのリスクもあります。

これら再建築不可物件ならではの条件やリスクについても理解した上で購入しなければ、思っていたリノベーションができず理想の家にはならなかったり、思ってもみなかったトラブルで想定以上の費用がかかってしまうことになってしまいます。

きちんとトラブルやリスクについて考えた上で購入しなければ、

「再建築不可物件を購入するのは止めておけばよかった」

という後悔に繋がってしまうのです。

そこでこの記事では、再建築不可物件のリノベーションについて詳しく解説します。

この記事を読めば

◎再建築不可物件でできるリノベーションの範囲
◎再建築不可物件のリノベーションではできないこと
◎再建築不可物件でリノベーションできない箇所の対応策
◎再建築不可物件をリノベーションする費用相場
◎再建築不可物件をリノベーションするかどうかの判断基準
◎再建築不可物件をリノベーションする際の注意点

がわかります。

この記事を読み、再建築不可物件のリノベーションについて詳しく理解することで、自分のライフスタイルや住まいに対する希望を再建築不可物件のリノベーションで満たすことができるのかが判断できます。

再建築不可物件のリノベーションについて深く知った上で、自分に合っていると思い、再建築不可物件を購入すれば、後悔なく自分の理想の家にリノベーションで近づけることができるでしょう。

この記事が、あなたの住まい作りのお役に立てば幸いです。

Author

“【著者】ゼロリノベ編集部"

[著者]

ゼロリノベ編集部

「住宅ローンサポート・不動産仲介・リノベーション設計・施工」をワンストップで手がけるゼロリノベ(株式会社groove agent)。著者の詳しいプロフィール



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再建築不可物件のリノベーションは可能

再建築不可物件の購入を検討する時、まず気になるのは「リノベーションはできるのか?」ということではないでしょうか?

再建築不可物件として売られる物件は、どれも建物はかなり古く、リノベーションできないのであれば購入したくないと思う方も多いでしょう。

結論から言うと、先ほども紹介したように、再建築不可物件は一定の条件を満たせばリノベーションが可能です。

再建築不可物件のリノベーションについて理解するために、そもそも再建築不可物件とはどんな物件なのか、なぜ建て直しはできないのにリノベーションができるのかについて紹介します。

1-1.再建築不可物件とは

再建築不可物件とは、現在は家が建っているけれど、建物を壊して更地にしてしまうと新しく家を立てることはできない物件のことです。

なぜ再建築不可物件は、更地にすると家を建てることができないのでしょうか?

それは、再建築不可物件が「接道義務」を満たしていない物件だからです。

接道義務とは、建築基準法によって定められている義務で、「幅員4m以上の道路に2m以上接していないといけない」というものです。

下の図をご覧ください。

上の図でいうと、Aは今ある建物を取り壊して建て直すことが可能ですが、残りのB、C、Dは再建築することはできない、再建築不可物件です。

  • Bは道路に接している幅が2m以下
  • Cは道路に接していない
  • Dは建築基準法の道路に接していない

という理由で、それぞれ接道義務を満たしていません。

例えば東京の下町などに見られる、人ひとり通るのがやっとの狭い通路を通った先にある家などが再建築不可物件というと分かりやすいのではないでしょうか。

このような敷地に建つ家は、火災になった時消防車が入れない、急病などで人が倒れた時に救急車が入れないなどのデメリットがあるため、建築基準法で家を建てることができないとされているのです。

接道義務を満たしていない場合、建築基準法に違反してしまうため、建物を壊して更地にした場合は法律違反となり建築許可が降りません。

そのため、再建築ができない、再建築不可物件となるのです。

1-2.再建築はできないがリフォーム・リノベーションは可能

再建築不可物件は、更地にして建て直すことはできませんが、今ある建物をリフォーム、リノベーションすることは可能です。

再建築不可物件は、壊して更地にしてしまうと、建築基準法に違反しているため新しい家を建てる建築許可がおりません。

しかしリノベーションは新しく建てるのではなく、「今ある家を補修する」という扱いになるため認められています。

ただし、リノベーションできる範囲が決まっているため、あらかじめ確認しておくことが必要です。

再建築不可物件でできるリノベーションの範囲

再建築不可物件は先ほど紹介したようにリノベーションができますが、残念ながらどんなリノベーションでもできるというわけではありません。

再建築不可物件は建築基準法を満たしていないため、建築確認申請という工事前に自治体に行う確認作業が通らないことがあります。

そのため、リノベーションでできる工事内容は建築確認申請が必要ないものに限られるという制限があるのです。

再建築不可物件でできるリノベーションの範囲は、次の通りです。

それぞれについて詳しくみていきましょう。

2-1.柱と梁を残したスケルトンリノベーション

再建築不可物件は、柱と梁を残せば、床、天井、壁をすべて取り壊すスケルトンリノベーションが可能です。

木造の場合、建物の構造を変えなければ改築とみなされず、建築確認申請が必要ありません。

建物の構造とは、柱と梁のことです。

そのため、柱と梁を残すスケルトンリノベーションは可能となるのです。

床、天井、壁すべてを新しいものに変えるため、外観も内装も限りなく新築同然にできますし、間取りを変えることも可能です。

また、建物を構造部分だけにすることで、柱や梁などの主要な構造部分の状態を確認し、補強することができます。

2-2.柱と梁それぞれ2分の1までの取り替え

再建築不可物件のリノベーションでは、柱と梁は全体の2分の1までなら新しいものに取り替えることが可能です。

例えば家全体で柱が30本あった場合、15本までは新しいものに取り替えることができるのです。

再建築不可物件には築年数が古いものが多いため、柱や梁などの構造部分が老朽化していることがあります。

その場合、柱と梁のそれぞれ2分の1までであれば新しいものに取り替えて、耐久性を高めることができるのです。

2-3.防火地域・準防火地域以外にある家の10㎡以下の増築

再建築不可物件は基本的に増築はできませんが、防火地域・準防火地域に指定されていないエリアにある家であれば10㎡以下までの増築が可能です。

防火地域・準防火地域とは、建物が密集していて火災が発生しやすい地域のことです。

防火地域・準防火地域では増築に対して厳しい制限がありますが、それ以外の地域では制限が緩められており、10㎡以下の増築であれば建築許可申請が不要なため、再建築不可物件であっても増築することができます。

東京都内は防火地域または準防火地域に指定されているため、増築はできません。

その他の地域で増築を含むリノベーションをしたいと考えている場合は、再建築不可物件があるエリアが防火地域・準防火地域に指定されているかどうかについて、物件を紹介してくれた不動産会社に問い合わせ、確認しておきましょう。

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再建築不可物件のリノベーションではできないこと

再建築不可物件のリノベーションについてできる範囲をご紹介しましたが、反対に制限がありできないこともあります。

再建築不可物件では、建築許可が必要なリノベーションはできません。

再建築不可物件のリノベーションで出来ないことは、具体的には次のような工事です。

それぞれについて詳しくみていきましょう。

3-1.10㎡以上の増築はできない

再建築不可物件では、10㎡以上の増築はできません。

10㎡以上の増築には、建築確認申請が必要になります。

先ほど紹介したように、再建築不可物件は現在の建築基準法には違反しているため、建築許可申請が通らないため、10㎡以上の増築はできないのです。

10㎡は畳で換算すると約6畳分くらいの広さです。

また防火地域・準防火地域では10㎡以下の増築でも建築確認申請が必要なため、増築はできません。

東京都内は防火地域または準防火地域に指定されていますから、都内にある再建築不可物件は増築できないと考えておきましょう。

3-2.建物の移転はできない

敷地内で建物を移転させることも、再建築不可物件のリノベーションではできません

移転とは、同じ敷地内で建物を移動させることです。

柱と梁など建物をそのまま使う場合でも、建物の位置を動かすことは、建物を新築や増築するのと同じ扱いになってしまうため、建築確認申請が必要となります。

そのため、再建築不可物件では建物を移転することができないのです。

3-3.屋根の高さは上げられない

屋根の高さを上げるリノベーションも、再建築不可物件ではできません。

屋根の高さを変える工事にも、建築確認申請が必要です。

例えば天井を上げて屋根裏収納を作るなどのリノベーションなどは、再建築不可物件ではできないということになります。

3-4.柱と梁それぞれ2分の1を超える取り替えはできない

柱と梁、それぞれ2分の1を超えて取り替えが必要なリノベーションもできません。

建物の主要な構造部である柱と梁に関しては、2分の1を超えて取り替える場合、ほぼ新築と同じ状態になることから建築確認申請が必要となります。

そのため、柱と梁それぞれ2分の1を超えて取り替えるリノベーションは再建築不可物件ではできないのです。

再建築不可物件の中には築年数が古く、建物の構造部分の老朽化が激しいものもあります。

その場合、柱と梁の半数以上を取り替える必要が出てくることもあり、リノベーション自体が難しい場合もあるのです。

それを防ぐためには、あらかじめ建物の構造がどれくらいしっかりしているかを確認しておく必要があります。

建築について知識がないと構造まで調べることはなかなか難しいため、再建築不可物件を購入してリノベーションする場合は、リノベーションの経験が豊富な建築会社に相談した上で物件購入を決めることをおすすめします。

再建築不可物件を選ぶ際に気を付けたいことについては「7.再建築不可物件のリノベーションをする際の注意点6つ」で紹介しますので参考にしてください。

再建築不可物件でリノベーションできない箇所の対応策

再建築不可物件でリノベーションできない箇所で対応できるのは、2分の1を超えた柱と梁の取り替えです。その他の箇所に関しては、対応することができません。

2分の1を超えた柱と梁の取り替えが必要になる場合、建物の構造部分がかなり傷んでいるということになります。

柱や梁の傷みが少ない場合は、金具を使って柱を補強します。

これで今ある柱を強くして、取り替える柱を減らすのです。

また、すでにあった柱に新しい柱を追加して補強する方法もあります。

取り替えではなく増やすことで対応するのです。

2分の1を超えた柱と梁の取り替えが必要な家は、耐震強度などにも不安が残ります。
まずは再建築不可物件のリノベーションの経験が豊富な建築会社に、どのような補強工事ができるのか
相談してみるとよいでしょう。

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再建築不可物件をリノベーションする費用

再建築不可物件はリノベーションできるとしても、費用がいくらぐらいかかるのか知らないままでは、再建築不可物件を購入してリノベーションするかどうかは決められません。

結論からいうと、再建築不可物件をリノベーションする費用相場は、同じ規模のリノベーションを再建築が可能な物件で行った場合に比べて費用が高くなります。

通常、一戸建てをリノベーションした場合の費用相場は、600万円から2000万円ほどです。

しかし、再建築不可物件をリノベーションした場合は、同じ広さ、同じ状態の一戸建てと比較して数割から数倍の費用が増えてしまうのです。

場合によっては新築で同じ大きさの家を建てるのと同じくらいかかってしまうこともあります。

再建築不可物件の費用相場や、リノベーション費用が高くなる理由について紹介します。

5-1.再建築不可物件のリノベーションにかかる費用相場

再建築不可物件のリノベーションにいくらかかるのかは、家の傷みがどれくらいなのか、工事内容はどこまで行うのか、重機や大型トラックはどこまで近くに入れられるのか、といった条件によって変わります。

再建築不可物件のリノベーションの費用相場は次の通りです。

上記の費用相場は、あくまで目安です。

リノベーション工事の内容や、家の状態によって金額は変わります。

あらかじめ家の状態を確認した上で、物件の購入前にリノベーション工事を行う建築会社に相談し、費用の概算を聞いておくと良いでしょう。

5-2.同じリノベーション工事なら再建築不可物件の方が高くなりがち

まったく同じリノベーション工事なら、再建築が可能な通常の一戸建てのリノベーションよりも、再建築不可物件のリノベーションの方が費用は高くなる傾向があります。

なぜなら、再建築不可物件のリノベーション工事は、

  • 重機や大型トラックが入らない
  • リノベーション工事の内容が難しい

という特徴があるからです。

再建築不可物件は物件の購入価格は安くなりますが、リノベーション工事費用は高くなりますから、購入費用だけでなくリノベーション費用も考えた上で購入を決めると後悔しなくて済みます。

リノベーション費用は、自分がどこまでやりたいのか、家の状況によって異なりますから、費用が不安な場合は、物件購入前にリノベーションを依頼したい建築会社に概算を教えてもらうとよいでしょう。

ただし実際に工事を始めてから、壁や床を外さなくては解らなかった基礎や構造の問題が発見される場合があります。

リノベーション費用は最初のざっくりとした見積もりよりも高くなる可能性を考えて、資金繰りに余裕を持たせておくのがおすすめです。

5-2-1.費用が高い理由① 重機や大型トラックが入らない

再建築不可物件のリノベーション費用が高くなる理由は、道や入口が狭いため、家の近くにまで重機や大型トラックが入らないからです。

リノベーションに必要な木材などは、通常大型トラックで建築現場まで運ばれます。

再建築不可物件の場合、車が通れる道から建物が遠く、建築資材を近くまで運ぶことができません。

また、リノベーションのために壁や床を取り除く場合、通常なら重機が使えるところが、入り口が狭い、道が狭いなどの理由で重機を家の近くまで持って行くことができないのです。

その場合、すべてを人力で行うことになります。

すべてを人の力で行えば、それだけ人件費や工事日数がかかるため、再建築不可物件のリノベーションは高くなってしまうのです。

5-2-2.費用が高い理由② リノベーション工事の内容が難しい

再建築不可物件のリノベーション工事は、工事内容や設計が難しいことも費用が高くなる理由です。

2.再建築不可物件でできるリノベーションの範囲」と「3.再建築不可物件のリノベーションではできないこと」で紹介したように、再建築不可物件のリノベーションには、普通の一軒家をリノベーションするのとは違う制約があります。

制約をクリアするためには、時に自治体の役所に掛け合いながら、工事内容を調整していく必要があります。

工事自体も柱を入れ替えるのではなく補強するなど、様々な工夫が必要です。

工事内容や手続きが複雑になることで、同じ規模のリノベーションでも費用が高くなってしまうのです。

再建築不可物件をリノベーションするかどうかの判断基準

再建築不可物件を購入し、リノベーションするかどうかを決めるには、メリットとデメリットをきちんと理解しておくことが大切です。

きちんとメリット、デメリットを理解した上で判断しなければ、思ったよりも費用が高くついてしまう、理想の家にはならない、といった理由で、再建築不可物件を購入したことを後悔してしまうからです。

自分が再建築不可物件を購入してリノベーションするかどうかを判断するために、

  • リノベーションするメリット
  • リノベーションするデメリット
  • どんな人ならリノベーションがおすすめなのか

を紹介します。

6-1.リノベーションするメリット3つ

再建築不可物件を購入してリノベーションするメリットは次の3つです。

6-1-1.立地の良い物件が格安で手に入る

再建築不可物件は、更地にして建て直すことが出来ない分、物件の価格がかなり安くなっていることがほとんどです。

エリアや広さ、築年数が同程度の物件と比較すると5割から7割程度の値段で購入できます。

特に都心の主要駅付近など、通常では手が届かない立地の良い物件が格安で手に入るのは再建築不可物件を選ぶ最大のメリットです。

6-1-2.固定資産税が安い

再建築不可物件は建物や土地の価値が低いとされる分、固定資産税が半額になります。

さらに贈与税や相続税も安くなるというのもメリットです。

6-1-3.リノベーションで好みの住まいに変えられる

再建築不可物件は取り壊して新しく建て直すことはできませんが、スケルトンリノベーションは可能なので、外観も内装もほぼ新築同然にまでリノベーションできます。

間取りも変更できますから、自分好みの住まいに変えられるのもメリットです。

6-2.購入してリノベーションをするデメリット4つ

再建築不可物件には、メリットだけでなくデメリットもあります。

再建築不可の物件を購入してリノベーションするデメリットは次の4つです。

6-2-1.資産価値が低く売却できない

再建築不可物件は、更地にして建て直すことができないため、資産価値が低く、売却額がかなり安くなります。

購入価格にリノベーション価格を足した金額よりも、売却額の方が安くなることがほとんどですから、売却した場合には損をしてしまい、希望価格では売却できないのがデメリットです。

6-2-2.建て替えができない

再建築不可物件は建て替えができないため、地震などで建物の構造部分まで壊れてしまった場合や家事で家が消失してしまった場合、新しく家を建て直すことができません。

その時はその場所に住み続けることができないというのもデメリットです。

6-2-3.住宅ローンが借りられない

再建築不可物件は担保としての価値が低いため、住宅ローンを借りることができません。

通常住宅ローンは、購入した家を担保に入れることで貸し倒れを防ぎ、その分金利が安くなります。

しかし再建築不可物件は不動産としての価値が低く、住宅ローンを借りようとしても金融機関から断られてしまうことがほとんどです。

6-2-4.リノベーションの費用が高くなりやすい

再建築不可物件はリノベーションの費用が高くなりやすいのもデメリットです

いくら安く物件を変えても、リノベーション費用が高くなれば、家の購入にかかる費用の総額は増えてしまいます。

6-3.立地重視の家に住み続けるならリノベーションという選択肢も

立地を重視して家を選ぶ方が長期間住み続けるつもりで購入するのなら、再建築不可物件をリノベーションするのも選択肢に入るでしょう。

立地の良い一軒家は都心などではかなり高額になりますし、そもそもなかなか売り物件として市場に出ることがありません。

しかし再建築不可物件であれば、場合によっては同程度の物件の半額程度で購入することができます。

リノベーション費用を入れても、同じエリアの再建築が可能な物件を購入するよりも安くつくこともあります。

ただし、すぐに売却すると物件購入費用とリノベーション費用を合わせた金額よりも売却価格が低くなってしまいますから、売却を考えていない場合に向いているでしょう。

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再建築不可物件のリノベーションをする際の注意点6つ

再建築不可物件のメリットとデメリットを理解し、自分は再建築不可物件をリノベーションして理想の住まいを実現したいと決断しても、すぐに再建築不可物件を購入してはいけません。

再建築不可物件をリノベーションする時には、一般的な中古住宅を購入してリノベーションする時とは違う注意点があります。

なぜなら再建築不可物件は、一般的な中古住宅とは違い、敷地が道路に面していないことで工事が難しかったり、家自体が古くて問題が発生している可能性があるからです。

再建築不可物件ならではの注意点を理解していなければ、リノベーション費用が思ったよりも高くなってしまう、リノベーション工事ができない、などというトラブルに繋がってしまうことがあります。

再建築不可物件ならではの注意点をチェックした上で、きちんとリノベーションして長く住める家を手に入れましょう。

再建築不可物件のリノベーションをする際に気を付けたい注意点は次の6つです。

7-1.インフラ状況を確認する

再建築不可物件を購入前には、必ず電気、ガス、水道のインフラ状況を確認しましょう。

電気、ガス、水道が通っていないことはありませんが、心配なのは「どこを通って自宅の敷地にインフラがつながっているか」です。

道路に接している部分が狭かったり、そもそも道路に接していない再建築不可物件の場合、他人の敷地を通って水道やガスが引き込まれていることがあります。

特に水道管は築年数が古い再建築不可物件の場合、他人の土地を通って引き込みされている場合があるので注意が必要です。

他人の敷地を通っている場合、リノベーション工事を行う際に、持ち主の許可を得る必要がある場合もあります。
また、インフラを引き込むために他人の土地を借りているわけですから、賃料を支払わなくてはならない場合もあります。

そもそもインフラが通っていることを土地の持ち主が知らない場合もあり、後々トラブルが発生する場合もあるのです。

まずは再建築不可物件の購入前に、水道管などがどこを通って自宅に引き込まれているか、他人の土地を通っている場合はきちんと賃貸契約などが結ばれているかを不動産会社を通じて確認します。

無許可で他人の土地を通っている場合は、購入前に不動産会社と土地の持ち主に対処してもらい、リノベーション工事で水道管を引き直すなどの対策が必要です。

難しい場合は購入はやめておきましょう。

7-2.隣人との関係を確認する

再建築不可物件の購入の際に、必ず確認しておきたいのが隣人との関係性です。

特に道路に面しておらず、家の周囲すべてを他の家に囲まれている場合は通行許可を隣人から得られているかを確認しておきましょう。

道路に面していない再建築不可物件の場合、自分の家に出入りする際、必ず他の家の敷地を通ることになります

再建築不可物件の売主が隣人と通行権でトラブルになったことで、家を売却した可能性もあります。

その場合、すでにトラブルが起きているわけですから、通行許可を貰うのが難しくなる可能性もあります。

前の住人が通行許可を得ている場合は「通行承諾書」という契約書が存在します。

道路に面していない再建築不可物件を購入する際は、購入前に不動産会社に「通行承諾書」があるのか、隣人との関係性はどうかを確認しておきましょう。

「通行承諾書」がない場合、すでに隣人とトラブルが起きている場合は購入するのを見送りましょう。

7-3.風通しや日当たりを確認する

道路に接している部分が少なく、家に囲まれている再建築不可物件は、風通しや日当たりが悪い場合もあるためあらかじめ確認しておきます。

風通しや日当たりは暮らしの質を左右します。

また湿気が溜まりがちになり、外壁や内装のメンテナンス費用がかさむ原因にもなります。

あらかじめ自分が許容できる範囲なのか、必ず現地に行って確認しましょう。

7-4.建物の耐久性を確認する

再建築不可物件は建て直しができませんから、今ある家の耐久性がどれくらいかも確認しておきましょう。

耐久性が低い家の場合、地震や台風などの災害で建物が壊れてしまったとき、その家に住めなくなる恐れがあります。

建物の耐久性は築年数だけでなく、家を手入れしてきた状況や、人が住まなくなってからの年数などで変わります。

見た目ではわからない場合もありますから、リノベーションが得意な会社と一緒に購入前にチェックしましょう。

7-5.工事が可能かどうか確認する

再建築不可物件の購入前には、自分が考えているリノベーション工事が可能かどうかも確認しておきましょう。

再建築不可物件は広い道路に接していないため、重機や大型トラックが入れない、隣家と近すぎて足場が組めないなどの理由で工事が難しくなります。

建築会社の中には、この物件の工事はできないと断られてしまうこともあるのです。

リノベーション前提で再建築不可物件を購入しても、思っていた工事ができないようでは後悔してしまうことになります。

あらかじめ再建築不可物件のリノベーションが得意な会社を見つけた上で、自分の考えているリノベーション工事ができるかどうかを確認し、OKの場合にのみ購入するようにしましょう。

7-6.リノベーションが得意な業者と一緒に確認すると◎

上記の注意点は、リノベーションが得意な会社と一緒に確認することをおすすめします。

インフラ状況や風通し、日当たりなどは自分でも確認できますが、建物の耐久性や工事が可能かどうかは個人での判断は難しいため、プロの目で確かめてもらった方が確実です。

あらかじめ再建築不可物件のリノベーションに実績のある会社をインターネットなどで目星をつけておき、気になる物件があれば建築会社に問い合わせをして、一緒に物件を確認してもらうとよいでしょう。

まとめ

再建築不可物件のリノベーションについてご紹介しました。

再建築不可物件は建て直すことはできませんが、今ある家をリノベーションして住むことはできます。

家を骨組みだけ残して、床、壁、天井を新しく取り替えるスケルトンリノベーションもできますから、築年数が古い再建築不可物件であっても、自分のイメージに近づけて住むことが可能です。

ただし、リノベーション費用が高くなりがちですから、メリットとデメリットを理解した上で再建築不可物件のリノベーションを決めるのがよいでしょう。

最後に再建築不可物件のリノベーションについてまとめておきます。

◎再建築不可物件は更地にして建て直すことはできないがリノベーションはできる

再建築不可物件とは、現在は家が建っているけれど、建物を壊して更地にしてしまうと新しく家を立てることはできない物件のことです。

◎接道義務とは
接道義務とは、建築基準法によって定められている義務で、「幅員4m以上の道路に2m以上接していないといけない」というものです。

◎再建築不可物件でできるリノベーションの範囲

再建築不可物件でできるリノベーションの範囲は次の通りです。

◎再建築不可物件のリノベーションではできないこと

再建築不可物件のリノベーションでできないことは次の通りです。

◎再建築不可物件をリノベーションする費用
再建築不可物件をリノベーションする費用の相場は次の通りです。

◎再建築不可物件をリノベーションするメリット

再建築不可物件をリノベーションするメリットは次の通りです。

◎再建築不可物件をリノベーションするデメリット

◎再建築不可物件のリノベーションをする際の注意点

再建築不可物件をリノベーションする場合、物件購入前に次の注意点について確認しておきましょう。

この記事が、あなたの住まい選びの参考になれば幸いです。

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