2021.10.06 更新 2021.09.10 公開
ペニンシュラキッチンとは?タイプ別の事例や向いている人を徹底解説

「対面式キッチンに憧れるけど、ペニンシュラキッチンってどうなんだろう?」
キッチンのレイアウトを考える中で、ペニンシュラキッチンを知ったものの、単語からはなかなかイメージしづらいですよね。
ペニンシュラキッチンとは、キッチン本体の一部が壁とくっついている対面式キッチンの一種です。
壁から突き出した形状が半島(ペニンシュラ)のように見えることから、ペニンシュラキッチンと言われています。
いまやキッチンは、単なる作業場ではなく、食を中心としたコミュニケーションの場へと変化しており、シンプルで清潔感のあるオープンキッチンが主流となっています。その中でもとりわけ人気なのが、ペニンシュラキッチンです。
実際、ガス機器の大手メーカー「RINNAI(リンナイ)」が行った理想のキッチンタイプに関する意識調査で、キッチン本体の一部が壁に接している対面式キッチンの人気が高いことがわかっています。
参考:RINNAI 『【熱と暮らし通信】「キッチンスペース」に関する意識調査』
そこでこの記事では、憧れる人が多い対面式キッチンのペニンシュラキッチンについて、特徴や人気の事例を紹介しています。
ただし、ペニンシュラキッチンも多くのメリットがある一方で、使い勝手や暮らしに関わるデメリットがあります。
「憧れていたキッチンを実現したい」「一目惚れをした」という理由だけでペニンシュラキッチンを採用すると、後で後悔してしまう可能性があります。
この記事では、メリットやデメリットに加え、デメリットを回避するための対策方法や採用する際のポイントについても解説しているので、後々後悔したくない人は必見です。
最後まで読み進めれば、しっかりと理解を深めた上で、使い勝手や暮らしに合ったペニンシュラキッチンを選べるようになります。みんなが集まる空間にあり、毎日使う場所だからこそ、キッチン選びでは妥協はしたくないもの。
ぜひ最後まで読んで、理想のペニンシュラキッチンを取り入れ、憧れだった対面式キッチンのある暮らしを実現してください。
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対面式で人気のペニンシュラキッチンとは?
冒頭でも述べた通り、ペニンシュラキッチンとは、リビング・ダイニングと対面した場所に配置される対面式キッチンです。
ここでは、まずペニンシュラキッチンの特徴や間取りを決める上で非常に重要な形状、費用相場について見ていきましょう。
ペニンシュラキッチンと同じ対面式にカテゴライズされる「アイランドキッチン」との違いについても、費用的な違いを含めて比較していきます。
1-1.ペニンシュラキッチンとはキッチンの一部が壁に接しているキッチン
ペニンシュラキッチンとは、キッチン本体の一部が壁に接しているのが特徴です。
ウォール型(壁付型)とアイランド型の間をとったようなキッチンで、壁から突き出した形状が半島(ペニンシュラ)のように見えることから、ペニンシュラキッチンと言われています。
施工事例:経年美化〈東京〉59㎡
一般的には、加熱機器側を壁に面して設置するケースが多く見られます。
対面式キッチンは、大きく分けると「オープンキッチン」と「セミオープンキッチン」の2種類です。
ペニンシュラキッチンは、吊戸棚を設けないケースが一般的です。そのため、キッチンとリビング・ダイニングが仕切られていないオープンキッチンに分類されています。
オープンキッチンのペニンシュラキッチンは、一体感のあるLDK空間になりやすい点が非常に大きなメリットです。「3. ペニンシュラキッチンを採用する4つのメリット」でも詳しく紹介しますが、ペニンシュラキッチンを採用することで調理をする人としない人との距離も近くなり、小さな子どもを見守りながらの調理や家族の気配を感じながら家事を行えます。
また、ペニンシュラ型は、ウォール型とアイランド型のいいとこどりをしたサラブレッドタイプのキッチンです。
以下をご覧ください。
「空間効率・収納スペース・見栄え」のいずれにおいてもバランスがよく、妥協ポイントがほとんどありません。リビングダイニングとの一体感を損なうことなく、調理場としての独立した空間も演出でき、キッチン内が丸見えになることも防げます。
このことから、スペース効率の良い「ウォール型(壁付型)」と、リビングダイニングとの一体感があるオープンな「アイランド型」、それぞれの弱点をカバーしているキッチンと言えます。
1-2.ペニンシュラキッチンは3タイプある
ペニンシュラキッチンと一口に言っても、実は複数のレイアウトがあるのをご存知ですか?
キッチンは、シンク・コンロ・作業台の3つのパーツで構成されており、間取りやキッチンのスペースに合わせて自由にカスタマイズできるため、レイアウトの例を挙げるとキリがありません。
ただ、レイアウトは、大きく「L型」「I型」「Ⅱ型」の3タイプに分類できます。
どのタイプを採用するかで、キッチンの使い勝手も大きく変わってくるため、ペニンシュラキッチンの基本タイプを知っておきましょう。
1-2-1.【L型のペニンシュラキッチン】キッチンを中央に配置しても独立した空間を演出できる
L型のペニンシュラキッチンは、上から見た時にアルファベットの「L」型になっているタイプのキッチンです。
リビングダイニングの中央に配置しても吊戸棚がないため、オープンキッチンのメリットである一体感をそのまま残しつつ、必要なキッチンスペースを確保できます。
L字の角がデッドスペースとなりやすい点はデメリットですが、コンロとシンクの距離が近くなり、家事の動作がコンパクトに行えるのはL型ペニンシュラキッチンの大きなメリットです。
コンロとシンクを横並びではなく各辺に設置することで、「鍋に水を入れてコンロへ移動する」「コンロ横のワークトップで盛り付ける」「使い終わった鍋をシンクへ入れる」といった一連の動作を少しの動きで行えるようになります。
ムダな動作が減れば、調理も効率的かつスピーディーに行えるため、家事の時間も快適になるでしょう。
また、L型のペニンシュラキッチンは、複数人でキッチンに並んでも効率的な調理が可能です。そのため、夫婦や家族で一緒に料理するシーンが多い人に選ばれる傾向があります。
詳しい間取りやレイアウトはこちらをチェックしてください!
施工事例:朝を選んだ家〈埼玉〉 75㎡
1-2-2.【I型のペニンシュラキッチン】省スペースなのに収納場所をしっかり確保できる
I型のペニンシュラキッチンは、コンロ・作業台・シンクが横一列に配置された構成のキッチンです。上から見た時にアルファベットの「I」に見えるため、I型と言われています。
I型はキッチンの形状の中でもオーソドックスなタイプです。横長の配置になるため、L型と比べると作業効率はやや劣りますが、ほかの形状よりも省スペースで設置でき、背面にカップボードなどを設けることで収納スペースも確保できます。
吊戸棚がない分、キッチン回りに収納スペースを確保したい人やリビング・ダイニング空間を広く取りたい人に向いています。
詳しい間取りやレイアウトはこちらをチェックしてください!
1-2-3.【Ⅱ列のペニンシュラキッチン】家事動線が短くて作業スペースも確保しやすい
Ⅱ型のペニンシュラキッチンは、シンクとコンロを分け、ウォール型とペニンシュラ型を並列するように配置したタイプのキッチンです。セパレート型キッチンとも言われています。
奥行のあるレイアウトなのである程度の広さが必要ですが、シンクとコンロの距離が近いため、L型と同じで家事動線が短くなり、体の向きを変えるだけで効率よく調理が行えます。
また、キャビネットが2つあることで作業スペースが広がるため、「コンロ横で炒め物」「シンク横でサラダを作る」など、作業を分担して行える点もⅡ型ペニンシュラキッチンの大きな魅力です。
そのため、Ⅱ型ペニンシュラキッチンは、効率よく家事を行いたい人や子どもや夫婦一緒にキッチンに立つことが多い人に向いています。
詳しい間取りやレイアウトはこちらをチェックしてください!
施工事例:家事からの解放〈東京都〉69㎡
1-3.ペニンシュラキッチンの費用相場
採用するメーカーやレイアウトによって異なりますが、ペニンシュラキッチンへのリフォーム費用は「50万円~250万円」が相場です。相場は、システムキッチン本体価格と、配置換えなどに伴う施工費用を含みます。
以下の予算別に工事規模の目安をまとめた表をご覧ください。
ウォール型キッチンからペニンシュラ型キッチンへのリフォームでも、L型やⅡ型タイプを採用して現在のキッチン・場所を活かす場合、最低50万円からリフォームが可能です。システムキッチン本体のグレードやオプションにこだわりたい場合は、100万円~程度見ておきましょう。
ただ、壁付のウォール型キッチンからペニンシュラキッチンへ変更するなど、形式や配置場所を大きく変更する場合、リフォーム費用は150~250万円の価格帯となるケースが多く見られます。キッチン周辺の壁や床の張替え、設備配管などの工事費用が伴うため、高額となりやすい状況です。
また、キッチンを含めたレイアウトを大きく変更する場合、大規模なリノベーションとなるため、250万円以上の費用が必要になるケースがあります。
キッチンリノベーションに必要な費用については、「キッチンリノベーションの費用はいくら?メーカー6社の商品相場も公開!」で詳しく紹介しています。どのような工事費用が必要になるのか知りたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
1-4.【特徴・費用で比較】同じ対面式のアイランドキッチンとペニンシュラキッチンとの違いとは?
結論から言うと、ペニンシュラキッチンとアイランドキッチンの大きな違いは、「キッチンが壁に接しているか」「キッチンが壁から離れて独立しているか」です。以下の表に、ペニンシュラキッチンとアイランドキッチンの比較ポイントをまとめているため、それぞれの違いを確認してみてください。
ペニンシュラ型もアイランド型もオープンキッチンに分類されるため、開放感があり、料理をしながらコミュニケーションを取りやすいなど、共通のメリットが多く見られます。
しかし、アイランドキッチンは、ペニンシュラキッチンのデメリットに加え、壁から離れているからこそのデメリットがあります。
例えば、左右に通路できることで回遊性が高まり、家事動線の幅が広がりますが、その分広いスペースが必要です。キッチンの周囲もすべて見えてしまうため、見た目に配慮した化粧材などできれいに整えなければならないため、費用も高くなる傾向があります。
また、小さな子どもがいる場合、包丁や火を扱うときは注意しなければなりません。リビング・ダイニングのスペースを広く取るとキッチンの設置場所や大きさが制限されやすく、充分な広さを確保できない場合は、アイランドキッチンを見送らなければならない可能性もあります。
そのため、対面式キッチンを採用したいけれど費用を抑えたいという場合は、アイランドキッチンと共通するメリットが多く、低コストでリビング・ダイニングを見渡せるキッチンを実現できるペニンシュラ型がおすすめです。
人気のペニンシュラキッチンの事例6選
ペニンシュラキッチンについての理解が深まったところで、気になるのがどのようなペニンシュラキッチンのレイアウトでしょう。
ここでは、人気のペニンシュラキッチンの事例を「L型」「I型」「Ⅱ型」の3タイプ別に紹介しているため、事例を参考にどのレイアウトが自分の暮らしに合うのか想像してみてくださいね。
2-1. L型ペニンシュラキッチンを採用した2つの事例
ここでは、部屋の角を利用したレイアウトと玄関を入ってすぐのところに配置されたL型ペニンシュラキッチンの2事例を紹介します。
◎部屋の角を利用したレイアウト
キッチンをリビング・ダイニングの角に設け、コンロが部屋の隅にくるように配置したL型ペニンシュラキッチンです。
フルフラットのワークトップ(作業台)を採用していますが、コンロを部屋の角に置き、2辺を囲うことで、ペニンシュラキッチンを採用した場合の悩みとなりやすい油はねや部屋へ匂いが広がるのを最小限に防いでいます。
コンロの横の壁を挟んで冷蔵庫を置き、パントリーを設けて収納スペースを確保することで、生活感がでやすい部分を隠すことができ、よりリビング空間と一体感のあるキッチンを実現できます。
フルフラットのワークトップを採用したい人や生活感を感じさせないキッチンにしたい人は、ぜひ参考にしてください。
詳しい間取りやレイアウトはこちらをチェックしてください!
◎間仕切りとしても機能するレイアウト
こちらは、玄関を入ってすぐの場所にL型キッチンを配置した事例です。
コンロ前に透明ガラスの仕切りを設けることで、油はねによる汚れを防ぎつつ、廊下としての間仕切り機能も発揮しています。
また、シンクと壁が並行になるL型ペニンシュラキッチンを採用しているため、玄関からの視線だけでなく、リビング・ダイニングからの視線にも対応。キッチンの内側が見えないため、スタイリッシュなデザインが活きた室内空間を実現しています。
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施工事例:東京都・外苑前 65㎡
2-3. I型ペニンシュラキッチンを採用した2つの事例
ペニンシュラキッチンの中でもオーソドックスなI型の事例を見ていきましょう。
◎ペニンシュラキッチンの背面を活かしたレイアウト
白を基調とした清潔感のあるI型ペニンシュラキッチンです。
フルフラットではなく、あえてキッチンの背面に高さのある壁を設けることで、シンクからの水はねやコンロの油はねをカバー。カウンターを備え付けることでキッチンの背面を有効活用できる、実用性にも優れたレイアウトです。
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施工事例:北欧風シンプルライフ〈埼玉県〉64㎡
◎存在感があるのに空間になじむレイアウト
白を基調とした空間とのコントラストが美しいブラックカラーのI型ペニンシュラキッチンです。
「ブラックカラーは圧迫感を感じやすいのでは?」と思うかもしれませんが、フルフラットのワークトップを採用することで閉鎖感を解消。すっきりとした室内空間を邪魔しないキッチンに仕上がっています。
キッチンの向かいに食卓テーブルを配置することで、配膳や食後の片付けもラクに行えますね。
詳しい間取りやレイアウトはこちらをチェックしてください!
2-3. Ⅱ型ペニンシュラキッチンを採用した2つの事例
最後は、Ⅱ型ペニンシュラキッチンの事例を2つ紹介します。
◎幅広のキッチンスペースなのにリビング・ダイニングが広く感じられるレイアウト
おもてなしにもぴったりの広々としたキッチンスペースが印象的なⅡ型ペニンシュラキッチンです。
天井部分に吊戸棚がないためリビング・ダイニング空間が広く感じられますね。
収納スペースは、コンロ側とシンク側それぞれのキャビネット下のみとなるのはデメリットですが、こちらの事例ではキッチン横に大容量のパントリーを設けることで、収納不足の問題を回避しています。
詳しい間取りやレイアウトはこちらをチェックしてください!
施工事例:成長を刻む壁〈埼玉県〉80㎡
◎広々としたキッチンスペースを確保したレイアウト
60㎡未満のややコンパクトな広さのマンションに、合計約5mもある広々としたⅡ型キッチンを採用した事例です。一般的なシステムキッチンは、2,100mm~2,550mmが主流なので、その約2倍もの広さがあります。
大きなキッチン+キッチンスペースをしっかりと区切ったレイアウトですが、フルフラットのワークトップを採用することで、リビング・ダイニングとの一体感を演出。圧迫感がなく、余裕を持って家事を行えます。
これなら洗い物をしながら、テレビを見たり、家族の気配を感じたりできるので、家事の時間も楽しくなりそうですね。
詳しい間取りやレイアウトはこちらをチェックしてください!
施工事例:会話が生まれる小窓〈千葉県〉58㎡
ペニンシュラキッチンを採用する4つのメリット
ペニンシュラキッチンの導入事例を見て、どのような形で取り入れようかというイメージも膨らんできたことでしょう。ここでは、改めてペニンシュラキッチンを採用するメリットを整理し、解説していきます。
アイランドキッチンとの比較でも少し触れましたが、ペニンシュラキッチンには次のようなメリットがあります。
順番に見ていきましょう。
3-1.コミュニケーションを取りながら調理が可能
対面式キッチンのペニンシュラキッチンを採用する大きなメリットは、料理をする場所としての役割だけでなく、食を中心としたコミュニケーションの場にもなるところです。
ウォール型やリビング・ダイニングと独立しているキッチンで、「野菜を切る」「炒め物をしている」などのシーンを思い浮かべてみてください。
調理中に子どもに呼ばれたり、家族に話しかけられたりすると、顔を見ないで背中越しに返事や会話をすることになりますよね。客人との会話の場合、顔を見ないで返事をするのは失礼にあたるため、話しかけられると作業を中断しなければならないこともあるでしょう。
しかし、ペニンシュラキッチンを採用すればリビング・ダイニングを見渡せるため、調理をしながら、家族や客人たちとコミュニケーションを図ることができます。
また、リビング・ダイニングからも調理している様子がよく見えるため、子どもが家事に興味関心を抱きやすい環境です。調理をしながら子どもとコミュニケーションを図ることで、家事との距離も近くなり、「洗い物を手伝ってみようかな」「料理してみたいな」などと、自発的にお手伝いをしやすい状況を作ることもできるでしょう。
3-2.キッチンとして独立した空間なのに一体感のある開放的なLDK空間を実現
開放感のあるペニンシュラキッチンはキッチン前を隔てる壁や吊戸棚がないため、LDK空間に一体感が生まれやすいです。
導入事例:料理と猫が楽しめる家〈神奈川県〉59㎡
画像のような大きなワンルーム空間のド真ん中にキッチンを配置しても、LDK全体のテイストを統一することで、ペニンシュラキッチンがインテリアの一部になり、ひと繋がりの空間を作ることができます。
特に、フルフラットのワークトップを採用すれば閉鎖感を最小限に抑えることができ、すっきりとした居心地の良い空間になりますよ。
3-3.省スペースでどんな間取りにも対応
ペニンシュラキッチンは一部が壁に面しており、キッチンの左右が通路になるアイランドキッチンよりも省スペースで設置可能です。しかも、レイアウトが3タイプあり、限られたスペースでも間取りに合うペニンシュラキッチンを設置できます。
また、家事は料理や洗濯、掃除などを同時並行で行うことも多いですよね。上の図面のように、ペニンシュラキッチン背面の壁に通路を設け、パントリーやクローゼットなどを集約すれば、無駄のない動きができるようになり、家事負担の軽減も期待できます。
3-4.整理整頓を習慣化できる
ペニンシュラキッチンを採用することで、キッチンの上にものを置かないようにするという習慣が身に付きます。
多くのキッチンに共通することですが、特にフルフラットのペニンシュラキッチンは、リビング・ダイニングからワークトップが丸見えです。常に見られるところとなると、掃除や収納に気を配る必要があり、こまめに整理整頓をしようと心がけるようになりますよね。
キッチンの上にものを置くと生活感が出やすいもの。あえてペニンシュラキッチンを採用することで、「必要最低限にする」「常に片付ける」などを自然と意識できるようになり、片付け上手になれる可能性があります。
ペニンシュラキッチンを採用した場合のデメリット4つ
キッチンは決して安くはありません。後悔のないキッチンを実現するためにも、ペニンシュラキッチンのデメリットを理解し、冷静に判断することが大切です。
ここでは、ペニンシュラキッチンを採用した場合の4つのデメリットついて解説しています。
詳しく見ていきましょう。
4-1.油はね・水はねの心配がある
ペニンシュラキッチンを採用する上で気がかりとなるのが、油はねや水はねではないでしょうか?
リビング・ダイニング空間にペニンシュラキッチンを配置する場合、壁に面している部分が少ないため、油はねや水はねによって、生活スペースを汚してしまう可能性があります。
「ちょっと炒め物をしただけなのに、意外と床や壁が汚れてた」「洗い物の時に勢いよく水を出してしまって水が飛び散った」という経験をしたことがある人も多いはず。
特にフルフラットの場合、油はねや水はねをさえぎる壁がないため、キッチンだけでなく周辺の床拭きも必要になるため、掃除も一苦労です。
ペニンシュラキッチンの油はね・水はねは、
- 立ち上がりの壁やパネル・ガードを設置する
- ワークトップを広くする
- ガードアイテムを活用する
を採用することで最小限に抑えることができます。
これらの対策方法については、次章の「5-1. 油はね・水はねの対策方法」で詳しく紹介しています。
しかし、対策をしても油はねや水はねを100%防ぐことは難しい状況です。どのようなキッチンでも油はね・水はねの悩みがありますが、ペニンシュラキッチンの場合は特に生活スペースへの影響が大きいということを理解しておきましょう。
4-2.煙やにおいが部屋に充満しやすい
空間が一体となったペニンシュラキッチンは、煙やにおいの悩みも多く聞かれます。壁や仕切りを設けないケースが主流であるため、換気扇が吸いきれなかった油煙や強いにおいなどが、部屋に広がってしまうためです。
特に、魚の生臭さ、カレーなどの強いにおいは部屋に広がりやすく、家族の中には不快に感じる人もいるかもしれません。
そんなペニンシュラキッチンの煙やにおいに対する対策方法は、次の3つです。
- 魚焼きグリルを使う
- LDKの広さを考慮したレンジフード(換気扇)を採用する
- 消臭効果の高い壁を採用する
この3つの対策方法については、「5-2. 煙やにおいの対策方法」で詳しく紹介しますが、要は必要な設備や環境を整えておくことが大事ということです。
リフォームやリノベーション時点で煙やにおいを防ぐためにはどのような設備が必要かを検討し、暮らしやすい空間を維持しましょう。
4-3.収納スペースが不足しやすい
ペニンシュラキッチンは吊戸棚を設けないケースが多く、ウォール型と比べると収納スペースが限られてしまうというデメリットがあります。
そもそもペニンシュラキッチンは、開放的ですっきりとしたデザインが魅力のひとつ。できる限り生活感を出したくないですよね。
そうなると、どうしても吊戸棚を設けるという選択肢がなくなるため、ペニンシュラキッチンを採用した場合、ワークトップ下やキッチン背面の壁側が主な収納場所になります。
そのため、キッチン周りの収納スペースだけで見ると、ウォール型キッチンと比べると少ないため、食器や家電などが多い人は収納場所に困る可能性があります。
4-4.手元が丸見えになる
フルフラットのペニンシュラキッチンは、すっきりとした印象でおしゃれですが、常にリビング・ダイニングから手元が丸見えになってしまいます。
キッチンに開放感が欲しいけれど、混沌としたキッチンは見せたくないもの。生活感が出てしまうと、素敵なペニンシュラキッチンの魅力も半減してしまいますよね。
そんなペニンシュラキッチンの手元が見える悩みには、
- 立ち上がりの壁やパネルを設置する
- 収納スペースを確保する
という2つの対策方法がおすすめです。
「立ち上がりの壁を設置する」については、次章の「5-1. 油はね・水はねの対策方法」でも詳しく解説していますが、物理的な壁ができることで、リビング・ダイニングからの視線をさえぎることができます。
「収納スペースを確保」も、次章の「5-3. 収納スペース不足の対策方法」で詳しくお話ししますが、ものが多くてワークトップが丸見えになることに抵抗がある人は、リフォームやリノベーションの設計段階から検討する必要があります。
フルフラットにこだわらないのであれば、壁などを設けて手元を隠す方法、ペニンシュラキッチンの魅力はそのまま活かしたい場合は、収納スペースを確保する方法で対策をしましょう。
ペニンシュラキッチンで後悔しない!使い勝手を快適にする3つの対策方法
ペニンシュラキッチンのデメリットが分かり、「このデメリットがあるなら無理かも」と思った人もいることでしょう。でも、まだ諦めるのは早いです。
「4. ペニンシュラキッチンを採用した場合のデメリット4つ」で紹介したデメリットは、対策することで悩みを解消できる可能性があります。
ここでは、各デメリットに応じた対策方法をいくつか紹介します。特定のデメリットでペニンシュラキッチンを諦めようとしていた人は、これから紹介する対処法を実践することで悩みが解消できないか、検討してみてください。
5-1.油はね・水はねと手元の丸見えを防ぐ対策方法
ペニンシュラキッチンの油はね・水はねに対する具体的な対策方法は、次の3つです。
- 立ち上がりの壁やパネル・ガードを設置する
- ワークトップを広くする
- ガードアイテムを活用する
ひとつずつ見ていきましょう。
5-1-1.立ち上がりの壁やパネル・ガードを設置する
油はね・水はね対策としてもっとも多いのが「立ち上がりの壁やパネル・ガードを設置する」です。立ち上がりとは、リビング・ダイニング側から見た時に、キッチンのワークトップが見えないようにした壁です。
立ち上がりの高さによって防げる度合いが変わってきますが、壁が油はねや水はねを抑えることができます。手元を隠すこともできるので、リビング・ダイニングから調理中の手元やワークトップを見えないようにしたい人にもおすすめです。
ただし、その分コストがかかるため注意が必要です。
施工事例:緑豊かなみんなのキッチン〈埼玉県〉70㎡
余計なコストをかけたくない場合やフルフラットのペニンシュラキッチンを採用したい場合は、上の画像のような透明のパネルやガードをコンロ前やシンク前に設置するとよいでしょう。
置き型のパネルであれば汚れた時の掃除もラクで、キッチンを使うときだけ設置できるため、ペニンシュラキッチンのすっきりとした魅力を損なうこともありません。
5-1-2.ワークトップを広くする
大きなワークトップを採用することも対策になります。コンロやシンクの奥に幅を持たせることで、床への飛散を抑えることができるからです。
そもそも対面式キッチンの奥行は、広めの設計が主流です。ウォール(壁付け)タイプは、60cm・65cmが標準サイズですが、対面式キッチンはキッチンの反対側からも使いやすい約75~98cmサイズを選ぶケースが多く見られます。
ワークトップが広い分、場所を取ってしまうというデメリットがありますが、飛散した油や水滴をサッと拭くだけでOK。掃除がラクになるのは嬉しいポイントですね。
5-2.煙やにおいの対策方法
部屋に広がりやすい煙・においは、設置場所や設備を工夫することで対策できます。
具体的な対策方法は、次の3つです。
- コンロを壁側に設置する
- LDKの広さを考慮したレンジフード(換気扇)を採用する
- 消臭効果の高い壁を採用する
順番に見ていきましょう。
5-2-1.コンロを壁側に設置する
ペニンシュラキッチンは、キッチンの一部が壁に面したタイプなので、コンロを壁側に持ってくることで中央に配置するよりも煙やにおいの広がりを抑えることができます。
施工事例:行く末を見据えた選択〈千葉県〉72㎡
どうしてもにおいが気になる場合、コンロ前に壁を増設するのもひとつです。しっかりとした壁を作ると開放感が半減してしまいますが、ガラスの壁を採用すれば視界がクリアになるため、リビングとの一体感を損なうことなく対策ができます。
5-2-2.LDKの広さを考慮したレンジフード(換気扇)を採用する
キッチンのサイズによって、レンジフードの大きさも変わってきますが、LDKの広さを考慮したレンジフードを採用するのも、煙やにおいの対策に有効です。
例えば、調理中のにおいが気になる場合、吸い込むパワーが強いものを選びましょう。
また、キッチンサイズに合ったサイズよりも1サイズ大きなレンジフードを取り入れるのもおすすめです。大きなレンジフードを採用すると圧迫感を感じのでは?と思うかもしれませんが、天井の色やインテリアのカラーに合わせたデザインを選ぶことで、レンジフードの存在感は抑えられます。
煙やにおいに敏感な人は、レンジフードをこだわって快適な空間を保ちましょう。
5-2-3.消臭効果の高い壁を採用する
においの対策として消臭機能のある壁材を取り入れるのもおすすめです。
ペニンシュラキッチンの場合、換気を心がけていてもLDK全体がひとつの空間となっているため、レンジフードだけで広い空間に漂うにおいを完全に除去するのは難しいもの。近年の住宅は気密性が高く、においがこもってしまいやすい環境なので尚更です。
漆喰や珪藻土のほか、消臭効果のある壁紙もあるので、予算や好み、室内の雰囲気に合った消臭効果のある壁材を採用し、気になるにおいを抑えましょう。
5-3.収納スペース不足の対策方法
きれいに整頓されたペニンシュラキッチンの維持には、収納スペースの確保が欠かせません。
しかし、ペニンシュラキッチンのデメリットでも触れた通り、吊戸棚を設けないケースが多いため、収納スペースはワークトップ下やキッチン背面の壁側に設けたキャビネットなど、場所が限られています。
そのため、収納スペース不足を回避するには
- 収納スペースを確保するためパントリーを設ける
- ものを減らす
以上2つの対策が必要です。
後からパントリーを設けるとなるとコストもかかるため、間取りに余裕があるケースや、キッチンにものを置きたくないという人は、設計の段階から食器やキッチン家電、日ごろの食材のストック量に合わせたパントリーの設置を検討しましょう。
充分な収納スペースを確保できれば、ワークトップにものを置く必要がなくなり、整理整頓された状態を維持しやすくなります。
もしパントリーの設置が難しい場合は、キッチンの壁側全面を収納棚にしたり、ものを減らしたりして収納スペース不足を回避しましょう。
ペニンシュラキッチンが向いている人・向いていない人
ペニンシュラキッチンには、開放的で家族とのコミュニケーションを取りやすいなどのメリットがありますが、多くのデメリットがあるのも事実です。
普段あまり料理をしない場合や1人で家事をしたいなど、ペニンシュラキッチンが向いていないケースもあるでしょう。
ここでは、これまで解説した特徴やメリット・デメリットをもとに、ペニンシュラキッチンが向いている人・向いていない人をまとめました。
実際、自分はペニンシュラキッチンを採用すべきなのか悩んでいる人は、判断材料として活用ください。
6-1.ペニンシュラキッチンが向いている人
ペニンシュラキッチンは、キッチンを中心としたコミュニケーションや生活を考えている人に向いています。LDKがひとつの空間に存在し、家族や客人との距離も近いからです。
そのため、次のような理想を持つ人は、ペニンシュラキッチンの設置を検討しましょう。
- 子どもや家族、客人とコミュニケーションを取りながら家事をしたい人
- 複数人でキッチンに立つことが多い人
- 省スペースで開放感のあるキッチンを取り入れたい
- 間取りに合わせた対面キッチンを取り入れたい
- LDKの一体感を保ちつつ、キッチンエリアを区別したい
- すっきりとしたキッチンを実現したい
ただし、理想だけで導入すると将来的に後悔する可能性があります。キッチンをよく使う人だけでなく、一緒に暮らす家族の意見にも耳を傾け、みんなが納得できるペニンシュラキッチンを取り入れましょう。
6-2.ペニンシュラキッチンが向いていない人
家で過ごす時間が短い人や、家事動線を重視したキッチンの導入を考えている人は、ペニンシュラキッチンはあまり向いていないでしょう。
特に、
- 料理の頻度が少ない人
- キッチンの回遊性を重視したい人
- リビング・ダイニングスペースを重視している人
- 片付けがあまり得意ではない人
- ものが増えやすい人
以上にあてはまる人は、「キッチン内を見られたくない」「ペニンシュラキッチンを設けるだけの充分なスペースがある」などの理由がない限りは、ペニンシュラキッチンを見送ったほうが良いかもしれません。
また、これまでに紹介したペニンシュラキッチンのデメリットやその対策を納得できない人も向いていません。メリットよりもデメリットのほうが気になるという消極的な人は、ペニンシュラキッチン以外の選択肢も視野に入れ、再検討しましょう。
ペニンシュラキッチンを採用する場合の5つのポイント
ここからは、ペニンシュラキッチンを採用する場合に知っておきたいポイントを紹介します。
使い勝手や暮らしにが大きく関わってくる項目なので、これから紹介する5つのポイントは、導入前に検討しておくことをおすすめします。
7-1.キッチン本体の背面
ペニンシュラキッチンは、キッチン本体の背面を工夫することで、より暮らしの幅が広がります。
導入事例:こだわりカフェカウンター〈東京〉 54㎡
上の導入事例のように、コンロとシンク前に立ち上がりの壁を設けて手元を隠しつつ、背面にカウンターテーブルを設置することで、ダイニングテーブルとして活用することもできます。
これなら料理をサッと配膳でき、食べ終わった後もすぐに食器を片付けられるので、忙しい朝の朝食スペースにぴったりですね。カフェ気分でティータイムを過ごしたり、夜にはバーカウンターとして晩酌を楽しんだりすることもできます。
7-2.設置スペース
ペニンシュラキッチンの設置スペースの検討は、非常に重要です。
省スペースで設置できるとは言え、作業スペースのサイズやコンロ・シンクから冷蔵庫・食器棚までの距離、通路幅をどの程度にするかで、キッチンでの動きやすさが変わってきます。
◎キッチンサイズの目安
キッチンサイズはL型やI型などのタイプによって変わってきますが、コンロ・作業台・シンクの合計(間口サイズ)は約180~270cmが主流です。
奥行は、約75~98cmとなっており、60・65cmが主流のウォール型よりも、ワークトップが10~35cmほど広くなっています。
◎通路幅の目安
ペニンシュラキッチンの通路は、壁に面していない側のキッチン横と作業スペースの2か所です。必要な通路幅は、キッチンを同時に利用する人数や使用頻度の高い冷蔵庫・食器棚との距離などを想定して決めましょう。
- 通路幅60cm:1人で作業することが多い
- 通路幅90cm:余裕をもって作業できるが、複数人だとすれ違いが大変
- 通路幅120cm:複数人でもスムーズに作業やすれ違いができる
快適な家事動線にするためには、最低でも60cmの通路幅は確保しましょう。また、コンロ・シンク・冷蔵庫の3点を結んだワークトライアングルを意識することで、家事動線が楽になると言われています。
設置スペースを検討するときは、キッチンサイズと通路幅に加え、冷蔵庫の置き場所についても一緒に検討し、使い勝手の良い家事動線をプランニングしておきましょう。
7-3.作業台の高さ
ペニンシュラキッチンの高さは、キッチンの使い勝手を左右する重要なポイントです。
キッチンが低いと前かがみで作業することになり、腰痛の原因となりますし、逆に身長に合わない高いキッチンを使うと肩に力が入りやすく、肩こりにつながる可能性があるからです。そのため、キッチンをよく使う人の身長に合うキッチンの高さを選ぶことが大切です。
メーカーや商品によっては、高さを細かく指定できるケースもありますが、一般的なシステムキッチンは、JIS規格で標準的な高さが定められています。
◎JIS規格の高さ
- 80cm
- 85cm
- 90cm
- 95cm
自分の身長に合う高さは、以下の計算式にあてはめることで求められます。
適性な高さ = 身長(cm) ÷ 2 + 5(cm)
身長別の目安は以下の通りです。
身長 | おすすめの作業台の高さ |
~155cm未満 | 80cm |
155cm以上~160cm未満 | 85cm |
160cm以上~165cm未満 | 90cm |
165cm以上 | 95cm |
紹介したおすすめの作業台の高さは、あくまでも目安です。数値だけではなかなかイメージしづらいため、できればメーカーのショールームへ足を運び、実際の高さをチェックして決めるようにしましょう。
また、もし将来的に物件売却や長く住むことを考えている場合は、平均的な85cm程度にしておくというのも良いかもしれません。
7-4.コンセントの位置と数
ペニンシュラキッチンを採用する場合、あらかじめコンセントの位置や数についても検討しておくことが大切です。
キッチン周りは、冷蔵庫や炊飯器、トースター、ミキサーなど、電源を必要とする家電がたくさんありますよね。
キッチン家電は、大きく分けると冷蔵庫や炊飯器などの常時コンセントに差して利用する家電と、ミキサーのように必要な時にだけ電源を使う家電の2つに区分できます。
常時コンセントに指したままの家電は、冷蔵庫を置く場所や棚の下などにコンセントを配置しておけばOKですが、ミキサーなどのたまにしか使わない家電の場合、棚の下にあると作業台からコンセントまで電源コードが届かない…ということも。そうなると電源タップ(延長コード)を用意したり、作業台以外の場所で使用しなくてはならなくなります。
導入事例:キッチンも家具の家〈埼玉県〉59㎡
そのため、上の導入事例のように、作業台の前壁などにも収納スペースとは別にコンセントを設けることがおすすめです。ただし、水まわりやコンロ周辺は、漏電やショートのリスクがあるため増設ができないことがあります。
リフォームやリノベーションの場合、コンセントの数を変更したり、場所を動かしたりするケースは多く見られます。設計の段階からどの家電をどこに置くかも検討し、希望の場所に必要な数のコンセントを設置できるかをあらかじめ確認するようにしましょう。
7-5.機能性と予算のバランス
ウォール型の一般的なキッチンよりも高額になりやすいペニンシュラキッチン。オプションや条件で大きな価格差が生まれるため、機能性と予算のバランスを考える必要があります。
天板や扉などの素材や、食洗機・オーブンといったビルトイン機器などのオプションにこだわるほど効果になる傾向です。
ショールームやカタログで新しい機能や便利な機能、おしゃれなオプションを見ると、欲しくなってしまう気持ちはわかります。
しかし、すべての欲を叶えようとすると、どうしても予算がかさんでしまうため、まずはキッチンにかけられる予算額を明確にしておきましょう。その上で、「本当に必要な機能か」を自問自答しながら、予算内に抑えられる機能・オプションを厳選していくことをおすすめします。
相場よりも高くなるケースや価格に影響を与えやすいオプションについて詳しく知りたい人は、「キッチンリノベーションの費用はいくら?メーカー6社の商品相場も公開!」を参考にしてみてください。
ペニンシュラキッチンを取り入れた間取り事例4選
ここでは、実際にペニンシュラキッチンを採用した施工事例を紹介します。実例を参考にしながら、自分たちの暮らしに合うペニンシュラキッチンのイメージを具現化していきましょう。
8-1.背面にたっぷりの収納スペースを設けたペニンシュラキッチン
こだわりの家具や照明が映える、無機質な質感のモルタルを採用したペニンシュラキッチン。フルフラットですが、キッチンカウンターが設けられているので、油はねや水はねも気になりにくいですね。
壁側に、キッチンのカラーに合わせた吊戸棚やキャビネットを設置することで、収納不足の問題を解消。「パントリーを設けるのは難しいかも」という人が参考にしたい、収納力抜群なのにすっきりと見える事例です。
詳しい間取りやレイアウトはこちらをチェックしてください!
施工事例:飛び石と土間〈東京〉 55㎡
8-2.どんな空間やインテリアにもマッチしやすいステンレス製のペニンシュラキッチン
ステンレス製のペニンシュラキッチンを採用したこちらの事例。スタイリッシュなインダストリアルスタイルがおしゃれですね。
よく使うキッチン家電を壁側に配置し、ペニンシュラキッチン自体にはものを置かない工夫をされています。
ステンレスは、耐水性や耐久性にも優れており、価格も比較的お求めやすいのが魅力。他の素材との相性もよく、どのような空間・インテリアとも合わせやすい素材です。
無骨な感じに抵抗がなければ、低コストでペニンシュラキッチンを実現できるステンレス製を選択肢に入れてみてはいかがでしょうか?
詳しい間取りやレイアウトはこちらをチェックしてください!
8-3.デッドスペースを有効活用したL型のペニンシュラキッチン
室内扉の材質に合わせた、L型タイプのペニンシュラキッチンです。
広々としたキッチンですが、コンロ・シンク・冷蔵庫の距離が近いため、作業をスムーズに行えそうですね。
ペニンシュラキッチンのデメリットである収納スペース不足は、壁側とキッチン上に棚を設けることで回避。閉塞感のない吊り棚を採用することで圧迫感を回避しつつ、収納スペースを確保しています。
広めのワークトップを採用していますが、キッチンの向かい側にできたデッドスペースを本棚やカウンター席として活用。実用性にも優れたキッチンです。
詳しい間取りやレイアウトはこちらをチェックしてください!
施工事例:緑豊かなみんなのキッチン〈埼玉県〉70㎡
8-4.L型:開放感と独立した感じの両方を兼ね備えたデザイン
最後は、立ち上がりの壁で手元を隠したL型のペニンシュラキッチンです。コンロを壁側に配置されているので、においや油はねによる室内の汚れを抑えられるというメリットがあります。
また、ダイニングに面したキッチンの背面に高めの立ち上がりの壁を設けることで、生活感を感じさせないLDK空間を演出。手元を隠し、水はねによる生活スペースへの影響も防いでいます。
LDKの一体感を保ちつつ、キッチンエリアとして独立した空間にしたい人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
詳しい間取りやレイアウトはこちらをチェックしてください!
まとめ
ペニンシュラキッチンについて、特徴やイメージを掴めたでしょうか?キッチンはLDK空間の1エリアにすぎませんが、毎日使う場所だからこそ、理想の暮らしを実現できるペニンシュラキッチンを採用したいですよね。
それでは、最後にもう一度、記事のポイントをおさらいしましょう。
ペニンシュラキッチンとは、本体の一部が壁に接しているキッチンのことです。対面式キッチンの一種で、半島のように見えることから、ペニンシュラキッチンと言われています。
キッチンのレイアウトは、大きく分けると3つあります。
レイアウトのバリエーションが豊富で、リビング・ダイニングの広さやその他の間取りに合うペニンシュラキッチンを採用できます。アイランドキッチンと比べると省スペースで対面式キッチンを実現できるところも大きな魅力です。
しかし、ペニンシュラキッチンにもメリット・デメリットがあります。特徴やメリット・デメリットを踏まえ、ペニンシュラキッチンが向いている人・向いていない人を分けると、以下のようになります。
ペニンシュラキッチンは、決して安い買い物ではないので、採用して後悔したくないですよね。
「ペニンシュラキッチンにしてよかった」と思えるよう、まずはこの記事を参考にして、特徴やメリット・デメリットを理解しましょう。
その上で、自分や家族にとってベストな形でペニンシュラキッチンを実現できるよう願っています。
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