2023.08.08 更新

リノベーション費用を抑える5つの手段!コスパ良く理想の家を作る方法

リノベーション費用を抑える5つの手段

「リノベーション費用が予算より高くなりそう…」
「費用を抑えたいけどイメージしたことが出来ないのは嫌…」

設計担当に要望をすべて伝えたら予算を越えたというのはよくあることです。

なぜなら、家づくりはどうしても気分が高揚してしまうため、選ぶ素材や設備をグレードが高いものを選んだり、「これあったら便利かも」と必要以上のオプションをつけてしまいがち。

また、物件購入と同時にリノベーションする場合は、不動産屋のセールストークに乗せられたり、外観が綺麗なマンションに惚れてしまうため、当初の住宅予算を越えてしまいがちです。

そのためリノベーション にかける費用が少なくなり、イメージしていた空間を実現できないケースも多いです。

実際、不動産業界・リノベーション業界に長く関わっている私も、そういった人を何百人と見てきました。

一方で、イメージしていたリノベーションを「限られた予算の中で実現した」お客様を何百人とお手伝いしてきました

一体、その違いは何なのでしょうか?

そこで、本記事では「リノベーション費用を抑える5つの手段」をご紹介します。

ぜひ、7分ほどお読みください。あなたがイメージしている住まいを実現しながら、リノベーション費用を抑えられるようになります。

また、そもそもリノベーション費用の相場が分からなければ、自分の実現したいイメージと予算が適切かどうかの判断ができません。

リノベーション費用の相場についての詳細は、中古マンションのリノベーション費用について説明しているこちらの記事をご覧ください。

なお、リノベーション費用の抑え方は「マンション・戸建て」の区別はありません。どちらの場合も本記事を読めば費用を抑えられるようになるので安心です。

リノベーションするときのために、ぜひ保存してお役立てください!

Advisor

一級建築士 アドバイザー 西村 一宏

[監修]一級建築士

西村 一宏

リノベーション・オブ・ザ・イヤーを受賞した設計・施工部門の責任者としてゼロリノベ建築を担う。著者の詳しいプロフィール

Author

“【著者】ゼロリノベ編集部"

[著者]

ゼロリノベ編集部

元銀行員・宅地建物取引士・一級建築士が在籍して「住宅ローンサポート・不動産仲介・リノベーション設計・施工」をワンストップで手がけるゼロリノベ(株式会社groove agent)。著者の詳しいプロフィール

\一級建築士監修のWEBセミナー/

短期視点or長期視点でリノベ費用の抑え方は変わる

短期視点と長期視点、どちらで考えるかによってリノベーション費用の抑え方は変わります。

なぜなら、リノベーションには三種類あり、それぞれ「とにかく目前の費用が抑えるリノベ」や「費用はかかるが長期的に考えるとコスパが良いリノベ」などの特徴があるからです。

リノベーション種類と費用対効果

部分リノベーションは、暮らしに合わせて作り変えるのではなく、デザイン性を持たせて一部分の素材変更や設備交換をすることです。

表層リノベーションは「見える箇所」だけ全体を改修すること。スケルトン・リノベーションは、配管や断熱材など「見えない箇所」まで全体を改修することです。

「スケルトンリノベーション」で長期的にコスパをよくする

長期的に考えるなら「見えない箇所」まで改修するスケルトン・リノベーションが良いでしょう。

なぜなら、部分リノベーションや「見える箇所」だけをやる表層リノベーションは、目前は費用はかからないものの、結局あとで「見えない箇所」も修繕するからです。

そうなると、床や壁を取り外したりして大規模な修繕工事になるため、結果的にコストが多くかかります。

このように、本来はコストをかけなければならない箇所、かつ目に見えない箇所をケチってしまうと結果的に大きな負担となってしまうのです。

短期的には「部分リノベーション・表層リノベーション」の方が費用を抑えられますが、将来にかかる費用も加味した判断をすると「スケルトン・リノベーション」の方が費用を抑えられる傾向にあるのでおすすめです。

築浅物件の場合は「部分リノベーション・表層リノベーション」を選ぶ

築浅物件の場合、「部分リノベ・表層リノベ」でも長期的にコスパが良いケースがあります。なぜなら「見えない箇所」も新しい状態のため修繕する必要がなく、長期的に費用を抑えられるからです。

ただし、築浅物件はそもそもの価格が高いため、最終的にかかる全体費用が高くなるケースも少なくありません。自分の予算を越えないように冷静に見極めましょう。

本章では、短期or長期視点のどちらかの立場によって、選ぶリノベーションの種類が変わることをお伝えしました。次章からは、リノベーション費用を抑える「5つの具体的な手段」をお話ししていきます。

リノベーション費用を抑える5つの手段

リノベーション費用を抑えようと考えたときには、「いかに工事費用が安い会社に頼もうか」や「どうやったら値引きしてもらえるか」と考えがちです。

しかし、重要なポイントはそこではありません。肝になるのは、次の5つです。

リノベーション費用を抑える5つの手段

リノベーションの費用を抑えるときは「工事費用の中身」だけに目がいきがちです。しかし、コストを最小に抑えられたら良いわけではありませんよね。きっとデザインにもこだわりながら、自分のイメージした内容を実現したいはずです。

「依頼会社の取り分」の値引きはやめた方がいい

「工事費用の中身」に目を向けると、どうしても「依頼会社の取り分」を減らしたくなります。しかし、結果的に自分が損することになるので絶対に止めるべきです。

たとえば、あなたが時給1200円で働いていて、途中で雇い主の都合で時給900円にされたらどう思うでしょうか。しかも仕事量は同じです。やる気がなくなりませんか。

依頼した会社にとっても同じ状況です。「この人のために良い住まいをつくろう!」という気にはなりません。当然優先するのは、規定額を支払ってくれる人になるのではないでしょうか。そうなると手を抜かれるかもしれません。

このように「依頼会社の取り分」を減らすことは、目前の費用を抑えられますが、結果的に損するのは自分だということは想像に難くありません。

「工事費用の中身」以外にも目を向ける

自分のイメージを実現しながらリノベーション費用も抑えるには、「工事費用の中身」以外にも目を向けるべきところがあります。

  1. 依頼先の業態でリノベーション費用と品質は変わる
  2. 間取り・設備・素材の選び方で数十万〜数百万円の差が出る
  3. 工法や工事の進め方次第でリノベーション費用は増減する
  4. ローンの選び方で全体の費用に差は出る
  5. 減税・補助金を活用して費用を抑える

次章から、ひとつずつ順にお伝えしていきます。

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【手段1】依頼先の業態で費用と品質は変わる

リノベーション依頼先の業態は5種類に分けられ、それぞれ費用、デザイン力、施工品質が違います。

リノベーション依頼先の種類と特徴(✳︎1)設計と施工会社が異なるため連携が取りづらく品質管理が難しい。また品質は依頼する工務店に依存するため一定しない。

依頼会社の種類

<設計事務所>

本業
  • 設計
費用
  • リノベーション会社よりも高いめな設計料
  • 工事は別途で工務店に依頼するため余計なコストがかかる
  • トータル的に高い費用になる傾向
デザイン力
  • 設計専門職が担当するためデザイン力は高い
品質
  • 設計と施工会社が異なるため連携が取りにくく品質管理が難しい
  • 依頼する工務店によって品質はまちまち

<工務店>

本業
  • 工事
費用
  • デザイン専門ではないため設計料がかからない
デザイン力
  • お客様自身がデザイン担当
  • 専門職ではないためデザイン力は低い
品質
  • 施工の品質基準を有している工務店もあれば、品質基準がない工務店もある
  • 依頼する工務店によって品質はまちまち

<不動産仲介会社>

本業
  • 不動産仲介
費用
  • 提携リノベーション会社で設計専門職が担当するため設計料が要る
  • 提携リノベーション会社の設計料は設計事務所より低い傾向にある
  • 施工は提携リノベーション会社が提携工務店に別途依頼するため中間コストが要る
デザイン力
  • 不動産仲介会社が提携するリノベーション会社の多くは母体がリフォーム会社のためデザインの幅は狭い
品質
  • 施工の品質基準を有している工務店もあれば、品質基準がない工務店もある
  • 依頼する工務店によって品質はまちまち

<リノベーション会社(パーシャル・ワンストップ・リノベーション)>

本業
  • 設計
  • リノベーションコーディネート(各社と連携をとって窓口を1つにする)
費用
  • 設計は自社で設計専門職が担当するため設計料が要る
  • 設計料は設計事務所より低い傾向にある
  • 施工は提携工務店に別途依頼するため中間コストが要る
デザイン力
  • 設計専門職が担当するためデザイン力は高い
品質
  • 施工の品質基準を有している提携工務店もあれば、品質基準がない提携工務店もある
  • 依頼する提携工務店によって品質はまちまち

<リノベーション会社(オール・ワンストップ・リノベーション)>

本業
  • 不動産仲介
  • 設計
  • 工事
  • リノベーションコーディネート(連携をとって窓口を1つにする)
費用
  • 設計は自社で設計専門職が担当するため設計料が要る
  • 設計料は設計事務所より低い傾向にある
  • 自社施工のため中間コストがかからない
デザイン力
  • 設計専門職が担当するためデザイン力は高い
品質
  • 自社施工のため一定の品質基準を保てる

<ハウスメーカー>

本業
  • 新築やリフォーム
費用
  • テレビCMを大量に放映したり大きな事務所やショールームを都心に構えたりする費用は、当然リノベーション費用に反映される
デザイン力
  • 新築やリフォーム業界のためデザインの幅は狭い
品質
  • 自社施工のため一定の品質基準を保てる

オール・ワンストップ・リノベーション会社に依頼すべき

デザイン面も考慮しつつ、リノベーション費用を抑えたいのならオール・ワンストップ・リノベーション会社がおすすめです。なぜなら、自社設計・自社施工のリノベーション専門会社だからです。

設計専門職が担当につくためデザイン力は高いです。また、自社施工のため余計な中間コストがかかっていないため比較的コストも抑えられます。

総合的に考えると、オール・ワンストップ・リノベーション会社に依頼するのがコスパが良いでしょう。

一方、部分リノベーションの場合は、主に設備交換になるため設計専門職は必要ありません。よって、リフォーム会社・家電量販店・工務店に依頼すると良いでしょう。

【手段2】設備・素材等の選び方で数十万〜数百万円の差が出る

リノベーション費用への影響が大きい項目

図の項目のグレード、オプション、素材などのバランスをとることで全体の費用を抑えることができます。なぜなら、リノベーション費用の中でこれらが占める割合が大きくて影響力があるからです。

平米数

工事するエリアが広いほど、リノベーション費用は大きくなります。なぜなら、広いほど「資材の増量」「多くの作業時間」が必要になるからです。

もし中古物件を購入と同時にリノベーションを考えているなら、必要な十分な広さを見極めましょう。

家族構成ごとの平米数の目安についての詳細は、次の記事中古マンションの探し方について説明したこちらの記事の「5-3.物件の専有面積」をご覧ください。

間取り

特に水まわりの位置を大きく移動すると、通常よりリノベーション費用がかかります。なぜなら、配管を延ばしたり、床下配管に傾斜をつけて水を流しやすくするために床を上げたりするからです。費用を抑えるためには現況の位置を生かした配置にしましょう。

また、個室をつくるほど費用が大きくなります。なぜなら、壁をつくったり、扉の費用が必要になるからです。よって、費用を抑えるためには「将来必要になるかもしれないから念のため用意しよう」ではなく、「いま必要な個室だけ」を作りましょう。もし個室が足りなくなったら、そのときに作ればいいのですから。

個室に扉を付けず、半個室にすることでコストを抑えられるケースもあります。例えば、ウォークイン クローゼットの場合、そこに人が住んでいるわけではありません。そのため、扉よりコストを抑えられるカーテンやブラインドで十分です。

壁・床の素材

壁や床の素材はリノベーション費用に大きな影響を与えます。なぜなら、壁と床は改修面積が広いからです。

例えば、80㎡をリノベーションするとします。仮に、床材「1,500円/㎡」だと「120,000円(80㎡×1,500円)」です。一方で、「10,000円/㎡」のこだわった床材を選んだ場合は「800,000円(80㎡×10,000円)」になります。つまり、床材の選択1つで大きな費用の差が生まれます。

床材の場合、もし素材ではなく色や濃淡を重要視しているなら、コストを抑えた素材を選んでオイルや塗装で着色させることにより、好みの色を出すことができます。

渋谷区参宮橋のリノベーション事例

オイル塗装で着色させた床材でつくった大正ロマン風な空間

キッチン

キッチンは最も費用の差が出やすい項目です。なぜなら、メーカーやグレードの違いによって、30万円くらいのものから300万円くらいのものまで幅が広いからです。

参考:クリナップのキッチン価格幅表 (*ラインナップ「価格帯から探す」)

カタログやショールームなどで調べていくうちに目移りしてしまい、気が付いたら予算オーバーになってしまうことも少なくありません。

現状、そして今後のライフスタイルをしっかりと家族と相談して、必要な十分な機能・オプションの選択をするようにしましょう。

お風呂

「ユニットバスを選ぶか」or「在来工法でオリジナルのお風呂をつくるか」によって、100万円以上の差が出るケースもあります。

なぜなら、在来工法のお風呂は、部材を1から作成するため職人の作業が増えるからです。組み立てが容易なユニットバスに比べると作業日数も長くなってコスト増に繋がります。

お風呂にこだわりがなく、リノベーション費用を抑えたい場合は、ユニットバスを選ぶといいでしょう。

ユニットバス
お風呂とトイレが一緒という意味ではありません。ユニットバスとは、あらかじめ防水性の高い素材で浴槽・天井・床・壁などをユニット化しておいて、現地に運んでスピーディに組み立てられたバスルームを言います。ちなみに新築マンションのほとんどはユニットバスです。

特注/造作

大きなロフトや多くの収納棚を造作でつくるほど費用は大きくなります。なぜなら、通常は既製品で済むところを1から作成するため職人の作業が増えるからです。リノベーション費用を抑えるためには、造作は必要十分なボリュームにしましょう。

このように空間の考え方や設備・素材によってリノベーション費用は大きく差が出ます。

しかし、こうした仕組みを把握しておけば、もしイメージしていたリノベーションのプランが予算を超えてしまったとき、素材やプランを見直すことで、予算内に収めることができます。

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【手段3】工法や工事の進め方次第でリノベーション費用は増減する

DIY

すべてを施工会社にまかせるのではなく、一部だけ自分たちの手で工事を行って費用を抑える方法もあります。

要資格や専門性の高い部分は施工会社に頼む必要がありますが、床材にオイルを塗ったり、タイルを貼ったりなどであれば自分で可能です。費用を抑えられるだけでなく、自分で家を作ったという思い出にもなります。

ただし、プロほど出来栄えは良くありませんし、時間と労力もかかります。これらを楽しめる人にとってはおすすめです。一方で、楽しめない人はすべて施工会社にまかせた方が良いでしょう。

(注意)分離発注は百害あって一利なし

分離発注とは

リノベーションには、大工や左官、電気工事業者、水道工事業者など、様々な専門業者が関わっています。元請けの施工会社は、その専門業者をまとめあげ、各々に指示を出してプロジェクトを進めています。

一方、リノベーションにおける分離発注とは、元請け施工会社を通さずに、依頼主が自らそれぞれの専門業者を探してきて工事の発注をする方法です。

元請けを通さないことで、その分の費用を抑えられます。ただし、依頼主が自ら建築のリーダーとなり現場を仕切ることになります。

分離発注のデメリット

分離発注のデメリットは、結果的に費用が高くなり易いことです。

工事は各専門業者にそれぞれ依頼して行います。分離発注は責任者を依頼主がやりますが、本業でないため常に建築現場にいられるとは限りません。そのため、現場がまとまらないケースが多々あります。

また、瑕疵が発見された場合「どの業者が原因で瑕疵が起きたのか」など責任の所在が分かりにくいという事態にもおちいる可能性があります。

このように現場を仕切ることができずにトラブルが多発し、その影響でコストや工事期間が予定よりかかり、その結果、費用が必要以上にかかってしまうパターンは少なくありません。

分離発注は元請けを通さないことで、その分の費用を抑えられますが、デメリットは大きいです。分離発注にするかどうかは総合的に判断する必要があります。

【手段4】ローンの選び方で費用に差は出る

リフォームローン

リノベーションの規模や、返済計画に応じて2つのタイプがあります。費用を抑えるためには金利が低いローンを選ぶと良いでしょう。

無担保型リフォームローン

担保不要で借入が可能。主に1,000万円未満の小・中規模のリノベーションに多く適用されます。有担保型リフォームローンに比べると短期間で借入額は少なく、金利もやや高めの設定になりますが、比較的審査にも通りやすいローンです。

有担保型リフォームローン

無担保型のリフォームローンと違い、担保が必要なローンとなります。担保が必要な分、無担保型に比べ、金利が低いなどの特徴があります。主に1,000万円以上の大規模なリノベーションに適用され、金融機関で最大35年のローンを組むこともできますが、借入額が大きくなるほど審査は厳しくなります。

住宅ローン

住宅ローンは、不動産購入費用だけでなく、リノベーション費用もまとめて借入することができます。中古物件の購入と同時にリノベーションする場合は住宅ローンを選びましょう。

住宅ローンのメリットは、借入額上限は1億円程度とかなり大きく設定されていること、返済期間も最長35年まで設定可能であること、金利も低いことです。返済期間が長くて金利も低いため、月々の支払いを抑えられます。

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【手段5】減税・補助金を活用して費用を抑える

リノベーションは範囲が多岐にわたり、費用も高額になりがちです。全体の費用を抑えるために減税制度や補助金制度を有効に活用しましょう。

リフォームの減税特別措置

各制度には条件があります。余裕を持ったスケジュールで準備をすすめることが大切です。

最新情報については下記をご確認ください。

補助金に関する制度

減税制度と同様に、耐震、省エネ、バリアフリーのリフォームで自治体の補助金を利用できる場合があります。補助金制度の詳細や利用条件は各自治体によって異なります。一般社団法人住宅リフォーム推進協議会のWebサイトで確認しましょう。

リフォーム支援制度の検索

出所:一般社団法人住宅リフォーム推進協議会

やりたいイメージに優先順位をつけてリノベーション費用を抑える

やりたいイメージの優先順位を決めましょう。優先度が高い項目には予算をかけ、優先度が低い項目の費用を抑えるといったメリハリをつけることで、リノベーション費用を抑えながらイメージを実現できます。

一般的に、リノベーションする前に「ここまでなら出せる」という「上限予算」を設けていると思います。
しかし、優先順位をつけずにやりたいことを組み込んでいくと予算は上がっていきます。

予算を超えてしまうと、「これは諦めよう」「あれも諦めよう」と諦めるものがどんどん増えていくことになり、完全に妥協のリノベーションになってしまいます。

こうなると「こんなはずではなかった…」「思ったのと全然違う…」「心が踊らない…」など後悔が続いてしまうでしょう。こだわるべきものまで削っては本末転倒です。

そうならないために、できればご家族それぞれの意見を踏まえて優先度を決めていきましょう。優先度を明確にしておくことで、いざ予算を超えてしまった時に、何を残して何を削るかの判断が容易になります。

リノベーション費用の優先順位

コスト重視

もしリノベーションのコンセプトが「コスト重視」なら、こだわりを最小限にして、その他すべて標準仕様を選ぶことで費用を抑えられます。

上記表のケースでは「少し大きめのユニットバス(影響度 中)」を少しこだわった程度です。

雰囲気重視

もしリノベーションのコンセプトが「雰囲気重視」なら、こだわりを「空間の雰囲気に影響が大きい箇所」に集中して、そのを標準仕様にすることで費用を抑えられます。

上記表のケースでは「床と壁の素材(影響度 大)」にこだわり、さらに収納棚にも少しこだわっています。「コスト重視」より費用は高いですが、優先度を明確することで、イメージした内容を予算内で実現できます。

趣味重視

もしリノベーションのコンセプトが「趣味重視」なら、こだわりを「趣味を充実させる箇所」に集中して、そのほかを標準仕様にすることで費用を抑えられます。

上記表のケースでは「ロフト造作(影響度 大)」にこだわり、さらに漆喰と個室にも少しこだわっています。こだわり箇所が多いため「コスト重視」「雰囲気重視」より費用は高いですが、優先度を明確することで、イメージした内容を予算内で実現できます。

キッチン重視

もしリノベーションのコンセプトが「キッチン重視」なら、こだわりを「キッチンを快適にする箇所」に集中して、そのほかを標準仕様にすることで費用を抑えられます。

上記表のケースでは「キッチンのグレード(影響度 大)」と「キッチンの位置(影響度 大)」にこだわっています。こだわり箇所の費用への影響が大きいが「コスト重視」「雰囲気重視」「趣味重視」より費用は高いですが、優先度を明確することで、イメージした内容を予算内で実現できます。

予算内でイメージした内容を実現するために、リノベ費用への影響が大きい項目を中心に、家族で優先度を話し合ってみることをおすすめします。

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まとめ

リノベーション費用を抑える5つの手段

リノベーションの費用を抑えるときは「工事費用の中身」だけに目がいきがちです。しかし、コストを最小に抑えられたら良いわけではありませんよね。きっとデザインにもこだわりながら、自分のイメージした内容を実現したいはずです。

自分のイメージを実現しながらリノベーション費用も抑えるには、「工事費用の中身」以外にも目を向けるべきところがあります。

  1. 依頼先の業態でリノベーション費用と品質は変わる
  2. 間取り・設備・素材の選び方で数十万〜数百万円の差が出る
  3. 工法や工事の進め方次第でリノベーション費用は増減する
  4. ローンの選び方で全体の費用に差は出る
  5. 減税・補助金を活用して費用を抑える

上記の5つを意識しつつ、やりたいイメージの優先順位も決めましょう。

優先度が高い項目には予算をかけ、優先度が低い項目の費用を抑えるといったメリハリをつけることで、リノベーション費用を抑えながらイメージを実現できるようになります。

本記事では「優先度のつけ方」や「費用への影響が大きい箇所」についてもお話ししましたので、ぜひ参考にしてください。

あなたと家族の暮らしが豊かになる、そんなリノベーションになれば嬉しいです。

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