2022.05.26 更新

【建築士監修】梁を活かすリノベーション事例5選!費用も紹介

「梁のある部屋のリノベーションはどうすればいいですか?」
「梁を活かしてオシャレにリノベーションすることはできますか?」

結論からお伝えすると、梁を上手に活かすことでマンションも戸建てもオシャレにリノベーションすることができます。

梁は建物を支えるためにとても重要な構造部分ですから、リノベーションで好きに動かしたり、無くしたりすることはできません。

しかし、梁をわざと見せて、その存在感を活かすことで、リノベーションの仕上がりをよりオシャレに、素敵にすることができるのです。

梁を素敵に見せるリノベーションを成功させるには、梁を活かしたおしゃれな見せ方のポイントを押さえておいたり、梁を活かすリノベーションのデメリットやその対策を知っておくことが大切です。

そこでこの記事では、梁を活かしたオシャレなリノベーションについて詳しく紹介します。

この記事を読めば

◎梁を活かしたオシャレなリノベーション事例
◎リノベーションで梁を活かしたオシャレな見せ方
◎梁を活かすリノベーションにかかる費用
◎梁を活かすリノベーションのデメリットと対策
◎梁を活かしたリノベーションをする際の会社を選ぶポイント

がわかります。

オシャレな見せ方や、梁を活かすデメリットとその対策法についても知っておくことで、自分が思い描いていた理想のリノベーションを実現させることができます。ぜひ最後までお読みください。



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梁を活かしたおしゃれなリノベーション事例

梁を活かしたオシャレなリノベーションについて知るために、まずは実際のリノベーション事例を見ていきましょう。

梁をどのように活かすのか、どんなデザインにするのかは、リノベーション事例毎に違いがあります。

なるべく多くのリノベーション事例を見ておくことで、自分がどのようにリノベーションしたいのかがわかるようになるはずです。

1-1.モルタル仕上げにした梁で無機質な空間を演出

家のタイプ:マンション
専有面積:73.87平米
築年月:1981年
居住人数:3人

梁や壁をモルタルで仕上げることで、無機質で生活感のない空間を作ったリノベーション事例です。

梁や柱を躯体のイメージに近いモルタルにすることで、より無機質な雰囲気を強調しています。

キッチン部分は梁にダクトを組み合わせることで、インダストリアルさもプラスしているのが特徴です。

キッチンカウンターも同じモルタル仕上げにすることで、梁との統一感を出すのもポイントです。

この事例をより詳しく知りたい方はこちらのページも参考にしてください。

1-2.照明&木材を貼り付けて空間のアクセントに

家のタイプ:マンション
専有面積:76.01平米
築年月:1999年
居住人数:2人

木目の建具に合わせて、木材の梁をあえてプラスしたリノベーション事例です。

木目の梁に黒いアイアンの照明を合わせることで、バーカウンターのような雰囲気に仕上がっています。

柱と組み合わせて新しく木の梁をプラスすることで、空間に面白みが出せます。

自然素材を使った、シンプルナチュラルなリノベーションが完成しています。

この事例をさらに詳しく知りたい方はこちらのページも参考にしてください。

1-3.躯体梁の存在感が室内のアクセントになる

家のタイプ:マンション
専有面積:59.98平米
築年月:1979年
居住人数:2人

以前貼られていた壁紙などのボンド跡を、塗装せずにあえてそのまま見せることで個性を出したリノベーション事例です。

モルタルの上にランダムに残る白いボンドの跡が、白い壁や天井のシンプルな空間の中で面白いアクセントになっています。

アクセントウォールなどを使わず、天井と壁は白、床は木目のデザインでも、梁に存在感を持たせることでシンプルになりすぎずオシャレに仕上がりました。

こちらの事例をより詳しく知りたい方はこちらのページを参考にしてください。

1-4.一続きのLDの緩やかな仕切りに

家のタイプ:マンション
専有面積:71.32平米
築年月:2004年
居住人数:3人

リビングとダイニングをひとつの空間にリノベーションしたこちらの事例では、リビングとダイニングを梁でさりげなく区切っています。

壁はないためスペースとしては一続きになっているので広々と解放感はありますが、梁のラインでスペースを区切ることで、生活の場所を目的別に分けることが可能です。

梁と梁の間は横ラインの照明器具を入れることで、よりスペースごとの広さを強調することも出来ます。

こちらのリノベーション事例をさらに詳しくみたい方はこちらのページも参考にしてください。

1-5.梁と天井の傾斜で秘密基地のようなロフトに

家のタイプ:一戸建て
リノベ費用:PLUSプラン
専有面積:88.60平米
築年月:2004年
居住人数:3人

築16年の戸建てをリノベーションしたこちらのお宅は、木のぬくもりを感じられるような家にしたいというコンセプトで木材の梁をあえて見せるデザインに仕上げています。

リビングもあえて天井の梁を見せることで、白いシンプルな天井のアクセントにしているのがポイントです。

ロフト部分は、天井の傾斜と梁を見せることで、まるで秘密基地のような遊び心のある空間になっています。

木のぬくもりと無造作な雰囲気は、子どもの頃に憧れた屋根裏部屋を思わせる作りです。

こちらの事例をより詳しく知りたい方はこちらのページも参考にしてください。

リノベーションで梁を活かしたオシャレな見せ方のポイント

リノベーション事例を見ていくと、梁を活かすためのおしゃれな見せ方がいくつかあることがわかってきます。

梁を活かすオシャレな見せ方のポイントは次の3つです。

2-1.むき出しで存在感を出す

梁に塗装などを施さず、むき出しにすることも梁をオシャレに見せるひとつの方法です。

むき出しにしてあえて武骨に仕上げることで、一気にインダストリアルな雰囲気が出せます。

壁もモルタルで仕上げることで、シンプルながら素材の存在感で一味違う雰囲気も出せます。

もともと梁部分に仕上げのための化粧板などが貼ってあった場合、ボンドの跡が残ることもあります。

そのボンド跡を活かすのもオシャレにする見せ方としておすすめです。

ランダムに残るボンド跡は、それだけで梁の存在感をアップさせてくれるため、壁がシンプルな白でも空間に面白みが出ます。

2-2.照明を付ける

梁に照明を付けるのもオシャレに見せる見せ方のひとつです。

梁部分に照明を付けることで、梁のラインをより強調しながら素敵に見せることができます。

こちらはむき出しの梁の再度部分に照明を付けたリノベーション事例です。
ランダムに残ったモルタルが照明に照らされることで、より味わいのある雰囲気になります。

2-3.収納に使う

梁部分は天井よりも一段低くなっています。

またマンションの場合は鉄骨が入っており、普通の天井部分よりも強いのが特徴です。

それを活かして収納と組み合わせて使うのもよいアイディアです。

梁部分は天井より一段低くなっているので、それをフレームのように活かして見せる収納にするとオシャレ度がアップします。

例えばこちらの事例では、土間スペースの梁部分にサイクル収納スペースを付けました。

梁の部分は鉄骨が入っていますから、構造上強い部分で、重量のあるものを収納するのに向いています。

玄関のドア横の梁の下に有孔ボードを取り付け、見せる収納として活用したリノベーション事例です。

趣味の登山道具を飾るように収納することで、使いやすくオシャレな収納スペースにしています。

こちらも梁部分を収納として利用しているリノベーション事例です。

梁部分にカーテンを付けることで上手に目隠ししています。

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梁を活かすリノベーションにかかる費用

梁を活かしたリノベーションの費用は、スケルトンリノベーションした場合は梁を見せないように仕上げた場合とほとんど費用は変わりません。

梁が見えないように仕上げている場合、マンションではコンクリートの天井に下地を組み、さらに天井が取り付けられている状態です。

スケルトンリノベーションをする場合、柱や梁などの絶対に残さないといけない躯体を残し、壁材、天井材、床材をすべて取り除いてからリノベーションします。

梁が出た状態にした後、リノベーション工事で再度下地を組み、天井を取り付けるのか、それとも梁を見せた状態で仕上げるのかで工事内容は変わります。

天井を貼らないのであれば、それだけ材料などが少なく済み、安くなりそうですが、その分配管をきれいに見せる処理や、梁や天井を塗装する費用はかかってしまうのです。

普通に天井を取り付ける場合と、梁を見せる場合の費用はほとんど同じくらいかかりますから、全体の費用としては大きく変わりません。

スケルトンリノベーションではなく、天井だけをリフォームする場合、広さにもよりますが、約12畳程度だった場合は、天井材を解体して梁をむき出しにする費用は約10万円程です。

むき出しにした後、配管をきれいに見せたり、高くなった天井に合わせた照明をつける費用まで含めると、梁を見せる天井に変えるリフォーム工事には30万円から40万円程かかります。

梁を活かすリノベーションのデメリットと対策

梁を活かすリノベーションはオシャレで素敵ですが、デメリットもあります

しかし、どんなデメリットがあるかを先に知っておき、対策しておくことで、梁を見せるリノベーションを成功させることができます。

梁を活かすリノベーションのデメリットは次の3つです。

それぞれ詳しくみていきましょう。

4-1.断熱性が低くなる

コンクリートの天井や梁をむき出しにした場合、天井を付けた場合に比べて断熱性が低くなるというデメリットがあります。

天井を付けた場合、部屋とコンクリートの天井の間に天井裏があり、コンクリートからの冷気や熱を遮断してくれます。

しかし、天井を取り除いて梁をむき出しにしてしまうと、コンクリートの冷気や熱が部屋に伝わり、断熱性が低くなってしまうのです。

対策としては

  • 天井や梁に断熱塗料を塗る
  • 梁のみを出して天井材は張り天井裏を作る

といった方法で断熱性を高めて、冷暖房効率を上げることが可能です。

なお、マンション最上階の部屋の場合、外断熱が施されている物件以外は、天井や梁を剥き出しにすると夏の暑さや冬の寒さなど外気からの影響を強く受けやすくなってしまうため、基本的にはおすすめしていません。

4-2.天井や梁が結露しやすい

コンクリートは断熱性能が低い素材のため、冬暖房で暖めた空気が天井や梁のコンクリートで冷やされ、結露する場合があるのもデメリットです。

結露が生じてしまうと、水分でカビが生える可能性も高くなります。

カビが生えてしまうと、健康を害する恐れもあるため対策が必要です。

結露対策としては

  • 天井や梁に断熱塗料を塗る
  • シーリングファンやサーキュレーターで空気の循環を良くする

といったものが挙げられます。

断熱塗料で断熱効果を高めつつ、シーリングファンやサーキュレーターを使って空気を循環させることで結露しにくい環境を作るのです。

断熱性の必要性は、物件の状態や、マンションの場合は住戸位置によっても異なるため、リノベーション会社に専門的な目線で確認してもらいましょう。

4-3.上の階の物音が気になる

戸建てではなくマンションを梁を見せたリノベーションにする場合、天井を取付けない状態だと上の階の物音が気になる可能性もあります

天井裏がある場合、天井裏の空気の層が音を遮断する効果がありますが、天井を外して梁を見せたリノベーションをしてしまうと、上の階の足音や物音が天井裏がない分、響きやすくなってしまうのです。

対策としては

  • 寝室には天井を設ける
  • 天井の高さを調整し、遮音シートを施す

ことが挙げられます。

物音が気になりやすい寝室には天井を設けることで、上の階からの物音を減らすことができます。

また、完全な現し天井は避け、上げる高さを調整して遮音シートなどを施工して天井を貼りなおす、という方法で、上階からの音を軽減するという方法もあります。

家全体の梁を見せるのではなく、住まいの特徴や生活環境に合わせてメリハリのあるリノベーションプランにすることが、デザイン性と快適性を両立できるため、リノベーション会社に相談してみましょう。

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梁を活かしたリノベーションをする際の会社を選ぶポイント

梁を活かしたオシャレなリノベーションをするには、会社選びもとても大切です。

今まで見てきた素敵な事例や、オシャレに見せるポイントをいくら自分たちが理解していても、それをきちんと受け止めて形にしてくれる会社を選ばなければ理想の家にはなりません。

また、梁を見せるリノベーションのデメリットや、その対策法についても理解していなければ、見た目だけよくても住み心地の良くない家になってしまうからです。

梁を活かしたリノベーションをする際に、会社を選ぶポイントは次の3つです。

それぞれ詳しくみていきましょう。

5-1.梁を活かしたリノベーション事例が豊富

会社を選ぶポイントの1つめは、梁を活かしたリノベーション事例が豊富にあるということです。

梁を活かしたリノベーションを多く手掛けている会社なら、経験が多い分、物件の状態に合わせた的確なプランを提案してくれます。

手掛けた事例の中から、好みのデザインを選ぶことも出来ます。

リノベーション会社は、ほとんどの場合自社のサイトにリノベーション事例を紹介していますから、まずはサイトの事例をチェックしてみましょう。

5-2.プランニングと施工が丁寧

リノベーション会社を選ぶポイントの2つめは、プランニングと施工が丁寧で希望をくみ取ってくれるか、という点です。

梁を見せるリノベーションは、デザイン性が高くオシャレですが、一般的な天井の仕上げとは違い好みがはっきりしています。

一言で「梁を見せる」といっても、梁を塗装する、木材で仕上げる、ボンド跡をわざと見せるなど、さまざまな見せ方があり、設計者のデザインセンスはもちろん、住環境を損なわないかといった配慮も重要です。

また、照明や配管などの仕上げは、普通の天井の仕上げよりも技術が必要なため、より丁寧なプランニングと施工でなければなりません。

自分好みのリノベーションにするには、デザインや雰囲気をどうしたいか丁寧なヒアリングはもちろん、デザイン性と快適性を考えたプラン提案をしてもらう必要があります。

そのため、契約前に丁寧にプランニングをしてくれるかを確認したい場合は、その会社でリノベーションした施工事例などを参考に、説明してもらうなども有効でしょう。

5-3.物件探しから手伝ってくれる

会社を選ぶポイントの3つめは、物件探しから手伝ってくれるという点です

特にマンションの場合、壁式構造という構造の場合は、梁がないため梁を見せるリノベーションはできません。

購入しようと思っている物件の構造は、マンションの「平面図」と言われる図面を見れば確認できます。

しかし、平面図には専門的な記号や用語が並んでおり、専門的な知識がないと正しく読み取ることができません。

その点、物件探しから手伝ってくれるリノベーション会社なら、「梁を見せるリノベーションがしたい」という希望に合わせて物件を探してくれます。

平面図もプロが読み解いて、希望に沿っているかを確認した上で購入する物件を提案してくれるため安心です。

物件探しから手伝ってくれるリノベーション会社で、自分の理想のリノベーションを実現しましょう。

まとめ

梁を活かしたリノベーションについてご紹介しました。

梁は構造上、撤去することができない躯体部分ですが、隠すのではなくあえて見せることで、天井が高く明るい雰囲気の家にリノベーションすることができます

梁を活かしたリノベーションをオシャレに見せたい時は、

①むき出しで存在感を見せる
②照明をつける
③見せる照明に使う

の3つのポイントを押さえると良いでしょう。

梁を活かしたリノベーションは、梁を出さない普通のリノベーションと費用が大きく変わりません。

天井を貼らない分、天井材などの費用が削れますが、その分配管をキレイに見せる処理や天井や梁をコーティングする費用などがかかりますので、費用は安くも高くもならないのです。

また、梁を見せることで、断熱性が低くなるなどのデメリットも潜んでいますので、デザイン性と快適性の両面からプラン提案してくれるリノベーション会社を選びましょう。

梁を効果的にデザインするという選択肢を持つことで、より自分の好みにあった家へと変えることができますから、ぜひリノベーション事例を見て、自分の希望の家を形にしていきましょう。

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