2022.10.28 更新 2018.06.23 公開
住みながらのマンションリノベーション!2つのパターンとは?

現在「お住まいのマンションの設備が何となく古くなってきた、子どもが巣立って空き部屋ができたので思い切ってその部屋を他の使い方ができるようにしたい」といったお考えをお持ちではないでしょうか。
そのようなときは、マンションだからこそリノベーションがおすすめです。
マンションは基本的に「スケルトン・インフィル(構造体×内装・設備)」で成り立っています。鉄筋のみ、もしくは、鉄筋+鉄骨とコンクリートでできていることから、間取りの変更も比較的行いやすいものです。
今回は、「既に購入済み/居住中のマンションをリノベーションするときに知っておくべきこと」についてケースごとにご説明します。
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[著者]
ゼロリノベ編集部
元銀行員・宅地建物取引士・一級建築士が在籍して「住宅ローンサポート・不動産仲介・リノベーション設計・施工」をワンストップで手がけるゼロリノベ(株式会社groove agent)。著者の詳しいプロフィール
A.既に住宅ローンの支払いが終わっている場合
お住まいのマンションの支払いが完了し、完全に「あなたのもの」になっている場合、単純にリノベーションのことだけを考えればよいので、大きな障壁はマンション管理規約だけです。
まず、お手持ちのマンション管理規約をチェックしてください。どこまで手を入れることが許されているのかをまず理解しましょう。
*参考:管理規約とは
1-1.どのようにリノベーションしたいかを明確にする
そもそも論として、「何となく古臭いな」、「手を入れたいけれどどこをどうすればわからない」では、費用の目安さえ立たないものです。
例えば、
・水周り(バスルーム/トイレ/キッチン)だけでも新しくしたい
・室内のイメージを好みの雰囲気にしたい
・将来に向け、車椅子でも生活できるようにしておきたい
などの方向性だけでもしっかりと決めておきます。
そして、その“方向”の中でも、特に優先したいことをご自身でピックアップしておけば、予算内でどう実現できそうかを業者に相談しやすくなります。
*参考:中古マンションのリノベーション費用はいくら?相場は?
特にそのマンションを「一生の住まい」としたいのであれば、「生活のしやすさ」に重点を置かなければなりませんので、業者がバリアフリーの知識を持っているかどうかを確認しなければならないでしょう。
1-2.リビングを広くしたいとき
マンションは管理規約内で好きにリノベーションできるものとして理解されているかもしれませんが、造りによっては壁を取り去ることができないときもあります。
そのため、まずはマンション管理規約をよく読む、仮にOKであれば壁を取れるつくりかどうかを一度専門家に見てもらう、といった事前準備が必要です。
もしも取り去ることのできない壁がある場合、どんな工夫でリビングを広く見せる/使うことができるのかを、業者に相談してみてください。思い切って家具をなくし造作でまかなう、インテリアの見直しで見た目だけでも広く感じられるようにするなどのアドバイスがもらえます。
B.住宅ローン支払い中の場合
住宅ローン支払い中の際、リノベーションはまず「予算ありき」で考えなければならないでしょう。現在、支払いを続けている住宅ローンに加え、リフォームローンを組まなければならないでしょうから、「費用」と「管理規約」のふたつの壁が現れることとなります。
このときも最初にすべきことは、お手持ちのマンション管理規約をチェックして、どこまで手を入れることが許されているのかを理解しておきましょう。
2-1.予算の確定
支払い中の住宅ローンと、新たに組むであろうリフォームローンとの兼ね合いで、月々いくらまでなら支払えるのかを確認します。現在支払いをしている金融機関へ出向き、リノベーションを考えている旨を伝えます。
金融機関によっては、「現在の住宅ローン+リフォームローン」を住宅ローンの借り換えで1本化することを提案してくれるかもしれません。借り換えに成功できれば、返済期間こそ長くはなりますが、月々支払額をこれまでどおり、もしくは少しアップする位で収まることも考えられます。
もちろん、他の金融機関に当たってみることもおすすめです。2018年現在、住宅ローンの金利は史上最低水準とも言われているため、マンションの資産価値や年収によっては「貸したい」と思ってもらえる可能性もあるからです。
ネット専業銀行であれば、わざわざ出向かなくとも、オンライン相談(多くの場合は平日夜遅くまで/土日祝日も対応)ができますので、忙しい方でも気軽に問い合わせができます。
2-2.最初から「作り込まない」プランを検討
住宅ローンを支払い中の方の大半は、まだお子さんと一緒に暮らしていらっしゃるのではないでしょうか。そのようなときは、理想どおりにがっちりと作り込まず、ある程度“余白”を持たせたリノベーションをおすすめします。
そうすることで、予算を低く抑えることができるでしょうし、将来お子さんが自分の部屋に希望を持ち始めたときや、家族構成が変わったときに対応しやすくなります。
また、個性の強すぎるリノベーションを行ってしまった後、転勤などの理由でそのマンションを手放さざるを得なくなったとき、売りづらい物件となってしまう可能性も抑制することができます。
これらを総合的に考えたとき、余白の残っているリノベーションはひとつの考え方として大いに検討していただきたいものです。
【共通】リノベーション中の暮らしはどうなる?
住宅ローンを支払い終わっていても、現在支払い中でも、リノベーションは「家の一部が使えない/使いづらくなる」時期が生じます。
どこまで手を入れるかにもよりますが、スケルトンリノベーションなど、規模によっては一時期他の場所に住む(仮住まいをする)必要が生じるかもしれません。その場合、最低限の荷物を携え、賃貸物件へ移る、短期間ならホテルやマンスリーホテルに滞在するといったことを考えなければならないでしょう。
*参考:スケルトン工事とは
また、家財道具を一時保管してくれる業者を探さなければならないかもしれません。もし家財道具一式を移動させなければならないときは、オプションで荷物預かりをしてくれる引っ越し業者を探すのもひとつの方法です。
仮にリノベーションしたい箇所が少なく、期間は短くても、ゴミやホコリが舞うことは避けられません。健康の面から考えても、最低限の仮住まいは検討すべきでしょう。これらの手間や費用も、充分に考えておく必要があります。
そして、重要なのは、工期に遅延が起きないことです。工期どおりに進まなかった場合、仮住まい費用がアップしてしまいますし、予定の日時に再度の引っ越しができず、荷物預かり費用もあがることでしょう。
この問題を回避するため、工事遅延の補償はあるかの確認するようにしてください。そして、時々施工の様子を見に行き、工事がスムーズに進むよう業者に協力する手間を惜しまないようにしましょう。
まとめ
今回は、今お住まいのマンションをリノベーションするときの考え方やコツについてご説明しました。既にそこでの生活をスタートさせた後のリノベーションは、その規模によっては、一時的に他の場所で生活しなければならないことも往々にしてあります。
今回の記事で特にご記憶いただきたい大切なポイントは、次の3点です。
1.漠然と「リノベーションしたい」と考えず、どこを優先するべきか、暮らし方に沿ったリノベーションは何かを自分なりに整理しておく
2.マンションのリノベーションは「マンション管理規約」で範囲が定められているので、事前にしっかり確認しておく
3.大規模なリノベーションの場合、仮住まい+引っ越し費用が必要となることも。リスクを減らすためにも、工事遅延の補償はあるかの確認をしましょう。
リノベーション設計から工事までのスケジュール詳細は「中古マンションリノベ。設計からお引渡しまでの5つのステップ」をお読みください。
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