2022.03.03 更新

リノベーションでウォークスルークローゼットを作る4つのメリットと注意点

「ウォークスルークローゼットってウォークインタイプとどう違うの?」
「ウォークスルークローゼットにしたときのデメリットは?」

リノベーションの検討中に、このような疑問をお持ちではありませんか?

二つの出入口を持つウォークスルークローゼットは、通り抜けできるメリットを最大限に活用することで、より生活動線が便利に機能します。そのため、住まいのどの場所に配置するかがポイントです。

この記事では、これからウォークスルークローゼットを検討する方に向けて、

  • 「ウォークインクローゼット」との違い
  • リノベーションするときの費用相場
  • 間取りに取り入れる際のメリットと注意点
  • 具体的なウォークスルークローゼットを配置した実例

などをご紹介します。間取りを計画する際の参考にしてください。

Advisor

一級建築士 アドバイザー 西村 一宏

[監修]一級建築士

西村 一宏

リノベーション・オブ・ザ・イヤーを受賞した設計・施工部門の責任者としてゼロリノベ建築を担う。著者の詳しいプロフィール

Author

“【著者】ゼロリノベ編集部"

[著者]

ゼロリノベ編集部

元銀行員・宅地建物取引士・一級建築士が在籍して「住宅ローンサポート・不動産仲介・リノベーション設計・施工」をワンストップで手がけるゼロリノベ(株式会社groove agent)。著者の詳しいプロフィール

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ウォークスルークローゼットの基礎知識

ウォークスルークローゼットとはどのような機能をもつ収納スペースなのか、きちんと理解できていない方もいるかもしれません。改めて特徴からご紹介します。

1-1.ウォークスルークローゼットとは

ウォークスルークローゼットは、クローゼットの中を通り抜けられることを特徴とする収納スペースです。「通り抜けできる」ということは、基本的に出入口が二つあることになります。

住まいのどの位置に配置するかで生活動線に影響がありますが、クローゼットを通り抜けてそのまま他のスペースに移動できることで、部屋と部屋をつなぐ廊下のような使い方も可能です。

クローゼットといえば、主に衣類を収納する目的のために使われることが多いですが、ある程度の広さを持つウォークスルークローゼットでは、衣類の他にもスーツケースやゴルフ用品、スキー用品、贈答品の保管や食器類など、置き場所に困るような大きな荷物や季節用品なども一括で収納できます。

ウォークスルークローゼットは、欧米ではスタンダードな収納方式です。できるだけ最短距離で効率よく収納場所に移動するためには、ウォークスルークローゼットが最適なのでしょう。

また、欧米人は体格も大柄ですから、オープンで広々した空間が使いやすいと考えられます。

1-2.ウォークスルークローゼットとウォークインクローゼットの違い

ウォークインクローゼットとウォークスルークローゼットの違い「ウォークスルークローゼット」とよく似ているものに「ウォークインクローゼット」があります。どちらも人が入ることができる収納専用の部屋ですが、二つの違いは「通り抜けできる」かがポイントです。

ウォークインクローゼットは、あくまで1箇所からのみ出入りするものですから、通り抜けられる機能を持つウォークスルークローゼットとは、明確な違いがあるのです。

1-3.ウォークスルークローゼットのリノベーション費用の相場

リノベーションでウォークスルークローゼットをつくるときの費用は、20万円~50万円ほどが目安です。

既存の部屋を活用する場合と新しく部屋をつくる場合でも費用は異なりますが、棚の取り付けや床板の張り替え、張り増しを行う場合には、さらに費用がかかります。

リノベーションでウォークスルークローゼットを設置するメリットと注意点

ウォークスルークローゼットを設置することで、暮らしにどのようなメリットが生まれるか、また注意点についてもご紹介します。

2-1.メリット

メリットとしては、次のようなことが挙げられます。

  • スペースを有効活用しやすい
  • 衣類に優しい収納環境を構築しやすい
  • 家事を効率化させやすい
  • おしゃれに収納しやすい

それぞれ、詳しく説明していきましょう。

スペースを有効活用しやすい

2箇所の出入口があるため回遊性が高く、収納として活用することはもちろん、通路としても機能的でスムーズな動線になることが大きなメリットのひとつです。

各個室に収納スペースを確保することが難しいコンパクトな物件でも、まとまった収納スペースが設置できます。

また、部屋と部屋の間にウォークスルークローゼットを設置する場合、ひとつながりの空間になるため、実際の面積よりも広がりが感じられる効果も期待できます。

衣類に優しい収納環境を構築しやすい

扉付きの一般的なクローゼットよりも採光が取りやすく風が通り抜けて換気がよいため、カビや臭いの発生が抑えられます。

人が通り抜けられるということは、空間にゆとりがありますから、通気性も優れています。カビは衣類の大敵ですから、1年を通してよい収納環境が維持できます。

家事を効率化させやすい

ウォークスルークローゼットは家事の効率化にも役立ちます。

通常、取り込んだ洗濯物を収納するには、各個室のクローゼットを渡り歩かなければなりません。しかし、家族の衣類をまとめて収納するウォークスルークローゼットなら、一度で済みます。洗濯物は毎日のことですから、家事の時短が期待できます。

おしゃれに収納しやすい

パイプハンガーや棚、引き出しなどを自由にレイアウトしてお店のディスプレイのように配置すれば、おしゃれな収納スペースになります。

広々としてオープンな空間に陳列すれば一目で見渡せますから、うっかり重複して衣類を購入してしまうことも防げます。

2-2.プランニングする際の注意点

ウォークスルークローゼットをプランニングに取り入れるときは、次のようなことに注意しましょう。

配置場所

配置場所は生活動線に影響する部分ですから、特に注意したいポイントです。通り抜けできるように設置するには、ある程度のスペースが必要です。物件の広さによっては設置が難しいケースもあります。

「動線がよいから」という理由から、キッチンなど水回りのすぐ近くに設置したいと考える方もいるかもしれませんが、湿気がこもりやすくなったり、臭いが衣類に移りやすかったりする可能性があります。通風を考慮して収納環境が悪化しないように気を付けましょう。

効果的な収納計画

クローゼット内の通路スペースを広く取りすぎると、収納できるエリアが少なくなってしまいます。どの部屋とどの部屋をつなげると収納力もあり動線も機能的になるのか、設計士と相談しながらしっかりとシミュレーションして計画することが大切です。

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リノベーション時にウォークスルークローゼットを設置しやすい場所

ここでは、スペースも動線もよい条件が整うウォークスルークローゼットを設置するには、どのように計画すればよいか、具体的なレイアウト事例をもとにご紹介します。

3-1.玄関~リビング

玄関からリビングに向かう途中にウォークスルークローゼットを設置すると、帰宅後の着替えもしやすく機能的です。

シューズクロークの役割も兼ねたクローゼットなら、コートや靴を脱いで部屋着に着替えるのも容易ですし、濡れたコートや花粉が付着した服をリビングに持ち込まずに済みます。ゴルフバックや傘などアウトドアで必要な物も収納できるメリットもあります。

3-2.寝室~リビング

寝室とリビングの間に設置すると、日常の生活動線が便利になります。起床してから、または就寝するときの身支度が効率よくできます。

また、ついついリビングに着替えを置きっぱなしにしてしまうことも防ぐことができるでしょう。廊下や階段など部屋からの移動途中にあるスペースを活用するのがおすすめです。

3-3.キッチン~洗面所・バスルーム

キッチンから洗面所やバスルームの間に設置すると、衣類の管理が楽になります。取り込んだ洗濯物の収納も一度に整理できるため、家事の負担が少なくなるでしょう。

キッチンの近くに位置すれば、料理や洗い物など家事をしながらの掃除、洗濯などもしやすくなるほか、キッチンまわりの保存食品や調理器具などを保管するパントリーとしても活用できるでしょう。

リノベーション時のウォークスルークローゼットの主な間取り

ウォークスルークローゼットの中を通路スペースと収納スペースに分ける間取りの種類は、主に「I型」「Ⅱ型」「L型」の3つがあります。それぞれを詳しく解説していきましょう。

4-1.I型

I型は、通路スペースと収納スペースが左右に分かれているパターンです。

部屋の片側だけに収納スペースを確保しており、廊下が狭い場合でも配置しやすいのが特徴です。欧米と比べて家や廊下の面積が小さい日本の住宅には、取り入れやすい間取りといえます。
ウォークスルークローゼットI型

4-2.Ⅱ型

Ⅱ型は、通路を挟んで両側に収納スペースがあるパターンです。

収納力があり左右を見渡せるため目的のものが探しやすいことが特徴です。インテリア性が高く見た目にもおしゃれな雰囲気になりますが、ある程度の設置スペースが必要です。

4-3.L型

L型は、文字通り折れ曲がった形に収納スペースを確保するパターンです。

通路の角や階段下などデットスペースを有効活用できるのがポイントです。また、I型やⅡ型のように2箇所の出入口を一直線に取ることが難しい場合でも、L型にすることで出入口の場所を移動できる可能性があります。限られたスペースを活用するリノベーションにもおすすめです。

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ウォークスルークローゼットの実例

ここからは、ウォークスルークローゼットを活用しているリノベーション実例をご紹介していきます。間取りに取り入れたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

5-1.単なる収納ではなく身支度をするための専用スペース

ウォークスルークローゼット事例大好きな洋服をおしゃれに、且つたくさん収納できるウォークスルークローゼットにリノベーションした事例です。

玄関からリビング、洗面所からキッチンにも回遊できるサーキュレーションプランでとても機能的な生活動線になっています。

POINT
物が増えても対応できる広いスペースと収納力
将来的に子供部屋として仕切っても回遊できる配置

玄関ホールと個室の壁を取り払い、廊下スペースを移動。住まいの中央にウォークスルークローゼットを配置させることで、どこに移動するときもグルグル回遊できます。

ウォークスルークローゼット間取りパッと見ただけでは、大容量の収納が隠されているとは気付きません。片付けやすく取り出しやすい、収納のお手本のような住空間です。

ウォークスルークローゼット事例この事例を詳しく見るならこちら>>

5-2.散らかりやすい荷物はウォークスルークローゼットに収める

ウォークスルークローゼット事例生活感を感じさせず、調度品が映える暮らしを実現しているリノベーション実例。普段使いの荷物などは空間の死角になる場所にウォークスルークローゼットを設置して、目に触れないように工夫されています。

POINT
建具を最小限にして風が通り抜けるひとつながりの空間に
家具にフォーカスされるように荷物は見えない位置に収納

LDKも個室もゆるやかにつながる回遊プラン。建具をなくして通気性のよい住空間になっています。生活感が出てしまう普段使いの荷物は、ウォークスルークローゼットとして目に触れない位置にあるため、雑多さを感じさせません。

ウォークスルークローゼット事例寝室の脇に配置されたウォークスルークローゼット。通り抜けるとキッチンやダイニングにも最短距離で移動することができます。壁一面に陳列されて一目で見やすく、取り出しやすい工夫があります。

ウォークスルークローゼット事例この事例を詳しく見るならこちら>>

まとめ

通路としても活用できるウォークスルークローゼットは、設置する場所によって快適な生活動線を手に入れることができます。

最後に、この記事の概要をおさらいしましょう。

◎ウォークスルークローゼットとウォークインクローゼットの違い

ウォークインクローゼット:出入り口が2つあり、通路の機能を兼ねる
ウォークスルークローゼット:出入り口は1つで個室型のクローゼット

◎ウォークスルークローゼットのメリットは4つ

  • スペースを有効活用しやすい
  • 衣類に優しい収納環境を構築しやすい
  • 家事を効率化させやすい
  • おしゃれに収納しやすい

複数の部屋から出入りできるようにしたい、風通しを確保したい人に向いています。
特に、①玄関〜リビング間、②寝室~リビング間、③キッチン~洗面所・バスルーム間に設計すると使いやすくなります。

◎ウォークスルークローゼットをつくるときの注意点は2つ

  • 水回りなど湿気がこもりやすい場所につくる場合は換気に注意
  • 通路部分をどれだけ取るかで収納力が変わるのでバランスに注意

以上の点を踏まえ、希望の収納力と動線のよさを叶えるクローゼットをつくりましょう。

リノベーションを検討している方は、状況に合わせて4つのコースから選択できるゼロリノベをご検討ください。物件探しからリノベーションまでワンストップのサービス体制が整いスムーズなリノベーションが可能です。

また、デザイン性はもちろん、暮らしやすい間取りや収納計画も合わせて提案しています。将来的な間取りの可変性も考慮した自由な空間をゼロリノベで実現してみませんか。

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