2021.06.01 更新

【取材企画】「ミニマリズム」を追求した商品が暮らしを何倍も豊かにします

サンワカンパニー取材01

株式会社サンワカンパニー
(左)商品部 開発課 大澤康弘さん
(中)マーケティング部 企画デザイン課 マネージャー  糴川康次郎さん
(右)マーケティング部 広報課 松本明莉さん

ゼロリノベにご協力くださっている会社様を取材させていただき、ものづくりへの思いや理念をお聞きする企画。今回取材させていただいたのは株式会社サンワカンパニーです。

デザイン性、機能性に優れたキッチンや洗面台など、住宅設備の企画開発・販売を手がける株式会社サンワカンパニー。1979年創業、2013年東証マザーズ上場を果たし、今、世界が注目する同社の商品は、リノベーションを考える若い世代を中心に建築業界関係者からも常に熱い視線を集めている。サンワカンパニーが掲げるデザインコンセプトに迫り、人気商品の理由とその背景について聞いた。

 

リノベ世代と合致している商品づくり

サンワカンパニー取材02

 

サンワカンパニーが商品を作る上で大切にされていることを教えてください。

糴川 特に大事にしているのがデザインです。いいデザインがいい毎日につながるという考え方なのですが、それは見た目の意匠だけではありません。使い勝手や機能を総称してデザインと捉えています。価格も一つのデザインですし、過剰な機能を追い求めず、最小限の機能を持つというのもデザインです。

デザインコンセプトを「ミニマリズム」とうたわれていますね。

糴川 デザインのミニマリズムとしては、モダンが好きな方もトラディショナルが好きな方もいる中で、どんな空間にも合わせられるよう、できるだけ華美な装飾や無駄なラインをそぎ落としていく。使い切れないような機能は省いていくことで、必要最小限にしていくという考え方です。昨今、ライフスタイルとしてミニマルが流行していますが、それに乗っているというわけではないんですよ。これは企業コンセプトにも通じるんですが、もともと当社は商社や流通業者が入る部分をカットし、流通を簡素化することでコストダウンを図ってきました。このビジネスモデル自体がミニマリズムなんです。長く使えるものを提供するために、時代に左右されないシンプルなデザインを生み出していくことは、結果的にたくさんの方に商品をお使いいただくことにつながると確信しています。

そのほかに、他社との差別化をあげるとするとどんなことがありますか。

糴川 スピードでしょうか。商品開発においては1~2年かけて取り組むところも多いですが、当社は出来るだけ最短に展開しています。早ければ構想から発売まで半年というものもあります。もちろん世界のトレンドを意識し、意匠的にも差別化を図っています。

リノベーションの観点から人気のある商品、選びやすい商品について教えてください。

糴川 リノベーションに関わらず、新築でも住宅や店舗でも、どんな空間にでも合うような商品づくりを念頭に開発しています。当社の商品ターゲットは30~40代の若い世代で、デザイン性にもこだわる感度の高い方を意識しています。その部分においては、リノベーションをお考えになる世代と合致していますね。

松本 30~40代の方はもちろん、実際に購入いただく方の中には50~60代の方も多いです。ミニマルなデザインを気に入っていただいてお選びいただくようですが、年齢に関わらずこだわりが強い方が多いというのも当社のお客様の傾向と言えそうです。リノベーションを考える方もこだわりをお持ちの方が多いと思いますので、相性が良さそうです。

 

ミニマルデザインだからどんなタイプにも合わせられる

ゼロリノベユーザーからの注文も多い、人気のキッチンについてご紹介ください。

松本 オールステンレス仕上げのシステムキッチン<グラッド45>です。シャープなデザインが人気ですが、サイドパネルや扉の小口を見せない留め加工をはじめ、足元の蹴込み部分を控えて作業性を良くしたり軽やかに見せるなど、細部に工夫をしてスッキリしたデザインに仕上げています。他社のステンレスキッチンと比べてリーズナブルな価格で提供していることも若いファミリー世代から人気の理由です。

サンワカンパニー取材06b

大澤 大容量収納とシンプルなデザインの<プレーンKミディアム>も人気です。発売から10年ほど経過していますが、デザインは当初のままです。飽きないデザインで、個人的には一番サンワカンパニーらしいキッチンかなと思います。

糴川 この商品は意匠と価格のバランスが抜群にいいですね。キッチンに特別なこだわりはないけれど、野暮ったいのは嫌という方からリクエストいただいています。真っ白で何も手を加えていないけれど、しっかりデザインされていて廉価であるということで、建築家の方にも好んでお選びいただいています。

サンワカンパニー取材08

プレーンKミディアム_施工例

その時代に合わせてバージョンアップしていく商品もあるのですよね?

糴川 はい、商品によっては変えていきます。たとえば木目などはトレンドが変わっていきますから。ただし形状で言えば当社はトレンドにとらわれず、ミニマルデザインで統一しているので変更は少ないですね。

大澤 ミニマリズムをそのまま表現しているような商品といえば、その名も<ミニマルプラス>という名のレンジフードです。とにかくシンプルで照明もついていません。すべてを省き最小限の機能だけを残した商品ですが、梁がある、天井が低いなどリノベーションで制約のあるキッチンにも設置できるため人気です。

サンワカンパニー取材10

ミニマルプラス_施工例

洗面台なら<プレーンV>が人気です。もう一つ、コンパクトキッチンに<プレーンKプティ>という商品があり、こちらはワンルームや二世帯住宅などでも人気です。

サンワカンパニー取材09

プレーンV 引き出しタイプ_施工例

 

理想の空間作りを選ぶ楽しみからお手伝いしたい

お客様からの声や反響はいかがですか?

松本 サイトに施工事例を載せていただく機会も多いのですが、決まったテイストのお宅ばかりでなく、いろいろな個性のお宅でお使いいただいているのが特徴かなと思います。どんなタイプにも合わせられるミニマルデザインの強みですよね。お客様の中には、当初は建売りで考えていたけれど、工務店から出された洗面台やキッチンが気に入らず、ようやくサンワカンパニーにたどり着いて一目ぼれして決めました! という嬉しいお声を聞くことがあります。たとえば<グラッド45>はステンレスですから指紋が目立つんです。でもほれ込んだキッチンだからお手入れの手間も厭わない、楽しいとお話しいただきました。

商品を選ぶ際のポイントがあれば教えてください。

松本 ショールームでもカタログでもそうですが、たくさんの商品を見ていると最初のイメージがぶれてしまったり、結局どうしたらいいのかわからないということになってしまいがちです。そんな時はコーディネーターや工務店の方と一緒に来場していただくことをおすすめしています。近年はそのスタイルが増えていますね。もちろんショールームにもスタッフはおりますので、予約をしていただければ、スタッフがお手伝いさせていただきます。

予想を超えた反応や反響があった商品はありますか?

糴川 売れると思って出していますので (笑)。でも<グラッド45>の評判はこちらのねらいをはるかに超えたといえるかもしれません。一見するとキッチンに見えないとか、洗面らしさを消すなど、より家具やインテリア、空間の中で目立たない存在にすることも意識してものづくりをしているので、お選びいただいた理由がシンプルな機能やミニマルなデザインであることはまさにねらい通りというところで、うれしい反響ですね。私たちが社内で使っている言葉に「サンワカンパニーが提供するのは、モノではなく空間です」というフレーズがあるのですが、その空間づくりをお手伝いしているのだという自負もあります。

松本 予想を超えた反響といえば、当社の商品はPinterestやRoomClipなどインテリア関連のSNSで数多く紹介いただいています。サンワカンパニーの商品や社名で検索でき、SNS内で盛り上げてくださっているという自然発生的な現象があります。またInstagramでもこんな家にしましたとか、ショールームに行ってきましたという写真が掲載されることも多いんです。現在はショールームも撮影OKとしていますので、ぜひ商品選びの入口から楽しんでいただければと思います。

では最後に、サンワカンパニーさんが考える家づくりの楽しみとは何かを教えてください。

糴川 家づくりは元々楽しいことだと思っているのですが、実際に始めるとなかなか楽しみきれいないお客様も多いのではないでしょうか。駅からの距離とか、機能など条件面だけで選んでいる方もいらっしゃるでしょうし、ハウスメーカーや工務店によっては、このメーカーしか使っちゃダメというところもあるのが実情です。そういうのを変えていきたいというのが、そもそもサンワカンパニーの始まりのところにあります。毎日暮らす空間をつくるときに、妥協して作ったものや選んだものはずっとストレスに感じると思うんです。自分で納得して建てた家、購入した商品に囲まれていれば、家づくりを楽しんだ先に豊かな暮らしが続いていくと思います。これからもその空間づくりのお手伝いをできるよう努めてまいります。

取材協力:株式会社サンワカンパニー

(取材/住川禾乙里、ライター/栗原晶子)

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