2022.10.28 更新

スケルトンリフォームの費用はいくら?リノベとの違いや会社選びのコツを解説

近頃よく耳にする「スケルトンリフォーム」。一体普通のリフォームとどう違うの?リフォームとリノベーションの違いは何?と気になることがたくさんありますよね。

中古物件をリフォームやリノベーションをして住宅を購入するケースが増えている現在、知っておいて損は無い「スケルトンリフォーム」。概要や後悔しない会社選びのコツなどをご紹介していきます。

Advisor

一級建築士 アドバイザー 西村 一宏

[監修]一級建築士

西村 一宏

リノベーション・オブ・ザ・イヤーを受賞した設計・施工部門の責任者としてゼロリノベ建築を担う。著者の詳しいプロフィール

Author

“【著者】ゼロリノベ編集部"

[著者]

ゼロリノベ編集部

元銀行員・宅地建物取引士・一級建築士が在籍して「住宅ローンサポート・不動産仲介・リノベーション設計・施工」をワンストップで手がけるゼロリノベ(株式会社groove agent)。著者の詳しいプロフィール

\一級建築士監修のWEBセミナー開催中!/

スケルトンリフォームとリノベーションの違い

1-1.リフォームとリノベーションの違い

「リフォーム」は、一般的に「修復、原状回復」の意味を持ち、マイナスの状態からゼロに戻すことを指します。

一方で「リノベーション」は「革新、刷新」という意味で、もともとの建物を生かしながら新しい付加価値のある空間を創造する意味合いで使われます。

古くなった設備を交換する、雨漏りを直す、傷んだクロスを張り替える…などはリフォームとなり、家の中の一部だけをリフォームする場合は「部分リフォーム」、住宅全体をリフォームして新築時のように戻す場合は「フルリフォーム」と言います。

その中でも間取りをリモデリングしたり、内装を一新させて、空間からライフスタイル自体を大幅に変えられるようなものはリノベーションと分類されます。

1-2.スケルトンとは?

「スケルトン」とは、骨組という意味です。柱や梁など、建物の主要な躯体を残しそれ以外を全て撤去した状態を「スケルトン」と呼びます。

スケルトン工事は普段は隠れて目に見えない内部まで確認した上で工事するため、傷みの激しい部分は補修・交換をして、建物そのものの耐久性をアップできるのがメリットです。

1-3.「スケルトン・リフォーム」≒「スケルトン・リノベーション」

「スケルトンリフォーム」や「スケルトンリノベーション」という言葉は、対象物件を骨組になるまで解体し、全て刷新するという意味ではほぼ同義の内容と考えて良いでしょう。

ただのリノベーションの場合はスケルトンにはせず、見える箇所だけを変更することになりますが、スケルトンリフォーム、スケルトンリノベーションは間取りや設備の位置などをゼロの状態から作り変えることで、新築時以上の空間づくりが実現できます。

スケルトンリフォームでできること

スケルトンリフォーム≒スケルトンリノベーションであることを前提に、具体的にどんなことができるのか見ていきましょう。

2-1.間取り

元の建物を全て骨組みまで解体してしまうので、元の間取りにとらわれずに一から空間をレイアウトできます。3LDKなど細かく仕切られていた空間をつなげて広々としたLDKにしたり、収納を広く設けたり、家事がしやすい動線の水回り配置にしたりと、自分が理想とする暮らしを実現するための間取りへと自由に変化させられます。

2-2.設備

古いキッチンや水回りも、最新のシステムキッチンやおしゃれな造作洗面台などへ交換することができます。浴槽やトイレも設備に含まれます。

古い物件で時代を感じさせる設備デザインだったとしても、使いやすくおしゃれな設備にすれば、間取りの変更と併せて、まるで注文住宅のように自分の希望を反映できます。

2-3.インテリア

賃貸物件や、中古物件の無難でありふれたインテリアは好みではないという方も多くいらっしゃるでしょう。

スケルトンリフォームでは使う素材も一からセレクトできるため、無垢材のフローリングや壁の色も思いのまま。ナチュラル風か、モダンか、和風か、カフェ風か…空間全体を自分だけの個性を生かしたオリジナルのインテリアにできるのは大きなメリットです。

2-4.マンションの場合は変えられない箇所もある

マンションのスケルトンリフォームの注意点は、生活空間である室内の「専有部分」とバルコニーや廊下などの「共有部分」があることです。リノベーションで手を加えられるのは「専有部分」のみ。例えば、窓サッシや玄関ドアの外側などは共有部分にあたるため変更できません。

また配管やマンションの設備、構造によっては間取り変更に制限がある物件もあります。事前にリノベーション会社に確認をしてもらい、希望の工事を実施できる物件かどうかを吟味しておきましょう。

>>おすすめ記事:リノベーション(スケルトンリフォーム)でここまで変わる!ビフォーアフター10選

\一級建築士監修のWEBセミナー開催中!/

スケルトンリフォームの費用と相場

3-1.一戸建て住宅

一戸建て住宅をスケルトンリフォームした場合、坪単価で換算すると約17万~49万円と幅があります。戸建住宅は築年数によって耐震補強の必要度合いや断熱改修など必要な工事範囲が異なるためです。また、採用する設備や素材のグレードも工事費用に影響します。

スケルトン状態にしなければ行えない耐震改修や断熱リフォームなど、後から変えられない箇所を優先して計画を進めると良いでしょう。

3-2.マンション

マンションの場合は、平米単価15万~25万円程度が一般的なスケルトンリフォームの相場です。ただし、バスやトイレ、キッチンなど坪数に関わらず必要な設備の費用がかかるため、狭い物件ほど坪単価は高くなります。

もちろん設備や素材にこだわる場合はさらに予算がかかる場合もありますが、戸建のように耐震改修などの工事が無い分、他の部分に費用をかけることができるでしょう。

*参考:スケルトンでリノベーションしたときの費用や相場は?

おすすめの会社の選び方

スケルトンリフォームのように、規模の大きな家づくりは人生の中でも一大イベントです。住み始めてからの暮らしに関わるため不安も大きく、安心して任せられる会社へ依頼をしたいですよね。

ニュースでも大企業の不祥事が頻繁に取り上げられるように、今の時代「会社の規模が大きい=質が良い」とは言えなくなりました。広告やCMでよく見かけるから、地元の大きい企業だからという理由だけで良し悪しは判断できません。

スケルトンリフォームは暮らしのディテールを作り上げていく過程が重要なポイントになるため、些細な相談もしやすい担当者との出会いが成功の鍵となります。自分の思いを汲み取ったアドバイスをくれたり、元の建物の良い部分を生かしてコストを抑える方法を提案してくれる担当者かどうかを会社選びの判断基準にしてみましょう。

信頼できる担当者と良い関係が築ければ、満足度の高い家づくりに一歩近づきます。

4-1.予算が膨らまない定額制

大きな工事になるからこそ、総額がいくらになるのか不安になるものです。相場というふんわりした予算ではなく、実際にかかる金額がいくらなのか、明確にわかっていると安心です。

会社によっては、スケルトンリフォームの工事費用を定額制で価格設定をしているところもあるので、ぜひ検討してみましょう。

セレクト型

あらかじめ決められた設備ラインナップから組み合わせを決める会社です。設備のパターンが決まっているため、実例を確認しながら選べます。時間やコストが削減でき、予算を抑えながら安定したデザインを実現できます。

自由設計型

経験とアイデアが豊富な設計士に相談できる自由設計の会社です。住まい手の思いをじっくりと聞きながら、設計士が建物に合わせたオリジナルのプランを立ててくれます。

セレクト型の定額プランよりもコストはやや上がるものの、暮らしをしっかりと見つめた提案をしてくれるため、満足度は高くなるでしょう。

定額制でも会社によって特徴が違うため、複数の会社を比較して自分に合っている会社を見つけるようにしましょう。

ちなみに、ゼロリノベは定額制ではありませんが「面積によって基本料金が決まるプラン」を3種類用意している自由設計型です。詳しくはこちらをご覧ください。

4-2.リフォーム会社orリノベーション会社

スケルトンリフォームを検討していると、リフォーム会社とリノベーション会社の違いがわからなくなるかもしれません。

リフォーム会社は、元の建物をまるで新築のように綺麗な状態に戻すのが得意です。一方、リノベーション会社は、例えばヴィンテージ風など味わいのある内装や、おしゃれなショップのような個性的なインテリアを実現するのが得意な会社が多い傾向です。WEBサイトの施工事例を見てみると、その会社の得意なデザインをみることが可能です。

4-3.物件探しからするならワンストップ会社

リノベーションする物件探しから始める場合は、物件の購入前から相談ができるワンストップのリノベーション会社を選ぶのがオススメです。

リノベーションに適した物件が探しやすくなりますし、物件により工事できる・できない部分も事前に調べてもらえます。また、住宅ローンの相談をしたい場合にも適切なアドバイスが受けられるでしょう。

ワンストップリノベーション会社を掘り下げるとさらに2種類に分かれます。

オールワンストップリノベーション

物件探しからリノベーションの設計、施工まで一貫して「自社」で行ってくれる会社。ゼロリノベはこの形態です。

パーシャルワンストップリノベーション

設計会社がメインで、提携先の不動産会社へ物件探しを依頼したり、施工を工務店へ依頼をするスタイルを取っている会社。工事費とは別にコンサル料がかかるのが一般的です。

*おすすめ記事:自分にピッタリのリノベーション会社の選び方がわかる6つの手順

\一級建築士監修のWEBセミナー開催中!/

まとめ

ゼロからプランニングすることで、さまざまなアイデアを実現できるスケルトンリフォーム。こだわりや理想を詰め込んだ住まいを作り出せるのが最大のメリットですから、プランニングを始めてから「これはできない」「あれはできない」という予想外の制限は防ぎたいものです。会社選びや物件選びを特に重視してみてください。

無料オンラインセミナー開催中!

無料セミナー

友だち追加

お問い合わせ