2023.07.21 更新

家を買うタイミングは早めがおすすめ!理由をデータで解説

家を買うタイミングは早めがおすすめ!理由をデータで解説

「みんなはどんなタイミングで家の購入を決めているの?」
「家を買うタイミングはいつが良いのか知りたい」

このように悩んでいませんか?

家は人生のなかでも大きなお買い物のひとつなので、ベストなタイミングで購入したいですよね。

そこで今回は、年齢や世帯収入、ライフステージ、住宅ローンなどさまざまな観点から、どのようなタイミングで家を購入する人が多いのかを紹介し、おすすめのタイミングはいつなのかを解説します。

あなたにとってベストな家を買うタイミングを見極める参考になると幸いです。

Advisor

一級建築士 アドバイザー 西村 一宏

[監修]一級建築士

西村 一宏

リノベーション・オブ・ザ・イヤーを受賞した設計・施工部門の責任者としてゼロリノベ建築を担う。著者の詳しいプロフィール

Author

“【著者】ゼロリノベ編集部"

[著者]

ゼロリノベ編集部

元銀行員・宅地建物取引士・一級建築士が在籍して「住宅ローンサポート・不動産仲介・リノベーション設計・施工」をワンストップで手がけるゼロリノベ(株式会社groove agent)。著者の詳しいプロフィール

\一級建築士監修のWEBセミナー/

住宅ローンと金利による家を買うタイミング

住宅は高価な買い物であることから、住宅ローンを組むのが一般的です。ここでは住宅ローンと金利による、家を買うタイミングの特徴をご紹介します。

1-1.健康なうちに安心予算で家を購入する

住宅の購入は、なるべく早く「健康なうちに」済ませるのがおすすめです。

それは、病気や事故などで健康を損なうと、多くの金融機関で住宅ローンの融資条件としている団体信用保険に加入しづらくなるためです。

住宅金融支援機構のフラット35であれば団体信用保険の加入は任意ですが、選べる物件が限られるのがデメリットです。

もし住宅購入前に健康を損なってしまった場合、経済的には何の問題もなく十分購入できるのに、健康面を理由としてローンが組めずに購入できなくなるかもしれません。

そのため住宅ローンを組んで住宅を購入しようと考えている方は、借入条件の1つである「健康」なうちが、ベストなタイミングといえるのです。

1-2.最長の35年ローンを組める年齢で家を購入する

住宅ローンは多くの場合、年齢の条件と最長の返済期間が決められています。一般的な住宅ローンの利用条件をまとめてみました。

住宅ローンの一般的な借入条件をまとめた表完済時の年齢が81歳未満であることを考えると、最長の35年でローンを組むには46歳未満で借り入れなければなりません。

借入れ額が同じと想定した場合、若いうちに住宅ローンを組んだほうが、返済期間を長く取れるうえ、毎月の返済額も抑えられます。住宅ローンを組むのであれば、できるだけ若いうちに住宅の購入を検討するのが良いといえるでしょう。

1-3.住宅ローンを長期で組み低金利で借りられるうちに家を購入する

続いて金利面から、家を買うタイミングを考えてみましょう。

1-3-1.長期で住宅ローンを組むと月々の返済金額を抑えられる

住宅ローンでは、借入額の数パーセントを利息として支払います。長期でローンを組むと、月々の支払額が少なくなるのがメリットです。

たとえば3,000万円を元利均等返済・1.2%の固定金利で返済期間35年に設定した場合、月々の返済金額は8万7,510円です。同条件で返済期間を20年にした場合には、月々の返済金額は14万0,661円にまで増えてしまいます。

借入期間を長く取ると、月々の支払いが楽になるため、安定的に貯金しやすいのがメリットです。

手元に現金が無ければ、もしもの事が起きた時に対応する事ができません。家族の病気や怪我などに備えて、ある程度貯金を残しておけると安心ですよね。

ただし総費用としては高くなるのがデメリットです。

同条件で試算すると、返済期間35年のケースでの総支払額は36,754,301万円であるのに対し、同20年では33,758,672円と、約300万円も総額は少なくなります。

※上記はシミュレーションによる試算であり、実際の金額とは異なる場合があります。

総額が気になる方は、状況に合わせて繰り上げ返済を行う事で、借入期間を短縮できます。契約時に長めで組んで後から短縮することはできますが、契約時に借入期間を設定すると後から長くするのに審査が必要になったりと手間がかかるので、初めから長めにローンを組むのがよいでしょう。

なお、住宅ローンは1年単位で組めるので、返済期間を1年でも長くして月々の返済額を減らし、貯金に回せる余力を持つのがおすすめです。

1-3-2.低金利のタイミングは家を買いやすい

近年は低金利が続いており、利息を含めた総額を抑えられるので家を買うには良いタイミングとなっています。

条件次第では、金融機関が独自に設定した優遇金利を受けることも可能で、適用されると店頭金利よりもさらに低い金利でローンを借りられることも。

ただし変動金利で長期の住宅ローンを借り入れた場合は、今後の社会情勢や経済動向によっては金利が上昇することにより支払い総額が増加する可能性がある点は考慮しておきましょう。

データから見た家を買うタイミング

それでは、国土交通省がまとめた「令和2年度 住宅市場動向調査報告書」をもとに、年齢・世帯収入からみた平均的な住宅購入のタイミングを紹介します。

2-1.年齢から見たタイミング

まずは初めて住宅を取得した世帯の、世帯主の平均年齢別割合をみてみましょう。

<初めて住宅を取得した世帯の世帯主の年代別割合(%)>

初めて住宅を取得した世帯の世帯主の年代別割合を表す表

※注文住宅は建て替えを除く
※ 注文住宅の調査地域は全国、その他住宅は三大都市圏での調査
【参考】「令和2年度 住宅市場動向調査報告書|35頁」(国土交通省)

 

調査結果を見ると、初めて住宅を購入する人(世帯主)の平均年齢は、新築物件では30代がもっとも多く、40代が続きます。一方中古住宅においては、40代が30代をやや上回る結果となっています。

2-2.世帯収入から見たタイミング

続いて初めて住宅を取得した世帯の、平均年収を見てみましょう。

<初めて住宅を取得した世帯の平均世帯年収>

平均世帯年収
注文住宅(全国)※ 695万円
注文住宅(三大都市圏)※ 761万円
分譲戸建住宅 681万円
分譲マンション 864万円
中古戸建 657万円
中古マンション 657万円

※注文住宅は建て替えを除く
※ 注文住宅の調査地域は全国、その他住宅は三大都市圏での調査
【参考】「令和2年度 住宅市場動向調査報告書|40頁」(国土交通省)

初めて住宅を取得した世帯の平均世帯年収は、分譲マンション購入者が864万円ともっとも高いことがわかりました。

一方、中古戸建住宅、中古マンションの購入者の平均世帯年収は657万円で、もっとも低くなっています。

最後に購入資金における自己資金の割合を確認しましょう。

<初めて住宅を取得した人の自己資金の割合>

自己資金割合(%)
注文住宅※ 22.0
分譲戸建住宅 20.6
分譲マンション 25.6
中古戸建 32.5
中古マンション 37.0

※注文住宅は土地を購入した新築世帯
※ 注文住宅の調査地域は全国、その他住宅は三大都市圏での調査
【参考】「令和2年度 住宅市場動向調査報告書|42頁」(国土交通省)

購入資金について自己資金の割合が高いのは中古戸建住宅、中古マンションの購入者で32〜37%。反対に自己資金率がもっとも低いのは分譲戸建住宅の購入者で20.6%でした。

ここまでのデータからは、「30〜40代」で「世帯収入が600〜800万円程度」になり「自己資金が20〜30%たまった」タイミングで家を購入するのが一般的な傾向であるといえそうです。

ただし、諸費用分の資金さえあれば、自己資金を無理に貯めなくても住宅購入することは十分可能です。むしろ、自己資金が貯まるのを待っていると、健康リスクが高まって住宅ローンを思うように借りられなくなる可能性もあります。

詳しくは、頭金なしで住宅ローンを組むべき理由について解説しているこちらの記事をご覧ください。

\一級建築士監修のWEBセミナー/

ライフステージによるタイミング

続いて、ライフステージによる家を買うタイミングにはどのようなものがあるのかを、住宅金融支援機構の「住宅ローン利用予定者調査(2021年4月調査)」をもとにご紹介します。

3-1.結婚を機に家を購入する

結婚を住宅取得のタイミングとして捉える人は、とくに20〜30代に多く見られました。

実際にゼロリノベのお客様でも、結婚を機に住宅購入を考え、結婚式や新婚旅行などが落ち着いたタイミングで動き出したという人が多くいらっしゃいます。

結婚を機に住宅を購入すれば、収入を家賃に回さなくてよくなります。住宅ローンの支払は発生しますが、持ち家であるため自分たちの資産になるのがメリットです。

共働きであれば、ローン債務者に万が一のことがあっても資金面の不安が少なくなります。住宅ローンについても、パートナーと共同でローンを組むことも可能です。

たとえばファイナンシャルプランでは手が届く範囲の物件なのに、勤続年数などの条件によって一時的にローン借入額が足りず買い逃した、といったケースはよくあります。

そんなときでも、夫婦共同でローンを借りれば借入額を増やせるため、購入できる家の選択肢が広がるのもメリットです。

一方、夫婦共同でローンを組むのにはデメリットもあるため、一本化すべきかどうかよく考えて決断するのをおすすめします。

夫婦共同のローン借り入れに関してより詳しく知りたい方は、ペアローンについて詳しく解説したこちらの記事をご覧ください。

3-2.子どもの誕生を機に家を購入する

出産を機に家を持ちたいと考える人も、20〜30代で多く見られます。

子どもとの生活を考えると、周辺施設の充実度や、進学を見据えて住む場所を選ぶ人が多くなります。

必然的に学校や病院、スーパーなどが近い、利便性が高くて治安が良いエリアや、公園や緑が多い地域など、将来的にも資産価値が下がりにくい物件を選ぶことになるのはメリットです。

また家の間取りや住宅の種類についても、家族に合わせて考えるきっかけになるため、住宅購入には良いタイミングといえるでしょう。

3-3.老後に備え家を購入する

40代、50代になると、老後に備えて家を購入したいと考える人が増えてきます。ちょうど子育てが終了したり、定年退職後の生活を考えたりする年代だからでしょう。

また一人暮らしであっても、将来を見据え、賃貸ではなく自分の城を構えたいと思う人も多くいます。

ただしこの年代になると、住宅ローンを組みにくい場合があります。住宅ローンを借り入れる際は、収入の安定性が重視されることから、完済年齢に制限を設ける金融機関が多いためです。

年齢に合った住宅ローンの組み方について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

【参考】「住宅ローン利用予定者調査(2021年4月調査)|4頁」(住宅金融支援機構)

家を買うタイミングを決めるその他の理由

家を買うタイミングを決める、その他の理由にはどのようなものがあるのかご紹介します。

4-1.家賃を払うことがもったいないと感じたため

これからのライフプランやファイナンシャルプランを長い目で考えたときに、「家賃を払うのがもったいないな」と感じたことはありませんか?

たとえば賃貸月々の家賃に10万円支払っていて、今後20年間家賃が値上がりしないと仮定すると、単純に考えて20年間の家賃総額は2,460万円にも達します(2年ごとに1か月分の更新料がかかる場合)。

それだけ家賃を払っても、賃貸物件である限り、住んでいる家が自分のものになるわけではありません。

そうであるなら月々10万円程度の住宅ローンを組んで家を購入したほうが、資産形成になります。

実際ゼロリノベで物件購入のご相談をされる人のなかにも、勤務先からの家賃補助がなくなり支払いが増えるタイミングで、住宅購入を検討する人がいらっしゃいます。

4-2.健康のリスクを考えたため

年齢が上がるにつれ、健康面でのリスクが高くなることを考慮して、住宅購入を決める人もいます。健康なうちのほうが、家を購入しやすいためです。

住宅ローンを組むときには、団体信用生命保険(団信)への加入を求める金融機関がほとんどです。団信とは、住宅ローンの返済中に万一のことがあった場合に、保険金によって残りの住宅ローンが弁済される制度を指します。

団信は生命保険であるため、加入する際には健康状態の告知が必要です。持病があると加入が難しくなるため住宅ローンを組みにくくなります。

とくに子どもや家族がいる男性の場合は、自身に万一のことがあったとき、家族に住まいを残したいと考える人が多いのではないでしょうか。そういった安心を求める人にとっては、少しでも若くて病気のリスクも低い、住宅ローンを組めるうちが良いのです。

4-3.資産価値を考えたため

不動産価格指標からわかる近年の住宅の資産価値上昇を踏まえ、住宅購入を決める人もいるようです。不動産価格指数とは、2010年の平均を100として、不動産市場価格の動向を示した指標のことです。

不動産指数をまとめた表ここ数年の不動産価格指数の変動を見ると、戸建住宅は微増にとどまっていますが、分譲マンションは価値が大きく高まっています。

家賃を払い続けるよりも、住宅ローンを組み資産としてマンションの所有を検討するのもおすすめです。

【参考】「不動産価格指数(対象期間:令和3年11月・第3四半期分)」(国土交通省)

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家を買うタイミングはいつが良い?

ここまでいろいろな視点から家を買うタイミングを見てきました。その結果からわかることを2つにまとめました。

5-1.特殊な事情がない限り、健康なうちに安心予算で買うのが望ましい

家を買うタイミングは、現時点で家を購入できない特殊な理由がない限り、資産形成するためにも早めに動き、安心予算で家を買うことが望ましいといえます。

なぜなら早い時点で家を購入すれば、家賃に払うお金を住宅ローンに回すことで、資産として家を残せるためです。

また高齢になればなるほど健康リスクが高まることから、団信への保険加入が難しくなる可能性があります。

こういった理由から、転勤が多い仕事をしている、将来は実家を引き継ぐことになっているなどの事情がない限りは、早めの購入をおすすめします。

このように住宅購入を検討することは、ライフプランや将来について深く考えたり、家計を見直したりする良いきっかけになります。

本格的に物件探しを始める前にファイナンシャルプランナーに相談し、無理のない安心予算を算出して貰うと、ローンを借りすぎて生活に余裕がなくなる、という心配もありません。

安心予算について詳しく知りたい方は、年収別に住宅ローンの借入目安額を解説しているこちらの記事も参考にしてみてください。

たとえ検討の結果買わないと判断したとしても、思い立ったタイミングで一度資産計画も含めて考えてみるのは、家族にとって非常に実りのある時間となるでしょう。

5-2.おすすめは結婚のタイミング

家を買うのは、結婚のタイミングを選ぶのがおすすめです。

結婚は多くの人にとって、長期的なライフプランを考える1つの区切りになります。子どもを持つのか、持つとしたら何人なのか、これからどんな暮らしをしたいのかなどを考えることで、具体的にどんな家に住みたいのかを検討するきっかけになるでしょう。

なお結婚を機に家を購入する場合は、子どもができる前のほうが良いという声を実際のお客様からもよく聞きます。

子どもが産まれ保育園に入園すると、その近くで物件を探す選択をしがちになります。違う場所で家を購入して引っ越すことになった場合、子どもを預けられる保育園を見つけられるとは限らないためです。

同様に子どもが幼稚園や小学校などに通い始めると、できるだけ転校を避ける気持ちが働きます。

つまり子どもが産まれてからだと、検討できる物件が限られる可能性があるのです。結婚後、子どもができるまでのタイミングであれば、物件選びの自由度を高く持てるでしょう。

まとめ

さまざまな観点から、どのようなタイミングで家を買う人が多いのか、おすすめの買い時はいつなのかを見てきました。

最後に記事のポイントをおさらいしましょう。

<家を買うおすすめのタイミング>

  • 年齢が若く健康リスクが低い若いうち
  • 最長35年の住宅ローンを組める46歳未満
  • 金利が低いうち
  • 住宅の資産価値が向上しているうち

<家を買うよくあるタイミング>

  • 30 ~40代で年収600万〜800万円に達し、自己資金が2〜3割程度用意できた
  • 結婚した、あるいは子どもができた
  • 老後に備えたいと考えるようになった
  • 家賃を払うのがもったいないと感じるようになった

上記を総合すると、家を買うなら特殊な事情がない限りできるだけ早いうちがおすすめです。とくに結婚後子どもができるまでの間であれば、学校事情に縛られることなく場所を決められるので物件選びの自由度が高まります。

なおゼロリノベでは、不動産仲介会社の視点と、建物の専門家としての視点を持ち、予算内で長寿命な住まいを選ぶサポートをいたします。

第三者機関のファイナンシャルプランナーによる無理のない「安心予算」を出してから物件探しをスタートし、余白ある返済計画をたてられるのがメリットです。家族旅行や趣味を楽しむことはもちろん、万が一の時のための備えも手元に残すことができます。

住宅購入をご検討の際にはぜひご相談ください。

 

平均的な住宅購入の年齢や年収は?

令和2年の国土交通省の調査によると「30〜40代」で「世帯収入が600〜800万円程度」になり「自己資金が20〜30%たまった」タイミングで家を購入するのが一般的な傾向です。ただし、このタイミングを待つ間に住宅ローンが組めなくなる恐れがありリスキーです。詳しくは「2.データから見た家を買うタイミング」で解説しています。

家を買うベストなタイミングは?

結論、現時点で家を購入できない特殊な理由がない限り、健康なうちに無理のない予算で早めに住宅購入に動き出すのがおすすめです。詳しくは「5.家を買うタイミングはいつが良い?」で解説しています。

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