2022.09.12 更新 2022.04.25 公開

木造住宅のリノベーションとは?建て替えとの違いや施工事例

木造住宅のリノベーションの事例写真

子どもが生まれた、あるいは成長して個室が必要になった、両親と同居することになったなどで、「今の木造戸建てをもっと住みやすくしたい」と考えていませんか?

木造住宅をより住みよくするには、以下の2つの方法があります。

  • リノベーションやリフォームをおこなう
  • 建て替える

リノベーションやリフォームと建て替えのどちらを選んだほうがよいかは、状況によって違います。そこで今回は、リノベーションやリフォームが向いているケースと、建て替えを選ぶのが向いているケースをそれぞれご紹介します。

リノベーションする際の注意点や、実際の施工事例も紹介しますので、木造住宅のリノベーションを検討している人は参考にしてみてくださいね。


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木造住宅のリノベーションとは

木造住宅の住みやすさやデザイン性を向上させるには、リフォームやリノベーションをおこなう、もしくは建て替えを検討することになります。

まずはリノベーションやリフォームと、建て替えの違いをチェックしておきましょう。

1-1.リフォームとリノベーション、建て替えの違い

リフォームやリノベーションは、建物の基礎や構造となる部分は残し、お部屋を改装、あるいは増築・改築することを指します。どちらもお部屋全体または一部をライフスタイルにあわせて改修しますが、その目的や内容が違います。

リノベとリフォームの違い

一般的にリフォームは、経年や使用によって劣化した住宅を、新築したときと同様のレベルまで回復させる工事を指します。

<リフォームの例>

  • 日に焼けた壁紙を張り直す
  • 古いキッチンを入れ替える
  • 和室を和モダンな洋室に変更する

このようにリフォームは、ベースは変更せずに、古くなったものを新しくしたり、機能性を高めたりするイメージです。

一方リノベーションは、現在の自分たちのライフスタイルや理想にあわせ、間取りやデザインをまったく新しく作り変えるためにおこないます。単なる「修復」ではなく、よりよいものへ「変容」させるのが、リノベーションの目的です。

<リノベーションの例>

  • リビングとの間の壁を撤去し、壁付きキッチンをアイランドキッチンにする
  • 1階だけだったトイレを2階にも増設する
  • リビング横の和室を取り除いて、広いLDKに間取り変更する
  • 骨組みだけを残し、家全体の間取りを一から設計しなおす

このように、リフォームよりも大規模な工事が必要になるのがリノベーションの特徴です。

ただし、どのような規模や範囲までならリフォームと呼び、どこからをリノベーションとするのかは、明確な基準はありません。どちらを選ぶかは、予算や目的によって決めましょう。

1-2.建て替え

建て替えは、既存の建物を基礎から解体・撤去し、敷地内に新しく建物を建てることを指します。解体・撤去の行程が入るだけで、新築するのとほぼ同じと考えてよいでしょう。

ただし、どんな家でも建て替えられるわけではありません。建て替えをするときには、既存の建物が「再建築可」であるかの確認が必要です。

家の建て替えでは、新しく家を建てるために所在地の自治体に建築確認(*1)申請をおこない、許可を取らなければなりません。

現在の住宅が古い場合、現行の建築基準法に沿って建てられていない場合があります。とくに現行の建築基準法が定める「接道義務(*2)」に違反しているケースがあるため注意が必要です。

接道義務が定められたのは1950年(昭和24年)なので、それ以前に建てられた家は接道義務を満たしていない可能性があるのです。その場合、家を取り壊してしまうと、新しく建てる家は接道義務を満たせません。そのため建築許可が下りず、建て替えはできないのです。

ただし、敷地は狭くなりますが、セットバック(*3)をおこない、場合によっては減築することで建て替えられる場合もあります。

古い戸建てを建て替えるときは、取り壊してしまう前に、再建築可能な土地であるか、再建築する方法はあるのかを、リフォーム業者などに確認することが重要です。

◎用語解説
*1 建築確認:土地や建築を予定している建物が、現行の建築基準法に適合しているかを調べること
*2 接道義務:家を建てるときには幅4m以上の道路に敷地が2m以上接していなければならないとする建築基準法上の決まり
*3 セットバック:建物を立てる移置を後退させて、道路幅4mを確保すること

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木造住宅においてリノベーション、リフォームが向いている場合

木造住宅において、建て替えではなくリノベーションやリフォームが向いているのは、次のようなケースです。

  • コストを重視したい
  • 工期を短くしたい
  • 現状の雰囲気を残したい

それぞれ詳しく説明します。

2-1.コストを重視したい

リノベーションやリフォームは、建て替えに比べると安い工事費用でおこなえる場合が多いため、コストを重視したいときに向いています。

家を建て替えるとなると、既存の建物の解体費が必要になります。解体や廃棄にかかる費用相場は、既存の木造住宅の大きさや立地条件によって違いますが、1坪あたり3.5万円程度が目安です。30坪として105万円かかる計算になりますが、リノベーションやリフォームなら解体費を抑えることができます。

とくに建物がまだ比較的新しく、部分的なリフォームやリノベーションで済むなら、建て替えとの差額はずっと大きくなります。

ただし、次のようなケースは要注意です。

  • 建物が古くて耐震性に問題があり地震が心配
  • 構造部分の木材のシロアリ被害がひどい

このような、基礎や構造まで含む大がかりな工事が必要になる場合には、建て替えたほうが安くなることもあるので注意しましょう。

2-2.工期を短くしたい

工期を短く抑えたいときも、リノベーションやリフォームが適しています。

木造住宅を建て替える場合、解体作業や地盤改良工事、土台づくりなどが必要になるため、約1年かかることも珍しくありません。長期間の仮住まいが必要になり、工事以外の費用負担も膨らみます。

一方リノベーションやリフォームは、工事の規模にもよりますが、木造一戸建ての標準的な工事であれば、通常3〜6か月程度で終了します。もちろんフルリノベーションではなく部分的なリノベーションであれば、もっと短くて済むでしょう。

2-3.現状の雰囲気を残したい

今住んでいる木造住宅に家族の思い出がつまっていて、造りや風情を残したい場合も、リノベーションやリフォームが適しています。

もともと木造家屋は、柱と梁(はり)の骨組みで支える木造軸組工法(在来工法)で建築されているものが多いのが特徴です。この工法で建築された家は可変性が高く、壁を抜くなどして大きく間取りを変更するのが比較的容易です。

そのため建物の状態がよければ、現在のライフスタイルにあった間取りや、好みのデザインの内外装に自由に刷新できます。現状の雰囲気を残しつつ、それを活かしたデザインも楽しめます。

中古住宅のリフォームには多くの減税制度がある

木造住宅のリノベーションやリフォームに対しては、いろいろな減税制度や特例などが用意されています。

これは近年の全国的な空き家問題を解消するために、中古住宅を活用するサステナブルな取り組みを支援しているためです。

現在木造住宅では、以下のようなリノベーションやリフォームで、減税制度を活用できます。

  • 耐震
  • バリアフリー
  • 省エネ
  • 同居対応
  • 長期優良住宅化
  • 増改築など

確定申告が必要になるといった手間はありますが、適用されれば所得税や固定資産税などの控除を受けて減税できるので、おおいに活用しましょう。

リノベーションやリフォームで使える減税制度について詳しく知りたい人は、こちらの記事も参考にしてみてください。

木造住宅において建て替えが向いている場合

木造住宅において、リノベーションやリフォームよりも建て替えが向いているのは、以下のような場合です。

  • 住宅の性能を根本から刷新したい
  • ゼロから自由な設計がしたい
  • できる限り長く住みたい

順番に解説します。

3-1.住宅の性能を根本から刷新したい

既存の木造住宅の性能を大きく引き上げて快適な住まいにしたいときは、建て替えを検討するのがよいでしょう。

具体的には、以下のような工事をしたいときには、建て替えを検討します。

  • 基礎から耐震性能を見直したい
  • 断熱性を上げるために家全体に断熱リフォームをおこないたい

こういった工事は、一部だけに対処しても効果が薄いため、全体的に大規模な工事が必要になります。

耐震補強や断熱対応はリノベーションでも可能ですが、築古の木造住宅である場合、基礎や構造からやりなおす必要があることも考えられます。そうなると、場合によっては、建て替えよりも費用がかかる可能性があるのがデメリットです。

一方、建て替えであれば、現状には関係なく、現行の耐震基準にあわせた方法で基礎からつくり変えることが可能です。

さらに新築となるため、耐震や耐火などの保証がリノベーションやリフォームよりも長い場合が多く、アフターフォローの安心感も得られます。

3-2.ゼロから自由な設計がしたい

既存の木造住宅の枠にとらわれず、外観も内観もゼロから自由な設計をしたい場合も建て替えを選びましょう。

在来軸組工法で建てられた木造住宅は、マンションと違い可変性が高く、リノベーションやリフォームに向いていますが、骨組みとなる柱や梁を動かすことは、基本的にはできません。

現状の不満を解消するために、間取りを大胆に変更したくても、既存の枠組みをベースに考える必要があります。

建て替えであれば、ゼロからまったく別の住空間を、好みの間取り、こだわりのデザイン、設備で実現することが可能です。

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3-3.できる限り長く住みたい

今の家がある場所にできるだけ長く住みたいと考える場合も、建て替えを検討するとよいでしょう。建て替えると、住宅年齢をゼロにリセットできるためです。

国税庁は木造住宅の耐用年数を22年と定めており(*1)、築20年前後で資産価値がなくなるのが一般的です。

ただし、これはあくまで税務上の資産価値の話であり、20年を過ぎれば耐久性がなくなり住めなくなってしまうわけではありません。

実際、国土交通省の調査では、木造住宅の寿命は65年と報告されています(*2)。住む人のメンテナンスの仕方によっては、さらに長持ちすることもあるでしょう。

そのためまずは、耐震診断やホームインスペクションを受けるなどして、今の家があと何年くらい住める建物なのかを確認したうえで、建て替えを検討するとよいでしょう。

◎用語解説
ホームインスペクション:住宅に精通したホームインスペクター(住宅診断士)が、第三者的な立場から住宅の劣化状況などを見極め、アドバイスなどをおこなうこと

なお、最近は住宅性能が向上し、長期優良住宅で劣化等級3に該当する家は、3世代にわたる耐久性(75〜90年)があるとされています(*3)。そのため今の場所にできる限り長く住みたいのであれば、思い切って建て替えを検討してもよいでしょう。

【出典】

*1「耐用年数(建物/建物附属設備)」(国税庁)

*2「中古住宅の建物評価の実態<参考資料>|7頁」(国土交通省)

*3「『長期優良住宅の普及の促進に関する法律』の長期優良住宅認定制度の技術基準の概要について|5頁」(国土交通省)

木造住宅をリノベーションする際の注意点

リノベーションを始めてから「思った間取りにできなかった」「建て替えたほうが安くすんだかも」と後悔しないために、押さえておきたい注意点が3つあります。

  • 事前に建物の構造を確認する
  • 耐震性を確認する
  • 補修箇所が多いと費用が高くなる

順番に解説します。

4-1. 事前に建物の構造を確認する

「木造住宅」と一口で言っても、工法の観点から大きく分けて2種類あります。

  • 在来工法(木造軸組工法):柱や梁などの軸組を基礎とする伝統的な工法
  • ツーバイフォー工法 (木造枠組壁工法):壁や床、天井などの面で建物を支える工法

ツーバイフォー工法では、面で建物を支えていることから抜けない壁が多く、リノベーションの自由度は低くなります。

一方在来工法は、比較的自由度は高めですが、それでも主要な柱や耐力壁 と呼ばれる建物を支える壁、筋交いなどは撤去できません。

リノベーションしたい住宅がどのような構造になっているのか、どの柱や壁を抜けるのかは、専門家でないと判断するのは困難です。事前にリフォーム会社に相談し、確認することが重要です。

4-2. 耐震性を確認する

リノベーションに際しては、耐震性を確認することも大切です。建物の耐震性は、原則的には建築された年の建築基準法に沿っており、以下の3種類に分かれます。

リノベーションを検討している木造住宅が、旧耐震基準で建築された古い建物である場合、近年多発する震度6以上の大きな地震に耐えられない可能性があります。耐震補強工事は高額になりがちであるため、場合によっては建て直しを検討したほうがよい可能性もあるでしょう。

多くの自治体では旧耐震基準で立てられた木造住宅に対し、耐震診断の補助制度を設けています。リノベーションの前に、耐震診断を受けておくことをおすすめします。

新耐震基準で建築されている場合は、とりあえずは安心です。ただし現行の耐震基準の基準を満たしていない可能性がある点には注意が必要です。リノベーションにあわせ、対策を取っておくとさらに安心できるでしょう。

4-3. 補修箇所が多いと費用が高くなる

築年数が浅くても、これまでの管理・メンテナンスによっては劣化が進んでいることは珍しくありません。また台風や地震が多いエリアにある場合も、想定以上に傷んでいることが考えられます。

補修箇所が多ければ、それだけリノベーション費用は高くなり、場合によっては建て替えと変わらなかったり、むしろ建て替えよりも高くなったりする可能性も否定できません。

木造住宅の劣化状況は外観だけでは判断しづらいものです。リノベーション前にはホームインスペクションを受け、専門家の視点で見極めてもらいましょう。

木造住宅のリノベーション施工事例

ここからは、木造住宅をおしゃれにリノベーションした事例を紹介します。どのようなリノベーションをおこなうか検討する際の参考にしてみてくださいね。

5-1.【事例1】築50年の木造住宅を可変性の高い住まいにリノベーションした事例

築50年の木造一戸建てを購入し、間取りを大きく変える大規模なフルリノベーションをおこないました。

北東の暗い場所にあったキッチンは、家族とコミュニケーションを取りながら家事をおこなえるように1階のリビング横に移動。庭のグリーンが望めるリビングダイニングは、和室と一体化することで明るい空間へと生まれ変わりました。

日野市の中古住宅のリノベーション後のキッチンからみたダイニング

日野市の中古住宅のリノベーション後のリビング

<間取り図>

日野市の中古住宅のリノベーションのビフォーアフター2階は取り払える壁はすべて撤去し、広々としたオープンスペースを実現。余白を最大限残し、これからのライフスタイルの変化にあわせ、育てていく楽しみのある家になりました。

>>この事例について詳しくはこちらから

5-2.【事例2】リビング、ワークスペースとの動線も良好!キッチンを住まいの中心に配した事例

南東向きの壁付きキッチンを1階の中央に据えた、大胆なリノベーションをおこなった事例です。キッチンタイプは二型を選んだことで動線がよくなり、夫婦2人が同時に作業しても、互いが邪魔になることがありません。キッチン奥にパントリーを設けたことも、作業性の良さに一役買っています。

市川大野の中古マンションのリノベーション後のキッチン

市川大野の中古マンションのリノベーション後のリビング

<間取り図>

2階は既存の間取りを活かしつつ、梁見せにすることで勾配天井の高さを活かしたおしゃれな空間づくりに成功しました。家全体に白い壁と明るい色合いの床材を選んだことで、家具やインテリアが映える住まいへと生まれ変わっています。

>>この事例について詳しくはこちらから

5-3.【事例3】清潔感のある白が印象的!北欧テイストの住まいへのリノベーション事例

LDK横にあった和室を間仕切り壁ごと取り払い、ワンフロアすべてをオープンスペースへとリノベーションしました。全体的にはオープンにしつつ、玄関前、トイレの前にのみ壁を残すことで、オープンにしたくない部分はさりげなく視線を遮る工夫がされています。

<間取り図>

大師前の中古戸建てのビフォーアフター

2階の間取りはそのまま活かし、しかし壁は白に統一することで家全体の一体感を出しました。ドアや部屋の奥の壁だけ暗めの色を選んだことで、奥行きを感じるようになっています。

>>この事例について詳しくはこちらから

まとめ

既存の木造住宅をより住みよくするには、リノベーションやリフォームをおこなうか、建て替えるかを検討することになります。

どちらを選ぶとよいかは一概にはいえず、物件の状態や、希望する工事の内容などによって異なります。予算も大きく影響するので、どの程度費用をかけられるかもあわせて考えることが重要です。

最後に、この記事の概要をまとめます。

◎リノベーションとリフォーム、建て替えの違い
リノベーションとリフォームは、建物の基礎や構造を残せる
建て替えは、既存の建物を基礎から解体し、まったく新しい建物を建てる

◎木造住宅においてリノベーション、リフォームが向いている場合
コストを重視したい
工期を短くしたい
現状の雰囲気を残したい

◎木造住宅において建て替えが向いている場合
住宅の性能を根本から刷新したい
ゼロから自由な設計がしたい
できる限り長く住みたい

◎木造住宅をリノベーションする際の注意点
事前に建物の構造を確認する
耐震性を確認する
補修箇所が多いと費用が高くなる

現在所有している、あるいはこれから購入を検討されている木造住宅にあった方法を選べば、失敗なく心地よい住まいにつくり変えることが可能です。まずは、依頼したい会社や工務店を探すところから始めましょう。

なおゼロリノベでは、予算立てから物件探し、リノベーション工事までをワンストップでサポートしています。ミュート&顔出し不要で参加できるオンラインセミナー「小さいリスクで家を買う方法」も毎週開催していますので、まずは気軽に参加してみてくださいね。

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