2023.08.08 更新 2017.11.30 公開
家の購入で避けるべき5つの失敗!予算・場所・タイミングを徹底解説

家を購入しようと検討しているけど、失敗しちゃうかもという不安がありますよね。
こちらでは、人それぞれの家庭事情による小さな失敗事例でなく、これだけは必ず避けましょうという大きな3つの失敗とその他にも気にした方がよい2つの失敗について記事にしました。
この記事を読む事によって、ほとんどの失敗を避ける事ができるようになります。
そして、自分にはどんな家が向いているのだろうと方向性を見出す事ができるようになります。
Advisor

[監修]宅地建物取引士/元銀行員
鰭沼 悟
宅地建物取引士、不動産投資家歴15年、元銀行員。不動産仲介からリノベーション設計・施工をワンストップで提供する株式会社grooveagent(ゼロリノベ)代表取締役。
Author

[著者]
ゼロリノベ編集部
元銀行員・宅地建物取引士・一級建築士が在籍して「住宅ローンサポート・不動産仲介・リノベーション設計・施工」をワンストップで手がけるゼロリノベ(株式会社groove agent)。著者の詳しいプロフィール
目次
家を購入しようと思ったら7種類の全体像を把握しましょう
失敗しない家の購入方法を知るために、まずは「家にはどんな種類があるのか?」全体像を把握しましょう。
この表は、価格の高さと、設計(間取り)の自由度の高さで、7種の家がどのポジションにいるのかをあらわしています。
見方は「最も自由度が高く、値段も高い」のは新築注文住宅で、「最も自由度が低く、値段が安い」のは中古マンションになります。
全ての物件がこの通りとは言い切れませんが、イメージとしてつかみやすいかと思います。
これを念頭に、家の種類が俯瞰できた上で、3大失敗を見てみましょう。
絶対に避けたい「3大失敗」
2-1「予算」の失敗
失敗の中でも、もっとも気をつけなければいけないのが予算です。
家を購入しようかなと思った時に、最初に行動するのは近くで開催されているオープンルームに行ってみようと思ったりする事が多いようです。
何にしても、行動する事は良いのですが、行った際に勢いで決めてしまうことだけは避けて、踏みとどまってください。
購入に進む前に、まずやるべき事は「自分にとって適正な予算の把握」です。
予算をよく考えないで進んでしまうと、家族のために家を購入したつもりが、家族に負担を強いることになりかねません。
下記は、奨学金の受給率をグラフにあらわしたものです。
おどろいたことに、1996年に大学生(昼間部)の奨学金受給率が21%だったのに対し、約20年後には51%と2.5倍に上昇してしまったことです。
この要因は、自分の給料が上がるだろうと考えて、計画性なく家を購入してしまったことに起因することが大きいと思われます。
こうならないように、家の購入を決断するまえにしっかりと「自分にあった適正予算」を把握すべきです。
そのためには、第三者のファイナンシャルプランナーに相談してみましょう。
ネットで検索して、自宅近くのファイナンシャルプランナーさんに直接聞くのも良いです。
また、だいたいの場合は不動産会社に無料のファイナンシャルプランナーを紹介してもらえる事が出来ます。
ただ、なぜ無料なのかを確認する必要があります。
最も良くないパターンは、新築マンションや新築建売戸建の販売と結びついているパターンです。
新築マンションや戸建は既に販売金額が決まっています。
よって、お客さんがこの販売金額でも買えるように、無理な予算を組んでくる可能性があります。
そのようなファイナンシャルプランナーは販売業者からフィーをもらっている可能性があります。
しかし、中古物件を仲介する会社は、お客さんの予算に合わせて、たくさんある中古物件を紹介すれば良いので、基本的にはお客さんに無理をさせる必要はないはずです。
ただし、高い物件を仲介した場合は、仲介手数料も高くなるので、高い物件を仲介する方が儲かります。やはり中古物件をとりあつかう会社でも、念のために注意しながらすすめましょう。
紹介してもらったファイナンシャルプランナーが無料である事の多くは「保険の見直しも同時に行い、適正な保険があれば、切り替えてもらう」というパターンです。
いわゆる、ファイナンシャルプランナーが取り扱っている保険に加入してもらうことで、ファイナンシャルプランナーのお給料につながっています。
では、無理やり保険に加入させられてしまうのか?という心配もありますが、そんなことはありません。
ファイナンシャルプランナーが提案した保険に加入した方が得だと思えば加入すれば良いことなので、自身の自由選択です。
予算については、こちらの【年収別】住宅ローン2つの目安表「借りられる額と返せる額」も参考にしてください。
2-2「間取り」の失敗
次に、もっとも多い失敗は「間取りの失敗」です。
これを避けるためには、「現在の家族の人数」「将来の家族の人数」を想定する必要があります。
失敗が少ないのは「現在の家族の人数」が今後かわらなそうだという場合です。
「子供も大きくなっているとか、夫婦の年齢的に考えて今以上に家族の人数が増えなさそうだ」という場合は、今の家族の人数で間取りを考えれば失敗しません。
たとえば、「4人家族なら3LDKか4LDK(夫婦別室の場合)」「3人家族なら2LDKか3LDK(夫婦別室の場合)」「2人家族なら1LDKか2LDK(夫婦別室の場合)」が普通かもしれません。
難しいのが「新婚の家族、赤ちゃんが出来たばかりの家族」です。
これからの計画で、子供が2人の場合もあるし、実際にはずっと夫婦2人暮らしだった。
という、想定したことと違う家族の人数になるパターンです。
たとえば新婚の時に、子供2人を想定して4LDKを購入したけれども、結局夫婦2人であった場合、2部屋もしくは3部屋(夫婦一緒の寝室の場合)が余ってしまいます。
余った部屋は、書斎か物置になってしまうでしょう。
問題なのは、この余った部屋に対してもお金を支払っているということです。
そして、余った部屋があるせいで、そのぶんリビングとダイニングが狭くなってしまっています。
そうならないためには、最初はできるだけ仕切りのない空間設計をして、将来家族が増えた時には、部屋を仕切って増やせばよいのです。
いわゆる、必要な時に必要なものだけ付け足していくという考えです。
こちらの「資産性のある自由な間取りにリノベーション」も参考にしてください。
2ー3「場所」の失敗
3大失敗の最後は場所です。場所の失敗を避けることは上記の2大失敗より難易度が高いです。
さきの「予算」と「間取り」の失敗は自分の力でほぼ回避することが可能ですが、場所の失敗だけはどうしようもない場合があります。
しかし、上記2大失敗よりは発生確率が低く、また出来るだけ失敗を避けることができる方法をお伝えいたします。
2ー3ー1通勤時間が長い
通勤時間が2時間くらい。うんざりしますよね。
予算を重視するあまりに、職場からあまりにも遠い場所に行かざるを得なかったという失敗です。
「アットホームしらべ」による都内に勤務するサラリーマン583名によるアンケート調査によると、「通勤時間平均 58 分、“理想”は 35 分、“限界”は 86 分 、通勤時間が長いほど、睡眠時間が短くなる傾向 」にあります。
上記の表には電車通勤以外のサラリーマンが約15%含まれております。
下記表は電車通勤の時間別の睡眠時間です。
理想の睡眠時間は7-8時間と言われていますので、通勤時間が長いほど、健康にあまり芳しくはないかもしれません。
また、アメリカの調査会社Gallupによると「通勤時間が長いほど、幸福度が低くなる」というデータを出しています。
※ 出典:「The secret to happiness」
予算が最も大事ですので、都心に住むのは厳しいのが現実かと思います。
何か通勤時間を短くする手段がないか?「戸建ではなく、マンションにしてみる。中古にしてみる。広さをおさえる。」を検討しましょう。
あまりにも通勤時間が長い場所にある家を購入することで、「健康被害を及ぼす」「精神的余裕がなくなり、家族とコミュニケーションがうまくいかなくなる」なんてことは本末転倒になります。
家族会議をして、このような現実があることを話し合いましょう。
2ー3ー2目の前に空き地
内見をする時に、必ずベランダから見える前の土地がどうなっているか確認してください。
もし、「駐車場」「畑」「空き地」だったら要注意です。
目の前がそのような土地であった場合は、土地の広さを確認してください。
一戸建てが建築できるくらいの広さであれば、それほど問題ではないですが、素人目にも結構大きな土地だなとわかる場合は仲介の担当者にどれくらいの大きさの建物が建築できそうか確認しましょう。
2ー3ー3完成後のイメージが違う
新築マンションを購入される方は、完成前に契約を済ませてしまうので眺望がどうなるのかは要注意です。
必ず、建設予定地の周辺を散策して、自身が購入する部屋から見える景色を確認してください。
完成予定の自分の部屋の前に、「2-3-2」で説明したような土地があった場合には、販売担当者に将来どのような建物が建築される可能性があるか確認しましょう。
予算・間取り・場所から自分の性格にあった失敗しない方法を選ぶ
それでは、3大失敗を理解した上で、項目「1」で解説した7種類の家のなかから、自分にあったものは何かを考えましょう。
3-1新築注文住宅が向いている人
間取りの自由を求め、予算が潤沢にある人は新築注文住宅が可能です。
さらに予算があれば場所も利便性の良い場所を選ぶことができますよね。
ただ、あえて自然が多い環境のよい郊外を選ぶ人も多いようです。
3-2新築建売が向いている人
間取りや、外観にはあまりこだわりはない。
集団で運営していくマンションではなく、とにかく一国一城である家を手にいれたい。
しかし、予算には限りがあるという方向きです。
3-3中古戸建が向いている人
上記の項目「3-2」に追加して、さらに予算が限られている人。
ただし、あまり古いものでメンテナンスされてないものは大きな改修工事が必要な場合が多々ありますので、余計な出費がかさむ可能性があります。
3-4中古戸建を購入してリノベーションが向いている人
この選択をする人は非常に感度が高い人が多いです。
古民家カフェが好きで、古いものを生かしてオシャレにリノベーションしたいという要望は一部の根強いファンがいらっしゃいます。
このような物件が向いている人は「親の家を受け継いだ人、自分で改装をするのが好きな人、予算が潤沢な人」です。
最後の「予算が潤沢な人」というのが疑問に思われるかもしれませんが、実は中古戸建のリノベーションは耐震補強工事を視野に入れると2000万円近く費用がかかってきてしまう可能性があるのです。
よって、中古戸建を購入して、さらにリノベーションを行うと新築注文住宅と同等か、ものによってはそれ以上のコストがかかってしまいます。
親の家を受けついだ人は、2000万円程度費用をかけても新規に物件を購入するよりは安く済みます。
また、自分でDIY工事をするのが好きな人であれば、安く中古戸建を購入して、低予算で自分好みにリノベーションすることができるでしょう。
3-5新築マンションが向いている人
間取りにこだわらず、通勤重視で予算が潤沢な人に向いています。
多くのマンションは、戸建に比べて駅から近い利便性の良い場所に位置しています。
ただし、何よりも利便性重視ということであれば、新築にこだわる必要はないかもしれません。
3-6中古マンションが向いている人
7種類の中で、最もコストパフォーマンスが良いのが中古マンションを購入することです。
利便性もよく、資産価値的にも値崩れがしづらいものを狙うことが可能です。
外観にはこだわらないという人にはうってつけでしょう。
中古マンションに決めたという人は、こちらの記事「中古マンションの選び方「この7ポイントだけ守れば絶対に大丈夫!」を参考に中古マンション選びをしてください。
3-7中古マンションを購入してリノベーションが向いている人
中古マンションはコスパが良いのはわかっているんだけど、それだけではせっかく人生の大きなイベントなのに「わくわく感」がないよね。という人は、中古マンションxリノベーションがオススメです。
7種類の中では2番目にコスパに優れ、自分にあった自由な空間を手に入れることができ、場所の利便性も確保できます。
いわゆる、3大失敗全てを回避できる方法が中古マンションxリノベーションなのです。
家を購入しないという失敗
家を購入しないとどうなるのか?
・ずっと家賃を払い続け、自分の資産が残らない。
・リタイア後も家賃を払い続けるので、年金をつかって家賃を支払い続けることになる。
・もし、年金制度が崩れたら、貯金を崩して家賃を払い続けなければいけなくなる。
という失敗が想定されます。
では、家を購入しないほうが良い場合はどんな人か?
・転勤を繰り返す職種。
・収入が多く、特に資産形成を意識する必要がない。
よって、身軽に好きなタイミングで気に入った場所に移り住むことができる。
・会社から家賃補助が出ていて、自分が月々負担する金額が3万円未満である。
※家を購入すれば、固定資産税と修繕積立で最低でも月々3万円程度支払うことになります(固定資産税は実際には年に1回まとめて支払います)。
よって、家賃補助があったとしても4万円以上自分で支払っている人は、自分の家を購入したほうが毎月1万円以上を自分の資産形成に使うことができるので家を買うべきです。
以下に、同じ収入の人が3つのパターンで何才まで生きることが出来るかシミュレーションしてみたので参考にしてください。
家を購入するタイミングによる失敗
家を購入は、他人に家賃を支払うのを止めて、自分の家にお金を使うという資産形成が始められます。いち早く始めるべきです。
ただし、項目「4」の家賃補助が出ている間は買わないという方は、家賃補助が出ている分お金に余裕があるということで散財しないようにしてください。
銀行の住宅ローンは団信という生命保険に加入する必要があります。
年齢が高くなってくると、何らかの病気になる可能性がでてくるので、この団信に加入出来ないことが多々あります。
その場合は、家を購入しようと思った時には現金で購入しなければなりません。
こちらの家を購入するタイミングの記事「買い時はいつ?」もご参考にしてください。
まとめ
リノベーションで避けるべき失敗ってどんなこと?
リノベーションで最も多い三大失敗は「予算、間取り、場所」です。特に予算の失敗は老後資金や教育費を圧迫する危険があるため、プロに相談して回避する必要があります。間取り、場所の失敗について詳しくは2章をご覧ください。
家選びで失敗しないためにはどうしたらいい?
住宅種別は7つに分けられ、価格の高さと、設計(間取り)の自由度の高さでそれぞれ差があります。詳しくは「予算・間取り・場所から自分の性格にあった失敗しない方法を選ぶ」をご覧ください。
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