不動産を売却する際の媒介契約3種類の違いを解説|契約の注意点や解除した場合のペナルティも紹介
「マンションを売りたいけれど、『媒介契約』ってそもそもどんなものなんだろう?」
「個人で売買するよりも『媒介契約』の方がメリットが大きいの?」
いざマンションを売ろうと決めたら、必ず目に触れるのが「媒介契約」という言葉ではないでしょうか。
「媒介契約」とは、不動産を売買する際、不動産業者が売主と買主の間に入り、不動産売買や賃貸借などの仲介をしてくれる契約です。
マンションをスムーズに売却したいなら、媒介契約を結ぶのが一番の近道です。
今回この記事では、マンションを売却する際の「媒介契約」について、契約スタイルやそれぞれのメリット・デメリットについて、詳しくご紹介していきます。そのうえで、売主のタイプや物件のタイプにより、どのような媒介契約のスタイルがふさわしいのかを解説していきます。
特に、媒介契約の3種類については、比較表で詳しく見ていきますので、初めての方でも一目でわかりやすくご理解いただけます。
この記事をお読みいただければ、3種類ある媒介契約の違いがわかり、それぞれのメリット・デメリットについても知識を深めることができます。
また、ご自分の場合はどの契約スタイルが合うのかが判断でき、スムーズなマンション売却へとつながるでしょう。
ぜひ一緒に媒介契約について理解し、ご自分にぴったりなスタイルを選んでみましょう!
[監修]宅地建物取引士
市野瀬 裕樹
中古マンション売買仲介を累計1200件以上監督。株式会社groove agentにおいて不動産売買の業務に3年従事。買い手をサポートしてきた経験を活かし、どうすれば高く売れるのか?を、買い手目線で不動産売却仲介のアドバイスを行う。
目次
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1.不動産の「媒介契約」とは?
媒介契約とは、不動産を売買する際、不動産会社などの宅地建物取引事業者にとりまとめを依頼する契約を指します。
つまり、不動産業者に売主と買主の間に入ってもらい、土地やマンション、戸建てなどの売買や賃貸借などの仲介をしてくれるようお願いする契約です。
具体的には、媒介契約を結んだ不動産会社は、依頼された不動産の買主を探すため、積極的な販売活動を行ったり、売主に売買のための情報提供をしていきます。実際に不動産が売れた際には、成功報酬を得ますが、このような売却活動の条件や成功報酬の金額をどれぐらいにするのかを定めたものが、「媒介契約」となります。
もちろん不動産を売る際は、このような媒介契約を結ばず、個人で買主を見つけて不動産を売る「個人売買」もできますが、販売活動も売買契約の締結もすべて個人でこなそうと思うと、予想以上に負担が大きいものです。
そのため、不動産を売買する方の多くは、この「媒介契約」を結んで不動産売却に臨むケースがとても多いのです。
媒介契約には以下3種類があります。
上記の3種類ともそれぞれ異なった特性を持ち、どの契約スタイルを選ぶかであなたの不動産売買に影響する範囲が変わってきます。さっそく1つずつ契約スタイルの中身を確認してみましょう。
1-1.一般媒介契約
一般媒介契約とは、売主(もしくは貸主)がいくつもの不動産会社(もしくはその他の宅建業者)に同時に仲介を依頼できる媒介契約です。
この一般媒介契約は、さらに「明示型」と「非明示型」に分かれ、それぞれの違いは下記の通りです。
どちらでも選ぶことはできますが、特に問題がないのであれば、「明示型」を選ぶことをおすすめします。
なぜなら、競合する不動産会社の名前を他社に伏せておくと、「お宅の会社を信頼しているわけではない」といったマイナスの意思表示に取られてしまうこともあるからです。
物件を快く売ってもらうためには、不動産仲介業者と売主との関係が良好であることが重要です。そのためどちらか迷うようであれば、「明示型」を選びましょう。
一般媒介契約の大きな特徴は、売主(もしくは貸主)にとっては、複数の不動産会社とつながりを持つことで、より広い販売活動が期待できることです。
何よりも大きいのは不動産会社に依頼しながらも、自分で買主や借主を探して、それぞれ売買契約や賃貸借契約を結ぶこともできる点です。
なお、レインズ(不動産流通標準情報システム)への登録は任意となっています。
1-2.専任媒介契約
専任媒介契約とは、媒介契約を結べる不動産会社(もしくはその他の宅建業者)が1社のみとなる契約スタイルです。契約期間は3か月以内となっています。
ただしこの契約期間中も、売主は自分で買主や借主を探して、それぞれ売買契約や賃貸借契約を結ぶことができます。
専任媒介契約で契約を結んだ不動産会社(もしくはその他の宅建業者)は、売主(=依頼主)に対して、以下のような義務を果たさなくてはなりません。
- レインズへの登録義務がある(媒介契約を結んで7営業日以内)
- 営業の活動状況を2週間に1回売主へ報告しなければならない
なお、専任媒介契約の中途解約は以下のようなトラブルがあった際にできます。
- 不動産会社の営業活動に問題があった場合
- 不正を働いた場合
- 媒介契約の重要な事柄を故意または重過失によって告げなかった場合など
万が一、上記にあてはまる状況になった際は、思い切って契約を破棄し、より熱心に売ってくれる業者を探すことをおすすめします。
1-3.専属専任媒介契約
専属専任媒介契約も、専任媒介契約と同様、媒介契約を結べる不動産会社(もしくはその他の宅建業者)が1社のみとなる契約スタイルです。契約期間は3か月以内となっています。
ただし、売主が勝手に買主や借主を探してくることを禁止しています。
また、専属専任媒介契約で契約を結んだ不動産会社(もしくはその他の宅建業者)は、売主(=依頼主)に対して、以下のような義務を果たさなくてはなりません。
- レインズへの登録義務がある(媒介契約を結んで5営業日以内)
- 営業の活動状況を1週間に1回売主へ報告しなければならない
こちらも以下のようなトラブルがあった場合は、たとえ3か月以内の契約期間であっても途中解約ができます。
- 不動産会社の営業活動に問題があった場合
- 不正を働いた場合
- 媒介契約の重要な事柄を故意または重過失によって告げなかった場合など
このように、媒介契約にはそれぞれ条件の異なる3種類があります。
下図にて3者の違いを比較表にまとめてみました。
こうしてみると、三者三様で内容が細かく異なっているのがわかりますね。
どの契約スタイルがご自分に向いているのか、まずはざっと参考にしてみてくださいね。
2.不動産の「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の各メリット・デメリット
異なる性質を持つ「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」ですが、それぞれメリット・デメリットがあります。
詳しく見ていきましょう。
2-1.一般媒介契約の場合
まずは一般媒介契約のメリットとデメリットを以下にまとめました。
【メリット】
- 複数の不動産業者に依頼するので、より広く買い手にアピールできる
- レインズへの登録義務がないので、公にせず物件を売却できる
- 人気物件の場合は不動産業者同士の競争心が働き、活発に販売活動をしてもらえる可能性がある
【デメリット】
- 複数の不動産業者に依頼するため、自社で売れるとは思わずに販売活動をおそろかにされる可能性もある
- 不動産業者からの報告義務がないため、販売状況がつかみにくく販売戦略が立てづらい
- レインズへの登録義務がないため、物件情報を登録してもらえないケースも稀にある
こうしてみると、一般媒介契約の最大のポイントは、複数の不動産仲介会社に依頼できる点です。
売却相談ができる先を1つでも多く確保しておくことで、販売活動がより広い範囲にまたがっていきます。結果として、幅広い範囲で買い手が見つかりやすいのが利点ですね。
ところがその反面、不動産仲介会社によっては自社で売却できないかもしれないと考えて、営業活動を熱心にしない可能性もあります。
特に、売主への営業活動の報告義務がありませんので、売主としては現状が把握できず、効果的な販売作戦を立てにくいこともあります。
2-2.専任媒介契約の場合
次に「専任媒介契約」のメリット・デメリットを見てみましょう。
【メリット】
- 売主への報告が2週間に1度行われるので販売状況を把握しやすく、販売戦略を立てやすい
- 広告費をかけるなど積極的に販売してもらいやすい
【デメリット】
- 家を売却しようとしていることが周囲に伝わりやすい
- 囲い込みを受ける可能性がある
- 売主側の事情で媒介契約を途中で解約する際は違約金がかかる
専任媒介契約は、不動産仲介会社1社のみに仲介を依頼できる制度です。
そのため、一般媒介契約と比べると、不動産仲介会社との距離感や関係性が一歩深まっており、その分熱心に物件を販売してもらえます。
広告費をかけて広く宣伝してもらう点はとても助かりますが、知らないうちに「囲い込み」に遭うこともあるので注意しておきましょう。
「囲い込み」とは、他の不動産会社から購買希望者を紹介されたにもかかわらず、その人に物件を売却しないことを指します。なぜ売却しないのかというと、仲介手数料を売主からも買主からも得たいからです。もしA不動産会社から紹介された顧客が、不動産の購入をした場合、買主→不動産仲介会社へ支払われる仲介手数料は、A不動産が得ることになります。
これを防いで、自分のところに回るようにするのが「囲い込み」となります。
また、売主側の一方的な理由で契約をキャンセルした場合、この間かかった広告宣伝費等を請求される場合がありますので注意が必要です。
2-3.専属専任媒介契約の場合
最後に、専属専任媒介契約を見ていきましょう。
【メリット】
- 売主への報告が1週間に1度なので販売状況を把握しやすく、販売戦略を立てやすい
- 1社とのみ媒介契約を結び、自己発見取引も禁止されて行動が制限される分、仲介業者が精力的に販売活動を行ってくれる
【デメリット】
- 家を売却しようとしていることが周囲に伝わりやすい
- 自分で探した買主とは不動産の売買ができない
- 売主側の事情で媒介契約を途中で解約する際は違約金がかかる
専属専任媒介契約のメリットは、売主への業務報告が1週間に1回以上と定められている点です。
かなり高い頻度で、現在の販売状況を知る機会があるため、現状を把握しやすく、今後の販売戦略を立てることができます。
また、この契約は自分で買主や借主を見つけてやりとりするのを禁じているため、その分積極的な販売営業が期待できます。
一方デメリットとしては、やはりレインズに物件情報を登録する義務があるため、家の売却が周りに知れてしまうことです。また、売主側の都合によるキャンセルは、違約金が発生することもありますのでしっかり確認しておきましょう。
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3.マンションを早く売りたい場合は媒介契約を結ぼう
媒介契約について知れば知るほど、「不動産って業者なしで個人的に売買できないの?」と思われた方もいらっしゃることでしょう。
もちろん、不動産の個人売買は可能です。
ただし、少しでも高値でスムーズに不動産を売却したい場合は、不動産仲介業者との媒介契約を結ばれることをおすすめします。
理由は以下の通りです。
- 物件情報を広く知らせるため買い手がつきやすい
- 売買契約書など不動産関連の法的なやりとりがスムーズ
以下1つずつ説明していきます。
3-1.物件情報を広く知らせるため買い手がつきやすい
媒介契約をおすすめする1つ目の理由として、不動産業者を通じて物件情報が広く知れ渡るので、買い手がつきやすいことが挙げられます。
なぜなら媒介契約は、物件情報を「レインズ」へ登録することが義務となっているため(「一般媒介契約」については任意登録)、このシステムを通じて多くの不動産業者があなたの物件情報を閲覧できるからです。
そのため、個人売買では叶わなかった幅広い買主候補の目に触れることになり、買い手がつきやすいことが大きな利点となるのです。
3-2.売買契約書など不動産関連の法的なやりとりがスムーズ
2つ目の理由は、不動産の売買契約書など法的な書類ややりとりがスムーズに行われることです。
特に、売主と買主との間で売買契約を交わす時、媒介契約の場合は不動産仲介業者が契約書の作成を担ってくれます。
個人売買の場合は、売主もしくは買主側で「売買契約書」を作成しますが、これが思ったよりも難しく、時間と手間がかかります。司法書士など専門家を入れることもできますが、別途費用がかかってしまいますよね。
そのように考えると、物件の売り出しから契約書の作成まで1つの窓口にお任せできる媒介契約は、不動産売買の流れをスムーズにしてくれるのでおすすめです。
4.物件別に見るおすすめ媒介契約
媒介契約のそれぞれのメリット・デメリットについて理解が深まるにつれて、自分の場合ならどの媒介契約を選べばいいのか、わかった方も多いでしょう。
ただ、まだピンと来ない方のために、ここでは物件別におすすめする媒介契約のスタイルを説明していきます。
さっそく一緒に見ていきましょう。
4-1.都心・築浅・ブランドマンションを売るなら「一般媒介契約」がおすすめ
あなたの物件が、以下のような条件を持っているなら、「一般媒介契約」をおすすめします。
なぜなら、誰もが好むような好条件は、マンションを買いたい人の目に触れやすいからです。売り出し方に特に工夫を凝らさなくても、買主が見つかりやすい好条件のため、あえて「一般媒介契約」にすることで複数の不動産仲介業者に競争で販売活動をしてもらいます。
売れやすい物件をライバルと争うことで、「うちなら他社よりもっといい価格で売り出します」と力を入れてくれる会社もあります。そうなると、当初予想していたよりもさらに高値で売却できる可能性があるのです。
そのため、「都心・築浅・ブランドマンション」などの立地や物件状態にアドバンテージがあるものについては、「一般媒介契約」を選ぶことをおすすめします。
4-2.立地が不便・築古のマンションを売るなら「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」
立地が不便だったり、築年数が古いマンションを売るならば、「専任媒介契約」もしくは「専属専任媒介契約」をおすすめします。
なぜなら、条件が悪い物件にはきっちりした販売戦略が必要であり、この2種類については、売主と二人三脚になっての営業活動が期待できるからです。
「専任媒介契約」や「専属専任媒介契約」を選んだ場合、売主は不動産仲介業者1社とのみ契約を交わすことができます。こちらはレインズへの登録も義務化されており、何より販売活動の状態を定期的に報告する義務もあるため、現在物件がどのような状態にあるのか、売主は逐一知ることができます。そして、状況に応じた販売戦略を検討しやすくなるのです。
売主に選ばれた不動産仲介会社としても、なんとしてでも成約にこぎつけて成果を上げたいと考えていますので、物件の営業に力が入ります。
上記のような理由により、立地が不便だったり築年数が古い物件に関しては、「専任媒介契約」や「専属専任媒介契約」を結び、戦略的に販売を行っていくことをおすすめします。
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5.不動産の媒介契約はどれがいい?売主のタイプ別に見るおすすめの契約方法
どの媒介契約を選ぶかは物件タイプだけに限らず、売主のタイプ別からも判断することもできます。
この章では、以下3つの売主パターンについてご紹介していきます。
- 一般媒介契約をおすすめしたい売主
- 専任媒介契約をおすすめしたい売主
- 専属専任媒介契約をおすすめしたい売主
以下詳しく見ていきましょう。
5-1.一般媒介契約をおすすめしたい人
一般媒介契約をおすすめしたい人は、以下3点の条件にあてはまる方です。
以下詳しく説明していきましょう。
5-1-1.好条件の物件を売りたい人
誰もが欲しがる好条件の物件は、複数社の不動産仲介業者に営業活動をお任せするだけで成果を期待できます。好条件とは、「立地が便利・築浅・ブランドマンション」などを指します。
好条件であるがゆえに、少しでも高い値で売りたいとほとんどの売主が思いますが、その点も一般媒介契約なら実現する可能性があります。なぜなら、自社で売却したいと考える不動産仲介業者が、他社よりもよりよい条件で売却を進めてくれる可能性があるからです。
そのため、好条件の物件を売りたい人には、一般媒介契約をおすすめします。
5-1-2.自分で買主を見つけられる可能性がある人
不動産仲介業者以外にも、自力で買主を見つけられるツテがある方も、こちらの媒介契約がおすすめです。
一般媒介契約の特徴として、不動産仲介業者のほかにも自力で買主を探して取引しても良いことになっているからです。
そのため、少しでも自分で買主を探せる可能性があるならば、一般媒介契約をおすすめします。
5-1-3.複数の不動産会社との連絡にストレスを感じない人
複数の不動産会社とやりとりすることに、ストレスを感じない方なら、一般媒介契約がいいでしょう。
ご存知のように、こちらの媒介契約は、同時にいくつかの仲介業者に依頼することが可能です。
当然販売状況によっては、短期間に何度も異なった会社の担当者から連絡がくることも考えられます。
そのひとつひとつのやりとりが、どうしてもわずらわしく感じてしまったり、多忙すぎて対応する暇がない方は、こちらの媒介契約のスタイルは向いていないと言えます。
5-2.専任媒介契約をおすすめしたい人
次に、専任媒介契約をおすすめしたい人は、以下3点の条件にあてはまる方です。
以下1つずつ説明していきましょう。
5-2-1.条件の悪い物件をスムーズに売りたい人
あなたの物件の条件が悪く、買い手がなかなかつきそうにない場合は、専任媒介契約をおすすめします。なぜなら1社のみに仲介を依頼し、2週間に1度、担当者から販売状況が報告されるため、状況を見ながら物件に合わせた販売戦略をじっくり検討できるからです。
不動産仲介業者の担当者も案件を預かっている身として、自社で売却を成功させたい気持ちもあるでしょう。そのため、条件が悪い中でもいかに売り抜けることができるのか、熱心に考えてくれます。
結論として、条件の悪い物件ほど一般媒介契約を利用するのではなく、担当者とじっくり向き合える専任媒介契約をおすすめします。
5-2-2.自分で買主を見つけられる可能性がある人
とはいえ、自分で買主を見つけられる可能性が少しでもあるなら、専属専任媒介契約を結ぶのではなく、やはりこちらの専任媒介契約を検討しましょう。
なぜなら、こちらの契約内容として、不動産仲介業者に依頼する以外にも、自分で買主を探してもOKという内容になっているからです。
そのため、2つの方向で話が進みそうであれば、専任媒介契約を検討しましょう。
5-2-3.複数の不動産会社との連絡に手間をかけたくない人
複数の不動産仲介業者とのやりとりに手間をかけたくない方も、専任媒介契約がおすすめです。
一度物件の販売活動が始まると、もろもろのやりとりが増えます。
電話であっても、メールであっても、文書であっても、こうしたやりとりはとても時間を取られるものであり、かといってないがしろにしたくはないものですよね。
そんな時、何人もの担当者から一斉に連絡があって対応に追われるのは想像するだけで大変です。
専任媒介契約なら、契約できる1社とのみやりとりすればいいので、あなたの時間や手間を取られることはないでしょう。
5-3.専属専任媒介契約をおすすめしたい人
3つ目に、専属専任媒介契約をおすすめしたい人の条件をご紹介します。
以下3点です。
順番に見ていきましょう。
5-3-1.条件の悪い物件をスムーズに売りたい人
さきほどの専任媒介契約と同様で、あなたが保有する物件の条件が悪く、買い手がつくのに時間がとてもかかりそうな場合は、専属専任媒介契約をおすすめします。
なぜなら、こちらもやはり1社のみに仲介を依頼し、さらに1週間に1度、担当者から販売状況が報告される契約スタイルだからです。そのため、状況を見ながら物件に合わせた販売戦略をじっくり検討することができます。
そのため、「こんな不便なところにあるマンションなんて売れるのかな?」「ボロボロの家だけど誰も買ってくれなかったらどうしよう」などの悩みをお持ちの場合は、担当者と販売状況をじっくり検討できる、専属専任媒介契約をおすすめします。
5-3-2.売却のすべてを不動産仲介業者にお任せしたい人
専属専任媒介契約では、自力で見つけた買主とのやりとりは一切禁じています。
そのため、すべての不動産仲介は仲介業者を通して行われます。
売却作業の一切合財を、業者に任せてしまいたい!と考える方には、専属専任媒介契約をおすすめします。
5-3-3.複数の不動産会社との連絡に手間をかけたくない人
こちらもやはり前述した専任媒介契約と同じで、複数の不動産仲介業者とのやりとりに手間をかけたくない方は、専属専任媒介契約がおすすめです。
仕事が多忙すぎて不動産売却の作業に少しも時間を割けない方、1人の担当者ときちんと進めていきたい方、情報が溢れすぎるとストレスを感じてしまう方などは、迷わず専属専任媒介契約を選びましょう。
6.不動産の媒介契約を結ぶ際の注意点3つ
最後に、マンションを売却する際の媒介契約で、気を付けておきたいポイントを3つご紹介します。
どれも抜け漏れがあっては、スムーズに売却が進まないリスクがありますので、のちほどトラブルにならないようきちんと知っておきましょう。
6-1.不動産の媒介契約を結ぶ際の注意点①契約内容や契約期間をきちんと理解しておく
媒介契約を結ぶ際は、相手会社との契約内容や契約期間を契約書でしっかり確認しておきましょう。
契約期間については、3種類のうちどの媒介契約を選んでも、基本3か月の期間となります。
その間、不動産売却のためにどのような仕事を請け負ってくれるのか、3か月が過ぎたあとはどのように契約を変更・継続するのか、途中解約する際の条件などをチェックしておきます。
6-2.不動産の媒介契約を結ぶ際の注意点②事前に手数料を確認しておく
媒介契約を結ぶ際は、手数料を確認しておくのも大変重要です。
基本的には、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類とも、仲介手数料はほとんど変わりません。
仲介手数料はどの媒介契約でも、基本的には次の計算式で計算します。
たとえば、3000万円でマンションが無事売れた場合は、仲介手数料は以下のように計算します。
(マンション売却額3000万円 × 3% + 6万円) + 10%の消費税 = 105万6000円
こうしてみると、仲介手数料はかなり高額であることがわかります。媒介契約を結ぶ際は、このような仲介手数料がかかる旨を理解し、心の準備をしておきましょう。
6-3.不動産の媒介契約を結ぶ際の注意点③信頼のおける不動産会社を選ぶ
最後に注意したいポイントは、信頼のおける不動産仲介業者を選ぶべきだという点です。
複数業者を比較したい時は、不動産査定一括サイトなどを利用するのも大変有効です。
いくつもの不動産会社から査定結果をもらう際に、担当者とやりとりをしますが、その数回の対応でだいぶ会社のカラーや担当者の人柄などが見えてくることも大きいのです。
7.媒介契約を結ぶ際の不動産会社の選び方6選
不動産と媒介契約を結ぶ際の、不動産会社の選び方は以下の6つです。
なお、以下の記事では不動産仲介業者の選び方について詳しく解説しています。少しでも良い業者を選ぶために、ぜひご覧ください。
不動産仲介業者の選び方|良い業者を見分ける6つのポイント|sumnara
7-1.販売実績が豊富か
マンション売却であれば、マンションの販売実績が豊富な会社に任せるのがいいでしょう。
過去の実績を調べるためには、直近の販売実績を見せてもらいましょう。
あなたの保有するマンションに似た物件を扱っているか、近隣周辺の物件を扱っているかなど色々なことがチェックできます。
そのエリアに強い会社、その物件の種類に強い会社などきちんと選ぶことで、あなたの物件を売るのに強みを持つ会社が見つかります。
7-2.レスポンスが早いか
担当者からのレスポンスの早さも重要です。
こちらからの質問や疑問についてすぐに対応してくれるのかどうかをチェックしましょう。
担当者によっては「社に戻って確認します」と言ったきり、情報が途絶えてしまうところもたまにあります。大切な物件を売るのに、やりとりが迅速にできない会社に任せるのは、不安もリスクも大きくなりますよね。
担当者からのレスポンスが素早く来るかどうか、会社選びをする1つの基準として確認をしっかりしましょう。
7-3.販売活動の計画がしっかり決まっているか
販売活動の計画をしっかり練っている会社は、安心してお任せできます。
そのため、担当者にどのような販売活動を行う予定でいるのか、具体的に聞いてみるのもいいでしょう。
7-4.不動産についての知識が豊富か
担当者が不動産についての法的な知識が豊富かどうかも重要なポイントです。
不動産売買は、住宅ローンや税金、法律など様々な難しいルールをいくつも理解しておかなければなりません。あなたが少しでも疑問に思ったことを、きちんと正しい知識でもって返答してくれる担当者の存在は、とても大切です。
そのため、不動産についての知識をどれぐらい身に付けているのかを1つのチェックポイントにしましょう。
7-5.親身になってくれるか
担当者が親身に相談に乗ってくれるかどうかも大変重要なポイントです。
不動産を売却するのは初めての方も多いですが、そんなとき不明点や悩みがあれば、すぐに相談できる担当者であればあるほど、売主の不安も減少し、安心して売却活動に臨むことができます。
そのため、窓口となっている担当者が親身になって話を聞いてくれるかどうかも、見落とさず確認しておきましょう。
7-6.過去の利用者が満足しているか
過去、実際にその会社を利用したユーザーの声を聞くのも重要です。
幸い、今は様々なSNSを通じて、会社評判などの情報は容易に集まります。
過去にその会社で取引をした顧客が、どのようなコメントや感想を残しているのかをしっかり確認しておきましょう。
8.不動産の媒介契約書を結ばない場合はトラブルの元になる
不動産の媒介契約書を結ばない際は、トラブルの元になってしまう場合があります。
例えば、契約の更新や報告頻度などについての共有が家主に対してされておらず、家主が不利益を被ってしまうケースは少なくありません。
書面として契約書を交わしておくことで、トラブルを防げる上、トラブルの責任を不動産会社に問えるので第三者が確認できるような契約書を交わして契約を結びましょう。
9. 不動産の媒介契約を解除する際のペナルティ
不動産会社との媒介契約を、家主の契約違反や家主都合で解除されるとペナルティを課される場合があります。
ペナルティは、「専任契約にも関わらず他の不動産会社と契約した」といったような場合に課されます。
ペナルティが課されると、場合によっては違約金が請求されることがあります。
違約金は仲介手数料と同等の金額が請求されることが多く、場合によっては調査や宣伝などにかかった費用が請求されることも少なくありません。
ペナルティが発生すると無駄な出費が増えてしまうため、不動産会社と媒介契約を結ぶ際は慎重に決めましょう。
10.まとめ
今回は、マンションを売却する際に利用する、媒介契約について詳しくご紹介しました。
現在、媒介契約については以下の3種類があります。
こうしてみると、それぞれの媒介契約は内容が異なっており、売主一人一人の状況に合わせて最適な媒介契約のスタイルを選ぶことが、とても重要であることがわかります。
また、個人売買もできるマンション売却において、あえて媒介契約のスタイルをおすすめするのには、以下のような理由があります。
上記をご覧いただき、あなたのマンションを少しでも高値でかつスムーズに売りたいのであれば、ぜひ媒介契約を検討されることをおすすめします。
ぜひ本記事を参考にすることで、少しでも安心して不動産売買ができることを祈っています!
早く・無駄なお金をかけずマンションを売るならsumnaraで。
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