更新:2023.09.29

マンション売却の新潮流!リフォーム費用をかけずに好条件で売る方法とは?

マンション 売却 リフォーム

「マンションを売却する前に、リフォームをした方がいいのかな?」

「マンション売却に際して、きれいにリフォームしたほうが高く売れるのでは……」

上記のように考える人もいるのではないでしょうか。

しかし、結論から言うと売却前のリフォームはおすすめしません。なぜなら、リフォームにかけた費用が不要なコストとなってしまう可能性があるからです。

この記事では、マンション売却前のリフォームについて、以下のような内容を解説します。

  • 売却前のリフォームが不要な理由
  • マンション売却時にリフォームする場合、しない場合のメリット
  • マンション売却前にリフォームする場合、しない場合のデメリット
  • リフォームする場合にかかる費用の目安
  • リフォームしてからマンションを売る際のコツ

最後まで読めば、リフォームせずにマンションを売却することの有効性を理解し、マンション売却の成功へと一歩近づけるでしょう。

[監修]宅地建物取引士

市野瀬 裕樹

中古マンション売買仲介を累計1200件以上監督。株式会社groove agentにおいて不動産売買の業務に3年従事。買い手をサポートしてきた経験を活かし、どうすれば高く売れるのか?を、買い手目線で不動産売却仲介のアドバイスを行う。

目次

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    1. マンション売却前のリフォームが不要な5つの理由

    マンションの売却前のリフォームが基本的に不要とされるのには、主に5つの理由があります。

    • リフォーム費用が回収できない可能性がある
    • リフォームしても物件価格は変わらない
    • リフォームにかけた分、査定価格が上がるワケではない
    • リフォーム内容が買主の好みと合わない可能性がある
    • リフォーム費用が高い

    1つずつ詳しく説明していきます。

    1-1.【理由1】リフォーム費用を回収できない可能性がある

    売却前のリフォームが不要とされるもっとも大きな理由は、リフォーム費用が回収できない可能性があることです。

    リフォームをすればその分物件価値も高まって、リフォーム費用を回収してもあまるほどの金額でマンションが売れると考えるかもしれません。しかし地域や条件によっては売却価格の値下げを余儀なくされ、当初見込んでいた利益どころか、リフォーム代すら回収できない恐れがあります。

    たとえば2,500万円のマンションを100万円でリフォームしたら、2,600万円以上で売却したいと考えるでしょう。しかし競合となる周囲の物件が予想より安く売り出されていて、なかなか売れずに値下げした場合は、リフォーム費用が回収できない可能性が高くなります。

    また、不動産会社もこの地域の相場では高く売れないと分かっている場合には、そもそもリフォーム代金を上乗せしないことも考えられます。そうなれば、リフォームは無料サービスとして提供することになってしまいます。

    その地域の物件相場が売却希望価格より安い場合はリフォーム代を回収できないため、事前のリフォームはおすすめしません。自己判断でリフォームをする前に、まずは不動産会社に相談しましょう。

    1-2.【理由2】リフォームしても物件価値は変わらない

    リフォームで室内の見栄えが良くなっても、立地や築年数といった条件は変わらないため基本的な物件の価値が変わりません。なぜならマンションの相場は見た目の綺麗さではなく、立地・周辺環境・駅からの距離・築年数・専有面積・部屋数や向きなどによって決まります。

    加えて中古マンションは、「リフォーム済み」よりも「立地」や「周辺環境」「築年数」で探す人が圧倒的多数です。なぜなら、まずは予算内でできるだけ希望に合ったマンションをみつけ、その中から条件の良いものを選ぶからです。

    中古マンションのポータルサイトも、まずは立地や築年数などの条件で検索できるようになっています。つまり、いくらきれいにリフォームしても、検索画面上で大きくアピールできるポイントにはなりません

    早く高く売れることを見込んでリフォームをしても、物件価値に大きく差をつけられず、期待するほどの集客効果が得られない可能性があるのです。

    1-3.【理由3】リフォームにかけた分、査定価格が上がるわけではない

    マンションの査定では、過去に実際に売買された類似の成約事例と比較し、点数をつける方法でおこなわれるのが一般的です。評価される項目は、交通・立地条件や周辺環境、階数や方角など多岐にわたりますが、リフォーム済みかどうかはほとんど加味されません

    リフォームできれいになっていると評価されても、査定全体に与える影響はごくわずか。たとえリフォームに100万円かけたとしても、査定価格が100万円上がることはまずありません。

    査定価格は不動産会社が「おおむね3カ月以内に売れるであろう」と推定して出す価格である以上、リフォーム費用を上乗せすると市場の相場と乖離する可能性が高くなります。結果的に査定価格で売り出すことになれば、リフォーム代は持ち出しとなってしまうのです。

    1-4.【理由4】買主の好みと合わない可能性がある

    室内の内装については人それぞれ好みがあるため、良かれと思って施したリフォームでも、買主の好みと合わなければ候補から外されてしまう可能性があります。

    たとえば古くなった畳をフローリングにリフォームしても、1室は畳の部屋がほしいと思っている買主にとっては、希望にそぐわない物件となってしまいます。反対に、新しい畳に入れ替えても、全部の部屋をフローリングにしたい買主から見るとやはり希望に合いません

    同様に、新しいシステムキッチンに入れ替えたとしても、こだわりがありお気に入りのメーカーのキッチンにしたいと思っている人にとっては無用なものとなるでしょう。

    中古マンションの買主の中には、購入後に自分らしくリフォームやリノベーションして住みたいと思っている人が少なくありません。そのため売主の主観でリフォームしても、買主の好みと合わない場合は、せっかくのリフォームも無駄になってしまう可能性があるのです。

    1-5.【理由5】リフォーム費用が高いため

    上記でも解説したように売却価格は地域の物件相場にも左右されるため、一般的にリフォーム費用の回収はできないという考えを持っておきましょう。

    床や壁紙の張り替え、トイレの交換といった部分的なリフォームでも、数十万円はかかります。大掛かりなリフォームだと数百万円かかることも。マンション売却には他にもさまざまな諸費用がかかってくることを考えると、リフォームに費用をかけすぎるのは得策とは言えません。

    関連記事:リフォームとリノベーションの違いは?【デザイン・費用・期間・流れ】を徹底比較

    また、中古マンションが劣化しているのは当たり前なので、購入者は中古マンションが劣化しているという前提で中古マンションを探しています。

    多少の汚れや傷を気にしない人も多く、リフォーム費用を上乗せしてしまうと、逆に販売価格が高くなり、マンションの売却が難しくなってしまうことからも中古マンション売却前のリフォームは実施しないべきでしょう。

    2. リフォームしてない中古マンションは需要がある

    前章ではマンション売却前のリフォームが必ずしも正解ではないことをお伝えしましたが、もうひとつ知っておきたい事実として、リフォームをしていない中古マンションの売却に一定の需要があることが挙げられます。

    次のグラフは、東京・神奈川・埼玉・千葉に住む20~50代の男女3,000人を対象に実施した、中古物件を購入する場合のリフォーム・リノベーションについての調査結果(groove agent調べ)です。表を見ると、「業者によるリフォーム・リノベーション」は24.5%、「自身(DIY)でリフォーム・リノベーション」は9.8%と、中古物件購入時には自身の好みに合わせて手を加えたいと考えている人は34.3%いることがわかります。

    昨今は、リモートワークの推進などにより自宅で過ごす時間が増えたことで、住まいをより充実させたいというニーズも高まっています。リフォームしていないマンションへの需要があることを念頭におきつつ、売却前にリフォームするかを検討しましょう。

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    3. マンション売却前にリフォームする場合、しない場合のメリット

    これまで売却前のリフォームは基本的には不要である理由をお伝えしてきましたが、それでもリフォームすべきかどうか迷っている方もいるでしょう。

    この章では、下記を説明します。

    • リフォームせずに売却する場合のメリット
    • リフォームしてから売却する場合のメリット

    それぞれのメリットを知っておくことで、自分のマンションはリフォームしてから売却したほうがいいのかどうか、より具体的に検討できるでしょう。

    3-1.リフォームせずに売却する場合のメリット

    まずはリフォームをしないで売却した場合のメリットから解説します。

    順番に解説します。

    3-1-1.【メリット1】リフォームする費用がかからない

    リフォームは、規模によっては100万円を超える費用が必要になります。しかしリフォームしないで売却すれば、当然、リフォーム費用がかからないため不要な出費を抑えられます

    その費用を浮かせられれば、新居への引っ越し資金やマンションが売れるまでの管理費・維持費などに使えます。

    3-1-2.【メリット2】すぐに売却し始められる

    2つ目のメリットは、売却開始までのタイムラグが発生しないことです。

    リフォームにかかる期間はリフォームする箇所や範囲によって異なり、水回りなら1〜2週間、全面リフォームなら2〜3ヶ月かかります。そしてリフォームが終わるまでは、マンションを売却できません。買主は当然、リフォームの仕上がりを見て判断したいからです。

    しかしリフォームをしなければ、クリーニングしたあとすぐに売却を開始できます。クリーニングは1日で終わるため、翌日からでもチラシや物件情報サイトなどに掲載して買主を探せます。

    3-1-3.【メリット3】自分で自由にリフォームしたい買主の需要が集まる

    3つ目のメリットは、よりニーズや条件がマッチした買主が見つかりやすいという点です。

    「2.リフォームなしの中古マンションの売却は需要がある」で、最近は自分好みのリフォームを施して住みたい人が増えているという話をしました。リフォームせずに売り出すと、このニーズにピタリと当てはまります

    自分でリフォームしたい人が探すのは、当然リフォーム前のマンションです。リフォームしてあるものをわざわざ壊してリフォームし直す場合、売主がかけたコストが無駄になるのに加え、一度きれいにしたものをもう一度壊すことに罪悪感を覚える買主もいます。そのためいくら築年数や間取りなど他の条件がマッチしていても、候補から外す可能性があるのです。

    その点「リフォームなし」「リフォーム前」であれば、心置きなく自分の思い通りにリフォームができるので、自分でリフォームをしたい買主の関心を引きやすくなります。

    3-2.リフォームしてから売却する場合のメリット

    次にリフォームしてから売却する場合のメリットを解説します。

    順に解説します。

    3-2-1.【メリット1】内覧時の第一印象が良くなる

    「人は見た目が9割」という言葉がありますが、マンションも同様で、きれいにリフォームしてあれば第一印象が良くなります。

    買主が内覧に来て初めて見たときに、クロスやフローリング、キッチンなどが新品同様になっていれば好印象を持つでしょう。

    とくにペット可のマンションやタバコを吸っていた場合は、臭いが染み付いていることがあります。リフォームして一新すれば、臭いごと取り去ることが可能です。

     これからの生活を想像するときに、新しいものを見るのは嬉しいものです。リフォームをしていれば、第一印象は間違いなく良くなります。

     3-2-2.【メリット2】購入後にそのまま住みたい買主の需要が集まる

    メリットの2つ目は、自身でリフォームする予定がない買主の需要を集められることです。

    マンションを探すときに、購入後手を加えずにそのまま住める「リフォーム済み物件」だけを候補にする人もいます。リフォームをしていれば、そう考える買主の選択肢に入ります。

     3-2-3.【メリット3】設備のリフォームはアピールポイントになる

    設備をリフォームして新品同様にすると、売却時のアピールポイントになります。

    とくにキッチンやトイレ、風呂場など、生活していくのに必要な水回りの設備をリフォームしておけば、すぐに劣化して修繕する心配がなくなります。購入後にリフォームを考えている人も、設備をそのまま使える可能性があるため候補にしてもらいやすくなるでしょう。

    ただし、好みのメーカーの設備を入れたいなどの希望がある人にとってはアピールポイントにはならない可能性もあります。

    4. マンション売却前にリフォームする場合、しない場合のデメリット

    これまで売却前のリフォームは基本的には不要である理由をお伝えしてきましたが、それでもリフォームすべきかどうか迷っている方もいるでしょう。

    この章では、下記の2つのデメリットについて紹介します。

    • リフォームせずに売却する場合のデメリット
    • リフォームして売却する場合のデメリット

    それぞれのデメリットを知っておくことで、自分のマンションはリフォームしてから売却したほうがいいのかどうか、より具体的に検討できるでしょう。

     4-1.リフォームせずに売却する場合のデメリット

    続いて、マンションをリフォームせずに売却した場合のデメリットを説明します。

    それぞれ紹介します。

    4-1-1.【デメリット1】劣化や汚れが目立つ場合、内覧時の印象が良くない

    デメリットの1つ目は、内覧時の印象が良くないことです。

    買主が中古マンションの内覧に来たとき、きれいにリフォームしてあれば好印象を持ってもらいやすくなります。しかしリフォームしておらず、たとえばクロスのシミやフローリングの傷などが目立つ場合はマイナスイメージにつながる可能性があるのです。

    リフォーム前提の買主で、すでにいくつかリフォーム前の物件を見ていれば、ある程度の想像はついているでしょう。しかし初めてリフォーム前の物件を見る人は、これからリフォームをすると分かっていても「思ったよりも古い」「汚れている」とネガティブに感じるかもしれません。

    4-1-2. 【デメリット2】自身でリフォームする予定がない買主の検討候補から外れてしまう

    デメリットの2つ目は、自身でリフォームする予定がない買主の検討候補から外れてしまうことです。

    購入後に自身でリフォームする手間を省いてそのまま住みたい買主にとっては、リフォームしてあるかどうかは大きな問題です。リフォームされていないマンションは、そういった買主にとっては検討の対象外となってしまいます。

     4-2.リフォームしてから売却する際のデメリット

    次はマンションをリフォームして売却した際のデメリットを説明します。

    それぞれ紹介します。

    4-2-1.【デメリット1】リフォーム費用を回収できない可能性がある

    リフォーム費用を回収できない可能性があることは「1-1. 【理由1】リフォーム代を回収できない可能性がある」でもお伝えしたとおりです。相場よりも売却価格が低くなる場合、リフォーム費用をかけても回収はできません。

    最初から売却価格が低くなる場合は、仲介不動産会社もリフォーム費用を上乗せするのは難しいと判断します。リフォーム費用を回収できそうにない場合は、自分だけの判断でリフォームしてしまうのは賢い選択とは言えません。不動産会社とよく相談して売却戦略を工夫しましょう。

    4-2-2.【デメリット2】買主の予算候補から外れてしまう

    リフォーム費用を回収しようと上乗せし、マンションの売却価格が高くなると、買主の予算外になってしまう可能性があります。

    買主は、中古マンションは少なからず築年数が経っていて、古くなっているのは当たり前と思っています。その分価格が手頃となった中古マンションを検討しているのに、リフォーム費用が上乗せされて売却価格が高くなっていると、予算オーバーで検討候補から外してしまう恐れがあります。

    また、リフォームを前提にしている買主にとって、中古マンションは自分好みの住まいにつくり変える夢を叶えるためのもの。そのため、築年数や価格、周囲の環境などの条件が気に入った中古マンションにリフォームが施されていた場合、夢を実現するためにリフォームをし直すことすらあるでしょう。

    4-2-3.【デメリット3】売却時期が遅れる

    「3-1-1.リフォームせずに売却するメリット」でも触れましたが、リフォームする場合、リフォーム期間中は売却できないため、売却時期が遅れてしまいます

    引っ越しの期限などがあり、早くマンションを売却して次の住居を購入したいなどの事情がある場合、マンションの売却時期が遅れるとその分購入時期もずれ込んでしまいます

    加えて、マンション売却には子どもの転校しやすい各学期末や転勤時期の年度末など、売却しやすいシーズンがあります。売却時期が遅くなって売却シーズンの波に乗り遅れると、5ヶ月6ヶ月となかなか売れなくなる可能性があります。

    売却期間が長引けば、その間マンションの管理費や修繕積立費、固定資産税などを払い続けなければならないこともデメリットと言えるでしょう。

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    5. マンション売却の際にかかるリフォーム相場・費用の目安

    マンションの売却前のリフォームは、コストの回収が難しいとお伝えしてきましたが、実際どのくらいの費用がかかるのでしょうか?

    とくに内装がボロボロだったり、設備の故障があまりにひどかったりする場合には、値引き交渉の材料とされる恐れもあります。値引き額を検討するためにも、あらかじめリフォーム費用の相場を把握しておくことをおすすめします。

    以下の表はリフォーム費用相場の目安一覧です。

    ※費用相場は、「リフォーム 費用相場」の検索で表示された上位10記事(2022年10月時点)に記載の数値から平均をとり記載しています。

    5-1.壁紙の張り替え(6畳あたり)

    壁紙の張り替え費用の相場は、6畳あたり5万円〜7万円程度です。かかる費用は使用する壁紙のメーカーやグレードによって異なり、スタンダードなビニールクロスであれば4万円〜5万円に抑えられますが、ハイグレードなタイプを選ぶと8万円〜10万円程度かかります。

    5-2.床全面の張り替え(6畳あたり)

    床を張り替える費用の相場は使用する素材によって異なり、6畳あたり8万円〜13万円程度です。合板フローリングを選ぶと比較的安価に抑えられ、無垢フローリングだと高額になる傾向があります。

    5-3.キッチン

    キッチンリフォームの費用相場は、48万円〜153万円程度です。コンロや換気扇、食洗機などの交換といった部分的なリフォームであれば30万円程度でおこなえますが、壁付きから対面に変更するようなキッチンの移動をともなう大規模なリフォームだと200万円以上かかる場合もあります。

    5-4.浴室

    浴室リフォームにかかる費用の相場は、61万円〜135万円程度です。劣化・故障したユニットバスの入れ替えのみであれば、本体のグレード次第では50万〜100万円程度でおさまる可能性があります。

    5-5.トイレ

    トイレリフォームにかかる費用の相場は、22万円〜45万円程度です。ウォシュレットの取り付けや交換だけであれば、10万円程度でおこなえます。便器ごと交換する場合は15万〜30万円、壁紙や床材も含めてトイレ全体をリフォームするなら45万〜50万円程度は見込んでおきましょう。

    5-6.洗面室

    洗面所のリフォームにかかる費用は、18万円〜50万円程度が相場です。既存の化粧洗面台を入れ替えるだけであれば、10万円〜20万円程度で済みますが、あわせて壁紙や床材も交換する場合には、30万円〜40万円程度は必要です。

    6. リフォームしないでマンションを売却する際の4つのコツ

    マンションをリフォームしない場合でも、少しでもスムーズに売却するには、以下を検討するのもおすすめです。

    • 自分で清掃・補修する
    • 築浅の場合はハウスクリーニングする
    • ホームステージングを検討する
    • 購入後に自分でリフォームしたい人に売る

    順番に説明します。

    6-1.自分で清掃・補修する

    リフォームしないで売却する場合でも、内覧時の第一印象は少しでも良くしておくのが賢明です。部屋の隅にホコリやゴミなどが落ちていると、物件自体はもちろん、売主の印象が悪くなってしまうためです。内覧前には最低限の掃除をおこなっておくと、売却に繋がる可能性が高くなります。

    ちょっとした傷なども、自分でできる範囲内で補修しておきましょう。具体的には、以下のような対応をおこないます。

    • 片付けをして部屋を広く見せる
    • 室内の掃き掃除、拭き掃除で清潔感を出す
    • フローリングや壁の傷の補修

    6-1-1.片付けをして室内を広く見せる

    内覧前には余計な荷物などは片付けて、マンションそのものの価値を判断できるようにしておきましょう。

    完全に空室にせず、購入後の生活をイメージしてもらえるよう、空の食器棚やソファ、カーテンなど、いくつかの家具を残しておくのもおすすめです。その際は、背の低い家具を選ぶと部屋が広く見えます。細々したものや不要なものは、生活感がにじみ出過ぎてしまうためなるべく片付けておきましょう。

    6-1-2.室内の掃き掃除、拭き掃除で清潔感を

    室内を清潔にしておくのは、内覧客を迎えるときの最低限のマナーです。

    内覧に来たときに清潔感がなければ、マンションの印象が悪くなるだけでなく、だらしない売主と取られてしまう可能性があります。そうすると、「なにかトラブルがあったときに、きちんと対応してもらえないのでは」と不安を与えかねません。

    室内の掃き掃除や拭き掃除は最低限おこなって、ゴミやホコリなどがない状態にしておきましょう。

    6-1-3.フローリングや壁の傷の補修

    先ほどもお伝えしたように、フローリングや壁の傷は内覧時の第一印象を悪くしてしまいます。

    フローリングや壁の傷は、軽微であれば自分で補修が可能です。補修用品はホームセンターなどで手に入るので、内覧までに補修方法を確認し対応しましょう。

    6-2.築浅の場合はハウスクリーニングをするのも手

    築浅で比較的きれいな中古物件の場合は、プロのハウスクリーニングに依頼するのもおすすめです。築浅物件は購入希望者もある程度きれいな状態であることを期待していることが理由です。そのため汚れていると評価が大きく下がる傾向があります。

    プロに頼めば自分ではおこなえない部分まで丁寧に掃除してもらえるので、そのまま使える設備を買主が判断しやすくなるのもメリットです。

    ただしハウスクリーニングは10万円程度の費用がかかるため、余裕がある場合にのみ検討するとよいでしょう。

    なお、ハウスクリーニングには家事代行と賃貸住宅の撤去時におこなう2つのタイプがあり、マンション売却時に依頼するのは退去時におこなうハウスクリーニングです。

    ハウスクリーニングでやってくれる内容は、主に以下のようなものになります。

    買主がリフォームする前提で売却する場合は、床やフローリングは省いてよいでしょう。ハウスクリーニングは仲介不動産会社が指定する場合もあるので、事前に相談するのがおすすめです。

    6-3.早く売るためにホームステージングも検討に入れる

    築浅で状態が良く、比較的見栄えのいい中古物件の場合は、ホームステージングという選択肢もあります。

    ホームステージングとは、売却中のマンションに、照明や家具、小物などを飾ってモデルハウスのように演出してくれるサービスのことです。ホームステージングをすると、早く売却できる可能性が高まります。

    通常は、売却開始から成約するまでには3〜6ヶ月かかると言われています。

    しかし「一般社団法人 日本ホームステージング協会 ホームステージング白書2020(13ページ)」によると、ホームステージングすることで「成約までの期間が大幅に短くなった(28%)」「わずかに短くなった(52%)」との結果が出ています。

    ホームステージングの会社では、売却物件を演出するためのおしゃれな家具や小物などを貸してくれます。期間や貸してもらえる種類・数は会社ごとに設定しているプランによって異なり、ほとんどは最低3ヶ月からで費用相場は15万円程度です。

    6-4.購入後に自分でリフォームしたい人に売る

    マンションをリフォームしないでそのまま売却したい場合、購入後に自分たちで好きなようにリフォームしたいと考えている人に売るのがもっともスムーズな方法です。

    リフォームすることを前提にマンションを探している人は、内装や設備を撤去することを想定しているため、専有部分の古さや劣化は気にしません。むしろリフォームされて新しくなり価格が上がった物件は、候補から外してしまうことすらあります。

    リフォームを前提にした購入希望者を見つけるには、リフォームを含めた提案をおこなっている不動産会社を利用するのがおすすめです。自社でリフォームまで対応している会社なら、「購入からリフォームまでワンストップで済ませたい」と考える買主を紹介してもらいやすいからです。

    関連記事:【保存版】マンション売却のコツ11選|高く早くスムーズに売るポイントとは?

    7. マンション売却時にリフォームをした方が良いケースもある

    ここまで、リフォームなしでマンション売却をするコツと、マンション売却前にリフォームは不要なことについて解説してきました。

    一方で、次のようなケースはリフォームの実施を検討してみても良いでしょう。

    • ケース(1)築年数が浅い場合
    • ケース(2)設備や内装がボロボロの場合

    それぞれ解説していきます。

    7-1.ケース(1)築年数が浅い場合

    築年数が浅いマンションは、新しさや状態の良さが売りの一つとなります。

    購入してからすぐに住み始められるマンションを探しているという購入希望者が多いためです。

    しかし、築年数が少ないからといって必ずしもリフォームをしなくても良いというわけではありません。

    例えば、内装のデザインが古く感じる、設備が最新ではないなど、購入者が求める条件に合わない場合は、リフォームをおこなうことで魅力的な物件にできます。

    ただ、築年数が浅い場合でも設備や内装の修繕箇所が多い場合は、出費が増えすぎてしまう可能性もあります。

    また、購入者の希望に合わない修繕をおこなってしまうと、手間や費用をかけてリフォームをしたのに購入希望者が見つからないということもあります。

    そのため、リフォームをするかどうかの判断は不動産会社と相談し、よく考えてから実施するようにしましょう。

    7-2.ケース(2)設備や内装がボロボロの場合

    設備が故障していたり、過度に経年劣化していたりする場合は、リフォームの実施を検討してみると良いかもしれません。

    設備や内装が過度に劣化しているマンションは、売却価格が低くなるだけでなく、なかなか成約につながらない可能性もあるからです。

    例えば、古いキッチンやバスルーム、劣化した床や壁などは購入者にとって負担となる要素になります。

    壁紙や床材の簡易的なリフォームは、内覧の申し込みの増加や内覧に訪れた人の印象を良くするのに効果的です。

    ただ、内装のリフォームを実施する際は、奇抜な色や柄は避けるようにしましょう。

    また、どんな場合でもマンション売却の前にリフォームの実施を検討している場合は、事前に不動産会社へ相談することをおすすめします。

    8. マンション売却の際の確定申告でリフォーム費用は計上できる

    マンションを売却する際には、売却益に対する所得税や住民税など税金の支払いが必要となりますが、マンション売却前におこなったリフォーム費用は、確定申告の際に計上できます

    例えば、キッチンやバスルームの改修、床の張り替え、壁の塗装など売却前におこなったリフォームにかかった費用は、売却益から差し引けます。

    ただし、リフォーム費用の計上には下記のような条件があります。

    • マンション売却前の1年以内におこなわれたリフォームであること
    • リフォーム費用は売却益を超えない範囲で計上できる

    また、リフォーム費用の計上には、領収書や請求書などの証明書類が必要です。確定申告の際には、これらの証明書類を提出することで、リフォーム費用の計上が可能です。また、税務署の指示に従い、正確な計上方法を確認することも重要です。

    9. まとめ

    マンションを売却する際、基本的には「リフォームしない」が有効です。

    最後にもう一度マンションをリフォームせずに売却した場合とリフォームしてから売却する場合のメリットを確認しておきましょう。

    マンションをリフォームせずに売却した場合のメリットとデメリット

    マンションをリフォームせずに売却した場合とリフォームしてから売却する場合のデメリットはこちらです。

    マンションをリフォームしてから売却した場合のメリットとデメリット

    リフォームなしとリフォームありを比べると、リフォームなしで売却したほうが有効なケースもあることがおわかりいただけたかと思います。

    売却する物件が古びているからといって、必ずしも事前リフォームが必須とは限りません。競合となる同エリア内の物件情報や、さまざまな買主がいることを想定し、「リフォームせずにそのまま売る」ことを選択肢に入れつつ、ベストな方法を検討しましょう。

    なおsumnaraでは、早く・無駄なお金をかけずにマンションを売るお手伝いをしています。リフォームを前提としたお客さまを多く抱えているので、リフォームせずにスムーズな売却が可能です。

    売却に際しては、プロライターが物件を直接取材して隠れた魅力を引き出して購入希望者にアピールします。売却の相談をしても、しつこい営業電話などのセールスがないのも安心です。

    無料相談をご希望の方は、どうぞお気軽にお問い合わせくださいね。

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