最新版|家を売る流れや注意点、高く早く売る方法を徹底解説
「家を売る予定があるけれど、何から手をつければ良いの?」
家を売ることは、人生でもそう何度も経験するものではないため、家を売りたいとお考えの人のほとんどが、このような疑問に直面することでしょう。
しかし、分からないからと言って、不動産会社を安易に選び、丸投げしてしまうのは良くありません。
なぜなら、どこの不動産会社を選ぶか、そしてその不動産会社とどんな契約を結び、どのようにして家を売り出すかといったことは、家が売れるスピードや価格に大きく影響するためです。
つまり、家を少しでも良い形で売りたいと思うなら、家を売る流れや様々なポイントをしっかり理解し、状況に応じた最良な判断を、自分自身で主導的に下していくことが重要だと言えるのです。
そこで本記事では、家を売ることに関する、以下の情報について解説していきます。
- 家を売る基本の流れ
- 家を売る際に気を付けるべき注意点
- 家を売るなら知っておくべき売却にかかる費用・税金
- 家を高く売るための売却タイミング
- 更に「高く」且つ「早く」家を売る方法
本記事を読めば、家を売る流れや注意点、発生する費用などの基本的な情報を網羅的に理解できるとともに、家を「高く」且つ「早く」売る方法を知ることができるはずです。
是非参考にしてくださいね。
[監修]宅地建物取引士
市野瀬 裕樹
中古マンション売買仲介を累計1200件以上監督。株式会社groove agentにおいて不動産売買の業務に3年従事。買い手をサポートしてきた経験を活かし、どうすれば高く売れるのか?を、買い手目線で不動産売却仲介のアドバイスを行う。
目次
\簡単30秒で査定依頼完了/
1.家を売る基本の流れ
家を売る際は、不動産会社に仲介してもらい、買主を探す方法が一般的。
仲介手数料を支払いたくないという理由で、不動産会社を介さず個人で家を売りたいという人もいますが、法的な専門知識が絡んでくることもあり、あまりおすすめできません。
そこでまずは、不動産会社に仲介してもらう場合、どのように家を売ることになるのか、基本的な流れを以下の図に沿って解説していきます。
なお、個人で家を売る方法を詳しく知りたいという人は、不動産の個人売買について書かれたこちらの記事をご参照ください。
1-1.自分で相場を調べてみる
家を売るにあたり、最も気になるのは「家がいくらで売れるのか」という点ですよね。
そこで手始めに、売却対象の家の相場を自分で調べてみましょう。
自分で家の相場を調べる方法は、主に以下の2つ。
- 「過去に売却された不動産の取引価格」から調べる方法
- 「不動産の売り出し価格」から調べる方法
いずれの方法でもインターネットを使って調べることが可能で、具体的には、以下のWEBサイトを活用して調べることができます。
「家がいくらで売れるのか知りたければ、不動産会社に査定を依頼すれば良いのでは…?」
と思われるかもしれませんが、自分で相場を知ることは大変重要。
なぜなら、不動産には「定価」が無く、「相場」を知っておかないと損をする可能性があるためです。
不動産会社が提示する査定額が100%正しいとは言えませんので、実際に物件が売れてから「もっと高く売れたんじゃないか?」などと後悔することのないよう、不動産会社に丸投げせず、自分でも相場を把握しておくようにしましょう。
過去に売却された不動産の取引価格を調べたい人は、以下のリンクをご覧ください。
1-2.不動産会社に査定を依頼し、選定・契約する
自分で家の相場を把握したら、次は不動産会社に査定をしてもらったうえで、気に入った会社を選び、契約しましょう。
不動産会社による家の査定方法には、以下の2種類があります(更に詳しく知りたいという人は、不動産査定の種類について書かれたこちらの記事をご参照ください)。
家を売るという重要な作業を任せる不動産会社を選ぶにあたり、複数の不動産会社から査定を取り、比較したうえで絞っていくことは極めて重要。
よって、
- まずは一括査定サービスを活用したり、知っている不動産会社に直接問い合わせてみたりして、複数の不動産会社に机上査定をしてもらう
- 査定額の高い会社や、信頼できそうな会社をいくつかピックアップし、訪問査定をしてもらい、正確な査定額を確認する
上記のようなステップを踏み、良いと思った会社と契約を締結する方法がおすすめですよ。
なおこの後、不動産会社の選び方については「2-2-1.信頼できる不動産会社を選ぶ」にて、不動産会社との契約については「2-2-2.不動産会社との契約形態を検討する」にてそれぞれ詳細に解説いたしますので、あわせて参考になさってくださいね。
1-3.家を売り出す
不動産会社と契約を締結したら、売主自身で「家の売り出し価格」を決め、家を売りに出します。
売却活動は不動産会社主導で行われるため、売主が直接何かするということはほとんどないのですが、
- 売却活動が適切に行われているか、不動産会社の動きを確認する
- 対象の家に居住中の場合、購入希望者の内覧に対応する
上記2つのポイントは押さえておくようにしましょう。
特に内覧対応は、家が売れるか否かの成否を大きく左右する、極めて重要なポイントです。
以下のとおり、購入希望者に「正しい情報を知ってもらうこと」と「良い印象を持ってもらうこと」を意識し、誠実に対応するようにしましょう。
1-4.売買契約を締結し、家を引き渡す
購入予定者が現れたら、
- 売買価格
- 引渡し日
- 手付金の金額
などについて購入予定者と交渉を行い、両者が納得できる内容に落とし込みます。
その後、不動産会社にその内容を含む売買契約書を作成してもらい、正式に契約を締結。
買主からの費用の支払いが確認でき次第、家の登記簿上の名義人を買主に変更し、予定していた引渡し日までに家から退去することで、一連の手続きは完了です。
なお、登記簿上の名義人を買主に変更する手続きは、不動産会社と提携している司法書士が行ってくれるケースが多いですが、詳しく知っておきたいという人は、所有権移転登記について書かれたこちらの記事をご確認ください。
2.家を売る際に気を付けるべき注意点9つ
ここまで、家を売る際の基本的な流れをご紹介してきましたが、実際に売却活動を行うにあたり、特に気を付けていただきたい注意点が複数あります。
そこで、
- 「事前の準備段階」に気を付けるべき注意点
- 「不動産会社選定~家を売り出す前」に気を付けるべき注意点
- 「家を売り出した後~引き渡し完了まで」に気を付けるべき注意点
に分けて、下記の図のとおり、計9つの注意点をご紹介したいと思います。
2-1.「事前の準備段階」に気を付けるべき注意点
まずは「事前の準備段階」に気を付けるべき注意点をチェックしていきましょう。
2-1-1.「仲介」と「買取」の違いを理解する
1つ目の注意点は「「仲介」と「買取」の違いを理解する」ということです。
「1.家を売る基本の流れ」でご紹介したのは、不動産会社に「仲介」してもらって家を売るという最も一般的な方法ですが、実は家を売る方法にはもう1つ、「買取」という選択肢があります。
それぞれの違いは以下のとおり。
つまり、「仲介」とは不動産会社を経由して買主(主に個人)を探してもらう方法であるのに対し、「買取」とは、不動産会社に直接家を買い取ってもらう方法であるという訳です。
では、家を売る方法として「仲介」の方が一般的な理由は何かと言うと、ズバリ、「買取」より「仲介」の方が高く売れるから。
不動産会社が家を買い取る際は、対象の家をリノベーションするなどして付加価値を付け、再販することを前提としています。
つまり、「再販時の利益」から「買取時に払った費用」を控除した額が不動産会社の利益になるため、なるべく安く(一般的には市場価格の7~8割程度の価格で)物件を買い取り、自社の利益を大きくしようとするのです。
但し、買取を選ぶと、買主の出現を待つ必要が無いため、短期間で家を売ることができるというメリットもあります。
「多少安くなってもいいから早く家を売りたい」と考えている人は、買取も視野に入れると良いでしょう。
2-1-2.家の名義人を確認する
2つ目の注意点は「家の名義人を確認する」ということです。
家は原則的に、名義人として登記されている人しか売却することができません。
よって、
- 両親から相続したものの、登記簿上の名義人が亡くなった両親のままになっている家を売却したい
- 高齢の親族が所有している家を、代理で売却したい
などということは、基本的には不可能です。
このような場合、事前に家の名義人を変更してから売却活動を開始する必要があります。
また、共有名義の家を売りたい場合、名義人全員の同意が必要になるため、全員の委任状を取り付けておきましょう。
なお、家の名義人は、法務局で登記簿謄本(登記事項証明書)を取得することで確認可能です。
2-1-3.住宅ローンの残高を調べる
3つ目の注意点は「住宅ローンの残高を調べる」ということです。
対象の家の住宅ローンが残っている場合、
- 不動産会社による査定額が住宅ローン残高を上回る(つまり、売却時の利益で残った住宅ローンを完済できる)
- 住宅ローン残高を自己工面したお金で一括返済できる
上記いずれかの条件に当てはまらない限り、原則として家を売ることはできません。
そこで、以下のような方法で住宅ローン残高がいくらあるのかを事前に調べておきましょう。
- 住宅ローン借入直後に金融機関からもらった返済予定表を見返す
- 借入先の金融機関のWebサイトで調べる(インターネットバンキングに登録している場合)
- 年に一度(一般的には10月頃)金融機関から送られてくる確定申告用の残高証明書を見る
- 金融機関の窓口で残高証明書を発行してもらう
住宅ローンの残高が不動産会社の査定額より高くなりそうで、かつ、お金を自己工面して一括返済することが叶わなそうな場合、「住み替えローン」の活用などを検討する必要が生じてきます。
住み替えローンについて詳しく知りたいという人は、住み替えローンについて書かれたこちらの記事をご参照ください。
2-1-4.必要書類を集めておく
4つ目の注意点は「必要書類を集めておく」ということです。
家を売るプロセスにおいては
- 対象の家に関する書類
- 売り主に関する書類
などが必要になってきます。
具体的にどんな書類が必要かはケースによって異なりますが、ほとんどのケースで共通して必要になってくるのが以下の書類です。
準備段階で全て集めておく必要はありませんが、時間のあるときに順次集めておくと、売却活動がスムーズに進みますよ。
2-1-5.土地の境界線について確認する
5つ目の注意点は戸建ての場合のみの注意点となりますが、「土地の境界線について確認する」ということです。
対象の家が戸建ての場合など、土地をセットで売却するケースにおいては、登記簿に記載された土地面積で取引を行う「公簿取引」が一般的。
しかし、以下の条件に当てはまる場合、家を売る前に「土地測量(確定測量)」を行うことが推奨されています。
- 古くから所有している土地で、登記された当初の状態と比べ、形状等が変わっている可能性がある
- 隣地との境界がハッキリせず、トラブルに発展するリスクがある
- 1㎡あたりの土地単価が高く、土地面積の少しの誤差が売却費用に大きな影響を及ぼすような市街地に土地がある
特別な理由がない限り、土地測量を行うのが一般的です。土地測量には、40〜50万円の費用が発生することがあります。
土地の境界線について詳しく知りたいという人は、隣地境界線について書かれたこちらの記事をあわせて参考になさってくださいね。
2-2.「不動産会社選定~家を売り出す前」に気を付けるべき注意点2つ
続いて「不動産会社選定~家を売り出す前」に気を付けるべき注意点を2つ、チェックしていきましょう。
2-2-1.信頼できる不動産会社を選ぶ
1つ目の注意点は「信頼できる不動産会社を選ぶ」ということです。
良い条件で家が売れるか否かは、依頼した不動産会社の質によって大きく左右されます。
そこで、以下の3つの軸を参考に、信頼できる不動産会社を選定するようにしてください。
おすすめの不動産会社を知りたいという人は、不動産仲介会社のおすすめランキングについて書かれたこちらの記事をあわせて参考になさってくださいね。
2-2-2.不動産会社との契約形態を検討する
2つ目の注意点は「不動産会社との契約形態を検討する」ということです。
家の売却の仲介業務を依頼するため、不動産会社と締結する契約のことを「媒介契約」と言います。
実は、媒介契約には3つの種類があり、どの形態で契約するかを検討することが必要です。
各契約形態の主な違いを比較すると、下記のようになります。
最も大きな違いは、「専任媒介契約」や「専属専任媒介契約」では1つの不動産会社としか契約できないのに対し、「一般媒介契約」では複数の不動産会社と契約締結できるという点です。
それぞれのメリット・デメリットは以下のとおりです。
どちらを選べば良いかは状況にもよりますが、以下の図を参考に検討してみてください。
なお、公益財団法人不動産流通推進センターの調査によれば、一般媒介契約を選ぶ人より専任媒介契約もしくは専属専任媒介契約を選ぶ人の方が多く、おおよそ1.5倍に及ぶとのことです。
更に詳しく知りたい人は、専任媒介契約について書かれたこちらの記事や、一般媒介契約について書かれたこちらの記事をあわせてご参照ください。
2-3.「家を売り出した後~引き渡し完了まで」に気を付けるべき注意点2つ
最後に「家を売り出した後~引き渡し完了まで」に気を付けるべき注意点を2つ、チェックしていきましょう。
2-3-1.売買契約書の内容を精査する
1つ目の注意点は「売買契約書の内容を精査する」ということです。
前述のとおり、買主が決まると、買主との間で売買契約書を取り交わすことになります。
売買契約書は、売買価格や引渡し日などのほか、買主と相談して決めた様々な内容が記された、極めて重要な書類。
よって、正式に取り交わす前に、売買契約書の内容を細部まで精査しておく必要があります。
特に注意しなければならないのが、「買主と口頭で交渉した内容が売買契約書に反映されていなかった」というケース。
折角取り決めた内容が無効になってしまうことを防ぐため、反映漏れがあれば、例え些細な内容であっても、不動産会社に依頼して追記してもらうようにしましょう。
また、売買契約書に記載された売却条件は順守する必要がありますので、例えば「現状引渡しではなく、クリーニングしたうえで引渡す」などの条件が設定されている場合、期日までにハウスクリーニングを終えられるように手配しておかなければなりません。
売買契約書について更に詳しく知りたいという人は、不動産の売買契約書について書かれたこちらの記事をあわせてご参照ください。
2-3-2.住宅ローン完済の手続きをする
2つ目の注意点は「住宅ローン完済の手続きをする」ということです。
先に述べたとおり、住宅ローンが残っている家を売った場合、売却時の利益や自己工面したお金などでローン完済(一括繰り上げ返済)の手続きをする必要があります。
これに関して、1点注意すべき点が。
それは、「住宅ローンを完済すれば、対象の家に付いていた抵当権(金融機関による担保権)が消滅するが、“家の登記簿上の抵当権に関する記載”は勝手に消えない」という点です。
登記簿に抵当権の記載が残っていると、第三者が登記簿を見たとき「この家は住宅ローンを完済していないのかな?」という誤解を招くことになりますし、そもそも抵当権が残った家は売却できないため、手続き上トラブルを招く要因となります。
よって、住宅ローンを完済したら、速やかに登記簿上の抵当権に関する記載を消す手続き(「抵当権抹消手続き」と言う。)まで行うことが重要です。
とは言え、このあたりの手続きは、不動産会社が提携先の司法書士と協力するなどして進めてくれるケースがほとんどですが、詳しく知りたいという人は、マンション売却における抵当権の抹消について書かれたこちらの記事をあわせてご参照ください。
\簡単30秒で査定依頼完了/
3.家を売るなら知っておくべき売却にかかる費用・税金
ここまで、家を売る基本の流れや注意点など、「家を売る方法」について解説してきましたが、同様に気になるのが「家を売るのにかかる費用」でしょう。
結論を申し上げますと、家を売る際にかかる費用はいくつかあり、以下のとおり「売却にかかる費用」と「税金」に分類されます。
具体的にどんな費用が発生するのか、確認していきましょう。
3-1.売却にかかる費用
まずは売却にかかる費用からご紹介します。
- 仲介手数料
- 住宅ローン一括返済手続きにかかる手数料
- その他
主に発生する売却にかかる費用は、上記の3種類です。
この後1つずつご紹介していきますが、より詳しく知りたいという人は、マンションの売却にかかる費用について書かれたこちらの記事をご参照ください。
3-1-1.仲介手数料
仲介手数料とは、家が無事売れた場合に、不動産会社へ支払う報酬金のこと。
仲介手数料の上限は「宅地建物取引業法」で定められており、以下のとおり、家の売却価格によって異なります。
仲介手数料は上限金額に設定されているのが一般的です。
家を売ることで発生するあらゆる費用の中で最も高額になるのが、この仲介手数料であると言えます。
3-1-2.住宅ローン一括返済手続きにかかる手数料
「2-3-2.住宅ローン完済の手続きをする」でも述べたとおり、住宅ローンが残っている家を売った場合、「住宅ローン一括返済手続き」を行う必要があり、その際に下記2種類の手数料が発生します。
- 抵当権抹消費用(2万円程度)
→抵当権抹消手続きを行ってくれた司法書士へ支払う「司法書士費用」と「登録免許税」
- 一括返済手数料(2万円程度)
→住宅ローンを一括返済する際にかかる、金融機関所定の手数料
一括返済手数料は、ローン残高や金利のタイプによっても変わってくるもの。
気になる場合は、事前に金融機関へ問い合わせてみることをおすすめします。
3-1-3.その他
その他、仲介手数料や住宅ローン一括返済手続きにかかる手数料以外にも、ケースに応じて様々な費用が発生する可能性があります。
例えば、土地測量を行った場合は測量費が発生するといった具合です。
また、意外と忘れがちなのが「引越し費用」。
家を売って新しい生活を始めるということは、当然引越し費用が発生します。
引越し費用は、荷物の量が多く引越し先が遠方であるほど高額となり、想像以上に高くつく可能性がありますので、引越し業者の選定作業は、複数の業者を見比べたうえで行うことがおすすめです。
3-2.税金
続いて、税金についてご紹介します。
- 印紙税
- 譲渡所得税・住民税
主に発生する税金は、上記の2種類です。
この後1つずつご紹介していきますが、より詳しく知りたいという人は、マンション売却時に発生する税金について書かれたこちらの記事をあわせてご参照ください。
3-2-1.印紙税
買主との間で締結する売買契約書には、印紙税法で定められているとおり、印紙を貼る必要があります。
この印紙代が「印紙税」です。
印紙税額は、以下のとおり家の売却価格によって大きく異なります。
上記のとおり、不動産の売買契約書にかかる印紙税は、現在軽減措置の対象となっており、通常の印紙税額より引き下げられています。
軽減措置の期間は2022年3月31日までとなっており、同年4月1日以降は通常の印紙税額がかかってきますので、注意が必要です。
なお、売買契約書は売主分と買主分で計2通作成されるため、売主・買主それぞれが1通分の印紙税を負担する形が一般的となっています。
3-2-2.譲渡所得税・住民税
家の売却額から必要経費を差し引くと、家を売ったことによる利益額が判明します。
上記のとおり、この利益額を「譲渡所得」と言い、譲渡所得に対しては、「譲渡所得税」及び「住民税」がかかってくるため、その分の税金を国に納めなければなりません。
譲渡所得税率及び住民税率は、以下のとおり、対象の家の所有期間によって変わってきます。
上記の表に当てはめて考えると、例えば譲渡所得が500万円だった場合の税額(復興特別所得税は除く)は以下のとおり。
- 長期譲渡所得の場合
→500万円×20%=100万円
- 短期譲渡所得の場合
→500万円×39%=195万円
このように、「譲渡所得税や住民税は、家の所有期間によって計算が異なる」ということを頭に入れておきましょう。
3-2-3.「特別控除」について
さて、ここで改めて既出の表をご覧ください。
こちらの表の末尾に出てくる「特別控除額」とは一体何なのでしょうか。
実は、「家の売却時に利用できる、税金負担を軽くするための、特別控除の特例」というものがいくつか存在します。
最も代表的な特例は、上の図にもある「3000万円の特別控除」です。
これは、その名のとおり譲渡所得から3000万円を控除することができるという特例。
つまり、譲渡所得が3000万円以下の場合、事実上税金がかからないことになる訳です。
この特例を受けるためには、いくつか条件を満たす必要があり、主な条件は以下のとおり。
- 自分が実際に住んでいた家であること
- 家に住まなくなってから3年目の12月31日までに売ること
- 買主が親子・夫婦・生計を共にしている親族ではないこと
また、この特例を活用するためには確定申告が必要になります。
更に詳しく知りたいという人は、譲渡所得の特別控除について書かれたこちらの記事をご参照ください。
3-3.家を売った後の確定申告について
先に述べたとおり、家の売却時に利用できる特別控除の特例を活用するためには確定申告が必要。
家を売った後の確定申告は全員が必ず行うものという訳ではありませんが、このように「確定申告を絶対にしなければならないケース」や「確定申告を行った方がお得なケース」も存在します。
どのようなケースが該当するのか、具体的には以下のとおりです。
上記に当てはまる人は「家を売った翌年の2月16日から3月15日の間に確定申告を行う」ということをしっかり頭にいれておきましょう。
更に詳しく知りたい人は、マンション売却時の確定申告について書かれたこちらの記事をあわせてご参照ください。
4.家を高く売るためには売却タイミングが重要
ここまで本記事をお読みになって、「家を売ることには、思った以上に費用や税金がかかるんだな…」とお感じになった人も多いのではないでしょうか。
このような事実を知ることで、「少しでも高く家を売りたい」と考えるようになるのは、自然な流れであると言えます。
家を高く売るためには、家を売却するタイミングが大変重要です。
そこで、「家を高く売るための売却タイミング」について、解説していきます。
4-1.家が最も高く売れるタイミングは、基本的に「今」
結論から申し上げますと、家が最も高く売れるタイミングは、早ければ早い方がよいというのが一般的な考え方です。
下記の図のとおり、家は年数が経つほど価値が下がり、売却価格も下がるもの。
特に木造の戸建は価値の減りが速く、築10年で半分に、築20年でゼロに近くなるのが一般的です。
一方、戸建より耐用年数が長いマンションの場合でも、価値が下がるスピードは戸建てより遅いものの、1年に約2%ずつ価値が下がってしまいます(詳しく知りたい人は、マンション売却時における築年数について書かれたこちらの記事をご確認ください)。
更に、売る予定の家を所有し続けるということは、
- 各種保険料
- 固定資産税
- メンテナンス費用(戸建)
- 管理費(マンション)
など、本来は別の使い道ができたお金が、維持費として使われていってしまうことになります。
よって、家を少しでも高く売りたいと思うなら、売る必要性が出てきたときにすぐ行動するというのがおすすめです。
4-2.市況的にも今は売り時
他方、市況的にも今は売り時と言えます。
国土交通省が発表している「不動産価格指数」に関するグラフをご覧下さい。
出典:国土交通省
上記のグラフから、2008年から2021年までの家の売却価格の推移は、
- 戸建→ほぼ変化無し
- マンション→右肩上がりの状態
であるということが読み取れます。
では、2021年以降の市況はどうなるのかと言うと、
- オリンピック景気後の反動が、家の売却価格に影響する可能性がある
- そもそも日本の人口は減少傾向で、空き家が増加しているため、家はどんどん売れなくなっていく
あくまでも予想ですが、上記のような要因から「横這い」もしくは「ゆるやかに下落していく」ものと推測されているのです。
このような観点から、2021年現在、家は売り時であること、そして、売れる時に売ってしまうことが重要であると言えます。ただし、これらはあくまで予測であり、市況がどう変化するかは誰にもわかりません。
4-3.春先と秋は家が売れやすい時期
また、新生活が始まる時期であることもあり、
- 春先(2~3月)
- 秋(9~11月)
は家が売れやすい時期です。
売れやすい時期に売却活動を行うと、高めの売却価格でも家を売り切れる可能性が高まります。
但し、ここで注意しなければならないのは、既出の下記の図にあるとおり、「家を売ろうと思ってから家が売れるまでには、平均3~6ヵ月の期間がかかる」ということ。
つまり、売却期間を6ヵ月と想定し、「春先(2~3月)に家を売りたい」と思うなら、8~9月頃から行動しておく必要があることになりますので、スケジュールを綿密に練っておきましょう。
なお、「それ以外の時期だと中古の家を購入したいという需要が全く無くなる」という訳ではありません。
購入希望者は毎月コンスタントに現れるものですので、「時期についてはあまり気にせず、自分の都合が最も良いタイミングで売却活動をする」という人も多くいます。
\簡単30秒で査定依頼完了/
5.更に「高く」且つ「早く」家を売る方法2つ
「家を高く売るためには売却タイミングが重要である」ということについてご理解いただけたでしょうか。
実は、更に「高く」且つ「早く」家を売る方法が2つあります。
一体どのような内容なのか、具体的に解説していきましょう。
5-1.「家はリフォームしてから売るべき」という観念を捨てる
1つ目は「“家はリフォームしてから売るべき”という観念を捨てる」という方法です。
家の売却費用は、以下のとおり「自分では変えられない要素」と「自分で変えられる要素」によって決まります。
この「自分で変えられる要素」に当たる部分をより良い内容にして家を高く売るため、「リフォームをしたうえで家を売るべきだ」と主張する不動産会社が非常に多いのですが、この主張を鵜呑みにしてはいけません。
なぜなら、リフォーム後に家を売る場合はフルリフォームを行うケースが多く、フルリフォームには高額な費用がかかってくるためです。
例えば、キッチン・トイレ・洗面所・お風呂・壁・床等のリフォームを400万円かけて行ったとしましょう。
確かにリフォーム前より高く売れるようになるとは思いますが、400万円を売却費用に丸ごと上乗せすることはまず不可能。
というのも、リフォームはあくまでも原状回復の意味合いで行われるものであるため、大幅に費用を上乗せすることは難しいと言わざるを得ないのです。
かかったリフォーム代を回収できなければ、結果として、リフォームしないで家を売った場合よりも手元に残るお金が少なくなってしまいます。
このことを踏まえると、「家を高く売る=少しでもたくさんのお金を手元に残す」と捉える場合、「家はリフォームしてから売るべき」という観念は捨てるべきと言うことが可能。
また、当然ながら、リフォームせずに家を売ることは、無駄な手間をかけず早く家を売ることにも繋がってきます。
5-2.家に付加価値を付ける
そして、2つ目は「家に付加価値を付ける」という方法です。
「1-3.家を売り出す」でも触れたとおり、
- 風通しや日当たりの良さ
- 近隣施設へのアクセスなどの利便性の高さ
- 近所付き合いの有無(プライバシーを害さない程度に)
など、家の持ち主だからこそ分かる情報を購入希望者にしっかり伝えることは、極めて重要。
なぜなら、それらの情報が付加価値となり、「利便性が高くて生活しやすそうだな」「子供がいるから、夜道も真っ暗でないのは安心だな」など、購入希望者の購買意欲を引き立てることができるからです。
付加価値を付けて家を気に入ってもらえれば、短期間で家が売れる可能性も一気に高まるでしょう。
6.まとめ
本記事の内容をまとめます。
家を売る方法としては、不動産会社に仲介してもらって買主を探す方法が一般的。
その場合、家を売る流れは下記の図のようになります。
また、家を売る際には気を付けて欲しい注意点が9つあり、具体的には下記のとおりです。
他方、家を売る際に発生する費用に着目すると、以下のとおり「売却にかかる費用」と「税金」に分類されることが分かります。
「家を売ることには、想像以上に費用や税金がかかるものだ…」
そのように感じる人が、「少しでも高く家を売りたい」と考えるのは、当然のことと言えるでしょう。
家を高く売るにあたり、大変重要になってくるのは「家を売るタイミング」。
- 家が最も高く売れるタイミングは、基本的に「今」であること
- 市況的にも今(2021年)は売り時であること
上記2つのポイントを加味すると、家を売る必要性が出てきたときにすぐ行動し、売れる時に売り切ってしまうというのがおすすめです。
そして、更に「高く」且つ「早く」家を売るにあたり大切なのが、下記2つのポイント。
- 「家はリフォームしてから売るべき」という観念を捨てる
- 家に付加価値を付ける
ご不安な人は、「リフォームしていない家に独自目線の付加価値を付け、高く早く売ることができるサービス・Sumnara(スムナラ)」にお気軽にご相談ください。
本記事が、皆様の参考になれば幸いです。
早く・無駄なお金をかけずマンションを売るならsumnaraで。
【1】中古マンション売却を現状のママで高く、早期に売却できる。
【2】プロライターが物件取材して隠れた魅力を引き出すから、早く・無駄なお金をかけずに売れる。
【3】しつこい営業電話などセールスがないから、安心して売却相談ができる。
無料相談をご希望の方は、お気軽にお問い合わせください。
\簡単30秒で査定依頼完了/