更新:2022.07.04

不動産売却のキャンセルは可能!やり方と違約金が発生するケース2つ

不動産 売却 キャンセル

「不動産売却を決めたけれど、途中でやっぱり売りたくなくなってしまった」

「不動産売却を途中でキャンセルしたら、違約金はどれくらいかかるのだろう」

不動産売却を決めた後に、このように悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

マイホームをはじめとした不動産は、重要な資産の1つです。

特に自分が長年住んでいた家を売る場合は、売却を決めたものの、やはりこの家に住み続けたいと思うこともありますよね。

結論から言えば、不動産売却のキャンセルは、物件の引き渡し前であればどのタイミングでも可能です。

ただし買主と売買契約を締結した後などのいくつかのケースにおいては、数万円から数百万円の違約金が発生します。

【キャンセルで違約金が発生するケース】

  • 不動産会社との専任媒介契約・専属専任媒介契約を3ヶ月以内に解除した場合
  • 売買契約後に契約を解除する場合

事前に違約金が発生するケースや相場について知っておけば、最適なタイミングでキャンセルができ、支払うべき違約金の額を少なくできるかもしれません。

そこでこの記事では、あなたが不動産売却を無事にキャンセルできるように、以下のような内容について解説します。

▼この記事でわかること

  • 不動産売却の流れとキャンセルのタイミング
  • 違約金が発生する2つのケース
  • 違約金の相場
  • 不動産売却をキャンセルする方法
  • キャンセルする際の注意点

この記事を最後までお読みいただくと、不動産売却をキャンセルする際に知っておきたいポイントや、トラブルなく不動産売却をキャンセルする方法がわかります。

少しでも不動産売却のキャンセルを考えている場合は、早速読み進めてくださいね。

[監修]宅地建物取引士

市野瀬 裕樹

中古マンション売買仲介を累計1200件以上監督。株式会社groove agentにおいて不動産売買の業務に3年従事。買い手をサポートしてきた経験を活かし、どうすれば高く売れるのか?を、買い手目線で不動産売却仲介のアドバイスを行う。

目次

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    1.不動産売却はいずれの段階でもキャンセルできる

    先述の通り、不動産売却は物件の引き渡し前であれば、いずれの段階でもキャンセルできます。

    売却時には複数の契約書を交わすことになるので、「不動産会社や買主と契約書を交わしてしまったらもう無理なのでは...」と思うかもしれません。

    しかし不動産売却は、不動産会社と媒介契約書を交わした後や、買主が見つかった後でもキャンセルが可能です。

    物件の引き渡しとは、売りたい家を空っぽの状態にして、買主に引き渡すことを指します。お金を支払ってもらい、家の所有権を完全に買主に渡すことですね。

    ただ不動産売却のキャンセルは、物件引き渡し日に近づくほどに、支払うべき違約金が高くなってしまいます。

    なるべく損をしないためにも、まずは不動産売却の基本の流れを確認してみましょう。

    以下の図は、不動産売却の基本の流れをまとめたものです。

    不動産売却の基本の流れ

    不動産売却は、不動産会社と「媒介契約」と呼ばれる契約を結び、売却の手続きを依頼することが一般的です。

    不動産会社に売却を依頼する場合は、上記の流れで手続きが進むと考えて良いでしょう。

    つまり買主と売買契約を締結した後でも、「8.物件引き渡し」前の段階であれば、どのタイミングでもキャンセルは可能ということです。

    2.不動産売却は手続きが進むほどにキャンセルしづらくなる

    ただキャンセルはいつでも可能なものの、手続きが進むにつれて、キャンセルのハードルが上がっていく点には注意が必要です。

    「いつでもキャンセルできるなら大丈夫でしょう」と思っていると、タイミングによっては、多額の違約金を支払うことになってしまうかもしれません。

    キャンセルすることになっても、なるべくなら違約金は支払いたくないですよね。

    キャンセルの最適なタイミングを事前に把握しておけば、違約金を支払わずに売却を断ることも可能です。

    ここでは、特にキャンセルのハードルが上がりやすい2つのケースについて紹介します。

    • 不動産会社と媒介契約を結んだ後
    • 買主と売買契約を結んだ後

    以下、順番に解説します。

    2-1.不動産会社と媒介契約を結んだ後

    1つ目は、不動産会社と媒介契約を結んだ後にキャンセルをする場合です。

    「1.不動産売却はいずれの段階でもキャンセルできる」でも少し触れた通り、不動産を売却する際は一般的に不動産会社と媒介契約を結び、その後売買に向けた活動をスタートさせます。

    売買に向けた活動とは、具体的には不動産サイトに物件情報の登録をしたり、チラシを印刷したりすることです。

    不動産会社と契約を結ぶ前は「簡単な相談」のイメージですが、契約後は「家を売るための作業を開始する」と考えてください。

    契約を交わすことで、不動産会社が本格的に売買に関する作業をはじめるとのイメージですね。

    よって、媒介契約を交わした後は売却活動がはじまるため、簡単には契約を解除できなくなってしまいます。

    媒介契約には3つの種類があり、契約の種類によっては、契約期間中に解約することで違約金が発生したり、なかなか解約できなかったりします。

    契約前はただ「やっぱりキャンセルします」と伝えるだけで良かったのに、契約後作業が進むほどに、断りづらい状況になってしまうのです。

    具体的なキャンセル方法は「5.不動産売却をキャンセルする方法」で詳しく解説しますが、簡単に言うと、「内容証明」と呼ばれる裁判などで使う方法で書類を送り、手続きを進めることになります。

    電話などで伝えるだけではキャンセルできない上に、書類を作る必要があると考えると、手間がかかって面倒ですよね。また違約金は、なるべくなら支払いたくないものです。

    契約期間を満了してからであれば簡単に解約できるものの、媒介契約期間中の解約は難しいと覚えておいてください。

    なお媒介契約を途中解約した場合の違約金の相場は、「4.違約金の相場」で詳しく解説しますので、違約金の金額が気になる場合は先に4章を読んでみてください。

    2-2. 買主と売買契約を結んだ後

    2つ目は、買主と売買契約を結んだ後です。

    売買契約の締結は、売り主と買主の意見が一致している証拠となります。

    つまり、「売り主:家を売りたい」「買主:家を買いたい」ということですね。

    よって売買契約を交わしてからのキャンセルは、既に決まった約束を白紙に戻してしまうため、とても問題のある行為と言えます。

    既に買いたい相手が決まっているため、「やっぱり売りたくなくなった」といった自分の意思だけでキャンセルを決めることはできません。

    買主との売買契約を結んだ後にキャンセルをする場合は、売り主と買主で合意が必要です。

    たとえばあなたが買主だとして、買いたい家を見つけて、売り主と売買契約が済んでいるとします。

    もし契約の直後に突然「やっぱり売れません」と言われたら、困惑するのではないでしょうか。「なんで?理由は?」と思いますよね。

    よって売買契約の後にキャンセルをする場合は、売り主と買主の両方の合意が必須となります。

    買主の合意と聞くと、とてもハードルの高いことのように感じるかもしれません。しかし先述の通り、一度決まった売買契約をキャンセルするためには、買主の合意は必要不可欠です。

    一度契約を結んでしまった後は、簡単には解約できないので、十分に検討してから手続きを行いましょう。

    ただ不動産会社と媒介契約を結んでいる場合は、不動産会社の担当者が売り主に代わって交渉を行ってくれるケースがほとんどです。買主と直接話をする必要はないため、安心してください。

    キャンセルの方法については、「5.不動産売却をキャンセルする方法」にて解説していますので、方法を確認したい場合は先にこちらの見出しをお読みください。

    なお売買契約後のキャンセルは、住宅ローン特約などの一部の例外を除き、違約金が発生するケースがほとんどです。

    ただ違約金と聞くと、どの程度のお金を支払うことになるのか気になりますよね。

    売買契約後にキャンセルする場合の違約金は、「手付解除期日」と呼ばれる日の前にキャンセルしたかどうかで、大きく変化します。

    次項では、違約金が発生するケースについて、より詳しく見ていきましょう。

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    3.不動産売却をキャンセルする際に違約金が発生する2つのケース

    不動産売却をキャンセルする際に、違約金が発生する可能性が高いケースは以下の2つです。

    違約金が発生するケース

    ここでは、上記の2つのケースにおける違約金発生のタイミングについて詳しく解説します。

    キャンセルを申し出るタイミングによっては、違約金を支払わずに済む場合もありますので、事前に目を通してみてください。

    3-1.【ケース①】専任媒介契約、専属専任媒介契約を途中解約した場合

    1つ目は、不動産会社と専任媒介契約や専属専任媒介契約を結び、途中解約した場合です。

    とは言っても「専任媒介契約」や「専属専任媒介契約」が何かわかりにくいので、まずは媒介契約の種類について簡単に説明しますね。

    もし説明が不要な場合は、「3-1-2.専任媒介契約・専属専任媒介契約の契約期間内の解約は違約金が発生する」に進んでください。

    3-1-1.不動産会社との3つの契約方法

    不動産の売却を不動産会社に依頼する際は、「一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約」のうち3つの契約方法から選ぶことができます。

    以下の表は、3種類の契約方法とその特徴をまとめたものです。

    不動産会社との3つの契約方法

    少しわかりにくいですが、専任媒介契約と専属専任媒介契約の違いは、「自分で買主を探せるかどうか」だと考えてください。

    3-1-2. 専任媒介契約・専属専任媒介契約の契約期間内の解約は違約金が発生する

    上記の表の通り、専任媒介契約と専属専任媒介契約は、契約の期限が3ヶ月と決められています。

    一度契約すると、契約が満了するのは3ヶ月後ということですね。

    そのため3ヶ月以内、つまり契約期間中に解約した場合は、業務のためにかかった実費を違約金として請求される場合があります。

    業務のためにかかった実費とは、具体的には

    • チラシの作成・配布代金
    • ポスティング等の人件費
    • サイトへの掲載費

    といった広告宣伝費用などを指します。

    不動産会社と専任媒介または専属専任媒介契約を結んでおり、まだ契約期間が満了していない場合は、解約すると違約金が発生する可能性が高いです。

    3-1-3. 専任媒介契約・専属専任媒介契約の解約が無料になる2つのケース 

    「じゃあ不動産会社と専任媒介または専属専任媒介契約を結んでいる場合は、無料では解約できないのかな」と感じるかもしれませんが、無料で解約できるケースもあります。 

    それは、

    • 3ヶ月の契約期間を満了した場合
    • 不動産会社が義務を履行しない場合

    の2つのケースです。

    1つ目のケースとして、契約後3ヶ月が経過し、契約期間が終了したら無料で解約できます。

    2つ目のケースとして、不動産会社が義務を果たさなかった場合は、契約期間中でも無料で解約できます。

    ただ2つ目のケースは少しわかりにくいので、以下では「不動産会社が義務を履行しない場合」について詳しく説明しますね。

    不動産会社が義務を履行しない場合とは、契約した不動産会社が契約で定められた業務を行わなかったなどのケースを指します。

    国土交通省が定めた「専任媒介契約約款」によれば、媒介契約の解除について以下のように記されています。

    • 不動産会社が義務を履行しない場合には、依頼者は相当の期間を定めて履行を催告し、その期間内に履行がない場合は、専任媒介契約を解除できる
    • 次のいずれかに当てはまる場合は、専任媒介契約を解除できる
    1. 専任媒介契約に係る業務について誠実に行わなかったとき
    2. 専任媒介契約に係る重要な事項について告げなかったとき
    3. 宅地建物取引業に関して不正または不当な行為をしたとき

     (参考:国土交通省 専任媒介契約約款

    つまり「不動産会社の対応が誠実ではない」など不動産会社に解約の責任がある場合は、3ヶ月の契約が満了していない場合でも、無料で契約解除が可能ということです。

    ちなみに誠実ではない対応とは、

    • 売り主への定期的な連絡がない
    • 不動産サイト(レインズ)への登録を行わない
    • 販売活動を積極的に行っていない

    などを指します。

    しかし「売却を契約途中でやめる」「明確な理由がないのに契約途中で他社に乗り換える」などの場合は、依頼者の都合による解約とみなされ、違約金を請求されるケースが多いです。

    急いで解約する必要がある場合を除き、3ヶ月の契約期間を満了してからの解約をおすすめします。

    3-2.【ケース②】売買契約の締結後の場合

    違約金が発生する2つ目のケースは、売買契約の締結後です。 

    まずは契約の締結とはどのような状態を指すのかについて、詳しく見ていきましょう。

    3-2-1.売買契約の締結とは

    ここで言う締結とは、買主と売り主の両者が売買契約書にサインをした状態を指します。

    そのため、もし売り主が決まっていても、契約書を交わしていなければ違約金は発生しません

    たとえば、 

    • 契約書を交わす日程を決めた
    • 契約書について話し合った
    • 購入希望者が購入申込書に記入した 

    などの場合でも、契約書にまだサインをしていないため違約金が発生することはありません。

    「契約書を交わした時点から違約金の支払い義務が生じる」と考えてください。

    3-2-2.売買契約締結後の期間によって違約金の額が変わる

    売買契約の締結後は、「手付解除期日」と呼ばれる日を過ぎているかどうかで、違約金の額が変化します。

    売買契約の締結とは不動産譲渡が決定したことを指すため、キャンセルすれば不動産会社や買主に多くの迷惑をかけることになります。

    買主の立場として考えれば、契約書まで交わしたにもかかわらず、いきなりキャンセルされたら迷惑ですよね。

    契約書を交わしてすぐであればまだ納得できるかもしれませんが、契約書の締結からだいぶ時間が経った場合は、引っ越しの手続きなどを済ませている可能性もあります。

    売買契約の締結後は、「手付解除期日」と呼ばれる日を過ぎているかどうかで、違約金の額が変化します。

    ちなみに手付解除期日とは、手付金の放棄によって契約を解除できる期日のことで、売買契約日から10日〜2週間後くらいが一般的です。

    売買契約後の2つのケース

    「手付解除期日前」であれば、もしキャンセルしたくなった場合は、

    • 一度受けとった手付金を返還する
    • 手付金の2倍の金額を買主に支払う

    ことで、契約の解除が可能になります。

    しかし「手付解除期日」を過ぎてしまうと、手付金だけでの解約はできず、違約金と仲介手数料の2つのお金が発生します。

    「物件引渡し日に近づくほど、支払うべきお金は大きくなる」と覚えておくと便利ですよ。

    4.違約金の相場

    では、不動産売却をキャンセルした場合は、どのくらいの違約金を支払うことになるのでしょうか。

    違約金の金額は、先述の通りキャンセルのタイミングによって変化します。

    ここでは、違約金の相場について以下の3つのケース別に解説します。

    違約金の相場

    金額を含め、以下詳しく見ていきましょう。

    4-1 専任媒介・専属専任媒介契約を途中解約した場合の違約金

    専任媒介契約や専属専任媒介契約を途中解約した場合にかかるお金は、数万円〜数百万円です。

    「3-1.【ケース①】専任媒介契約、専属専任媒介契約を途中解約した場合」で説明した通り、専任媒介契約や専属専任媒介契約を売り主の都合により途中解約した場合は、売却活動にかかった広告宣伝費や営業費などを請求される場合があります。

    ただし、仮に売却活動に多くのお金が発生したとしても、その全額を請求できる訳ではありません。

    「売買活動にかかったお金」と聞くと、どのような作業にどれくらいのお金がかかったのかわからず、支払い金額が大きくなるのではと不安を感じますよね。

    全額を支払わず済む理由は、売り主に請求できる金額は、約定報酬額が上限と決められているためです。

    約定報酬額とは、不動産会社が依頼者から受け取れる媒介報酬額の上限のことです。

    様々なお金が出てきてややこしく感じるかもしれませんが、売買契約が成立した際に不動産会社に支払う仲介手数料のことだと考えると、わかりやすいでしょう。

    約定報酬額は「(消費税抜き売却代金×3%+6万円)×1.1」という簡単な計算式で求められます。

    たとえば売却代金が3,000万円の場合は、(3,000万円×3%+6万円)×1.1=1,056,000円となり、上限金額は約106万円とわかります。

    上限が決められているとは言っても、意外と大きな金額に驚いてしまった方も多いかもしれません。

    ただ解約時には上記の約定報酬額の全額が請求される訳ではなく、約定報酬額はあくまで上限金額に過ぎません。

    よって上記の計算のような高額な支払いを求められるケースは少ないと考えられます。

    4-1-1. 違約金の支払いを求められた場合は詳細の提出を求めると良い

    違約金が高額な場合は、実費以外のお金を請求されている可能性もあります。

    余分なお金の支払いを防ぐためにも、違約金を支払うことになった際には、まず費用の詳細の提出を求めましょう。

    その内容を確認した上で、実費以外の請求が含まれている場合は支払いを拒否できます。

    支払い金額に関わることなので、面倒だと思わず、支払い前には必ず内容を確認してください。

    ただ違約金は必ず発生する訳ではなく、不動産会社によっては、解約時の違約金を取らないケースもあります。

    そうは言っても、違約金の有無は不動産会社によって大きく変化しますので、なるべくなら3ヶ月の契約期間満了後に解約するのがベストです。

    4-2 売買契約の締結後の違約金

    先述の通り、売買契約の締結後は、「手付解除期日」の前か後かで、支払うべき金額が変化します。

    ちなみに手付解除期日とは、契約日から10日〜2週間後くらいを指すことが多いです。

    ここでは、2つのケースについて順番に解説します。

    4-2-1 手付解除期日前の場合

    手付解除期日の前であれば、基本的に売り主からの契約解除は「手付金倍返し」で可能になります。

    手付金倍返しとは、受け取った手付金を放棄し、その手付金と同額の金額を支払うことを指します。

    手付金とは、買主から売り主に支払われるお金のことです。

    キャンセル時には、売り主は手付金を無利息で買主に返還し、さらに手付金の同額を買主に提供します。

    ただ「倍」となるとかなりの金額を支払うことになるので、「一体どのくらいの金額を支払うのだろう」と不安を感じますよね。

    手付金の相場は、不動産の売買金額の5〜10%とされることが多いです。

    たとえば売買金額が3,000万円の場合は、150万円〜300万円ということですね。

    そのため手付金が150万円の場合、契約解除を行うと300万円を買主に支払うことになります。

    手付金が高額な場合は、比例して契約解除料もかなり高額になってしまいます。

    買主に迷惑をかけないためにも、できれば契約書を交わす前にキャンセルすることがベストです。

    4-2-2 手付解除期日後の場合

    手付解除期日を過ぎてしまってからキャンセルする場合は、手付金を返還する必要がある上に、違約金を支払うことになります。

    違約金の額は契約書に記載されており、多くの場合は売買価格の10%〜20%とされています。

    たとえば、売買価格が3,000万円の場合は、300万円〜600万円ということですね。

    また上記の金額のほかにも、不動産会社の仲介手数料が発生するケースもあります。

    「売買が成立しなかったのに、なんで仲介手数料を払う必要があるの?」と思うかもしれません。

    しかし買主とは一度契約書を交わしているほか、手付解除期日を過ぎているため、仲介手数料の支払い義務が発生するのです。

    仲介手数料は、先述の約定報酬額のことなので、「(消費税抜き売却代金×3%+6万円)×1.1」で求められます。

    では、違約金に仲介手数料が加わった場合は、どのくらいの金額が発生するのでしょうか。

    ここでは、売買価格を3,000万円・違約金を20%として計算してみます。

    • 違約金:3,000万円×20%=600万円
    • 仲介手数料:(3,000万円×3%+6万円)×1.1=1,056,000円(約106万円)

    よって、600万円+106万円により、706万円を支払うことになります。

    ただし仲介手数料は、各不動産会社やその時の状況によっても異なります。

    この金額の半額であったり、もう少し金額が低いことも十分に考えられます。

    ただそうは言っても、違約金と仲介手数料の両方が発生することに変わりはありません。

    このような大金を支払わずに済むように、なるべくなら手付解除期日後のキャンセルはしないことをおすすめします。

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    5.不動産売却をキャンセルする方法

    では、不動産売却をキャンセルしたい場合には、どのような手続きを行えば良いのでしょうか。

    ここでは、「媒介契約のキャンセル」と「売買契約締結後のキャンセル」の2つのケースに分けて方法を紹介します。

    契約前でも事前に確認しておくと安心ですので、一度目を通してみてください。

    5-1 媒介契約をキャンセルする場合

    媒介契約をキャンセルする場合は、不動産会社に解約したい旨を通知する必要があります。

    電話など口頭で伝えると言った・言わないのトラブルになりがちですので、必ず書面にて伝えるようにしましょう

    電話で伝えたと思っていたのに、実は担当者に伝わっておらず、後から「実は解約されていなかった!」なんてことになったら困りますよね。

    書類を送る際には内容証明郵便にて、解約を希望する書面を送ることがベストです。

    ちなみに内容証明郵便とは、誰から誰あてに差し出されたのかを、謄本によって証明する制度です。

    出し方は通常の郵便とは異なりますので、詳しくはこちらの郵便局の公式サイトをご確認ください。

    内容証明郵便で送る書面には、以下のような情報を記載します。

    書面の内容

    上記の書面での手続きは、契約期間満了後にキャンセルをしたい場合は必要ありません。

    期間が満了してから解約する場合は、更新前に「更新はしない」と担当者に伝えるだけで大丈夫です。

    たとえば10月いっぱいで3ヶ月を迎える場合は、11月以降の更新手続きはせずに、10月で更新を終了すれば良いということです。

    更新は手続きを行わなければ継続されないので、「勝手に更新されてしまうのでは?」といった心配もありません。

    契約期間を満了する前に解約したい場合のみ、内容証明郵便での通知が必要だと覚えておいてください。

    5-2 売買契約締結後にキャンセルする場合

    買主と売買契約を締結した後にキャンセルしたい場合は、媒介契約を結んでいる不動産会社に連絡をすることになります。

    「買主が決まっているのなら、買主に直接連絡しなければいけないのかな?」と思うかもしれません。ただ買主に直接断りの連絡をするのは、やはり気が引けますよね。

    キャンセルしたいと思った際は、媒介契約を結んでいる不動産会社に連絡し、担当者に相談してみてください。すると、売り主がキャンセルを希望している旨を担当者が買主に伝えてくれます。

    直接連絡を取ることで、場合によっては、売り主と買主の間でトラブルが発生してしまうかもしれません。

    まずは不動産会社に連絡をして、担当者にその後の対応方法を聞いてみてください。

    6.不動産売却をキャンセルする際の注意点

    最後に、不動産売却をキャンセルする際の2つの注意点を紹介します。

    不動産売却をキャンセルする際の注意点

     思わぬトラブルの発生を避けるためにも、事前に目を通しておいてください。

    6-1 特約がある場合は契約後も違約金は発生しない

    これまでお伝えしてきたように、売買契約書を交わした後のキャンセルは、高確率で違約金が発生します。

    しかし住宅ローン特約などの特約がある場合は、売買契約書を交わした後でも違約金が発生しません。

    住宅ローン特約とは、住宅ローンの審査がおりなかった際に、違約金を支払わずに契約解除できる制度です。

    たとえばあなたが家の買主で、住宅ローンを利用して家を購入すると考えてみてください。

    住宅ローンの審査がおりず、売買契約をキャンセルせざるをえない状況になったとします。この場合既に売買契約を結んでしまっているため、契約後の契約解除となり、手付金の没収や違約金の支払いを求められる場合があります。

    自分勝手な理由でキャンセルした訳でもないのに違約金を支払うことになったら、損をしてしまいますよね。

    ここで契約書に住宅ローン特約について記載されている場合には、違約金なしで契約解除ができるケースがあります。このことを覚えておくと、万が一住宅ローンの審査がおりなかった際にも備えておけるでしょう。

    6-2 話し合いによる合意解約の場合は内容を書面に残しておく

    先述の通り、売り主と買主で契約解除の合意が取れた際には、契約後でも売却をキャンセルできます。

    ただ不動産会社の担当者を挟んで連絡をとっている場合でも、後からトラブルが発生することを防ぐため、書面に内容を残しておくと安心です。

    契約解除の際には、違約金や手付金の支払いなどのお金の問題も関係しています。

    後からいくら支払った・支払わないなどのトラブルを防止するためにも、最終的に決まった内容を書面に残しておきましょう。

    買主と売り主で簡単な契約書を作成し、1通ずつ保管することが重要です。

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    7.まとめ

    この記事では、不動産売却のキャンセルの方法や、違約金について解説しました。

    不動産売却は、売買契約を結んだ後も、引き渡し直前までであれば途中でのキャンセルが可能です。

    ただし不動産会社と専任媒介契約や専属専任媒介契約を結び、途中解約した場合や、売買契約後のキャンセルは、違約金として数十万〜数百万円程度の支払い義務が発生します。

    また契約をキャンセルする際には、トラブルを防止するためにただ口頭で伝えるだけでなく、内容を書面に残しておくことが重要です。

    不動産売却のキャンセルは、タイミングが一番重要とも言えます。

    この記事を参考にして、あなたが無事に不動産売却をキャンセルできることを願っています。

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