家具が点在する
ギャラリーのように
「白い家にしたい」
Sさん夫妻のリノベーションのオーダーはそれがほぼ全てだった。理由は、「大好きな家具がもっとも映えると思うから」。
夫妻にとって家は自分たち家族の暮らしの拠点であると同時に、暮らしを支える家具たちの居場所でもあった。愛する家具たちに窮屈な思いはさせたくないと、何よりも広さを重視した家選び。97㎡、築36年のマンションは、フルリノベーションでプライベートギャラリーのような空間へと姿を変えた。
「満足です。どこを見ても家具がきれいに目に入る」
ノイズを吸い込むかのような、白塗装の壁と白タイルの床。しかしそれだけでこうした雰囲気にはならない。もとは壁式構造の3LDKだった間取りを、外せる壁は外して空間を広げ、外せない壁はさりげない仕切りとして利用。抜け感ではなく連続感による開放感を創出した。玄関からダイニングやリビングなど奥へと入っていくと、家具が点在する白いギャラリーを進みゆくような感じなのだ。