2023.12.31 更新
40代で賃貸と購入はどちらがいい?住まいを買う前に知っておきたい選ぶ際のポイントを解説
「このまま家賃を払い続けるのはなんだかもったいない」
「やっぱりマイホームを手に入れて安心して暮らしたい」
老後生活について本格的に考え始める40代の方は、上記のように考えることもあるでしょう。
その一方で自分の年収や貯金、そして年齢を鑑みたときに「マンション購入はアリなのか?」を判断するのは、自分ではなかなか難しいものです。
本記事では、40代が住まいを変える際は、賃貸と購入のどちらが良いのか、それぞれのメリット・デメリットを紹介していますので、賃貸と購入で迷っている40代の方は、ぜひ参考にしてください。
Advisor
[監修]宅地建物取引士/元銀行員
鰭沼 悟
宅地建物取引士、不動産投資家歴15年、元銀行員。不動産仲介からリノベーション設計・施工をワンストップで提供する株式会社grooveagent(ゼロリノベ)代表取締役。
Author
[著者]
ゼロリノベ編集部
元銀行員・宅地建物取引士・一級建築士が在籍して「住宅ローンサポート・不動産仲介・リノベーション設計・施工」をワンストップで手がけるゼロリノベ(株式会社groove agent)。著者の詳しいプロフィール
40代で賃貸と購入を検討する時の4つのポイント
本章では、40代の方が賃貸と購入を検討する際に重要なポイントを4つ紹介します。
- 住宅ローンの条件
- 老後の暮らし
- 定年後の支払い計画
- 資産性の有無
順に紹介します。
1-1.住宅ローンの条件
賃貸と購入を検討する際に重要なポイントの1つ目は、住宅ローンの条件です。
住宅ローンの条件・審査基準は金融機関によって異なりますが、具体的には下記のような項目がチェックされます。(※参考:令和4年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書)
- 完済時年齢
- 健康状態
- 借入時年齢
- 担保評価
- 勤続年数
- 連帯保証
- 返済負担率
- 年収
- 金融機関の営業エリア
- 国籍
上記の通り、住宅ローンの条件として年齢はチェックされ、特に長期ローンの場合には最長で35年となるため、40代だと75歳〜80歳の間に完済することになります。
しかし、金融機関の中には完済年齢を80歳未満としているところもあるので、「40代」というよりも「45歳」までにローンを検討する必要があります。
また、健康リスクがある場合には、ローンを組むために必須となる団体信用生命保険に加入ができなくなり、借入自体ができなくなる可能性が高いです。
現状健康である場合には、極力ローンを組むことを先延ばしにしない方が安心と言えるでしょう。
上記より、40代が購入か賃貸かを選ぶ際には、金融機関の住宅ローンの条件を確認してください。
1-2.老後の暮らし
2つ目に紹介する賃貸と購入の検討ポイントは、老後の暮らしを踏まえることです。
老後の暮らしで考えることとしては、子供の独立や自身の健康状態などが挙げられます。
具体的に賃貸と購入で比べてみると、賃貸物件であれば子供が独立した際には自身とパートナーのみが暮らす用のコンパクトな住居に住み替えられるのがメリットです。ただし、老後もずっと賃料を払い続けなければなりません。
一方で購入していた場合には、子供の独立後も住み続けることが前提となってしまうものの、住宅ローンさえ返済していれば老後も安心して暮らせるというメリットがあります。
よって、賃貸か購入かを選ぶ際には、老後の暮らしを踏まえて選択してください。
1-3. 定年後の支払い計画
3つ目に紹介する「定年後の支払い計画」も、賃貸か購入かを選ぶ際に重要視したいです。
総務省統計局のデータによると、働いている高齢者の家庭は、手取りで平均約35万6千円を得ているのに対し、仕事をしていない家庭は約17万5千円だと分かりました。
一方で、月の平均支出は、働いている家庭が約30万7千円、仕事をしていない家庭が約25万7千円です。これにより、働いている家庭は約4万9千円の収支の余裕があるのに対し、仕事をしていない家庭は約8万1千円の赤字で、不足分は貯金などから出していると考えられます。
支出の中には、住宅費として約1万9千円が含まれていますが、これには住宅ローンを完済した人も含まれているため、賃貸に住んでいる人はもっと多くの住宅費を払っている可能性が高いです。
退職後に仕事をしていない家庭は、すでに赤字なのに、毎月の家賃という出費が重くのしかかります。一方、家を買った場合は、ローンを返し終えた後は住宅費の固定出費がなくなります。
全体の住宅費については後で詳しく触れますが、毎月の出費は家を買った方が抑えられることが多いです。ただし、マンションでは管理費や修繕積立金、戸建てでは定期的なメンテナンス費がかかるので、完全に出費がなくなるわけではありません。
家賃を払うよりは出費を減らせますが、その点は留意しておく必要があります。
1-4.資産性の有無
最後に紹介する賃貸と購入を選ぶ際のポイントは、資産性の有無です。
家を借りる場合、どんなに家賃を支払ってもその家は自分のものにはなりません。しかし、家を買うと、家賃と同じように毎月住宅ローンを払い続けることで、最終的にはその土地や建物が自分の財産になります。
自宅を持っていれば、老後に自宅を担保にしてお金を借りる「リバースモーゲージ」が利用できたり、家を売ったり賃貸に出してお金を得たりすることで、子どもたちに財産を残すこともできます。ただ、すべての家が価値が上がるわけではないので気をつけましょう。地方の家や古くなってきた家は、売りたくても売れないことがあります。
財産としての価値を大事にするなら、将来性があり便利な場所にある家など、価値が下がりにくい家を選ぶことが重要です。
40代で賃貸を選ぶメリットとデメリット
本章では、40代で賃貸を選ぶメリットとデメリットを詳しく紹介します。40代が住まいを賃貸にするメリット・デメリットは下記が挙げられます。
メリット | デメリット |
・家族構成や仕事に応じて住み替えられる ・維持費や修繕費用を抑えられる |
・老後は引っ越しにくくなる ・生涯家賃の支払いが続く |
それぞれ紹介します。
2-1.40代で賃貸を選ぶ2つのメリット
40代で賃貸を選ぶメリットは下記の2つが挙げられます。
- 家族構成や仕事に応じて住み替えられる
- 維持費や修繕費用を抑えられる
それぞれ解説します。
2-1-1家族構成や仕事に応じて住み替えられる
40代で賃貸を選ぶメリットとして、家族構成や仕事に応じて住み替えられることが挙げられます。
前述したように、子供が独立した際には自身とパートナーだけのコンパクトな住まいへの住み替えが容易にできるほか、仕事柄転勤が多い場合や、40代で結婚する場合などにもすぐに住宅を手放して引っ越すことができるでしょう。
したがって、賃貸であれば家族構成や仕事の業種に応じて住み替えができるのがメリットといえます。
2-1-2.維持費や修繕費用を抑えられる
2つ目の賃貸のメリットは、維持費や修繕費用を抑えられることです。
住宅を購入した際には、固定資産税というような維持費がかかってしまいますが、賃貸の場合には固定資産税は必要ありません。また、定年後に収入が減った場合には家賃が安い物件に引っ越すことで、出費は抑えられます。
さらには、住宅設備が破損・故障した場合には、自己負担ではなく大家負担で修繕・改修できるので、大きな費用がかかる可能性は低いです。
よって賃貸は、購入した場合よりも維持費や修繕費用を抑えられることがメリットといえます。
2-2.40代で賃貸を選ぶ2つのデメリット
次は40代で賃貸を選ぶデメリットを2つ紹介します。
- 老後は引っ越しにくくなる
- 生涯家賃の支払いが続く
順に解説しますので、メリットとともに押さえておきましょう。
2-2-1.老後は引っ越しにくくなる
40代の賃貸のデメリットとして、老後は引っ越しにくくなることが挙げられます。
収入状況が良ければ借りられる物件はありますが、高齢かつ一人暮らしの場合には身元保証人が必要な場合もあるため、保証人がいない場合には借りられない可能性もあるでしょう。
2-2-2.生涯家賃の支払いが続く
2つ目の40代で賃貸に住むデメリットとして、生涯家賃の支払いが続くことが挙げられます。
賃貸は借りている間は家賃の支払いが続きますので、家賃の金額によっては購入したときよりも住居費の支払い総額が高くなる可能性があります。
よって、高齢になり家賃の支払いによって生活が厳しくなるケースも珍しくありませんので、老後も賃貸に住む場合には、家賃分も含めて貯蓄をしておく必要があるでしょう。
40代で購入を選ぶメリットとデメリット
前章では、40代が賃貸を選ぶメリットとデメリットをそれぞれ紹介しましたが、本章では、40代が住まいを購入するメリットとデメリットを紹介します。
メリット | デメリット |
・返済後は経済的負担が軽減される ・リフォームや建て替えができる |
・維持費や初期費用がかかる ・住み替えしにくい |
メリットから順に紹介しますので、賃貸と購入それぞれのメリット・デメリットを押さえた上で検討してみてください。
3-1.40代で購入を選ぶ2つのメリット
では、40代で購入を選ぶメリットを2つ紹介します。
- 返済後は経済的負担が軽減される
- リフォームや建て替えができる
順に紹介します。
3-1-1.返済後は経済的負担が軽減される
40代で住まいを購入するメリットとして、返済後の経済的負担の軽減が挙げられます。
住居を購入した場合、住宅ローンを完済・返済したあとは、固定資産税や修繕費がかかってしまうものの、それ以外の住居費の負担がなくなります。
よって、家賃を一生払わなくてはならない賃貸と比べると、老後の負担は軽いと言えるでしょう。
3-1-2.リフォームや建て替えができる
2つ目の40代で住まいを購入するメリットは、リフォームや建て替えができることです。
近年では、安く中古物件を購入し、自分好みの内装や外観にリフォームしたり、建て替えたりする方が多くなっています。
賃貸ではリフォームやリノベーションを行うのが難しく、自分好みの住まいを探すのは難しいので、住まいにこだわることができるのは賃貸とは違った魅力といえるでしょう。
3-2.40代で購入を選ぶ2つのデメリット
次に、40代で購入を選ぶデメリットを2つ紹介します。
- 維持費や初期費用がかかる
- 住み替えしにくい
それぞれ紹介しますので、メリットとともに押さえておきましょう。
3-2-1.維持費や初期費用がかかる
40代が住まいを購入するデメリットとして、維持費や初期費用がかかることが挙げられます。
住まいを購入する際には、「頭金」と「住宅購入にかかる諸費用」という大きく分けて2つの初期費用がかかります。
頭金とは、住まいを購入する際に物件価格の一部を現金で最初に支払う必要がある費用で、相場としては住宅価格の約10%〜20%程度です。
また、購入後は固定資産税や修繕費・メンテナンス費用もかかってしまうため、維持費がかかってしまいます。
よって、一生涯家賃を支払い続けることはないですが、初期費用や維持費がかかってしまう点が住まいを購入するデメリットといえます。
3-2-2.住み替えしにくい
住まいを購入するデメリットの2つ目は、住み替えしにくい点です。
購入後に何らかの理由で引っ越す必要がある場合には、購入した住まいを売却することもできますが、売却価格が住宅ローンの総額よりも低くなる可能性があります。
売却するまでに時間がかかってしまう可能性も高いので、住まいを購入すると賃貸のように簡単には住み替えはしにくいと言えるでしょう。
賃貸と購入を検討している40代によくある質問
賃貸と購入を検討している40代によくある質問を紹介します。
- 40代で独身の場合は賃貸と購入のどちらがいいのでしょうか?
- 40代で賃貸が借りられないことはありますか?
- 40代で賃貸済みは恥ずかしいことですか?
- 40代の持ち家率はどのくらいですか?
順に回答しますので、同じような疑問をお持ちの方はぜひ参考にしてください。
4-1.40代で独身の場合は賃貸と購入のどちらがいいのでしょうか
明確に賃貸の方が良い、購入の方が良いとは言えませんが、資産を残したい場合には住宅を購入する方が良いでしょう。
理由としては、購入する際多くの方が住宅ローンを組むかと思いますが、住宅ローンには審査基準があり、45歳を過ぎると審査が通りにくくなることが多いからです。
40代で賃貸と購入とで迷っていて資産を残したいのであれば、住宅ローンを組む最後のチャンスとなるかもしれないので、購入するのが良いのではないでしょうか。
4-2.40代で賃貸が借りられないことはありますか?
40代で賃貸審査を通過できないことはあります。理由としては下記が挙げられます。
- 高齢になった場合、孤独死のリスクがあるから
- 高齢になった場合、家賃を払えない可能性があるから
- 高齢になった場合、火事などの事故を起こす可能性があるから
上記の理由から40代、特に40代後半は賃貸審査を通過できないことがあります。
4-3.40代で賃貸住みは恥ずかしいことですか?
40代での賃貸住みは恥ずかしいことではありません。
確かに、40代で賃貸は恥ずかしいという意見があるようですが、世間体や周りの価値観に合わせて住宅を購入しても、失敗する可能性もあります。
自身の価値観に合わせて賃貸か購入か検討してください。
4-4.40代で持ち家率はどのくらいですか?
2018年に行われた総務省『住宅・土地統計調査』によると、40代の日本人の持ち家率は57.6%となっており、割合としては半数以上の方が家を購入していることが分かります。
まとめ
本記事では、40代の方が住まいを変える際は、賃貸か購入かどちらが良いのか、それぞれのメリット・デメリットを紹介しました。
老後の生活を考えて住まいを選ぶのもそうですが、現状の仕事柄、転勤が多いのであれば賃貸に住むのが住み替えが楽といえます。
しかし、住宅ローンを組むには40代、細かくいえば45歳が最後のチャンスともいえますので、それぞれのメリット・デメリットを本記事で把握した上で、賃貸か購入かを決めてください。
もし、リノベーションを前提として中古住宅を購入すると決断した際は、ぜひゼロリノベにご相談ください。
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