2022.09.29 更新 2018.12.31 公開
賃貸に住む40代だからできる「老後も安心なマンション購入」とは?

そろそろ老後生活について本格的に考え始める40代。現在賃貸に住む人であれば、「このまま70歳、80歳になっても家賃を払い続けるのはなんだかもったいないかも…」「やっぱりマイホームを手に入れて安心して暮らしたい」と考えることもあるでしょう。
その一方で自分の年収や貯金、そして年齢を鑑みたときに「マンション購入はアリなのか?」を判断するのは、自分ではなかなか難しいものです。
本記事では、40代でもマンション購入はできるのか、賃貸に住み続けるべきかどうかを考えてみます。
Advisor

[監修]宅地建物取引士/元銀行員
鰭沼 悟
宅地建物取引士、不動産投資家歴15年、元銀行員。不動産仲介からリノベーション設計・施工をワンストップで提供する株式会社grooveagent(ゼロリノベ)代表取締役。
Author

[著者]
ゼロリノベ編集部
元銀行員・宅地建物取引士・一級建築士が在籍して「住宅ローンサポート・不動産仲介・リノベーション設計・施工」をワンストップで手がけるゼロリノベ(株式会社groove agent)。著者の詳しいプロフィール
目次
「一生賃貸」が厳しくなる人生100年時代
C子:
うーん…人生100年時代か。
アドバイザー:
どうしたんですか?
C子:
新聞を読んでいたら、これからは100歳まで生きるのが当たり前になる時代、という記事があって。私は今42歳だけど、100歳まで生きるとしたら…と考えてみたら、ずっと賃貸に暮らしていていいのかな?とちょっと不安になって。
アドバイザー:
人生何があるかわからないとは言いますが、逆に考えると、100歳まで生きる可能性も充分あるということですからね。
C子:
そうそう。賃貸って掛け捨てのようなものだし、もったいない気がして。
アドバイザー:
そうですね。具体的に考えてみましょう。
例えば、家賃9万円の賃貸に42歳から100歳まで暮らすとしたら、58年間で単純に6264万円かかります。働かなくなって収入が減ることを見越し、60歳で6万円の賃貸に引っ越したとしても、60歳までに1944万円、60歳から100歳までに2880万円。合計で4824万円です。更新料など諸費用を加えればさらに高額になりますね。
健康に老後を迎えるに越したことはありませんが、このように大きな居住費の負担が出てくることは間違いありません。
C子:
ですよね…。42歳で、今からマンションを購入するのは無謀ですか?
アドバイザー:
結論から言えば、40代でも遅くはありません。その理由を見てみましょう。
40代は長期ローンを組む最後のチャンス
アドバイザー:
40代のマンション購入で気がかりなのは、ローンが組めるのかどうか、ですよね。
C子:
そうですね。35年ローンとか、組めるのかな?
アドバイザー:
一般的に長期ローンはC子さんが言うように最長35年、75~80歳までに完済するのが通常です。そう考えると、45歳が長期ローンを組むためのリミットになるでしょう。
C子:
わ!あと3年しかない!
アドバイザー:
ローンを35年で組めば月々の返済負担は少なくなりますし、完済に80歳までかかったとしても、そこで終わります。その先もずっと家賃を支払い続けることを考えると、心理的負担はぐっと少なくなるでしょう。ただし、自分が老後に働かなくなったときに支払いに困らないよう、蓄えはしっかりしておく必要があります。
C子:
確かに。年を取ったらいつ病気をするとも限らないし。
アドバイザー:
その点で言うと、健康リスクがあるとローンを組むために必須である団体信用生命保険に加入できなくなり、借り入れそのものができなくなる可能性があるので、今健康であるなら、極力購入を先延ばしにしない方が安心ですよ。
C子:
なるほど…。
40代のマンション購入でもローン返済負担を減らすコツ
C子:
でも、やっぱり80歳までローン返済…借金があるのはそれだけでちょっと気分が重くなっちゃいそう。
アドバイザー:
短期ローンを組めそうであれば、月々返済額は増えてもローンを早く返し終えられますし、その分金利負担も少なくなります。繰り上げ返済も利用すれば、総返済額はさらに減額できますよ。まとまった額の頭金を用意して、借入額自体を低く抑えるのもローン返済負担を減らすコツのひとつです。
C子:
ローンを組むならそっちの方がいいかも!
独身の場合と家族がいる場合で違う「マンション購入OK」の判断
C子:
ローンが組めるということは、購入してもOKということなんですか?
アドバイザー:
いいえ、ローンが組めることを前提に、いくつか考えなければならないポイントがあります。単身者と家族がいる場合では同じ40代でも少しポイントが変わってくるので、それぞれ共通するポイントと、異なるポイントを見てみましょう。
【共通ポイント】
- 現在、マンション購入のために必要な充分な資金があるかどうか
- 親を介護するために同居するなど、マンションを購入してから家族数の変動があるかどうか
- 70~80代まで返済を続ける場合…(年金はどれくらいもらえるか/定年退職後の収入源はあるかどうか/ローン返済のために必要な額を貯蓄できるかどうか)
C子:
マンション購入のための資金というのは、頭金とかですか?
アドバイザー:
頭金は準備しておいても構いませんが、頭金無しでも購入できます。何かあったときの蓄えを確保しておくためにも、頭金を多く準備しすぎる必要はありません。
頭金以外にも住宅購入には不動産会社に支払う仲介手数料やローン保証料、各種税金、引っ越し代などさまざまな費用として「物件価格の10%」程度のまとまった額が必要になりますから、それらの支払いは考慮しておきましょう。
>>おすすめ:中古マンションの諸費用について詳しく説明している記事
C子:
ふむふむ。家族数の変動があるかどうか、というポイントは間取り選びが関わってくるということですか?
アドバイザー:
そうですね。もしも介護が必要な家族と同居の可能性があるならバリアフリーに配慮する必要がありますし、介護負担による出費も考慮しなければなりません。
C子:
確かに…。
【独身の場合】
- 万が一自分の収入が途絶えてしまった場合のリスクヘッジができるかどうか
- 結婚や実家を継ぐなど、今後ライフプランに大きな変動がないか
C子:
リスクヘッジってどうしたらいいんですか?
アドバイザー:
第一に、無理のない身の丈にあった物件を選ぶことです。もしもの事態が起きたとき、無理した物件を購入していたら返済が苦しくなり、競売や任意売却になるケースも少なくありません。一方で、余白を持ちつつ住宅購入していれば、想定外が起きたとしても対応できるケースが多くなります。
つまり大切なことは、エントランスが豪華やコンシェルジュの有無ではなく、自分の身の丈予算とはいくらなのかを客観的に算出することです。まず、その計算をおすすめします。
>>おすすめ:住宅ローンの目安について詳しく説明している記事
【家族がいる場合】
- 住宅ローンと教育費の支払いがかさんでも問題なく支払えるかどうか
アドバイザー:
独身と家族がいる場合の最大の違いは子供がいるかどうか、ではないでしょうか。40代は子供も高校、大学へと進学する頃ですから、教育費がかさみます。出費が多くなる時期に住宅ローンが加わることで生活がひっ迫されてしまわないかは検討が必要です。
C子:
確かに。せっかくマイホームを買ったのに支払いに苦しめられたら意味がないもんね。
40代でマンション購入には、こんなメリットもある!
C子:
うーん、やっぱり40代のマンション購入はいろいろ考えることもあって大変ですね。
アドバイザー:
20代は20代、30代は30代、そして40代は40代で、年齢ゆえにそれぞれ考慮しなければならないことがあるのです。もちろん40代でのマンション購入だからこそのメリットもありますから、見てみましょう。
- マイホームが手に入って、老後も安心して暮らせる
- 収入や家族構成の変化、仕事の転勤など不確定要素が少ないため、自分や家族の住みたい場所に合わせた間取りの物件を終の棲家としてじっくり選べる
- 蓄えが多ければローンの借り入れや返済金額を減らせる
アドバイザー:
若い頃に比べると収入も増え、経済的にも余裕が出てくる40代だからこそ落ち着いて物件選びをできることは何よりの利点です。自分だけの理想の住まいも見つかるはずですよ。
C子:
そう考えると、なんだかマンション購入が楽しくなりそうです!
まとめ
40代は賃貸と購入どっちがいいの?
人生100年時代と言われる昨今では、定年退職後に賃貸に住み続けるよりも、早めにマンションを購入した方が長い目で見て住宅費が抑えられるようになります。詳しくは、『「一生賃貸」が厳しくなる人生100年時代』をご覧ください。
40代でマンション購入するメリットってなに?
40代でマンション購入するメリットとして次のようなものが挙げられます。 ・マイホームが手に入って、老後も安心して暮らせる ・蓄えが多ければローンの借り入れや返済金額を調整しやすい 詳しくは、「40代でマンション購入には、こんなメリットもある!」をご覧ください。
40代のマンション購入、頭金はどうする?
頭金は準備しておいても構いませんが、頭金無しでも購入できます。頭金の他に、自己資金として物件価格の10%程度の諸費用が必要になるため注意しましょう。詳しくは『独身の場合と家族がいる場合で違う「マンション購入OK」の判断』をご覧ください。
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