2022.06.18 更新

買ってはいけない中古住宅の特徴|建物と土地のチェックポイント

「買ってはいけない中古住宅にはどんな特徴があるの?」
「中古住宅を選ぶときのチェックポイントを知りたい」

このように考えてはいませんか?

中古住宅を購入するときには、しっかりと物件を見極めさえすれば、理想的な物件を見つけることが可能です。中古とはいえ何千万もの大きなお金を払うのですから、できる限り物件選びには失敗してほしくありません。

そこで今回は、私たちがとにかくこんな物件は避けてほしいと考える「買ってはいけない中古住宅」の特徴を、【建物編】と【土地編】に分けて紹介します。

買ってはいけない中古住宅を見極めるポイントや、物件選びのコツもあわせて紹介しますので、中古住宅選びに失敗したくない人は、ぜひご参考にしてください。

Advisor

元銀行員 アドバイザー 鰭沼悟

[監修]宅地建物取引士/元銀行員

鰭沼 悟

宅地建物取引士、不動産投資家歴15年、元銀行員。不動産仲介からリノベーション設計・施工をワンストップで提供する株式会社grooveagent(ゼロリノベ)代表取締役。

Author

“【著者】ゼロリノベ編集部"

[著者]

ゼロリノベ編集部

元銀行員・宅地建物取引士・一級建築士が在籍して「住宅ローンサポート・不動産仲介・リノベーション設計・施工」をワンストップで手がけるゼロリノベ(株式会社groove agent)。著者の詳しいプロフィール

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買ってはいけない中古住宅の特徴【建物編】

まずは、買ってはいけない中古住宅のうち「建物」に焦点を当て、その特徴を8つ紹介します。

1-1.違法建築をしている

まずチェックすべきなのは、建物が建築基準法に違反した違法建築物ではないかです。違法建築された建物は、構造に問題がある可能性があり、地震発生時に倒壊するリスクが高いため危険です。最悪の場合は、購入しても自治体から取り壊しを要求される可能性もあるでしょう。

違法建築物は住宅ローンの審査が通らないため、借り入れができません。中古住宅を購入するときには、建ぺい率、容積率などを確認するようにしてください。

<建ぺい率・容積率とは>
建ぺい率は「敷地面積に対する建物の面積の割合」を、容積率は「敷地面積に対する延べ床面積の割合」を指します。建ぺい率・容積率は、建物の建つエリアによって決められています。

1-2.住宅自体が傾いている

建物自体が傾いている物件は、住んでいると平衡感覚が狂ううえ、震災に耐えられない可能性が高いため避けましょう。建物が傾くのには、軟弱地盤で地盤沈下している、建物の構造に問題があるなどさまざまな理由が考えられます。

住宅が傾いていないか確認するには、水平器と呼ばれる道具を利用します。水平器はホームセンターなどで安価で購入できるので、内見で訪問する際に持参してチェックすると良いでしょう。

1-3.住宅の基礎部分にひび割れが発生している

住宅の基礎部分にひび割れが発生していないかも、必ずチェックが必要です。基礎がひび割れていると、雨水が入り込み、鉄筋部分が錆びていきます。やがて基礎が崩壊し、建物が倒壊するリスクがあるため危険です。

基礎を根本的に修繕するのは困難です。修繕しようとするとかなりの費用がかかるので、基礎がひび割れている建物の購入は避けましょう。

1-4.長期的に雨漏りが発生している

内見時には、天井に水に濡れたような雨漏りの跡がないかも確認しましょう。雨漏りは住宅の劣化を早め、寿命を縮める恐れがあります。戸建て住宅は木造が多く、雨漏りすると構造に深刻なダメージを与える可能性があるためです。

雨漏りしている建物は、ジメジメしているためカビやシロアリを呼び込みやすいのもデメリットです。健康に悪影響を与えたり、シロアリ被害を誘発したりする恐れもあるので購入しないのが無難です。

1-5.シロアリの発生履歴がある

シロアリ被害にあった履歴がある家は、柱や土台が弱っている可能性があります。シロアリが駆除されている場合でも、食い荒らされて虫食い状態となった柱の中身が元に戻るわけではありません。耐力が落ちているため、震災などで倒壊のリスクが高くなり危険です。

修復や防蟻工事がおこなわれている場合でも、基本的には購入するのは避けましょう。

1-6.旧耐震基準で建てられている

戸建ての場合、購入予定の住宅が、旧耐震基準で建てられていないかも重要なチェック項目です。

旧耐震基準で建てられている戸建て住宅は、「震度5程度で倒壊しない」ことを想定されており、建物の状態によっては近年頻発している震度6〜7といった大地震には耐えられない恐れがあります。

耐震補強のリフォーム工事をおこなうという選択肢もありますが、その場合は、大きな費用負担が生じる可能性があるため、特別な理由がない限り、基本的には購入するのはおすすめしません。

1-7.定期的なメンテナンスがおこなわれていない

住宅がきちんとメンテナンスされてきたかどうかも、購入を決める前に確認が必要です。これまで定期的なメンテナンスがおこなわれていないような住宅は、築年数と比較すると劣化が進んでいる可能性があるためです。

購入を検討しているのがマンションであれば、修繕履歴を確認すると過去にどのようなメンテナンスがおこなわれてきたか調べられます。

特に配管など見えない部分は築年数による影響を受けやすいため、共用部分の配管交換が長期修繕計画に盛り込まれているか、専有部分の配管は購入のタイミングで交換する必要があるかなど確認しておきましょう。

一方戸建ての場合は、売主に確認する以外ありません。過去の修繕履歴があるかなど、不動産会社を通して依頼してみましょう。

中古マンションの配管の寿命に関する詳しい内容はこちらの記事をご覧ください。

買ってはいけない中古住宅の特徴【土地編】

続いて買ってはいけない中古住宅のうち、「土地」のチェックポイントを7つ紹介します。

2-1.隣の土地が崖になっている

住宅を建てる場所の隣の土地が崖になっている場合は、災害が発生したときに崩壊するリスクがあります。崖が擁壁や石垣で保護されているケースでも、近年多発している集中豪雨のような、想定を超える雨量が観測された場合などには耐えられないことがあるためです。

大きな河川が近くにあったり、山を切り開いて住宅地とされたりしているエリアは注意しましょう。

2-2.地盤沈下が発生している

住宅の強度が十分であっても、地盤が緩い場合は地盤沈下が発生している可能性があります。地盤が沈んでいると家が傾き、倒壊する可能性が高くなり危険です。

地盤の状態は、プロの住宅診断士に依頼しないと適切な状況を判断するのは困難です。基本的に埋め立て地や盛り土の造成地などは、地盤沈下のリスクがあるため避けましょう。

2-3.災害リスクが高い

購入を検討している住宅が、災害リスクが高いとされているエリアに入っていないかは事前に確認が必要です。

津波や高潮、土砂崩れなどが発生する可能性のある地域は、国土交通省が提供しているハザードマップで確認できます。海や山が近くにある土地が対象になるケースが多いので、あらかじめ調べておくと安心です。

2-4.再建築不可の状況に該当する

現在の建築基準法に合致しない土地は、建て替えできないため注意が必要です。

たとえば現在の建築基準法上、住宅を建てるには、敷地が幅員4m以上(地域によっては幅が6m以上)の道路に2m以上接しなければならないとする「接道義務」があります。家を建て替えようとしたときに接道義務を満たせなければ「再建築不可物件」とされ、建築確認申請に許可が下りません。

再建築不可物件は、建物を取り壊すと再建築できないため、どれだけ古くなっても修繕して維持し続けるしかないのです。

2-5.土地の境界線が曖昧

境界線が確定しない土地は、隣地の住民とトラブルに発展しやすいので購入はおすすめできません。隣地の住民との関係が悪化すると、住みにくくなってしまいます。

土地の境界線については、事前に不動産会社に確認しておくことが大切です。どうしてもその土地を購入したい場合は、境界確定を依頼しましょう。

2-6.居住誘導区域外に該当する

居住誘導区域とは、少子高齢化により人口が減少していくなか、インフラや生活サービスを確保することで居住を誘導しようとする区域です。

居住誘導区域から外れてしまうと、生活サービスやコミュニティの機能が確保されず、中長期的には人口が減少し、利便性が損なわれる可能性があるため、購入は避けるのが無難です。

2-7.周囲の土地と比べて相対的に土地の高さが低い

周囲と比較して土地の高さが低い土地は、道路や隣地から雨水が流れ込むリスクがあります。多少の雨なら問題なくても、近年多発している集中豪雨のような大雨に見舞われると、床下や床上浸水する可能性があります。

また低い土地は周囲よりも湿度が高くジメジメしている、日当たりが悪いなどの問題を抱えているケースも少なくないため、購入はおすすめできません。

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買ってはいけない中古住宅を見極めるポイント

買ってはいけない中古住宅の特徴を紹介してきましたが、問題を抱えているかはどのように見極めれば良いのでしょうか?

3-1.必ず現地で内覧する

買ってはいけない中古住宅かどうかを見極めるためには、必ず現地まで足を運び、内覧することが大切です。現地で異常を発見できた場合は、購入は見送るのが無難です。

たとえば天井が抜けていれば、雨漏りしている可能性があります。また歩いて床が鳴る場合は、床の下地が劣化していたり、地盤沈下などで建物が傾いたりしているかもしれません。内覧時にチェックできるよう、水平器などの器具を事前に準備しておきましょう。

一度住宅を購入すると、簡単に買い替えはできないため、周辺環境もあわせてチェックすることをおすすめします。買い物などの利便性などはもちろん、売主が内覧対応してくれる場合は、まわりにどんな人が住んでいるのかなど聞いてみると良いでしょう。

3-2.専門家に依頼して確認してもらう

住宅の危険性や劣化などは、専門的な知識がないと、状態を正確に見極めるのは困難です。そのため専門家に依頼して、確認してもらうと安心です。

一見状態が悪く見えても、リフォームで改善できる部分があるかもしれません。良い部分と悪い部分のどちらも含めて正確に説明してくれる担当者を選びましょう。

戸建ての場合は、費用はかかりますがインスペクションを受けるのがおすすめです。なぜなら、戸建ては個々によって状態が異なるため、一概に築年数だけで劣化状態を判断することができないためです。

インスペクションでは、建築士などの専門家が建物調査を実施します。第三者機関に建物の状況を公正に検査してもらえるので、安心して購入できるでしょう。

中古住宅選びで失敗しないコツ

ここからは、中古住宅選びで失敗しないコツを4つ紹介します。

4-1.予算を決めておく

中古住宅を購入するときには、まずは予算を決めておくことが大事です。中古住宅では劣化した部分のリフォームが発生するケースが多いため、修繕やリフォーム分の余裕をもたせた予算を考える必要があります。

住宅は購入して終わりではなく、そのあと維持して生活していく資金も必要です。リフォーム箇所が多く見込まれ予算を大きく取られる可能性が高い場合は、別の物件を検討しましょう。

4-2.住宅に求める条件を洗い出す

中古住宅選びに際しては、購入したい住宅に求める条件をすべて書き出し、優先順位を付けておきましょう。「最低限ここまでは実現したい」「ここからは予算に余裕があればかなえたい」という妥協ラインを決めておけば、物件選びに迷ったときに役立ちます。

予算オーバーを防ぎつつ、最低限の条件をクリアできれば、物件購入後に後悔しにくくなります。

4-3.複数の不動産会社に相談してみる

中古住宅探しに行き詰まったときには、複数の不動産会社に相談してみるのも方法の1つです。

不動産会社は、それぞれ抱えている物件が違ったり、中古住宅探しとリフォーム・リノベーションをワンストップでサポートしている会社などもあるため、複数の不動産会社に声をかけることで希望の条件にあう住宅を紹介してもらえるかもしれません。

4-4.信頼できる不動産会社を選ぶ

良い中古物件を見つけるためには、信頼できる不動産会社を選ぶことが大切です。

中古住宅は劣化状況の見極めが重要です。購入後にどの程度のリフォームが必要なのかまで、きちんと確認して説明してくれる不動産会社なら安心です。

予算や条件を確認し、できる限り希望をかなえる物件を探してくれる不動産会社を探しましょう。

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まとめ

買ってはいけない中古住宅は、家が傾いている、地盤が沈下しているなど、リフォームやリノベーションではどうにもならないことが特徴です。

逆にいえば、管理状態が良好でリフォームやリノベーションで改善を図れるのなら、その物件はお宝物件かもしれません。

本当に避けるべき危険な物件なのかをプロの手を借り丁寧に見極めれば、予算内で希望のエリアにマイホームを持つことが可能です。さらにリフォームやリノベーションをほどこせば、自分らしい理想の住まいを実現できます。

ゼロリノベでは、ブログでは伝えきれなかった中古物件の具体的な目利きの方法や、そもそも家を買う際に安心できる予算計画などについてセミナーでお伝えしています。

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