2024.04.27 更新

ペットも人も快適に暮らすリノベーションとは?4つのポイントと8つの事例を詳しく紹介!

ペットのためのリノベーション

「愛猫がのびのびできる住まいを作りたい」

「愛犬がずっと元気で暮らせる家にしたい」

家族の一員である愛猫、愛犬にも、家の中で心地よく過ごして欲しいですよね。

最近では人の在宅時間も増えていますが、室内飼いのペットはさらに多くの時間を家の中で過ごしています。

しかし、一般的な新築物件やリノベ済みの中古マンションは、「人のため」に作られているため、必ずしも、ペットが快適に暮らせるように考えられているわけではありません。

一方、ゼロから設計するリノベーションであれば、設計士に相談しながら、今の住まいをペットと人も心地よく暮らせる空間へ設計しなおすことが可能です。

実際、ゼロリノベのお客様の中にもペットとの快適な暮らしを求めてリノベーションのご依頼をいただき、今回ご紹介するようなリノベーションアイデアをご提案しています。

ペットも人も幸せな家づくりをリノベーションで実現するためには、「ペットの習性」、「ペットにとっての当たり前」を知っておかなくてはなりません。

そのため、本記事では犬や猫の性質を踏まえ、リノベーションでどのようなことができるか、リノベーションのアイデアや実際の事例を解説します。

実際の事例を見ながら、ペットも人も幸せに家づくりを考えていきましょう。本記事が、あなたの大切な家族との暮らしを変えるきっかけになれば幸いです。

Advisor

一級建築士 アドバイザー 西村 一宏

[監修]一級建築士

西村 一宏

リノベーション・オブ・ザ・イヤーを受賞した設計・施工部門の責任者としてゼロリノベ建築を担う。著者の詳しいプロフィール

Author

“【著者】ゼロリノベ編集部"

[著者]

ゼロリノベ編集部

元銀行員・宅地建物取引士・一級建築士が在籍して「住宅ローンサポート・不動産仲介・リノベーション設計・施工」をワンストップで手がけるゼロリノベ(株式会社groove agent)。著者の詳しいプロフィール

\一級建築士監修のWEBセミナー/

ペットリノベーションのポイントとは?快適に過ごすための4点を解説

ペットリノベーションのポイントとは?犬や猫のペットリノベーションをそれぞれ見ていく前に、そもそもペットリノベーションにはどのようなポイントがあるのでしょう。

ペットリノベーションには、人とペットが快適に過ごすために以下の4つのポイントがあります。

  • 健康面を意識する!ペットの病気や怪我を防ぐ
  • 衛生面に気を遣う!におい対策を行う
  • 安全面に注意する!ペットを危険から守る
  • 利便性を向上させる!便利グッズを設置する

それでは、ペットリノベーションの4つのポイントを、それぞれ詳しく解説します。

1-1.健康面を意識する!ペットの病気や怪我を防ぐ

ペットと一緒に暮らすうえで、ペットの健康を気にしている方も多いでしょう。

ペットリノベーションでも、以下のようにペットの健康を意識した対策が重要です。

  • 床材をペット対応のものに張り替える
  • バリアフリー設計でペットの負担を減らす
  • リラックスできるペット専用スペースを作る

人とペットが健康的な生活をするためにも、リノベーション時に健康面を意識した対策を行いましょう。

1-2.衛生面に気を遣う!におい対策を行う

ペットとの生活では、においや汚れなどの衛生面に関わるトラブルが多いです。

ただ、これらのトラブルを回避するためにも、壁や床の素材に脱臭や汚れが落ちやすいものを使用すれば、衛星面を高められます。

さらに、空気清浄機を設置すれば、においだけでなくシックハウス症候群やアレルギーの予防にもつながります。

1-3.安全面に注意する!ペットを危険から守る

家のなかでも、ペットにはさまざまな危険が潜んでいます。

例えば、キッチンには包丁やフライパンなどの落ちたら危険なものがあるだけでなく、熱湯の入ったポットやペットが口にしてはいけない食材などがあります。

そのため、危険がある場所には、ペットが入れないようにゲートを設置したり、危険なものを収納できる対策をしたりすることが必要です。

1-4.利便性を向上させる!便利グッズを設置する

利便性の意識は、ペットだけでなく、飼い主が快適に暮らすために重要です。

例えば、玄関前に足洗い場を設置すれば、外から帰ってきた後にすぐ足を洗えるため、室内を汚す心配がなくなります。

また、庭にドッグランを用意すれば、外出が難しい場合でも、庭でペットを遊ばせられます。

ペットリノベーションの内容とは?6つの場所別に紹介

ペットリノベーションの内容とは?前章では、ペットリノベーションのポイントを解説しました。

次に、ペットリノベーションの内容を、以下の6つの場所に分けて解説します。

  • 階段
  • ドア
  • ベランダ

それでは、場所別のペットリノベーションの内容をみていきましょう。

2-1.床|クッションフロアで生活を快適にする

床は、ペットによる傷や汚れを目立たなくさせるだけでなく、ペットの足腰にかかる負担を軽減するためにも大切です。

床材にクッション性のあるクッションフロアを採用することで、ペットの歩行時の負担を軽減できます。

また、クッションフロアには、掃除がしやすいといったメリットもあります。

2-2.壁|掃除がしやすいオレフィン壁紙を使う

床と同様に、壁の素材もペットリノベーションでは重要な要素です。

壁の素材は複数ありますが、なかでもオレフィン壁紙と呼ばれる壁紙がおすすめです。

オレフィン壁紙は、他の壁紙と比べて傷や汚れを対策できるだけでなく、掃除がしやすくなっています

しかし、他の壁紙よりも費用がかかりやすいため、金額差には注意が必要です。

2-3.階段|直階段の空間を上手に使う

階段には複数の種類がありますが、日本の住宅によく採用されている「直段型」がおすすめです。

直段型は、足を踏み外したときの落下の危険性が高い構造になっているため、階段の角度を緩くし、ペットが落下しづらい階段が取られます。

また、直階段の下を収納スペースにすることで、無駄なく空いたスペースの有効活用が可能です。

2-4.ドア|ペット用の入り口を作る

ペットにとっても、飼い主にとっても役立つのがドアです。

ドアにペット専用の入り口を作ることで、飼い主がいない場合でも、ペットが自由に家の中を移動できます。

自由に移動できない環境は、ペットにとってストレスとなってしまうため、個別でペット用の入り口を作るのはおすすめです。

また、ペット用のドアには、ペットがドアを開けようとする際についてしまう傷を、防ぐ役目もあります。

2-5.窓|部分リフォームで費用を抑える

窓は断熱や防音対策になるため、ペットと一緒に暮らす場合には、改修したい場所です。

ペットがいる場合には、鳴き声による騒音問題が懸念されるため、対策が必要です。

二重構造の窓は、断熱と防音対策の両方に対応できます。

そのため、窓を選ぶときには二重構造の窓を選択するようにしましょう。

2-6.ベランダ|ペットも遊べる空間を作る

ベランダをリノベーションすることで、わざわざ外出しなくても外でペットを遊ばせられます。

ベランダでペットが遊べるようにするためにも、以下のような対策を検討しましょう。

  • 雨が当たらないよう屋根の設計を綿密に行うペットが落ちないよう柵を設ける
  • 日光が差し込みやすいようベランダの向きを調整する

ペットをベランダで遊ばせる場合には、安全面を考慮した空間作りが大切です。

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知っておきたい猫の性質とは?6つのリノベーションアイデア

知っておきたい猫の性質とは?6つのリノベーションアイデアここでは、リノベーションをする前に知っておきたい猫本来の性質と、それに合わせたリノベーションのポイントを6つご紹介していきます。

猫は元々、砂漠地帯で単独の狩猟を行っていた動物です。

そのため、次のような性質を持っています。

◎猫って本来、こんな生き物

  • 室内よりも外が大好き
  • 見晴らしのよい場所で餌を探す/天敵から身を守る
  • 木に登って狩猟するため本能的に高いジャンプが好き
  • 穴があると入る(獲物がいそうだから/天敵から身を守るため)
  • 縄張りを荒らされるとストレスを感じる
  • きれい好き

猫は本来、外が大好きな生き物ですが、交通事故やウイルス感染の危険から猫を守るために、完全室内飼いが推奨されています。

参照:環境省自然環境局「動物の愛護と適切な管理

マンションで完全室内飼いをすると、上記のような本能的な行動が抑制される環境になってしまい、猫のストレスの原因になることもあります。

その結果、「外の方が楽しそう」と猫が脱走してしまったり、ストレス過多で脱毛や嘔吐といった体調不良を引き起こしてしまう猫もいます。

猫の性質を活かして満足させてあげるためにも、次のポイントを押さえたリノベーションを実施しましょう。

  • 猫にとっては家=街!歩いて楽しい動線を作る
  • 扉の位置や数を調整!脱走を未然に防ぐ
  • 高さのある遊具を設置!運動不足解消する
  • 猫が安心できる環境!身を隠せる場所を作る
  • 縄張りの境界線に注目!爪研ぎを作る
  • トイレの数を調整!猫の頭数分+1台用意する

上から順に猫へのストレス負荷が高く、かつリノベーションで大きく変えられる設備となっています。

どれも、猫の幸せな暮らしにとって大切なポイントなので、ぜひ住まいに取り入れてみてください。

3-1.猫にとっては家=街!歩いて楽しい動線を作る

猫にとっては家=街!歩いて楽しい動線を作る完全室内飼いの猫は、単調な景色が続くとストレスがたまってしまいます。

なぜなら、本来猫は「室内よりも外が大好き」という性質を持っているからです。

脱走を試みる猫は、「外の方が楽しそう!」と思っているかもしれません。

生涯を室内で終える猫には、人間が外を散歩するように家の中を楽しんでもらえる工夫が必要です。

部屋が複数あり景色の変化が楽しめる間取りや、猫穴のある壁などは猫の好奇心をくすぐります。

3-2.扉の位置や数を調整!脱走を未然に防ぐ

扉の位置や数を調整!脱走を未然に防ぐ扉の位置や数を工夫し、脱走を未然に防ぎましょう。

前章でもお話ししたとおり、猫は本来、室内よりも外が大好きな生き物です。

冒険心や好奇心を抑えきれず、飼い主の隙を見て外へ飛び出してしまう猫もいるでしょう。

しかし、外には交通事故の恐れや、ウイルス感染など、さまざまな危険が潜んでいます。

猫の脱走や思わぬ事故を防ぐために、玄関へ続く廊下にドアを2つ設けましょう。

たとえ1つのドアをすり抜けられた時でも、そのまま玄関の外へ出てしまうのを防げます。

3-3.高さのある遊具を設置!運動不足解消する

高さのある遊具を設置!運動不足解消する猫には高さのある遊具を用意してあげましょう。

なぜなら、彼らは次のような性質を持っているからです。

  • 元々、木にのぼって狩猟する生き物で、本能的にジャンプするような上下運動が身についている
  • 見晴らしのいい場所で餌を探しやすくする/天敵から身を守る
  • 猫は身体の5倍の高さまで飛べる

高さのある遊具を置くことで、運動不足の解消につながります。

キャットウォーク上の写真のように、リノベーションで壁や梁にキャットウォークを設置することで、マンションでも天井高を有効活用し、猫が遊ぶスペースを確保できます。

キャットタワーやキャットウォークを室内に設置するときは、窓の近くに設置するなど、「のぼらないと見れない景色」がある場所に配置しましょう。

猫にとっても、景色が変わるのはよい気分転換になり、使用頻度が増えるかもしれません。

3-4.猫が安心できる環境!身を隠せる場所を作る

猫が安心できる環境!身を隠せる場所を作る猫の性格には個体差がありますが、見知らぬ人や大きな音を怖がり、ストレスを感じる猫は多くいます。

こうしたストレス要因を完全に避けることは難しいため、猫が安心して身を隠せる場所を作ってあげましょう。

リノベーションなら、上の写真のように、猫が隠れられるスペースを造作で作れます。

3-5.縄張りの境界線に注目!爪研ぎを作る

猫を複数飼育している人は、縄張りの境界線に爪研ぎを作ってあげましょう。

なぜなら、猫は縄張りを荒らされるとストレスを感じる習性を持っているからです。

人間にもパーソナルスペースがあるように、猫にも縄張りがあります。

猫は、爪研ぎによって自分の縄張りを表す習性があります。

飼育している猫の頭数によって、それぞれ縄張りを示せる爪研ぎを設置してあげましょう。

そうすることで、縄張りを荒らされて猫がストレスを感じたり、柱や壁を爪研ぎで傷つけられたりも避けられます。

リノベーションで、造作建具の一部として爪研ぎを設置すれば、後から爪研ぎを用意したり、お気に入りの家具を傷つけられる心配もありません。

3-6.トイレの数を調整!猫の頭数分+1台用意する

トイレは猫の頭数分+1台用意しましょう。

前の章でもお話ししたとおり、猫は縄張り意識が強い生き物です。

縄張りを示す方法に、「匂いでマーキングする」という方法があります。

そのため、他の猫の匂いがするトイレを共有するのは、猫にとって縄張りを荒らしあい、ストレスがかかる行為になってしまいます。

猫用トイレは、1頭につき1台ずつ、可能であれば予備として、もう1台用意してあげましょう。

例えば下の写真の事例では、洗面台の下のスペースに猫用トイレが置ける場所を確保しています。

洗面台の下のスペースに猫用トイレが置ける場所を確保した事例加えて、リノベーションで次のような工夫をすれば、より使い勝手のよい猫用トイレになります。

  • 一段下げた場所にトイレ置き場を作ると、砂の飛び散りを片付けやすい
  • 壁紙に防臭効果のあるものを選び、換気システムを設置すると臭い対策になる

以上のような工夫を施し、人も猫も快適なトイレを計画しましょう。

猫も人も快適に暮らすリノベーション事例とは?おすすめ4選を紹介

猫も人も快適に暮らすリノベーション事例とは?おすすめ4選を紹介この章では、ゼロリノベで施工した事例の中から、愛猫との快適な暮らしを実現させたリノベーション事例をご紹介します。

  • キャットウォークをあちこちに巡らせた事例
  • 猫も子どもも楽しい箱型ロフトを作った事例
  • 猫もうれしいおこもりトイレや窓枠を活用したおさんぽコースを作った事例
  • 愛猫と一緒に過ごせるリーディングヌックを作った事例

各リノベーションの事例を、詳しく見ていきましょう。

4-1.キャットウォークをあちこちに巡らせた事例

収納を兼ねたキャットウォークを家族が集まるリビングダイニングに設置しました。

猫の爪で傷つきにくい素材を用いる他、壁材に「MOISS」を使用し気になるニオイを低減させています。

キャットウォークをあちこちに巡らせた事例

POINT

  • 回遊動線で行き止まりを作らない空間設計
  • 3匹のネコも快適に、収納を兼ねたキャットウォーク

▼間取図 Before&Afterキャットウォークをあちこちに巡らせた事例_間取り図元々2LDKの間取りだった物件を、ゆるいひとつながりの空間にリノベーションしています。

扉がほとんどなく、各部屋を回遊するように移動できる設計です。

回遊設計にすることで、人には日々の動線がスムーズになるメリットがあり、猫にとっても路地裏を探検するように家を歩き回れるというメリットがあります。

▼収納を兼ねたキャットウォーク

収納を兼ねたキャットウォーク窓際の本棚や、壁の高い位置に取り付けられた収納は、キャットウォークを兼ねています。天井に近い高さから外の景色を楽しめるのは、猫にとってもよい刺激になります。

catwalk house〈東京〉62㎡

4-2.猫も子どもも楽しい箱型ロフトを作った事例

子どもたちが絵を描く黒板塗装の壁に、箱型の穴がいくつも設けられています。

実は、このスペースは収納を兼ねたロフトベッドであり、箱穴は猫の移動を想定し、穴から穴へ飛び移れるように設計されています。

猫も子どもも楽しい箱型ロフトを作った事例

POINT

  • ロフトに開口を散りばめ、猫の出入り口と子どもの遊びになるように計画
  • 53㎡に4人と3匹が暮らすため、限られたスペースを有効に活用

▼間取図 Before&After猫も子どもも楽しい箱型ロフトを作った事例_間取り図猫3匹と親子4人が暮らす53㎡の住まい。空間を有効活用するために作られた箱型のロフトベッドは、下段がウォークインクロゼット、上段がベッドスペースになっています。

▼箱型ロフトベッドの開口部がキャットタワーに

箱型ロフトベッドの開口部がキャットタワーに壁に開いた複数の穴。

猫が穴から穴へジャンプしたり、子どもがアスレチックのように遊んだり、家族みんなで楽しく使えます。

団地の原風景〈神奈川〉53㎡

4-3.猫もうれしいおこもりトイレや窓枠を活用したおさんぽコースを作った事例

猫のおさんぽコースを作った事例です。

窓枠を有効活用し、窓の枠の上に猫専用の通路を設けています。

猫もうれしいおこもりトイレや窓枠を活用したおさんぽコースを作った事例

POINT

  • 室内でもリラックスしやすいインナーテラス
  • 愛猫が自由に移動できるおさんぽコース

▼間取図 Before&After猫もうれしいおこもりトイレや窓枠を活用したおさんぽコースを作った事例_間取り図部屋を区切っていた壁を取外し、広々とした空間へと変化させています。

広々とした空間は、人も猫も窮屈さを感じず、ストレスフリーな生活を実現しています。

また、書斎の近くにインナーテラスを作ってあるため、仕事の合間にリラックスしながら休憩しやすいです。

愛猫が自由に移動できるおさんぽコース

愛猫が自由に移動できるおさんぽコース窓枠の上におさんぽコースを作ることで、空間を無駄なく活用しています。

猫にとっても、人にとっても住み心地のよい空間になっています。

観るを楽しむ、猫と植物との暮らし。〈神奈川〉78㎡

4-4.愛猫と一緒に過ごせるリーディングヌックを作った事例

読書しながら、愛猫と一緒に過ごせるリーディングヌックを作っています。

頭上に設置されたキャットウォークで遊んでいる猫と一緒に読書をし、リラックスできます。

愛猫と一緒に過ごせるリーディングヌックを作った事例

POINT

  • 愛猫と過ごせるリーディングヌック
  • 猫も過ごしやすいインナーテラス

▼間取図 Before&After愛猫と一緒に過ごせるリーディングヌックを作った事例_間取り図猫が移動しやすいように、玄関からリビング・ダイニングまでの扉を撤去しています。

和室を取り除くことで、リビング・ダイニングに広がりを持たせた、開放感のある部屋に生まれ変わりました。

▼猫も過ごしやすいインナーテラス

猫も過ごしやすいインナーテラスインナーテラスには、旅行先で出会ったタイルを使用しています。

タイルによって夏はひんやりと涼める場所に、冬は日光で暖かくなれる場所になるため、猫もお気に入りの場所です。

旅の思い出を愛猫とともに〈神奈川〉67㎡

ペットのためのリノベーションは、引越などのアフターケアも考慮して

ペットのためにリノベーションを行う時は、ペットにストレスがかからないようアフターケアを心がけましょう。

ペットにとって、住み慣れた環境を変えることは大きなストレスになります。

特にリノベーション工事中は、人の出入りも多く、大きな音が出る工事が行われることもあります。

また、工具などを誤飲してしまう可能性も考えられます。

工事期間は、できるだけペットホテルを利用して、工事によるストレスからペットを守りましょう。

また、リノベーションが完成した家に引越しをする場合は、ペットが使い慣れたものを引き続き使用し、安心できる環境を整えてあげましょう。

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知っておきたい犬の性質とは?4つのリノベーションアイデア

知っておきたい犬の性質とは?4つのリノベーションアイデア本章では、犬が本来もつ性質やリノベーションアイデアをご紹介していきます。

自分も愛犬も心地よく暮らすためには、犬の性質や何にストレスを感じるかなどを把握した上で住まいづくりに活かすことが大切です。

大型犬と小型犬では飼育する上で注意すべきポイントも異なってくるため、犬種にあわせた家づくりも必要になります。

◎犬って本来、こんな生き物

  • 走り回って遊ぶのが大好き
  • 群れで行動するため、寂しがり屋でスキンシップが大好き
  • 外からの生き物に対して警戒心が強い
  • 好奇心旺盛、おもちゃを取ろうとすると強く咥える

犬は本来、群れで行動し狩猟する生き物です。

リーダーに従い、群れを守るための防衛本能や警戒心を威嚇などで示します。

無駄吠えなどは、犬の性質から考えると決して「異常行動」ではなく、単に人間の生活に合っていないだけです。

リノベーションでは、そうした犬の特性を払拭し、しつけ・マナーで犬の行動を変えていくことが、解決策になります。

犬も人も幸せに暮らせる住まいを実現するために、次のポイントを押さえたリノベーションを行いましょう。

  • 滑る床材はNG!大型犬なら強くて滑りにくい床板を選ぶ
  • 場所を確保!トイレを含めた犬用のスペースを作る
  • 犬が安心!脱走防止のため廊下に間仕切り扉を設ける
  • 誤飲を予防!ドッグフェンスを設計する

早速、犬が本来もつ性質に合わせた4つのリノベーションアイデアを、解説します。

5-1.滑る床材はNG!大型犬なら強くて滑りにくい床板を選ぶ

滑る床材はNG!大型犬なら強くて滑りにくい床板を選ぶツルツルと滑りやすい床材は犬の腰に負担をかけます。

飼い主のまわりを歩いたり、床からソファへジャンプしたりと、小さな運動でも床が滑ると犬の腰に負担がかかります。

おすすめする床材は無垢板です

大型犬の場合は、爪でフローリングを傷つけてしまう恐れがあるため、表面がざらざらして滑りにくく、かつ傷に強い素材のタイルなどを選びましょう。

無垢材のフローリングは、合板フローリングに比べて温もりがあるため、ラグを敷いて調整するだけでも、季節を問わず心地よく過ごせるようになります。

5-2.場所を確保!トイレを含めた犬用のスペースを作る

場所を確保!トイレを含めた犬用のスペースを作る愛犬にも、トイレを含めた専用スペースを作ってあげましょう。

最近では、今まで出勤の多かった飼い主が在宅勤務になることで、環境の変化にストレスを感じる犬もいるようです。

犬専用のスペースを作ってあげると、落ち着いてくつろげる空間が確保でき、ストレス軽減につながります。

また、人と犬、空間をそれぞれ分けることで、犬が粗相をしてしまった際に、人の生活用品を汚してしまう心配も少なくなるといったメリットが感じられます。

5-3.犬が安心!脱走防止のため廊下に間仕切り扉を設ける

廊下に間仕切り扉を設置しましょう。

犬は本来、警戒心が強く、来訪者に向かって吠えてしまうことがよくあります。

これは本来の習性に従った行動なので、問題行動ではありません。

そのため、二重扉や間仕切り扉などを設けて、そもそも来訪者の存在に気づかせない、出会わせない工夫をしてあげる必要があります。

玄関までの間に扉を一つ増やすことで、脱走防止になるといったメリットもあります。

5-4.誤飲を予防!ドッグフェンスを設計する

愛犬の誤飲を防ぐためにドッグフェンスを設計しましょう。

犬は好奇心が高く、気になるものは口に咥えることが多いです。

さらに、飼い主がそれを離そうとすると、取られるのを嫌がってうっかり飲み込んでしまうことがあります。

犬にとって食中毒を引き起こす食べ物があるキッチンや、小さなおもちゃが多い子ども部屋など、誤飲されたくないものがあるスペースにはドッグフェンスを設置しましょう。

リノベーションにおける造作建具の一つとして設計すれば、既製品と比べて、より自分たちに合ったものが手に入ります。

例えば、空間に馴染むデザインにしたり、2段に分けたドッグフェンスを作って開閉動作を無くしたり、使いやすい工夫も可能です。

見逃してない?愛犬のストレスサイン

もし、次のようなストレスサインを見かけたら、愛犬にとって心地よい環境が作れているかどうか、注意してみましょう。

  • あくびをする
  • 体をかく
  • 体をブルブルと振る
  • 目をそらす
  • 耳が寝る
  • 舌なめずりをする
  • 足を舐める
  • 床のニオイをかぐ
  • しっぽが下がる
  • 軽度の食欲不振 など

日常的に行う仕草もありますが、いつもより頻度が多いと感じたら、ストレスサインを疑ってみてあげてください。

悪化すると、食欲不振や下痢、嘔吐、脱毛といった体調不良を引き起こしてしまいます。

犬も人も快適に暮らすリノベーション事例とは?おすすめ4選を紹介

犬も人も快適に暮らすリノベーション事例とは?おすすめ4選を紹介この章では、ゼロリノベのリノベーションで愛犬との暮らしをよりよく変えた方々の事例から以下の4つをご紹介します。

  • 広い土間で犬も人も快適に暮らす事例
  • 大型犬ものびのび暮らせるリノベーション事例
  • “”愛犬ファースト””をコンセプトにした事例
  • バギーを楽々収容できる玄関土間のある事例

犬も人も快適に暮らせる4つのリノベーション事例を、それぞれ詳しく見ていきましょう。

6-1.広い土間で犬も人も快適に暮らす事例

愛犬が元気に動けるよう、家全体をワンルームのような間取りにリノベーションした事例です。

玄関から続く土間に愛犬専用のケージを設け、人と犬の空間を分けています。

広い土間で犬も人も快適に暮らす事例

POINT

  • 家の半分を土間スペースに。足の汚れも気になりにくい
  • 家全体がひとつながりのワンルームになり、愛犬が走り回れる

▼間取図 Before&After広い土間で犬も人も快適に暮らす事例_間取り図元々3LDKだった物件の壁を取り払い、大きな1つのワンルームに。

土足OKの土間スペースを広く設け、お散歩帰りでも足の汚れが気になりにくくなっています。

▼広々とした土間スペース

広々とした土間スペース床が土間になっていれば、万が一粗相があっても掃除が楽ちんです。

空間を広く使える間取りになっているため、愛犬が元気いっぱいに動き回れます。

ライフステージごとに生まれ変わるリビング〈東京〉60㎡

6-2.大型犬ものびのび暮らせるリノベーション事例

大型犬ものびのび暮らせるリノベーション事例大型犬を飼っている施主様のリノベーション事例です。

愛犬が窮屈に感じないよう、ぐるぐる歩き回れる回遊動線を取り入れています。

POINT

  • 散歩用キャリーを置けるように大きな玄関
  • 愛犬が歩き回れるように、WICやキッチンは回遊動線

▼間取図 Before&After大型犬ものびのび暮らせるリノベーション事例_間取り図「寝室〜WIC〜パントリー」「洗面〜トイレ〜リビング」と2つの回遊動線を設け、人には使い勝手がよく、犬には歩き回りやすい家にリノベーション計画しています。

洗面室に愛犬用のトイレを設けることから、洗面スペースを広くとっています。

▼散歩用キャリーが置ける広々とした玄関

散歩用キャリーが置ける広々とした玄関既存の玄関の3倍ほどの広さをとり、お散歩用のキャリーも余裕で置けるスペースを確保しました。

ゆったりとした設計で、ワンちゃんもうれしそうですね。

上質×インダストリアル〈東京〉88㎡

6-3.””愛犬ファースト””をコンセプトにした事例

「愛犬ファースト」をコンセプトにリノベーションした事例です。

愛犬が走り回りやすいように、一部の間仕切り壁を斜めに設けています。

""愛犬ファースト""をコンセプトにした事例

POINT

  • 愛犬が過ごしやすい空間設計
  • 結露を防ぎながら愛犬を環境音から守るインナーサッシ

▼間取図 Before&After""愛犬ファースト""をコンセプトにした事例_間取り図玄関からリビング・ダイニングまでの扉を位置変更し、寝室奥の間仕切り壁を斜めに設けることで、愛犬が走り回りやすく、人とぶつかりずらい動線になっています。

キッチンの向きを変更したことで、愛犬がリビング・ダイニングで遊んでいても、料理中見渡せるような設計をしています。

結露を防ぎながら愛犬を環境音から守るインナーサッシ

結露を防ぎながら愛犬を環境音から守るインナーサッシインナーサッシは結露対策のために設置されていますが、このインナーサッシが共有廊下の音を防ぐため、愛犬を環境音から守ることにもつながっています。

防音対策にも効果的であることから、近隣トラブルも未然に防げます。

愛犬に寄り添う家〈東京〉75㎡

6-4.バギーを楽々収容できる玄関土間のある事例

愛犬用のバギーも収容可能な玄関土間を作った事例です。

玄関土間にはバギーだけでなくおでかけ用のグッズも保管できるため、手間を減らせます。

バギーを楽々収容できる玄関土間のある事例

POINT

  • 犬も人も生活しやすい動線設計
  • 愛犬用のバギーも収容可能な玄関土間

▼間取図 Before&Afterバギーを楽々収容できる玄関土間のある事例_間取り図和室スペースをキッチンに変更することで、リビング・ダイニングが広々とした空間を感じられるように実現しました。

また、キッチン・洗濯置き場・ウォークインクローゼットを同じ空間にまとめることで、家事を効率化する動線を作っています。

愛犬用のバギーも収容可能な玄関土間

愛犬用のバギーも収容可能な玄関土間玄関土間は広々としており、靴やアウターが収納可能です。

また、愛犬用のバギーを置いても通れるほど余裕のある通路スペースを設けています。

愛犬と暮らす西海岸スタイル〈東京〉66㎡

\一級建築士監修のWEBセミナー/

ペットリノベーションの費用とは?6つの場所ごとに解説

ペットリノベーションの費用とは?6つの場所ごとに解説最後に、ペットリノベーションの費用を見ていきましょう。

ペットのためにフルリノベーションをする場合の費用相場は、以下のようになっています。

  • マンション:600~900万円
  • 戸建て:1,200~1,500万円

また、リノベーションする場所ごとの費用は、以下の表のようになっています。

場所 費用相場
0.7~4万円/畳
1~2万円/m
水まわり ペット用洗面台:25~35万円
ドア ペット用ドア:1.5~6万円/箇所
10~30万円/箇所
ベランダ 設置物によって異なる

次に、それぞれの場所にかかるリノベーション費用を詳しく解説します。

7-1.床|床材によって費用が変化

床のリノベーションの費用相場は、以下の表のように床材によって異なります。

リノベーション内容 費用相場
フローリング 1~3万円/畳
クッションフロア 0.7~1,7万円/畳
コルクタイル 1.8~3.3万円/畳
防音フローリング 1~3.8万円/畳

床材は、求める条件によって合うものが変わるため、費用以外の条件を洗い出した上で、湯家事を選べるとよいでしょう。

7-2.壁|壁紙の張替は約1~1.5千円/㎡

壁のリノベーション費用は、以下の表のようになっています。

リノベーション内容 費用相場
壁紙の張替 1~1.5千円/㎡
腰壁の設置 1~2万円/m
珪藻土の塗装 0.9~2.4万円/㎡

壁のリノベーションは、リノベーションを行う壁の面積によって変わるため、注意が必要です。

費用を抑えたい場合には、ペットが使う部屋のみのリノベーションでもよいでしょう。

7-3.水まわり|洗面台の高官交換は約25~35万円

水まわりをリノベーションしたい場合には、以下の表の相場を参考にしてみてください。

リノベーション内容 費用相場
洗面台の交換 25~35万円
マイクロバブルバスの設置 30~35万円
ユニットバスの交換 50~150万円

ペットの入浴用に水まわりをリノベーションする場合には、洗面台を交換したり、汚れを落としやすいようにマイクロバブルバスを設置したりします。

7-4.ドア|ペット用の入り口は約1.5~6万円/箇所

ドアのリノベーションには、以下の費用がかかります。

リノベーション内容 費用相場
ペット用ドアの設置 1.5~6万円/箇所
開閉防止用の鍵の追加 0.9~4万円
アの交換 3~10万円

ペット用のドアをつけるだけでなく、ペットに開けられたくない場所には鍵の追加もできます。

7-5.窓|内窓の設置は約8~15万円/箇所

窓のリノベーションには、以下の費用がかかります。

リノベーション内容 費用相場
内窓の追加 8~15万円/箇所
外側に窓を増設 10~30万円/箇所
室内側に窓を増設 10~20万円/箇所
網戸のステンレス化 1~2万円/枚

窓のリノベーションだけでなく、ペットの網戸へのいたずらを防ぐために、網戸をステンレス製に交換するリノベーションもあります。

7-6.ベランダ|目的によって費用が変化

ベランダの費用は、以下のように目的によって異なります。

リノベーション内容 費用相場
ペット用洗い場の設置 15~30万円
目隠しフェンスの設置 0.7~4万円/m
ドッグランの設置 30~100万円
ウッドデッキの設置 25~40万円
サンルームの設置 30~100万円

ベランダの費用を考える場合には、どのような設備が欲しいのかを明確にした上で、予算と相談しながら考えましょう。

まとめ

まとめ建売住宅や分譲マンションなどの既存住宅は人のために作られた住まいであるため、愛猫や愛犬の本来の性質、習性に合わない作りになっていることがあります。

猫、犬が本来もつ性質を理解し、ストレスを未然に防げるような住まいをリノベーションで叶えましょう。

性質に合った猫が幸せになるリノベーションアイデアとしては、以下の6つがあります。

  • 猫にとっては家=街。歩いて楽しい動線を作る
  • 扉の位置や数で脱走を未然に防ぐ
  • 高さのある遊具で運動不足解消
  • 猫が安心して身を隠せる場所を作る
  • 縄張りの境界線に爪研ぎをつくる
  • トイレは猫の頭数分+1台用意する

また、リノベーション前に知っておきたい、犬の性質に合ったリノベーションアイデアは以下の4つです。

  • 滑る床材はNG!大型犬なら強くて滑りにくい床板を選ぶ
  • トイレを含めた犬用のスペースを作つくってあげる
  • 安心を与える&脱走防止のため廊下に間仕切り扉を設ける
  • 誤飲を防ぐためにドッグフェンスを設計する

この記事が、あなたとペットのよりよい住まいづくりにお役立ちできたら幸いです。

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