中古物件 2020.07.20 更新 | 2018.12.29 公開
中古マンション購入の「仲介手数料」相場!無料や半額の注意点とは?

中古マンションの購入において、不動産会社に支払う仲介手数料は決して安い金額ではありません。その一方で、現在は「仲介手数料無料」「半額」」といった謳い文句を見かけるのも事実です。
一体いくらくらいが妥当な金額なのか、安価な仲介手数料の会社は安心なのかどうか。
この記事では、そんな仲介手数料の疑問についてお答えします。
まずはここから!仲介手数料の基礎知識
A子:
アドバイザーさん、中古マンションを購入するときって、仲介手数料がかかるんですよね。
アドバイザー:
そうですね。新築マンションは基本的に仲介手数料がかかりませんが、中古の場合は必要なケースがほとんどです。
A子:
『中古マンション購入 仲介手数料』でネット検索すると、仲介手数料は100万円以上する…っていう情報もあれば、無料にできる!と書かれていたりして、混乱しちゃう!実際安くできるのか、正しい相場があるのか知りたいんだけど…。
アドバイザー:
その疑問ももっともですね。仲介手数料には実は上限金額があります。それに、無料を謳っている会社にはきちんとそれなりの理由もあります。まずは、仲介手数料のしくみから見てみましょう!
そもそも仲介手数料が発生するしくみとは?
アドバイザー:
ではA子さん、そもそも仲介手数料は誰に支払うものなのか知っていますか?
A子:
それはさすがに!不動産会社ですよね?
アドバイザー:
そのとおり。基本的に、不動産のやりとりには素人には非常に難しい手続きがあります。また、中古マンションは売り主が事業者ではなく個人であることが一般的なので、何かトラブルが発生してしまったとき、個人間で解決するのはとても大変なんです。
そんなさまざまな煩雑さを解消するために間を取り持ってくれるのが不動産会社。私達は、その手間賃として仲介手数料を支払っているというわけなんです。そして不動産会社の利益は、この仲介手数料によって成り立っています。
A子:
うんうん。自分たちのお金になるからこそ、親身になって物件を探したりしてくれるわけだもんね。その点はよくわかります!
仲介手数料「無料」のヒミツ
仲介手数料無料、半額を謳う不動産会社が存在する理由
A子:
不動産会社にはもちろん仲介に入ってほしいし、そのためにお金がかかるというのは納得なんだけど…。じゃあ、どうして仲介手数料無料や半額にしている会社があるの?その人たちはどうやって利益を出しているの?
アドバイザー:
利益を得なければ商売として成り立ちませんから、仲介手数料無料の裏にはもちろんカラクリがあります。いくつかケースがあるので見てみましょう。
Case.1:仲介業者が売主側のみから仲介手数料をもらっており、それで利益を得ている
アドバイザー:
不動産会社が仲介手数料を受け取っているのは、実は買い主だけではありません。中古マンションを売りに出している売り主側からももらっているんです。
A子:
ああ、なるほど!どちらか一方からでも仲介手数料をもらえればいいから、買い主側には無料と言ってるのね。
アドバイザー:
そういうことです。しかし、買い主にとって、仲介手数料無料が良いかといえば、そうとも言えません。
A子:
どうして?
アドバイザー:
売い主と買い主の両方から仲介手数料をもうらうことを、不動産用語で「両手」と呼びます。一方で、どちらか一方から受け取る場合を「片手」と言います。
いいかえれば、仲介手数料を無料にするためには両手取引を続けることが前提となります。自社で売却の仲介を行っている物件のみを買い主に紹介して、売り主から仲介手数料を得るというわけです。つまり、買い主が選べる物件が限られてしまうことになります。
A子:
本当に欲しい物件を選べなくなるかもってこと?
アドバイザー:
その可能性はあります。このような両手取引によって一社の顧客間のみで買主と売主双方とのマッチングを行い、外部からの問い合わせには応じないやり方は、「囲い込み」と呼ばれます。囲い込みはオープンでフェアな取引を阻害するとして問題視されることがあります。
A子:
無料だからといって飛びつくと損することもあるのね。
アドバイザー:
そのとおりです。付け加えると、仲介をする不動産会社は付き合いの長い売主と懇意になりやすい傾向もあるため、何かトラブルが起きた場合は買主に不利な対応をされやすいかもしれません。
Case.2:店舗数を減らしたり人員コストを削減することで手数料を半額にして、他社との差別化を図っている
A子:
これは企業努力をしているっていうこと?
アドバイザー:
そうとも考えられます。最近は不動産業界の競争も激化しているので、こういった手法も登場しているんです。広告をネット中心にして、広告費を削減している会社も多いですね。
A子:
なんか良さそう!
アドバイザー:
素晴らしい企業努力ですが、買い主にとっては注意も必要です。サービスを限定することで運営を効率化しているため、仲介業者としての活動も限定的になってしまう場合も少なからずあり、さまざまな煩雑さを解消できないケースもあります。
A子:
メリットとデメリットの見極めが必要なんですね。
Case.3 :「仲介手数料」という名目以外のサービスでお金を取っている
A子:
えっ?どういうこと?
アドバイザー:
例えば『事務手数料』という名目で高額な費用を請求されるケースがあります。仲介手数料無料という謳い文句は非常に魅力的ですが、不動産会社としては利益が減ることになります。だから、別のサービスを有料にして、その分で賄おうとしている…ということですね。
A子:
むむ、なんだか騙されている気分…。
Case.4:自社で保有しているマンションの物件を売っている
A子:
これもどういうこと?
アドバイザー:
中古マンションの売り主は個人であることが普通です。だから不動産会社は仲介手数料で利益を得るしかないわけですが、売り主が不動産会社そのものであれば、物件を売ることで会社の利益になります。
A子:
なるほど!それなら仲介手数料が無料でも納得ね。
アドバイザー:
ただ先程も類似したケースがあったように、この場合当然営業マンは自社の物件を売ろうとしますよね。できれば幅広く物件を探したいのに特定の物件しか紹介してくれなかったり、物件をどうしても売りたいがために営業が強引になったり…ということも大いにありえます。
A子:
自分の会社の商品を売りたいのは当然ね。仲介手数料無料にはいろんな理由があったんだなあ。
仲介手数料が安い不動産業者は利用しても大丈夫?
アドバイザー:
以上のケースの中で、利用に注意しなければいけないのはCase.3の場合です。不動産会社はとにかく『手数料無料』という謳い文句で気を引き、自社のサービスを安く見せて集客しようとしているわけですが、実際は安くなりませんから買い手にとっては何の得にもなりません。本当に信じてよい業者なのかどうか、費用項目やサービス内容の見極めが必要です。
A子:
うん、私もこういう会社はちょっと信用できないかも…。
アドバイザー:
Case.4の場合も、自社物件だけを売ろうとせずきちんと自分たちの意見を聞いて物件を紹介してくれるかどうか、が判断のポイントになりますね。ここまで紹介した内容を踏まえた上で会社を選ぶなら、安い会社を利用するのも悪いわけではありませんよ。
A子:
自分できちんと判断する力が大事ね!
仲介手数料の相場を計算してみよう
A子:
仲介手数料のしくみも、無料になる理由もわかってなんだか安心!やっぱり物件は仲介手数料がかかってもいいから、不動産会社の担当者が信頼できるかどうかを大事にしたいと思ったな。ただ、仲介手数料の相場がわかっていれば、提示された金額が高いのか安いのか判断できてもっと安心なんだけど…。
アドバイザー:
仲介手数料は物件価格に応じて上限額が決まります。計算方法を知っておくとよくわかりますよ。一般的に、仲介手数料はこの上限額ぎりぎりで設定されています。
<仲介手数料の上限額の計算方法>
- 200万円以下の部分→5%+税
- 200万円~400万円の部分→4%+税
- 400万円~→3%+税
A子:
げげ、売買価格を3段階に分けてるの?それぞれ料率が違って計算がめんどくさそう…。
アドバイザー:
という人のために、簡易計算式と、物件価格別の仲介手数料の上限額の一覧表をご紹介します。
<仲介手数料の簡易計算式>
- 400万円以上の物件→物件価格×3%+6万円+消費税
- 200~400万円の物件→物件価格×4%+2万円+消費税
<仲介手数料上限金額一覧>
A子:
これならわかりやすい!!
値引き交渉はしてもいい?
A子:
目安はわかったけど、3000万円の物件を買おうと思うと100万円以上も仲介手数料がかかるんだなあ。やっぱり高い!住宅購入で値引き交渉した話もネットで見るけど、仲介手数料は値引いてもらえるものなの?
アドバイザー:
ケースバイケースですが、値引きしてもらえないことがほとんどです。ここまで説明してきたとおり、基本的に中古マンション売買において仲介手数料は不動産会社の唯一の利益ですから、値引きしづらいんです。値引き交渉をしたことによって営業マンに嫌な顔をされてしまうと、そのあとの信頼関係にも響きますから、おすすめはできないですね。仮に値引きできたとしても、端数程度でしょう。
A子:
そうなんだ…うーん、安くはしたいけど仕方ないか…。
アドバイザー:
やはり端数単位ではありますが、物件価格そのものなら、売り主が売り急いでいる場合は値引きしてもらえる可能性が高くなりますよ。
ただ、そもそも仲介手数料の価格が厳しいと感じるのであれば、検討している物件価格が自分に見合っていないのかもしれません。予算そのものを下げて物件を探す必要があるでしょう。
A子:
それもそうですね。無理な中古マンションを購入にならないように、仲介手数料も考慮して予算を組んでみます!
まとめ
仲介手数料は安くはありませんから、この記事でご紹介した上限金額を目安として、あらかじめ予算に組み込んでおくようにしましょう。
仲介手数料無料や半額といった不動産会社を検討することが必ずしも悪いというわけではありませんが、中には信頼できない会社もあるので、業者の見極めが大切です。
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