2023.12.07 更新

リノベーションでバリアフリーな家に!事例・費用・注意点を徹底解説

バリアフリーリノベーション

「リノベーションで家をバリアフリーにすることはできる?」
「リノベーションでバリアフリーにする場合どんなことができる?」

年をとったり、病気やケガで身体が不自由になった時でも暮らしやすく工夫されているのが、バリアフリーの家です。

リノベーションは間取りを大きく変えることができますから、バリアフリーな家にしたい方にはおすすめの方法です。

リノベーションでできるバリアフリーには、主に次のようなものが挙げられます。

バリアフリーのリノベーションは「現在困っていることや住みづらさ」を解消できるだけでなく、あらかじめバリアフリーを施しておくことで「将来的な住みやすさ」に繋げることができます。

逆に、バリアフリーの目線が欠けた家であるために、年をとってからリノベーションを何度も行うことになり、費用や手間が余計にかかってしまうことにもなりかねません。

そこでこの記事では、以下の内容について解説していきます。

  • バリアフリーのリノベーションでできることと費用感
  • リノベーション時にバリアフリーを意識するのがおすすめの理由
  • やっておきたいバリアフリーリノベーション3つ
  • 【部屋別】バリアフリーリノベーションのポイント
  • バリアフリーにリノベーションする時の会社の選び方

この記事が、バリアフリーを意識したリノベーションによって、長く快適に住める家をつくるためのヒントになれば幸いです。

Advisor

一級建築士 アドバイザー 西村 一宏

[監修]一級建築士

西村 一宏

リノベーション・オブ・ザ・イヤーを受賞した設計・施工部門の責任者としてゼロリノベ建築を担う。著者の詳しいプロフィール

Author

“【著者】ゼロリノベ編集部"

[著者]

ゼロリノベ編集部

元銀行員・宅地建物取引士・一級建築士が在籍して「住宅ローンサポート・不動産仲介・リノベーション設計・施工」をワンストップで手がけるゼロリノベ(株式会社groove agent)。著者の詳しいプロフィール



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バリアフリーのリノベーションでできること|費用相場付き

リノベーションでバリアフリーにするといっても、具体的にどのようなことができるのでしょうか?

実際リノベーションによってできることは様々あります。また、リノベーションではなく簡易的なリフォームで対応できることもあります。

そこでこの章では、バリアフリーのリノベーションだからできることと、リフォームでもできることについて紹介していきます。

1-1.リフォーム・リノベーション両方でできるバリアフリー工事内容

バリアフリーの家にすることは、大幅な変更を伴うリノベーションだけでなく、簡易的なリフォームでもある程度行うことができます。

リフォーム・リノベーション両方でできるバリアフリー工事は次のようなものが挙げられます。

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

1-1-1.通路やトイレに手すりを付ける

足腰が弱くなり、転びやすくなった人のために、リフォームで手すりをつけることができます。

手すりの設置はバリアフリーのリフォームの中でも手軽で、行う方が多い工事です。

設置する場所は、廊下、トイレ、お風呂、寝室などで、費用は場所や設置した手すりの長さによって変わります。

1-1-2.スロープを付けて段差を解消

廊下と部屋の間にあるドア部分など家の中にあるちょっとした段差は転倒の原因になるため、リフォームで解消しておきたいポイントです。

段差にスロープを付けてなだらかにすることで、段差を解消し、転倒を予防することができます。

1-1-3.滑りにくい床に張り替える

転倒は大きなケガや寝たきりにつながるため、なるべく家の中を転びにくい環境にすることが大切です。

リフォームでは、床材を滑りにくいものに張り替えることで転倒しにくい家にすることができます。

床の張り替えの費用は張り替える広さや選んだ床材の価格によって異なります。

1-1-4.ドアを開き戸から引き戸に変える

車いすでの生活になった場合開き戸は使いにくいため、室内のドアを開き戸に変えることもリフォームで可能です。

ドアの間口が狭い場合、車いすで通るのが大変になってしまうため、開き戸にするだけでなく間口をひろげることもできます。

一カ所だけでなく、リビング、トイレ、お風呂など車いすの方が出入りするドアすべてをリフォームすることが必要になると費用が上がります。

1-2.リノベーションだからできるバリアフリーの工事内容

リフォームではなく、家全体の間取りを大きく変えるリノベーションだからこそできるバリアフリーもあります。

リノベーションだからこそできることは次の通りです。

それぞれについて詳しくみていきましょう。

1-2-1.家全体をバリアフリーにする

段差がまったくないフルフラットな家にするなど、家全体を見直すことができるのはリノベーションだからこそできるバリアフリー住宅です。

バリアフリーリノベーション フルフラットな床

例えば床の場合、リノベーションでは、床材を一度すべて剥がした上で、新しく床をつくります。

その際、構造上高くなっている部分に合わせて家全体の床を上げることで、フルフラットな家にすることができるのです。

特にお風呂は水勾配を付けるため、築古の物件だと他の部屋よりも高くなっていることも多いのですが、リノベーションで玄関から高さを上げることで脱衣所とお風呂の間の段差をなくし、フルフラットにすることができます。

家の一部だけに工事をするリフォームでは、なかなかここまでのバリアフリーを実現することはできません。

家全体を一度躯体だけにして、新しいものに変えていくリノベーションだからこそできるバリアフリーなのです。

1-2-2.間取りからバリアフリーにする

バリアフリーリノベーション

壁を取り払い、間取りを大きく変更することができるリノベーションなら、間取りもバリアフリーにすることができます。

スケルトンリノベーションでは部屋を仕切る壁を壊し、新しい間取りに変えていきます。

そのため暮らす人に合わせた動線や、通路幅、壁やドアのあるなしを自由に変えることができるのです。

例えば、以下のように間取りや設計段階からバリアフリーを意識することで、家全体の暮らしやすさをアップすることが可能です。

  • 廊下の幅を広くとり車いすでも通りやすくする
  • スイッチの位置を低くして車いすでも使いやすくする

通路幅や間取りは後からリフォームで変えたいと思っても、なかなか変えることが難しいところまでバリアフリーにできるのは、リノベーションならではと言えるでしょう。

リノベーション時にバリアフリーを意識することがおすすめな理由

バリアフリーというと年を取ってからや必要になってから考えればいいと思いがちですが、リノベーションする際にバリアフリーを意識しておくことは実はとても大切です。

リノベーションする時にバリアフリーを意識するのがおすすめな理由は次の2つです。

リノベーションする時にバリアフリーを意識しておくことで、先を見据えた長く暮らしやすい家をつくることができます。

それぞれ詳しくみていきましょう。

2-1.バリアフリーな家はみんなが暮らしやすい家だから

リノベーション時にバリアフリーを意識するのがおすすめな理由のひとつめは、バリアフリーな家は年を取って足腰が弱ってきた人だけでなく、すべての人が暮らしやすい家だからです。

家の中の段差につまづくこと、うっかり床で足を滑らせることは、子どもから大人まで多くの人に起こります。

リビングと廊下、脱衣所、お風呂に温度差があると、小さな子どもをお風呂に入れる時に湯冷めが心配になりますし、風邪を引く可能性があります。

車いすでも押しやすいようスイッチの位置を低めにすると、子どもも押しやすく使いやすくなります。

バリアフリーを意識した家は、年を取った人や車椅子で生活する人だけのものではなく、すべての人が暮らしやすい家になるのでおすすめです。

2-2.リノベーション費用は大きく変わらないから

リノベーション時にバリアフリーを意識するのがおすすめな理由のふたつめは、リノベーション費用は大きく変わらないからです。

「1-1.リフォームでもできること」で紹介したように、バリアフリーにあとからリフォームする場合はそれぞれの工事に費用がかかります。

しかし、リノベーションする時にバリアフリーを意識した間取りや建材を使う場合、リノベーション費用は普通にリノベーションする場合と大きくは変わりません。

なぜなら、フルリノベーションの場合は間取りをガラリと変え、床もすべて張り替えるため、廊下を広めにする、段差をなくすなどのバリアフリーは、通常のリノベーション工事の内容で実現できるからです。

リノベーションでは新しい床材や扉などの建材は必ず必要になります。

滑りにくい床材などは、通常の床材とそれほど変わらない価格のため、リノベーション費用が大きく上振れしてしまうことも避けられるでしょう。

あらかじめバリアフリーを意識してリノベーションをしておくほうが費用面でもお得になるのです。

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やっておきたいバリアフリーリノベーション3つ

バリアフリーを意識した家にリノベーションしたいと思った場合、どのようなポイントに気を付けてリノベーションすればいいのでしょうか?

次の3つのポイントを押さえておきましょう。

この3点は、リノベーションの時なら追加費用はほとんど必要なくできるバリアフリー対策です。

しかし、一旦リノベーションが終わった後に、リフォームなどで対応したいと思った場合は難しく、費用がかなりかかってしまいます。

そのためリノベーションの際にあらかじめ行っておくのがおすすめなのです。

それぞれについて詳しく紹介します。

3-1.家全体をフルフラットにする

家全体の段差をなくしフルフラットにすることは、バリアフリーを意識したリノベーションの中で最も押さえておきたいポイントです。

トイレ、リビング、寝室などそれぞれの部屋の境に段差がないように施行します。

廊下とリビングとの境や、脱衣所とお風呂の境など、小さな段差がある家は多いのですが、小さな段差であっても車椅子の方や小さな子どもの場合は、つまづいてケガをする原因になります。

リフォームではフルフラットにすることは難しく、スロープなどを付けて段差をなだらかにすることしかできません。

フルフラットにしたい場合は、家全体の床をすべて貼り直す必要があり、費用がかなり高くなってしまいます。

特にお風呂は、スラブ(躯体の床面)の高さよりも20センチほど高くなっていることがほとんどで、段差を解消するとなるとかなり大掛かりな工事が必要になります。

しかしスケルトンリノベーションをするのなら、床をすべて張り替えますから、段差をすべてなくしてフルフラットにすることができるのです。

一度床を全面剥がした後、お風呂の高さに合わせて玄関からすべて床面を上げることで、全面フルフラットにすることが可能です。

◎フルフラットにしたい場所

【トイレ】

バリアフリーリノベーション フルフラットのトイレ

【脱衣所】

【お風呂】

【玄関】

バリアフリーリノベーション フルフラットな床

3-2.通路幅を広めにとっておく

通路幅を広めにとっておくことも、バリアフリーを意識したリノベーションのポイントです。

廊下の幅を広げるのを後々リフォームで行おうと思うと、壁を壊すなどかなり大掛かりな工事となるため難しく、費用も高くなります。

リノベーションの間取りを決める時点で通路幅を広めにとっておけば、後々介護が必要になった時にも暮らしやすくなりますし、リノベーション費用も余計にかかることはありません。

人がすれ違うのに最低限必要な通路の幅は78㎝とされていますが、バリアフリーを意識した場合は車いすも通れる90㎝以上を目安にすると良いでしょう。

通路幅を広めにとっておけば、体格の大きい方や子どもを抱っこした時、大きな荷物を運びたい時も通りやすく、暮らしやすさがアップしますのでおすすめです。

3-3.家全体の温度差をなくす間取りにする

間取りを考える時、家全体の温度差をなるべくなくす間取りにするのもリノベーション時に押さえておきたいポイントです。

寒い冬、リビングは暖房で20℃前後まで暖めているのに、脱衣所やお風呂は10℃前後と寒い、温度差のある家ではヒートショックが起こる可能性があります。

ヒートショックとは、急激な温度の変化によって血圧が大きく変動するなどすることで、身体に大きな負担がかかり、失神や不整脈などの体調不良が起こることを言います。

最悪の場合、心筋梗塞や脳梗塞など、命に係わることがあり、注意が必要です。

ヒートショックを防ぐには、家全体の温度差を少なくすることが有効です。

バリアフリーを意識するなら、玄関とリビングの間に壁を作らない、廊下を作らずリビングから直接脱衣所に入れるようにするなど、間取りを工夫することで家全体の温度差を少なくすることができます。

【お部屋別】バリアフリーリノベーションのポイント

3.やっておきたいバリアフリーリノベーション3つ」で紹介した3つのポイントは、リノベーションする時に必ず押さえておきたいポイントです。

3つのポイントに加えて、さらに介護の必要性が高まった場合などは、よりバリアフリーを意識した家へとリノベーションすることが必要になります。

この章では、お部屋別でタイミングに応じて検討したいバリアフリーリノベーションのポイントについて紹介していきましょう。

4-1.リビング

リビングのバリアフリーに必要なポイントは次の2つです。

リビングは、転倒防止のために床材を滑りにくいものにしておくのがおすすめです。介護だけでなく、子育て中の方にも滑りにくい床はピッタリですので、リノベーション時に最初から床材を滑りにくいものにしておくとよいでしょう。

また、なるべく傷が付きにくいものにしておくと、車いすになった時に安心です。

本格的な介護が始まったら、手すりを付けることを検討しましょう。こちらは足腰が本格的に弱り、介護が始まる前で大丈夫です。

一緒に壁紙を擦り傷が付きにくいものに変えるのもよいでしょう。

4-2.お風呂

お風呂のバリアフリーに注意したいポイントは次のようなものがあります。

お風呂と脱衣所の境の段差は、リノベーション時点で解消しフラットにしておきます。

ユニットバスは床材をすべりにくいものにする、手すりを付ける、高さが低いバスタブを選ぶといった点を注意しておくと長い期間使いやすいお風呂にできます。

これらは高齢者だけでなく、子どもと一緒にお風呂に入る時にも生活しやすくなりますから、リノベーションする時点でやっておくのがおすすめです。

4-3.トイレ

トイレをバリアフリーにするには次のような点が必要になります。

トイレの入り口も、段差をなくしてフルフラットにしておきます。

手すりは介護が必要になってからつける方がよいでしょう。

ドアは最初から引き戸にしておくと、間口が広く使いやすくなります。

車いすで生活する必要が出てきた場合は、トイレ全体を広げて車いすでも入ることができるリフォームを考えましょう。

4-4.キッチン

キッチンのバリアフリーポイントは次の2つがあります。

コンロは安全装置のついたものにしておくと、高齢者はもちろん子どもがいても安心です。

ガスコンロではなくIHにすることで、袖口などに火がついてヤケドする事故を防ぐこともできます。

キッチンカウンターは車いすを使用するようになった場合、下にスペースがあり足が入るものに交換することで使い勝手がよくなります。

4-5.玄関・廊下

玄関と廊下をバリアフリーにするポイントは次のようなものが挙げられます。

玄関は段差をなるべく低くすることで、転倒を防止できます。リノベーションする時に最初から段差を低くしておきましょう。

廊下の幅は広めにしておくと、車椅子などはもちろん、様々なシーンに対応できます。目安は90㎝以上です。

手すりを付けるのは介護が始まる前でよいでしょう。

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バリアフリーリノベーション事例3選

ここまで紹介してきたバリアフリーのポイントを押さえてリノベーションすると、どんな家になるのでしょうか?

この章では、バリアフリーを意識したリノベーション事例を3つ紹介します。

バリアフリーにリノベーションする際にぜひ参考にしてください。

5-1.スロープで巡る我が家(Renovation of the year 2023 ユニバーサル・デザイン賞受賞作品)

バリアフリーリノベーション

家の種類:マンション
専有面積:86.92 平米
築年月:1974年
居住人数:2人

バリアフリーのポイント:
◎車いすでも快適に暮らせるスロープやフルフラットの回遊動線
◎二人ですれ違っても十分な通路幅や広さのあるトイレ
◎車いすでも使いやすい水回りの仕様やワークスペース

車椅子での生活ということを軸に、「暮らしにくさ」を解消してプランニングしていった事例です。

十分な通路幅を確保したり、サニタリーに回遊動線をつくることで行き止まりをなくしたりすることで、日々の生活も快適に送れるよう工夫した。

物件の決め手にもなったルーフバルコニーに車いすでも出やすいよう、家の中にはルーフバルコニーへ続く全長4.5mのスロープを設けました。

以前の賃貸暮らしの時には「トイレが物理的に狭い」と感じていたというお施主さま。リノベーションではトイレスペースは十分な広さを確保し、フルフラットで設計しました。

バリアフリーリノベーション フルフラットのトイレ

また、これまでは洗面台やキッチンの前では体を捻り、車いすを横向きにして使う不便さがあったことから、ワークスペースや洗面台の下はオープンにして車いすを正面向きのまま入れられるように工夫しました。

実際のお客様の声

販存の物件では、床がフラットだったり、引き戸であったり物理的にバリアフリーと言われる部屋であったとしても、車椅子で暮らすにはどうしても住みづらさがあったので、リフォームよりも間取りごと変えられるリノベーションに魅力を感じました。
例えば、車椅子で洗面台やキッチンは腰を捻りながら使うこと、通路や玄関等の二人でぶつかる動線、トイレの物理的な狭さなどの「今まで工夫しながら生活をしていた部分」は、リノベによって解決されて暮らしやすくなると思いました。

バリアフリー面を考えるとどうしても実用性を重視した内容になってしまうのではないかと不安だったのですが、自分達の理想の雰囲気とバリアフリーが調和した素敵な提案をたくさんしていただけてとても楽しかったです。
車椅子で生活するために必要な通路の幅は?旋回するためのスペースはどれくらいか?スロープの傾斜は?扉の形状は?電気スイッチの高さをどうするか?ハンガーパイプの高さは?など、一つ一つのパーツを細かく調整していきました。また、水回りの下はオープンにすることで、座ったままでも作業ができるようにしていだきました。

5-2.おしどり夫婦のシェアハウス

家の種類:マンション
専有面積:77.76 平米
築年月:1982年
居住人数:2人

バリアフリーのポイント:
◎家全体をフルフラットにして転倒しにくく、車いすでも移動しやすい家に
◎車いすでの生活を視野に、廊下は広く、部屋と部屋の間にドアは付けない造り
◎リビングの一角の畳は小上がりにせず段差をなくした

子どもが独立した後に、夫婦二人で暮らす終の棲家して、バリアフリーを意識してリノベーションした事例です。

リノベーションした時点では元気ですが、今後年齢を重ねて車いすになった時のことを想定し、扉の幅、廊下の幅を広めにとってあります。

通路幅を広くとることで、車いすになった時も動きやすくなっているのはリノベーションだからこそできるバリアフリーです。

また、部屋と部屋の間にはなるべくドアを付けないことで、さらに車いすでの移動をしやすくする工夫もあります。

お風呂の入り口にも段差がなく、扉の幅も広くとってあります。

介護が必要になった時に、なるべく負担のない間取り、造りを考えて作られているのがポイントです。

子ども家族が泊まりに来た時に布団を敷けるよう、リビングの一部は畳にしてありますが、あえて小上がりにせず、フラットにすることで転倒を防止できるのもポイントです。

トイレも引き戸にして間口を広くとってあります。

さらに吊り戸にすることで、床にレールもなくまったく段差のない状態にできました。

トイレと廊下にまったく段差がないため、つまづく可能性が低く転倒防止になります。

この事例を詳しく知りたい方は、こちらのページをご覧ください。

5-3.ゆるく繋がるプライベート空間

家の種類:マンション
専有面積:70.79平米
築年月:1974年
居住人数:3人

バリアフリーのポイント:
◎スラブより20㎝床を上げて実現したフルフラットな住まい
◎それぞれの個室には扉を付けず車いすでも移動しやすい造り

家全体の床の高さを上げてフルフラットすることで、年をとっても転倒しにくく、車いすでも暮らしやすいバリアフリーの住まいにリノベーションした事例です。

もともとは浴室に段差がありましたが、フルフラットにするために玄関から床を上げてリノベーションしました。

玄関からリビングまで壁がなく、フラットな空間が続きます。

通路の幅もなるべく広めにとることで、さらに車いすでも暮らしやすい家になりました。

玄関とキッチン、リビングダイニングとの境は、壁やドアではなくカーテンで仕切ります。

壁とは違い簡単に開けることができるので、車いすや、介護する人が身体を支えても移動がしやすくなります。

来客からの目線が気になる時は、さっと閉めればよいので手軽です。

浴室と脱衣所の段差がなくフラットなので、転倒の心配が少なくなりました。

それぞれの個室には扉がなく、ゆるくつながった空間になっています。

あえて扉を付けないことで、車いすになったとしても間口が広く移動しやすいというメリットがあります。

リビングは広くとることで、暮らしやすさもアップしました。

バリアフリーにリノベーションする際の会社の選び方

バリアフリーにリノベーションする時は、リノベーションを依頼する会社の選びかたも重要です。

なぜならバリアフリーに対する知識が少ない会社に依頼してしまうと、間取りや設備に不備があり、使いにくい家になってしまうからです。

バリアフリーにリノベーションする時におすすめの会社を選ぶポイントは次の3つです。

  • バリアフリーのリノベーション事例がある
  • プラン決定までに十分な打ち合わせができる
  • アドバイスが的確で信頼できる

それぞれについて詳しく紹介していきます。

6-1.バリアフリーのリノベーション事例がある

リノベーション会社をいくつかピックアップしたら、まずはサイトにある事例をチェックしてみましょう。

サイトの事例にバリアフリーを意識した事例がある会社を選ぶのがおすすめです。

リノベーション会社を探す場合は、「リノベーションしたい物件があるエリア+リノベーション会社」とインターネットで検索するとピックアップできます。

バリアフリーを意識した事例があるということは、ある程度バリアフリーに対する知識や経験があるということになります。

まずは事例をチェックし、バリアフリーを意識したリノベーションができる依頼先を選んでおきましょう。

6-2.プラン決定までに十分な打ち合わせができる

プラン決定まで何度も打ち合わせできる会社を選ぶのも、バリアフリーリノベーションする時には大切です。

一部だけをバリアフリーにするリフォームとは違い、バリアフリーリノベーションでは家全体を大きく変えます。

間取りやデザインの自由度が高い分、プランを最終決定するまでには何度も打ち合わせをして希望を取り入れてもらう必要があります。

打ち合わせ回数に制限がある会社などもあるため、納得のいくプランにできるリノベーション会社を選びましょう。

まずは実際にリノベーション会社に足を運び、プラン決定まで平均何回くらい打ち合わせをするのかを確認してみましょう。

6-3.アドバイスが的確で納得できる

ここならいいかも、と思った会社があれば、バリアフリーリノベーションを希望していることを伝えてどんなプランが提案してもらえそうか聞いてみましょう。

バリアフリーを意識していることを伝えた上で、今までの事例ではバリアフリーにするためにどのようなプランにしてきたのか、どんな点を気を付けるとバリアフリーになるのかを聞いてみます。

すべてのアイデアが採用できるわけでなくても、バリアフリーにするためのアドバイスや提案が的確で、納得できると感じたリノベーション会社を選ぶと満足度の高いリノベーションになりやすいですし、安心してお任せできます。

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まとめ

バリアフリー・リノベーションについてご紹介しました。

バリアフリーにした家は、高齢者や介助が必要な方だけでなく、子育て中の方などどんな人にも住みやすい家です。

後からリフォームでバリアフリーにするのは制限もありますし、費用も掛かります。

しかしリノベーションする時にバリアフリーにしておけば、リノベーション費用が追加でかかることもなく、誰でも住みやすい家にすることができるのです。

リノベーションする時は、特に次の3つのポイントを押さえておくとよいでしょう。

バリアフリーを意識したリノベーションで、住みやすい家を手に入れてくださいね。

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