2021.07.02 更新 2021.06.09 公開

40年以上の住宅ローンとは?借入条件やメリット・デメリットを解説

住宅ローン 40年 アイキャッチ

住宅ローンの返済期間といえば最長35年が一般的ですが、なかには「40年〜50年」の返済期間が可能な住宅ローンもあります。

ただし、結論からお伝えすると、40年以上の住宅ローンは基本的におすすめできません。デメリットを多く抱えているためです。

▼ 40年以上の住宅ローンのメリット・デメリット

メリット デメリット
◎ 毎月返済額が低くなる

◎ 親子リレー返済のプランを立てやすい

◎ 住宅ローン付きで売却できるケースがある

✕ 金利が高い

✕ 返済期間が長い分の利息負担が増える

✕ 選べる住宅ローンの種類が少ない

✕ 借入れ可能な年齢など条件に制限がある

「返済期間を長くすれば、月々の返済額を安く抑えられる」
と考えて、40年以上の住宅ローンを希望しているのであれば、基礎知識から注意点まで把握したうえで、慎重に判断する必要があります。

そこで本記事では、「返済期間が40年以上の住宅ローン」に焦点を当てて詳しく解説します。

<本記事のポイント>

  •  40年以上の住宅ローンとは何か基本がわかる
  • メリット・デメリットをシミュレーションを交えて紹介
  • 40年以上の住宅ローンの注意点を解説

この解説を最後までお読みいただければ、「返済期間40年以上の住宅ローンとは?」の基礎知識はもちろん、なぜおすすめできないのか深く理解できます。「40年の住宅ローンについて知りたい」
「住宅ローン選びの参考にしたい」
……という方におすすめの内容となっています。

結果として、後悔しない住宅ローンを選ぶために役立つはずです。ではさっそく解説を始めましょう。

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“【著者】ゼロリノベ編集部"

[著者]

ゼロリノベ編集部

「住宅ローンサポート・不動産仲介・リノベーション設計・施工」をワンストップで手がけるゼロリノベ(株式会社groove agent)。著者の詳しいプロフィール

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40年以上の住宅ローンとは

まずは、
「そもそも、40年の住宅ローンって何?」
「住宅ローンといえば、35年が定番じゃないの?」
という素朴な疑問からクリアにしていきましょう。

1-1. 住宅ローン返済期間の最長は50年

多くの住宅ローンでは返済期間の最長が35年に設定されているため、「住宅ローン=35年」というイメージがあります。

しかし、住宅ローンの種類によっては、最長50年までの返済期間で住宅ローンを組むことができるのです。その代表的な住宅ローンが、住宅金融支援機構の「フラット50」です。

▼フラット50

返済期間 36年〜50年
金利の範囲 年1.810%〜年2.280%
最頻金利 年1.810%

出典:【フラット50】 ※2021年5月現在

フラット50では、返済期間が【36年〜50年】となっており、40年以上の返済期間で住宅ローンを組むことが可能です。

1-2. 35年以下の住宅ローンに比較して金利が高い

40年以上の返済期間が選べる住宅ローンで注意したいのは、35年以下の住宅ローンに比較して、金利が高くなることです。

フラット35とフラット50の金利を比較してみましょう。

▼フラット35とフラット50の金利比較

フラット35 フラット50
返済期間 15年〜20年 21年〜35年 36年〜50年
金利の範囲 年1.230%〜年2.020% 年1.360%〜年2.160% 年1.810%〜年2.280%
最頻金利 年1.230% 年1.360% 年1.810%

出典:【フラット35】【フラット50】 ※2021年5月現在

この金利の違いが総返済額がどう影響するのかについては、後ほど「2. 40年以上の住宅ローンのシミュレーション」にてご紹介します。

1-3. 借り入れ条件に制約がある

返済期間が40年以上になる住宅ローンでは、35年以下の住宅ローンに比較して、借り入れ条件が厳しくなっています。

フラット35とフラット50の借り入れ条件を比較してみましょう。

フラット35 フラット50
申込要件 申込時の年齢が満70歳未満の方 申込時の年齢が満44歳未満の方 ※
借入対象となる住宅 住宅金融支援機構が定めた技術基準に適合する住宅

住宅の床面積:戸建て、連続建ておよび重ね建て:70㎡以上、共同建て(マンションなど):30㎡以上

住宅金融支援機構が定めた技術基準に適合する住宅かつ長期優良住宅

住宅の床面積:戸建て、連続建ておよび重ね建て:70㎡以上、共同建て(マンションなど):30㎡以上

出典:【フラット35】【フラット50】 ※親子リレー返済を除く

最長35年のフラット35と比較して、最長50年のフラット50が大きく異なるのは「申込時の年齢」と「対象となる住宅」です。

返済期間が長期間になるフラット50は、フラット35よりも26歳若い「44歳未満」でないと申込みができません。

さらに、対象となる住宅に対して「長期優良住宅」という制約がついています。

長期優良住宅とは?

長期優良住宅とは、長く安心・快適に暮らせる優良な住宅として国が定めた基準を満たし認定を受けた住宅のことです。

認可を受けるためには耐震性・耐久性・可変性などに優れ、維持管理のしやすい住宅であることなどが条件となります。

フラット50のような長期優良住宅が条件になっている住宅ローンを契約するためには、購入する物件や建築する物件が、長期優良住宅であるかが重要なポイントです。

参考:「住宅:長期優良住宅のページ – 国土交通省

40年以上の住宅ローンのシミュレーション

ここで、40年以上の住宅ローンを借り入れたときのシミュレーションをしてみましょう。

《借入金額3,000万円・固定金利・元利均等・ボーナス割合0%》の条件で、フラット50・フラット35を借り入れたシミュレーションは、以下のとおりです。

▼《借入金額3,000万円・固定金利・元利均等・ボーナス割合0%》

返済期間 35年 40年 50年
試算に利用した金利 年1.360% 年1.810% 年1.810%
総返済額 3,773万円 4,219万円 4,562万円
毎月返済額 9.0万円 8.8万円 7.7万円

このように比較すると、
「35年より大幅に返済期間を延ばさないのであれば、35年で返済したほうがお得」
と感じる方が多いのではないでしょうか。

例えば、35年と40年を比較すると、毎月の返済額は【▲2,000円】しか変わらないのに、総返済額では【+446万円】もの差がつく試算となっています。

40年以上の住宅ローンを組むメリット・デメリットについては、次章以降で詳しく解説しましょう。

40年以上の住宅ローンのメリット

40年以上の住宅ローンには、どんなメリットがあるのでしょうか。

1.毎月返済額が低くなる
2.親子リレー返済のプランを立てやすい
3.住宅ローン付きで売却できるケースがある

それぞれ見てみましょう。

3-1. 毎月返済額が低くなる

1つめのメリットは「毎月返済額が低くなる」ことです。

先ほどシミュレーションしたとおり、35年の住宅ローンよりも毎月の返済額を抑えることができます。

先ほどは《借入金額3,000万円》で試算しましたが、借入希望額が大きくなるほど、毎月返済額へのインパクトも大きくなるため、仮に《借入金額6,000万円》で試算してみましょう。

▼ 《借入金額6,000万円・固定金利・元利均等・ボーナス割合0%》の毎月返済額試算例

返済期間 35年 40年 50年
試算に利用した金利 年1.360% 年1.810% 年1.810%
総返済額 7,545万円 8,437万円 9,124万円
毎月返済額 18万円 17.6万円 15.3万円
35年との差 ▲4,000円 ▲27,000円

3-2. 親子リレー返済のプランを立てやすい

2つめのメリットは「親子リレー返済のプランを立てやすい」ことです。

親子リレー返済(親子リレーローン)とは、住宅ローンを契約する本人の子どもなどを後継者として、2世代で住宅ローンを返済する制度です。

「子どもに返済をバトンタッチする時期を、できるだけ遅らせたい」といった希望がある場合には、40年以上の住宅ローンを組むことで、時期を柔軟に調整しやすくなります。

詳しくは、親子リレー返済について解説しているこちらの記事をご覧ください。

3-3. 住宅ローン付きで売却できるケースがある

3つめのメリットは「 住宅ローン付きで売却できるケースがある」ことです。

これは厳密には、40年以上の住宅ローン特有のメリットではないのですが、多くの40年以上の住宅ローンには、住宅ローンの返済中に物件を売却する際、購入者に債務を引き継げる特約がついています。

住宅ローン付きの売却が有利となりやすいのは、固定金利の住宅ローンです。

というのは、現代は超低金利時代といわれるほど、金利が低くなっています。

将来、住宅を売却する時点では金利が上昇していると想定すれば、低金利のいま固定金利で契約した住宅ローンを購入者に承継できることは、住宅を売却するうえで有利に働くのです。

40年以上の住宅ローンのデメリット

次に40年以上の住宅ローンのデメリットを見ていきましょう。

1.金利が高い
2.返済期間が長い分の利息負担が増える
3.選べる住宅ローンの種類が少ない
4.借入れ可能な年齢など条件に制限がある

4-1. 金利が高い

1つめのデメリットは「金利が高い」ことです。

以下は先ほどご紹介した表の再掲ですが、フラット35・フラット50で比較するなら、35年で返済するなら【年1.360%】の金利が、36年以上で返済すると【年1.810%】となり、【+0.45%】も上がってしまうのです。

フラット35 フラット50
返済期間 21年〜35年 36年〜50年
金利の範囲 年1.360%〜年2.160% 年1.810%〜年2.280%
最頻金利 年1.360% 年1.810%

出典:【フラット35】【フラット50】 ※2021年5月現在

当然ながらその分、利息額が増えて総返済額が増えます。

総返済額の観点から見れば、「40年以上の住宅ローンを組むよりも、35年以下で返済するほうがお得」となり、これは40年以上の住宅ローンの大きなデメリットです。

4-2. 返済期間が長い分の利息負担が増える

2つめのデメリットは「返済期間が長い分の利息負担が増える」ことです。

前述の高い金利に輪を掛けて利息の負担を大きくしているのが「長い返済期間」です。

イメージしやすくするために、《返済期間が35年でも40年でも金利が同じ年1.810%だった場合》を仮定して試算してみましょう。

▼ 《借入金額3,000万円・固定金利1.810%・元利均等・ボーナス割合0%》の試算

返済期間 35年 40年 50年
総返済額 4,053万円 4,219万円 4,562万円
35年との比較 +166万円 +509万円

同じ借入金額・同じ金利でも、返済期間が長引くほど、利息が増えていくことがわかります。

さらに、より現実に近い試算として、1つめのデメリットとして挙げた「金利の違い」も反映させて試算してみましょう。

▼《借入金額3,000万円・固定金利・元利均等・ボーナス割合0%》の試算

返済期間 35年 40年 50年
試算に利用した金利 年1.360% 年1.810% 年1.810%
総返済額 3,773万円 4,219万円 4,562万円
35年との比較 +446万円 +789万円

35年で返すか、40年で返すかによって利息は【+446万円】もの差が出ることがわかります。50年となれば【+789万円】となり、負担はさらに大きくなります。

4-3. 選べる住宅ローンの種類が少ない

3つめのデメリットは「選べる住宅ローンの種類が少ない」ことです。

本来、住宅ローンは、金利・付帯できる保険の充実度・諸費用の安さ・繰り上げ返済のしやすさ・審査の通りやすさなど、さまざまな観点から吟味し、ベストな住宅ローンを選び抜きたいところです。

しかし、住宅ローンの主流は「返済期間:最長35年」で、40年以上の返済期間が可能な住宅ローンは、ほんのわずかしかありません。40年以上の返済期間を希望する時点で、選択肢は非常に狭まってしまうのです。

40年の返済期間が可能な住宅ローンの代表は、フラット50ですが、ほかには以下が挙げられます。

▼ 40年の返済期間が可能な住宅ローンの例

4つめのデメリットは「借入れ可能な年齢など条件に制限がある」ことです。4-4. 借入れ可能な年齢など条件に制限がある

1-3. 借り入れ条件に制約がある」でもご紹介したとおり、例えばフラット50であれば「申込み時の年齢が44歳未満・対象は長期優良住宅のみ」という条件があります。

細かな条件は選ぶ住宅ローンによって異なりますが、返済期間35年未満の住宅ローンに比較すると、厳しい条件になりますので、注意が必要です。

できる限り住宅ローンは35年以下で借りるのがおすすめ

さて、ここまでにご紹介した40年以上の住宅ローンのメリット・デメリットをまとめると、以下のとおりとなります。

メリット デメリット
◎ 毎月返済額が低くなる

◎ 親子リレー返済のプランを立てやすい

◎ 住宅ローン付きで売却できるケースがある

✕ 金利が高い

✕ 返済期間が長い分の利息負担が増える

✕ 選べる住宅ローンの種類が少ない

✕ 借入れ可能な年齢など条件に制限がある

40年以上の住宅ローンのメリット・デメリットをてんびんに掛けて比較すれば、デメリットが格段に大きくなる人が大多数でしょう。

数千円〜数万円の毎月返済額を減らすことを目的に40年以上の住宅ローンを組んだとしても、返済がなかなか終わらずに、将来、経済的に困窮するリスクが高まります。

できる限り住宅ローンは返済期間35年以内で借りるべきといえますし、実際、ほとんどの人が返済期間35年以下の住宅ローンを契約しています。

何らかのやむを得ない事情や特別な意図がない限りは、返済期間40年以上の住宅ローンは選択肢から外し、「35年以下で住宅ローンを組むためには、どうすれば良いか?」という思考に切り替えましょう。

より詳しく知りたい方は、住宅ローンの選び方について詳しく解説しているこちらの記事をご覧ください。

住宅ローンを40年以上で組む際の注意点

最後に、「どうしても特別な事情があって、住宅ローンを40年以上で借りざるを得ない」という場合、注意したい点をお伝えします。

1.購入物件に無理がないか再検討する
2.積極的に繰り上げ返済を行う

6-1. 購入物件に無理がないか再検討する

1つめの注意点は「購入物件に無理がないか再検討する」ことです。

そもそも、“住宅ローンを40年以上で借りざるを得ない状況”に陥っている前提が間違っていないか、購入しようとしている物件の選び方に問題がないか、冷静に考えてみましょう。

例えば、新築へのこだわりを捨てる、中古物件をリノベーションするなどの選択肢も視野に入れると、必要な借入額を抑え、返済期間を短縮できるはずです。

どうしても譲れない場合、自分の考えに偏りが出ている可能性もあるため、信頼できる知人や身内などに相談し、客観的な意見を聞くことも大切です。

以下の記事でご紹介している金融機関の窓口や、ファイナンシャルプランナーに相談することも役立つでしょう。

参考:住宅ローンの相談先について解説している記事はこちら

6-2. 積極的に繰り上げ返済を行う

2つめの注意点は「積極的に繰り上げ返済を行う」ことです。

40年以上の住宅ローンを契約した場合、できるだけ繰り上げ返済を行い、40年以上の住宅ローンが持つデメリット(利息負担が大きい)を少しでも減らす努力を行いましょう。

詳しくは、住宅ローンの繰り上げ返済について解説しているこちらの記事をご覧ください。

まとめ

住宅ローン返済期間は一般的には最長35年ですが、一部に最長50年のものがあります。住宅金融支援機構の「フラット50」が代表的な例です。

返済期間40年以上の住宅ローンのメリット・デメリットは以下のとおりです。

メリット デメリット
◎ 毎月返済額が低くなる

◎ 親子リレー返済のプランを立てやすい

◎ 住宅ローン付きで売却できるケースがある

✕ 金利が高い

✕ 返済期間が長い分の利息負担が増える

✕ 選べる住宅ローンの種類が少ない

✕ 借入れ可能な年齢など条件に制限がある

住宅ローンの返済期間はできる限り35年以下に押さえ、40年以上の住宅ローンは避けることをおすすめします。

どうしてもやむを得ない事情で住宅ローンを40年以上で組む際には、以下の点にご注意ください。

1.購入物件に無理がないか再検討する
2.積極的に繰り上げ返済を行う

無理をして40年以上の住宅ローンを契約すれば、必ずそのひずみが出て、返済が困難になったり、自由のない生活に心の余裕まで失ったりします。

住宅ローンは、ある程度の余裕を残せるものを選び、“自由のある幸せな人生を送れること”を大切に考えていきましょう。

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