2023.05.16 更新

500件施工でわかったリノベーション3つのメリット|戸建てとマンションで比較

おしゃれなイメージを持つリノベーション。実際どんな具体的なメリットがあるんだろうとイメージがつかず悩んでいませんか?

実はリノベーションは大きく分けて2種類あります。

◼️中古を買ってリノベーション
中古物件を購入しリノベーション会社に設計を依頼して、オリジナルの間取りやデザインをつくるもの。

◼️リノベ済み物件
すでにリノベーションされた中古物件を購入するもの。

この2つはメリット・デメリットが異なり、人によっても向き不向きがあります。
さらに住宅購入においては、中古のリノベーションだけでなく、新築という選択肢もあるため、それぞれの特徴とメリットを理解したうえで、自分たちの住まいの買い方を検討するのが良いでしょう。

本記事では、これまで500件以上のリノベーション施工実績のある私たちが、他の住宅購入の選択肢についても触れながら「リノベーションのメリット」を中心に解説していきます。

なお、比較の際には以下のような観点で、それぞれのメリットについて解説します。

  • 費用
  • 物件数
  • 寿命
  • 外観
  • 間取り自由度
  • デザイン多様性
  • 引っ越しまでの期間

これからの住まいを考えたときに、何が自分たちにとってベストなのかは性格や価値観によって異なってきます。それぞれのメリット・デメリットを学ぶことで、自分たちにはどんな住まいの買い方がいいのか選ぶときの参考にしてみてくださいね。

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“【著者】ゼロリノベ編集部"

[著者]

ゼロリノベ編集部

「住宅ローンサポート・不動産仲介・リノベーション設計・施工」をワンストップで手がけるゼロリノベ(株式会社groove agent)。著者の詳しいプロフィール

\一級建築士監修のWEBセミナー/

住宅購入の選択肢は主に6つ!一目で分かるメリット比較表

上図のとおり、家の買い方には大きく分けて6種類あります。まずは新築のマンションと戸建て。そして中古でマンションと中古戸建て、さらにそれぞれリノベーションするか、リノベーション・リフォーム済みの物件を購入するかで分かれます。

それぞれの特徴を下の比較表で見てみましょう。
当然ですが、価格は新築が最も高く、中古物件の場合はかなり費用を抑えられることがわかります。また、流通数で見ると意外にも最も多いのが「中古マンション」という結果に。

上の比較表をもとに、それぞれの家がどんな人に向いているかをまとめたものが下の表です。
次の章では、より詳しくそれぞれの住まいのメリット・デメリットについて解説していきます。

中古を買ってリノベーションを依頼する3つのメリット

中古物件を購入してリノベーションを依頼するメリットは大きく分けて3つあります。それぞれ説明していきましょう。

2-1.【メリット①】新築と比べて費用がリーズナブル

新築と比べると中古はリーズナブルに購入することができます。新築マンションと中古マンションの平均価格*で比較すると、おおよそ4,596万円ほどの差があり、その価格差は中古マンションの物件価格の約2倍にもなるのです。
*中古マンション価格:レインズ中古マンションの築年帯別状況[東京都]より
*新築マンション価格:マンションエンジンより

2-1-1.リノベーションの費用を加えても新築より安価

では、中古マンションを購入してリノベーションした際の費用総額で比べてみましょう。先ほどの比較図にリノベーション費用*を概算で上乗せすると、差額は3,476万円になります。中古マンションを購入してなおかつリノベーションをしたとしても、新築物件よりかなりリーズナブルであると言えるのです。
*リノベーション費用はゼロリノベでリノベーションした場合で試算

さらに戸建ての場合も比較してみましょう。新築戸建ての平均価格*と中古戸建ての平均価格*+リノベーション費用を加えたときの差額は上図のとおりです。マンションほど顕著ではありませんが差額は154万円で、やはり中古の方がリーズナブルという結果でした。
*中古戸建て価格:レインズ中古戸建ての築年帯別状況[東京都]より
*新築戸建て価格:東京カンテイ主要都市圏・主要都市別/新築木造一戸建て住宅平均価格より

注意:戸建てはマンションに比べてリノベーション費用が高くなりがち
戸建てのリノベーションは中古マンションのリノベーションに比べてリノベーション費用が高くなりがちです。なぜなら、屋根や外壁といったマンションの場合には必要のない外装部分の補修が必要であったり、工事の規模が大きくなりやすいからです。

2-2.【メリット②】物件の選択肢が多い(中古マンションの場合)

次に、マンションに限った話にはなりますが、中古マンションは新築マンションに比べて物件の選択肢が多いと言えます。ポータルサイト(アットホーム)で東京都のマンションの物件の数を比較すると、約40.3倍の差があることがわかりました。この数からもわかる通り、選択肢の多さは圧倒的です。(2023/05/16時点)

このエリアに住みたい!と思っていても物件がなければそもそも住むことはできませんが、中古マンションならば好きなエリアや駅での暮らしが実現しやすいと言えます。

注意:戸建ては結果が逆転する
一方で、戸建の場合、新築物件のほうが中古物件よりも2.2倍程度、物件数が多い結果となりました。こちらもポータルサイト(アットホーム)で東京都の物件数を比較しています。 中古の戸建てを購入してリノベーションをしたいという方は、気になる物件があった場合は、早めに動くことをおすすめします。

2-3.【メリット③】間取りやデザインの自由度が高い

実際の過去の事例を使って間取りの自由さ、そして、デザインの自由度についてそれぞれお伝えしていきます。

2-3-1.間取りの自由さ

リノベーションによって、細かく区切られていた4LDKの間取りが、広くて開放感のある1LDKに生まれ変わりました。窓三面からの外光を室内に存分に行き渡らせることで、明るく気持ちのよい空間が広がっています。

BEFORE

AFTER

間取り図からも部屋の数やキッチンの大きさと向きが変わっていることがわかります。元々の古い壁や床などは全て解体して、コンクリートの箱の状態(ゼロ空間)に戻してから新しく壁を立てたりフローリングを敷いたりするので、自分たちのライフスタイル合わせた間取りを自由につくることができます。

ゼロリノベお客様の中には、新築と並行して検討されていた方も多くいます。そんな方々から新築物件に対して「どの物件も同じような間取りで使い勝手が悪そう」「部屋数はいらないのに、そのせいでリビングダイニングが狭い」「玄関が狭い」「キッチンは対面が良い」といった意見をよく聞くのですが、これらは全てリノベーションによって実現できます。

そして実際に、多くの方がそういった間取りの不満の解消を望んでリノベーションを選ばれています。

2-3-2.デザインの自由さ

自分の思い通りのデザインに自由に仕上げることができるのもリノベーションの醍醐味です。下の写真は実際にゼロリノベでリノベーションされた方々のお宅です。人気の北欧テイストから和モダン、クラフト感のあるマテリアルミックスに好きな海外のホテルをイメージしたおうちなど、そのバリエーションは多岐に渡ります。

床材から壁紙、細かな建具やパーツまで全てオーダーメイドで作り上げるからこそ、世界に一つのオリジナル空間を作ることができるのです。自分たちの好きなデザインの住まいなら、毎日の充実度もきっとあがるはずです。

北欧デザイン北欧テイストのリノベーション

マテリアルミックスマテリアルミックス

ナチュラルモダンナチュラルモダン

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リノベーションの自由度と利便性がわかる7つの実例

先ほど、実例を用いてリノベーションの間取りやデザインの自由度についてご紹介しました。ここでは、リノベーションによって家事効率や快適性があがった、毎日の充実度が増したという実例を7つご紹介していきます。

「本当に自分たちの思うように作っていいんだ」と、リノベーションの可能性を奥深さを感じてもらえるはずです。

3-1.帰ってきたら掃除が終わってる!お掃除ロボットに全部お任せ、な生活

リノベーションをされる方の多くから「家事をラクにしたーい!」とご相談いただきます。間取りの作り方によっては帰ってくると掃除が終わっている生活も夢ではありません。

以下の事例はお掃除ロボットに掃除を全自動で任せるため、床をフルフラットにして段差をなくし、間取りをシンプルにすることで、お掃除ロボットの仕事が捗るように設計しました。隅々まで自由に動き回れるため、掃除を全て任せることができます。

さらに、こちらの事例では、キッチンを少し浮かせたスマートなデザインにしたことで、目立ちにくい場所に「お掃除ロボット基地」を設けることができました。生活感が出ず、リビングをいつもきれいにすっきり保つことができますよ。

3-2.収納を一箇所に集めることで持ち物を管理しやすく、散らからず

誰でも、生活していれば持ち物は増えてしまいがちですが、収納を一箇所に集めることで管理が簡単になります。なぜなら、収納が一箇所に集中していることで自分たちの持ち物を全て把握でき、「このスペースに入らなくなったらいらないものを手放す」というルールづくりもできるからです。

収納のしやすい間取り

上の間取りは、玄関の横に家族の収納スペースとして入り口が2つあるWICを作った事例です。黄色く囲った部分に収納を集めることで、管理もしやすく、その他のスペースにものが散らからず生活感がでにくくなるというメリットもあります。

また、玄関横にあるため帰宅後に上着やバッグ、小物をしまってリビングに行けるため動線としてもスムーズです。

3-3.子供の様子を見守りやすい見晴らしの良いキッチン

子どもが小さい頃は、常に目の届く距離で見守れると安心ですよね。下の事例は、キッチンをアイランド型にしてリビング・ダイニングと空間をつなげたことで、遠くまで視界が抜けるため子供がどこで何をしているのかが一目瞭然です。

また、子供にとっても親の顔が見えて、声が届くので安心して伸び伸びと遊べるようになります。

子供を見守りやすい間取り

3-4.憧れの設備を自由に選べて、導入できる

リノベーションの場合には、規格というものがないのでお風呂やキッチンのサイズもオーダーメイドで作ることができます。メーカーもお好きなものから選んでいただけます。間取りや広さを決める際の参考になるため、もし導入したい設備などがあれば、あらかじめ伝えておくと良いでしょう。

下記の事例は、2.8mと一般的なキッチンよりも広さのある造作キッチンです。天板はお客様自身が選んでいただいたものを提供してもらい、設置しました。さらに海外製の食洗機も取り入れたい!ということだったので、サイズに合うよう造作でジャストフィットな高さと大きさで仕上げています。

リノベーションなら設備などの予算配分が自由
自由に選べるからといってあれもこれもと欲張ってしまうと、途端に予算オーバーに。そんな時も、「キッチンをハイグレードにする代わりにお風呂を最低限のサイズに」など好みに合わせて予算配分が行えます。こういった予算配分は空間全体をゼロから作り上げるからこそできることです。設備だけでなく、フローリングや壁の素材、インテリアや家具など、自分たちが大切だと思うところに予算を使い、その他は最低限にすることで、コストパフォーマンス良く満足度の高い空間をつくることができます。

3-5.広々玄関なら混雑せずにストレスフリー、来客時にもさっと隠せる

先ほども触れましたが「玄関が狭い」という不便さもよく耳にします。そこで、下記は玄関スペースをかなり広めにとった事例です。ベビーカー2台+自転車までもおける広さを確保しており、奥にはSICも設けました。

これならすぐにものを隠せるので雑多な玄関の印象を抑えられます。さらに自転車やキャンプなど、アウトドアで使用するアイテムの収納にも最適。少し汚れがついてしまっていても、玄関土間なのでさっと掃除するだけで済みます。

お客さんが来た時にも、散らかった玄関を見せなくて良いのでストレスフリーに過ごせますよ。

広い玄関

3-6.趣味を満喫する、自分だけの「特別仕様」を導入

また、リノベーションならば憧れの設備だけでなく趣味を楽しむための仕掛けとして以下のような「特別仕様」にすることも可能です。

3-6-1.楽器を演奏できる防音室

防音室

上の写真は音楽好きなお客様が防音室を取り入れた事例です。YAMAHAなどのメーカーから出ている組み立て式の防音室キットを取り付ける場合と、好きなサイズや広さにオリジナルで作る場合と2通りあります。周りに気を使うことなく好きな時間に、好きなだけ演奏することができるため、音楽を満喫したい方にはおすすめです!

3-6-2.迫力満点な100インチのプロジェクターのある暮らし

プロジェクター

プロジェクターを使って巨大な画面で映画を見て楽しむお客様も多くいます。写真の事例は100インチを超えているため、迫力のある映像体験を楽しむことができます。これなら自宅が映画館に早変わり。お酒を飲みながらゆったり見ることもできますよ。

プロジェクターを投影する際には、ロールスクリーンを使う場合と、白い壁に直接映す場合の2パターンがあります。また、設計段階でプロジェクターの設置箇所や、どのあたりにソファを置くかなどを決めていくため、希望する場合はあらかじめ設計者に伝えておきましょう。

3-7.ロフトをベッドルームや収納にして空間を効率的に利用

限られた空間の中でも、効率的に暮らしたい!という方にはロフトがおすすめです。

ロフトならば空間を立体的に使うことができます。事例は下がウォークインクローゼット、上は夫婦のベッドルームになっています。上下の縦空間を有効に使えるため、延床面積を増やすことができるのです。

リビングの広さを確保したいときや趣味の部屋が欲しいとき、あえておこもり感のあるスペースが欲しい、というときにはロフトを検討してみてはいかがでしょうか?

ロフト

中古を買ってリノベーションを依頼する5つのデメリット

ここまでリノベーションの活用事例とメリットについて紹介してきました。しかし当然ながら、リノベーションにもデメリットはあります。

リノベーションのデメリットは大きく分けて5つあります。

  • 住むまでの期間が5〜6ヶ月かかる
  • 購入手順が多く手間がかかる
  • 想定外の追加費用がかかる場合がある
  • 選んだ物件によっては寿命が短いこともある
  • 物件の外観が古い場合がある

各項目について説明してしていきます。

4-1.住むまでに5〜6ヶ月かかる

リノベーションの設計と工事で5~6ヶ月

リノベーションをすると住み始めるまでに5〜6ヶ月かかります。設計担当とのプランの打ち合わせに2.5〜3ヶ月、工事に2.5〜3ヶ月がかかります。家賃の更新のタイミングや子供の入園、入学などに合わせるなら、かなり余裕を持って準備を行う必要があります。

また、その期間は家賃と住宅ローンの二重支払いとなります。物件を購入したタイミングで住宅ローンがスタートするためです。ただし銀行に交渉することによって、最初の5~6ヶ月は住宅ローンの金利分のみの支払いに収めることも可能です。その場合、住宅ローンの月々の支払いは2~3万円程度になることが多いです。

動き出しから完成までは1年みておくとベスト
物件探しは人によって期間が異なりますが、2ヶ月〜5ヶ月程度が目安となります。そのため、「1年後に引っ越す」くらいの気持ちでいると、ある程度余裕を持って動くことができます。

4-2.引っ越しまでの手順が多く手間がかかる

リノベーションには引っ越しまでに様々な手間がかかります。物件探し、ローン審査、物件契約に加えて、リノベーションの場合は、依頼先の決定や設計打ち合わせ、見積もり、工事など、ステップが追加されるためです。

この手間を最小限にし、スムーズに進めるコツは、物件探しもしてくれるワンストップのリノベーション会社に依頼することです。リノベーションに向いている物件かどうかや、リノベーションありきの住宅ローンの組み方や手続きのサポート、購入後にすぐ設計がスタートできる体制など各ステップでのサポートをしてくれます。

4-3.想定外の追加費用がかかる場合がある

リノベーションの工事のタイミングで想定していなかった追加費用がかかるケースがあります。古い内装を解体するときになって初めて、隠れていた物件ダメージを発見できるケースや、一部間取りなどの設計変更をせざるをえないケースなどです。例えば柱の傷があり補修が必要になった、実は断熱材が入ってない物件だったので新規で設置した、などは実際にあった事例です。

いずれもローンから捻出するか現金で補う必要があります。解体で何も見つからず、追加費用が発生しないケースもありますが、何か起きると思って少し現金を用意しておくのが安全だと言えます。ゼロリノベの過去の事例では、追加費用が発生しても、およそ30~50万程度でおさまることが多いです。

特例:アスベスト除去により400万以上の追加費用が必要になった例
仲介会社が他にあり、設計のみをゼロリノベで行なった事例で、400万円以上の追加費用が工事で発生したケースがあります。追加費用の内容は物件にアスベストが使われているのを発見したため、その除去費用が発生したというものです。これは物件の仲介会社とリノベーション会社が別々だったことが原因です。物件の仲介と設計をワンストップで行うゼロリノベでは、類似の事例が起きたことはありません。

4-4.物件によっては寿命が短いこともある

中古物件は選んだものによっては寿命が短かい場合もあります。適切なメンテナンス(マンションの場合は大規模修繕工事など)がなされていないためです。

寿命が短いと地震へのリスクや、もう一度家を買わないといけないといった金銭リスクにさらされるため注意が必要です。ただし、探し方によってこれらのリスクの回避は可能です。

4-4-1.長寿命物件かどうか担当にチェックしてもらう

仲介の担当者にチェックしてもらうことは必須です。そもそも、建物の寿命は管理状態によって左右されます。

マンションの場合、鉄筋コンクリートの寿命は117年と国土交通省の研究で紹介されています。一戸建てについても80年と言われたり100年住宅という商品も存在します。これは、いずれも適切なメンテナンスをしている場合であるため、物件を選ぶときにしっかり管理状態をチェックしてもらうことが重要です。

チェック方法は、マンションの場合は大規模修繕工事の履歴や修繕積立金の金額をチェックすること。一戸建ての場合は工法、材質、加工法、などです。いずれも個人での把握が難しいため、リノベーション会社の担当者にチェックしてもらいましょう。

またこれはリノベーション済み物件を購入する場合でも同じことが言えます。

4-5.物件の外観が古い場合がある

4-5-1.中古マンションは個人で外観を変えられない

中古マンションは個人の意思で外観を変更することはできません。ドアや外壁などの外観に関わる部分はマンションの「共有部分扱い」とされているからです。共有部分が変更がされる場合は、マンションの管理組合によって決定され大規模修繕工事として行われます。

物件探しの際に、どうしても外観がゆるせない物件もあるかもしれません。予算や広さなど他の条件と照らし合わせて妥協できるポイントになりうるかどうかを検討してみましょう。中には、味わいのある古さがブランドとなったヴィンテージマンションと呼ばれるものもあります。物件価値について、担当者の意見を聞いてみるのも良いかもしれません。

4-5-2.戸建ての場合は外観変更は可能だが別途費用がかかる

戸建ての場合は、所有者は自身なので外観も自由に変えることができます。

工事によって外観のデザイン変更が可能ですがリノベーション費用とは別に追加で費用が必要です。例えば100㎡の家の場合、外装塗装ならおおよそ150万円*から工事ができます。もちろん使用する外装材の種類やグレードによって、費用は変わってきます。
*リノベーション費用はゼロリノベでリノベーションした場合で試算

\一級建築士監修のWEBセミナー/

リノベーション済み物件の3つのメリット

では次に、リノベーション済み物件のメリットについてみていきましょう。リノベーション済み物件とは、主に不動産会社や売主側がリノベーションし販売している物件です。

リノベーション済み物件のメリットは大きく分けて3つあります。

  • すぐ住める(最短3週間〜1ヶ月)
  • リノベーションを依頼するよりも総額は安く済む
  • 間取りや設備を確認してから購入できる

各項目について説明してしていきます。

5-1.すぐ住める(最短3週間〜1ヶ月)

リノベーション済み物件はすでに完成しているため購入してすぐ住むことができます。物件検索サイトで調べ、気に入る物件を見つければ、住宅ローンの事前審査、本審査、物件契約、引き渡しまでで、おおよそ1ヶ月程度となります。リノベーションする場合に比べかなり早く住まいを手に入れることができるため、自分たちの住み替えのタイミングに合わせやすいと言えます。

ただし、1ヶ月というのは契約から引き渡しの期間であり、物件を探す期間は含まれていません。人によっては1年以上期間が必要な場合もあるため、住宅購入を検討しているなら物件探しは早めにスタートすることをおすすめします。

5-2.リノベーションを依頼するよりも総額は安く済む

住まいにかける費用を一番抑えられるのはリノベーション済み物件の購入です。なるべく費用をおさえられる素材や設備を使い、画一的な間取りで工事を早く終わらせるため、オリジナルで要望を聞いてリノベーションをする場合よりも人件費や工事費用がかからずリーズナブルになるのです。

リノベ済み物件が何もしてない物件の相場価格と変わらない理由
世の中には財産分与などですぐに物件を売ってしまいたい人がいます。そういった方に向けて、不動産屋が「すぐに現金で買います。その代わり相場より1000万安い金額で」と売主と交渉します。そしてなるべく安く500万円程度でリフォームやリノベーションを行い、そこへ利益を500万円のせて、売り出すときに相場近くの金額を設定します。こうすることで、相場価格と同等でも利益が出るような仕組みになっているのです。

5-3.間取りや設備を確認してから購入できる

リノベーション済み物件の場合は、購入予定の物件を内見で確認してから買うかどうかを決めることができます。間取りやデザイン、入っている設備などを細かくチェックすることができるため、どのように暮らせそうか具体的なイメージが湧くでしょう。

すでに導入されている設備や部屋の間取りに納得がいくものであれば、リノベーションするよりも安く・早く手に入るのがリノベーション済み物件ということです。

リノベーション済み物件の4つのデメリット

リノベーション済み物件のデメリットは主に以下の4つです。

  • 好みの間取りやテイストを見つけるのは困難
  • 中古物件全体から見ると数は多くない
  • 表面しか綺麗にしておらず配管が古いままの物件もある
  • 物件の外観が古い場合もある

各項目について説明してしていきます。

6-1.好みの間取りやテイストを見つけるのは困難

リノベーション済物件では、自分たちに合った間取りやテイストを見つけるのは困難な場合が多いです。

先にお伝えした通り、多くの場合、画一的なデザインや間取りで仕上げるため、費用が抑えられる分、似た内装の物件が多く流通しているのが実情です。リノベーション済み物件を検索すると、新築テイストで間取りも一般的なものが多数です。間取りや設備へのこだわりがなく、価格や住むまでの期間にフォーカスする人におすすめと言えます。

以下は参考までに、実際に仲介したリノベーション済み物件の写真です。

リノベーション済み物件1

リノベーション済み物件2

6-2.中古物件全体から見ると数は多くない

リノベーション済み物件は中古マンションの物件数全体から見ると、数は多くはありません。リノベーション済み・リフォーム済み物件は中古物件数のおよそ1/5程度です。これは、希望のエリアに物件がないことや、物件探しが長引くことによる家賃生活の長期化につながります。

東京の中古マンションの物件数は8,630件であり、物件検索サイト(アットホーム)でリフォーム済み・リノベーション済みのマンションを東京都で検索すると1,967件がヒットしました(2023/05/16日時点)。

一戸建ての場合はより顕著です。東京都で流通している中古一戸建ては2,860件で、リノベーション・リフォーム済みの物件は315件でした。

全体から見ると数が限られているため、住みたい駅やエリアに物件があった場合、早めの行動をおすすめします。

6-3.表面しか綺麗にしてない配管が古いままの物件もある

室内の表面のみを綺麗にし、床下の配管が古いままになっている物件があるので注意が必要です。なぜなら配管にも寿命があるからです。キッチン、トイレ、お風呂などの排水管はフローリングの下を通っており、寿命が近づくと漏水する可能性があります。

また配管を交換するとなると、フローリングを切断する大きな工事になる可能性もあります。購入前にどんな工事内容だったのかを売主業者に確認してもらうよう仲介担当者に依頼しましょう。

もし配管がそのままだった場合、どんな素材の管が使われているか確認しましょう。ステンレスの場合は半永久的に使用できますが、その他の素材が使われており、20年前後経過しているのであれば配管交換の工事をするのがおすすめです。

6-4.外観が古く許せない物件も

先にお伝えしたとおり、リノベーション済み物件でも外観が許せないマンションや戸建ても出てくる可能性があります。マンションの場合は個人では変更できず、戸建ての場合は追加費用によって変更が可能です。

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新築物件のメリット

では、次に新築のメリットとデメリットについても説明していきます。

新築の最大のメリットとしては「建物まるごと新品」だということです。

マンションであれば、専有部分の内装や設備だけでなく、エントランスやエレベーターなど共有部分もピカピカ。保育所やコワーキングスペースなど必要な施設も充実しているかもしれません。

一戸建てであれば、トレンドの外観デザインが反映されていたり、最新の素材が使われていることも。誰も住んだことのない新品の空間は清々しいものです。さらに、中古に比べれば築年数が一番若いため、物件寿命としては有利と言えるかもしれません。

しかし、先ほどもお伝えしましたが、建物の寿命において重要なのは「管理状態」です。新築だから長寿命ということは決してありません。これからのメンテナンス状況と住人の管理意識によって左右されるのです。

新築物件の3つのデメリット

新築物件のデメリットは主に以下の3つです。

  • 手の届きにくい高価格帯
  • 設備のグレードは一般レベル
  • 画一的な間取りやテイスト

各項目について説明してしていきます。

8-1.手の届きにくい高価格帯

8-1-1.新築マンション(23区)の平均価格は7,640万円

東京23区の新築マンションの平均価格を調べると7,640万円[※1]。かつ面積平均は61.01㎡です。一方、70㎡の23区の中古マンションの平均価格を計算すると6,111万円[※2]であり、平均価格で1,500万円前後の差が生まれます。
[※1]マンションエンジン
[※2]ホームズ (築年数条件は不問)

8-1-2.新築一戸建て(23区)の平均価格は6,571万円

東京23区の新築一戸建ての平均価格は6,571万円です[※1]。中でも人気である世田谷区の平均価格は1億1,065万円。目黒区は1億6,981万円という結果です。
[※1]アットホーム

8-1-3.年収600万円の人が買っていい家の金額は3,428万円

一般的に住宅ローンの安全な返済額は5倍〜6倍と言われ年収600万円の場合は3,000万〜3,600万円の範囲となります。もちろん月ごとの平均的な支出から計算されているので家庭や共働きの場合を考えると誤差は出ます。しかし、23区の新築マンションに限ると、購入すると破綻してしまう可能性があります。

国税庁の調査から年収600万円の人は全体の6.3%とわかっています。多くの人にとって新築マンションの価格は手の届かない領域になってきてしまっていると言えるでしょう。

8-2.設備は一般レベル

新築物件の設備は一部の富裕層向けマンションや戸建て物件を除けば設備のグレードは一般的です。ショールームなどでお風呂やキッチンのメーカーと品番を覚えておけば調べることができます。モデルハウスを内見する際に、担当者に聞いてみても良いでしょう。またグレードをあげる場合はオプション費用がかかることがほとんどです。

8-3.画一的な間取りやテイスト

新築物件を請け負う会社は限られており、使う資材も似てくるため、間取りやデザインはある程度パターン化してきます。注文住宅や建築家へ依頼をする場合は別として、リノベーション済み物件と同じく、間取りやデザインへのこだわりが少ない人におすすめと言えます。

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住まい購入の最初のステップは会社と早くコンタクトをとること

ここまで住まいの購入の選択肢を比較してきましたが、住まいを検討しているならば、なるべく早く、気になる会社へ相談したりセミナーに参加して情報を得ていくことをおすすめします。新築にするか、中古にするか定まっていなくても大丈夫です。

とにかく早く動き出すべき理由は主に3つあります。

9-1.毎月の家賃で住まいに使えるお金が流出しているから

例えば家賃10万円の物件に10年暮らしたら更新料などを抜きにしても1,200万円がかかります。自分たちの住まいの購入費用に充てられていたはずのお金が、賃貸のお金が流れていってしまうのはとてももったいないことです。住宅購入に早すぎるということはありません。思い立った「今」が最良のタイミングです。

9-2.健康なうちしか住まいは購入できないから

住宅ローンを組むときには団体信用生命保険というものに加入することがほとんどです。これは、ローンを借りた人に万が一のことがあった場合に保険会社がローンを支払ってくれるというものです。しかし、健康状態があまりよくない場合は、そもそも保険に加入ができず、住宅ローンを組めない可能性も十分ありえます。健康リスクは年齢とともに上がります。健康なうちに動き出すことをおすすめします。

9-3.話を聞いて会社の雰囲気がわかり情報収集にもなるから

会社も結局は相性です。合う合わないがあります。そういった肌感覚は、気になる会社でセミナーや個別相談を受けて実際に話をしてみないとわかりません。広告やCMはあくまで作られたイメージです。つっこんだ質問や悩み事、細かい部分などを相談して、自分たちに合うか合わないかを判断しましょう。

まとめ

今回の記事で重要なポイントをまとめで再度確認します。

自分たちに向いている住まいが決まったら、なるべく早く気になる会社にコンタクトをとり、情報取集をスタートさせ、ベストな住まいをみつけていきましょう。家賃、健康、会社の相性の3つがキーポイントです。

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