2021.07.02 更新 2018.08.06 公開

マンションの耐用年数は47年/寿命は100年以上!長寿命の決め手

マンション 耐用年数
  • マンションの耐用年数ってどれくらい?
  • 耐用年数を過ぎたマンションってどうなるの?

マンションの耐用年数は、鉄筋コンクリート造の場合47年と税法で定められています。

これはあくまで減価償却費計算のための数値で、マンションの物理的な寿命とは関係がありません。耐用年数を過ぎていても、安心して住むことができます。

この記事では、次のような内容を解説しています。

  • 構造別のマンション耐用年数一覧
  • マンション寿命を決める要素と長寿命マンションの見極め方
  • 耐用年数を用いた減価償却の計算方法
  • 耐用年数を過ぎたマンションがどうなるか

本記事を読み終わる頃には、マンションの耐用年数と物理的な寿命の違いが分かり、長く住めるマンションを見極めることができるようになるでしょう。

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“【著者】ゼロリノベ編集部"

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ゼロリノベ編集部

「住宅ローンサポート・不動産仲介・リノベーション設計・施工」をワンストップで手がけるゼロリノベ(株式会社groove agent)。著者の詳しいプロフィール

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マンションの耐用年数は47年の場合がほとんど

構造別 耐用年数 一覧上の表は、構造別で建物耐用年数を一覧にまとめたものです。鉄筋鉄骨コンクリート造、鉄筋コンクリート造のマンションは、耐用年数が47年に定められています。

現存する多くのマンションはコンクリート造であるため、ほとんどが耐用年数47年と考えることができます。

1-1.マンションの残存耐用年数の計算方法は2種類ある

減価償却を計算する際には、残存耐用年数が必要です。この残存耐用年数の計算方法には2種類あります。

・築年数が耐用年数を超えない場合
中古マンションの耐用年数
=47年−(築年数×0.8)

・築年数が耐用年数を超えている場合
中古マンションの耐用年数
=47年×0.2

1-1-1.投資用物件は減価償却で節税できる

居住用物件で購入する場合はローン減税があるため、あまり関係がありませんが、投資用にマンションを購入する場合は減価償却で節税ができます。

減価償却の計算方法は2通りあります。

・定額法
減価償却の対象額を利用可能期間(耐用年数)、毎年同じ金額を配分していく方法。

・定率法
定率は、利用可能期間(耐用年数)の初めの方に多額の減価償却費を計上して、耐用年数の後期になるほどその金額が減少していく方法。

減価償却費は、次の計算式で求められます。

減価償却費=建物の購入価額×償却率

より詳しく知りたい方は、投資用中古マンションにおける減価償却額の計算方法を説明したこちらの記事もご覧ください。

 

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マンション耐用年数=寿命ではない

耐用年数は、マンションの物理的な寿命とは関係がありません。耐用年数(法定耐用年数)とは、減価償却が利用できる期間のことを指します。

これは、減価償却資産が利用できる期間を税法で定めたものであり、マンションそのものの耐久性に関わるものではないのです。

2-1.鉄筋コンクリート造マンションの物理的寿命は117年

国土交通省がまとめた「RC造(コンクリート)の寿命に係る既住の研究例」によると、マンションの物理的な寿命は117年と言われています。

・「鉄筋コンクリート造建物の物理的寿命を117年と推定」飯塚裕(1979)「建築の維持管理」鹿島出版会)

・「鉄筋コンクリート部材の効用持続年数として、一般建物(住宅も含まれる)の耐用年数は120年、外装仕上により延命し耐用年数は150年」(大蔵省主税局(1951)「固定資産の耐用年数の算定方式」)

100年を超えても、物理的なマンションの耐久性には問題ありません。ただし、この寿命を全うするためには2つの要素が重要になります。

続く3章で詳しく解説していきます。

マンション寿命は耐用年数ではなく「管理状態、立地」で決まる

マンション寿命 要素マンションの寿命は、「管理状態、立地」の2つの要素で決まります。それぞれについて、詳しく解説します。

3-1.管理状態が寿命に影響する

管理状態の良いマンションは、寿命が長くなる傾向にあります。マンションの大規模修繕が定期的に行われているかどうか、といった管理状態は、マンションの寿命を決める重要な要素です。

特に、外壁工事や防水工事、配管工事が行われているかどうかが大切になります。

マンションが物理的な寿命を全うするためには、躯体であるコンクリートを守るタイルや防水塗装などを定期的に修繕しなければなりません。外壁のヒビを直したり、防水工事を行うことで、コンクリートの劣化を防ぐことができます。

また、配管をメンテナンスすることで、漏水によるコンクリートの劣化を防ぐことが可能です。

逆を言えば、こうした修繕が行われていなければ、マンションが劣化していってしまいます。

3-1-1.管理状態が良いマンションを長期修繕計画で見極める

今後の計画を調べ、管理状態を見極めるために、長期修繕計画が活用できます。

大規模修繕はマンションの管理組合が主体となり、概ね13年~16年で行われます。その内容や予算を計画するのが、長期修繕計画です。

参照:国土交通省『マンション大規模修繕工事に関する調査』

定期的な大規模修繕が建物の寿命を保つためには欠かせませんが、中にはこうした修繕を行っていないマンションもあります。売主や仲介業者に、大規模修繕が行われているかどうかを確認してみましょう。

また、毎月住民から修繕積立金が回収されているか、その金額は極端に安くなっていないか? 管理体制を知る目安として、長期修繕計画を活用するのがおすすめです。

より詳しく知りたい方は、マンションの大規模修繕の実施内容や期間・費用などについて解説したこちらの記事もご覧ください。

鉄筋コンクリート造マンションの耐震性

マンションには、新耐震基準のマンションと、旧耐震基準のものがあります。新耐震基準の建物は、昭和56年6月1日以前に「建築確認申請」が役所で受理され、証明書が発行されているかどうかで判断されます。

次の表は、それぞれの基準をまとめたものです。

耐震基準 一覧旧耐震基準では、大規模の地震災害について基準を設けていませんでしたが、新耐震基準では大規模の地震が起きた場合に倒壊しないことを基準としています。

実際の被害状況を調べてみました。東京カンテイの調査によると、東日本大震災で被害を受けたマンションのうち、旧耐震・新耐震の差は特に無かったということです。

もちろん、新耐震基準のものを選ぶほうが精神的にも安心かと思います。しかし、旧耐震=危険ということではありません。修繕・管理がしっかり行われていれば、旧耐震のマンションでも問題なく住むことができます。

耐震性の高いマンションに住もうと金銭的に無理をするよりも、ご自身の予算と相談しながら、耐震性についても考えてみてください。

 

築年数30年以上のマンションが2039年には約4.2倍になる

国土交通省 マンション 築30年超 戸数国土交通省の調査によると、築30年超のマンション戸数は、20年後には約4.2倍になると言われています。

築年数の経過したマンションのストック戸数が増加するということは、購入する際に中古マンションの選択肢が増えるということです。

すぐに戸数が増加するわけではありませんが、今後、中古マンションの購入を検討している方にとっては、より選択肢が広がるということになります。

3-2.立地がマンション寿命に影響する

立地は、マンションの寿命を左右する重要な要素の一つです。立地について、3つの観点から、マンション寿命に立地が影響するかどうかが考えられます。

  • 塩害を受けやすい場所に建設されている
  • 再開発計画が立てられている
  • マンションの空室が発生しやすい

それぞれの要素について説明していきます。

3-2-1.海岸沿いなど塩害を受けやすい場所はマンション寿命を早める可能性あり

海岸沿いや、潮風のあたる場所など、塩害を受けやすい場所にあるマンションは、他のマンションと比べて劣化しやすい傾向にあります。

特に、外壁塗装や、外に出ている給湯器、エアコン室外機などの設備への影響が気になります。エアコン室外機に関しては、次のような基準が定められ、塩害対策仕様の機器を販売しています。

  • 海から300m以内:重耐塩仕様
  • 海から300m~1km:耐塩仕様

海沿いで住まいを探されている方は、過去の修繕内容を確認して、定期的な外壁修繕、設備修繕が行われているか確認してみましょう。

3-2-2.再開発計画で建て替えや取り壊しが起こる可能性あり

再開発計画がある地域や区画整備が行われる地域では、その地域の経済性を優先してマンションの建て替えや取り壊しが起こる場合もあります。

日本で初めての建て替えマンションは、渋谷区の「宮益坂ビルディング」です。マンションの耐久性に問題はなかったものの、渋谷駅周辺の再開発計画により、取り壊し・建て替えが行われました。

3-2-3.立地が良ければ空室が出にくく、修繕積立金を回収しやすい

マンションの空室をなるべく作らず、十分な修繕積立金を集めるために、マンションの立地と利便性が重要です。

もし、空室が多く修繕積立金を十分に回収できていなければ、大規模修繕を行うこともできず、もし耐久性に不備が生じた場合でも資金不足で建て替えが難しくなります。

例えば駅から徒歩10分以内の場所にあるマンションや、ターミナル駅周辺のマンションは、一般的に見て賃貸・分譲どちらの場合でも人気が高い傾向にあります。

築年数が経過したマンションで、今後も長く住める物件をお探しの場合は、利便性の良さを優先条件として探してみるとよいでしょう。

 

ハザードマップでエリアを絞るよりも、参考程度に確認するのがおすすめ

ハザードマップポータルサイト住みたいエリアを選ぶ際、災害リスクが気になる場合は、国土交通省のハザードマップポータルサイトが便利です。土砂災害、水害、地震・津波の被害予想を地域ごとに調べることができます。

地震・水害・地盤の弱さが理由でマンション自体が倒壊する可能性は低いですが、万が一の事態に備えて避難経路などはしっかり確認しておきましょう。

まずは予算やライフプラン、譲れない条件などから物件をいくつか探し、その後、気になる方は災害の被害予想などもチェックしてみてください。

 

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耐用年数を過ぎたマンションには3つの選択肢がある

耐用年数を過ぎたマンションがその後どうなるのか、3つの選択肢があります。

  • 建て替え
  • 大規模修繕を繰り返し耐久性を維持
  • 区分所有権を解消し敷地売却

それぞれについて説明していきます。

4-1.マンションが建て替えられる可能性は低い

マンション 建て替え 可能性が低い理由マンションが建て替えられる可能性は非常に低くなっています。実際に、国土交通省の調査によると、マンションストックは全国で約665万戸あり、そのうち建て替えが行われているのは254件、戸数で言うとおよそ20,000戸です。

戸数を元に計算すると、全国にある約665万戸のマンションのうち、建て替え済みのマンションはわずか0.3%であることが分かります。

なぜ建て替えが起こりにくくなっているのでしょうか。理由は二つあります。

  • 一戸あたり1,000万円以上の高額な費用がかかる
  • 住民の5分の4以上の賛成が必要

それぞれについて、詳しく説明していきます。

4-1-1.一戸あたり1,000万円以上の費用がかかる【理由1】

現在の建物を取り壊し、一度更地にして新しくマンションを建設する場合、一戸あたり1,000万円以上、多い場合だと2,000万円以上の費用負担がかかります。

建て替えの可能性を左右するポイントが、余剰容積率です。敷地内にスペースがある場合、そこに新しい棟を建設することができます。

このケースでは、住民が持ち出し資金で建て替えを行うのではなく、新しく建設したマンションの販売利益や家賃利益をもとにマンション建て替えが可能になります。

そうした余剰スペースが無い場合は、現在住んでいる建物の取り壊し、新しい建物の建設費用、設備費用など、高額な予算を住民から集める資金で賄わなければなりません。

4-1-2.住民の5分の4以上の賛成が必要【理由2】

建て替えを実現するためには、住民の5分の4以上の賛成が必要になります。

高額な費用が必要になる場合や、住民の多くが高齢者である場合、建て替えの賛同を得ることが難しくなります。

建て替えの合意形成は、建物が大規模になればなるほど難しくなる傾向にあります。実際に、建て替えを行った物件の約8割は100戸以下のマンションです。

これらの理由から、耐用年数を過ぎた場合であっても、建て替えが実現しにくくなっています。

4-1-3.持ち出し資金がなしで建て替えられるなら賛成でOK

もし、自分の所有するマンションで建て替え案が出てきた場合、その後の選択肢は3つあります。

  • 持ち出し資金がなしで建設できるなら賛成でOK
  • 持ち出し資金あり、自己資金もあるなら賛成または売却
  • 持ち出し資金あり、自己資金がなければ反対または売却

持ち出し資金が必要なく建設できるケースというのは、マンションの余剰容積が十分にある場合です。

このケースでは、新しく建設したマンションの売却益から資金を回収できる可能性があります。

気を付けなければならないのは、持ち出し資金がある場合です。特に、持ち出し資金が必要で自己資金が無い場合は、反対または売却をし、新しい住まいに引っ越すという選択肢もあります。

とは言え、最初にお伝えしたとおり、マンションでの建て替えはほとんど起きないと言えるでしょう。

4-2.大規模修繕でマンション寿命を延ばす

建て替えできない場合の選択肢として、大規模修繕を定期的に継続しマンション寿命を延ばす方法があります。

大規模修繕でマンション寿命を延命していく場合、想定外の経年劣化で追加の費用が必要になる等、様々な要因で修繕積立金が値上がりする可能性があります。

他方で、近年では老朽化マンションの寿命を延ばすための技術革新も進んでいます。築年数の経過したマンションを長く使用するための方法は今後増えていくでしょう。

4-3.区分所有権を解消して敷地売却する

大規模修繕でマンション寿命を延命する選択肢が一般的ですが、その他に区分所有権を解消して敷地売却する方法があります。

敷地売却の場合は、区分所有者の5分の4の賛成で、土地と建物を売却することができます。この場合、分配される売却利益が少ないと、引っ越し費用に満たないケースもあるので注意が必要です。

とは言え、最初にお伝えしたとおりマンションの建て替えは概ね起こりにくいと言えるでしょう。

より詳しく知りたい方は、マンションの建て替えについて説明しているこちらの記事もご覧ください。

 

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まとめ

この記事では、マンションの耐用年数について解説しました。最後にポイントをおさらいしましょう。

・マンションの耐用年数は鉄筋コンクリート造の場合47年です。

構造別 耐用年数 一覧・残存耐用年数の計算方法は次の2通りです。

築年数が耐用年数を超えない場合
中古マンションの耐用年数
=47年−(築年数×0.8)

築年数が耐用年数を超えている場合
中古マンションの耐用年数
=47年×0.2

・マンションの耐用年数=寿命ではありません。
マンション寿命 要素

鉄筋コンクリート造の場合、マンションの物理的寿命は117年と言われています。この物理的寿命を全うするためには、管理体制と立地の2点がポイントになります。

・投資用物件の場合、減価償却で節税が可能です。減価償却には2通りの方法があります。

定額法
減価償却の対象額を利用可能期間(耐用年数)、毎年同じ金額を配分していく方法。

定率法
定率は、利用可能期間(耐用年数)の初めの方に多額の減価償却費を計上して、耐用年数の後期になるほどその金額が減少していく方法。

また、減価償却費の計算方法は次の通りです。

減価償却費=建物の購入価額×償却率

・耐用年数を過ぎたマンションがどうなるか、その選択肢は3つあります。

建て替え
大規模修繕を繰り返し耐久性を維持
区分所有権を解消し敷地売却

このうち、建て替えに関しては、高額な費用負担と住民の5分の4以上の賛成が必要となるため、実現に至らないケースが多いのが現状です。

マンション 建て替え 可能性が低い理由鉄筋コンクリート造マンションの耐用年数47年を過ぎても、すぐに住めなくなることはありません。長く耐久性を保つ長寿命マンションを見極めたい時には、立地と管理体制を気にかけて住まい探しをしましょう。

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